『ユダヤ人とダイヤモンド』 守誠 著 幻冬舎

ダイヤモンドの輝きは、ユダヤ人が生きるために、命懸けで作りあげたものだったんです。

icon
icon
ダイヤの原石が発掘されたのは、古代インド。
しかし、当時はルビーやエメラルドのような色石が好まれていたため、ダイヤはルビーの8分の1の価値しかありませんでした。
ダイヤの価値が高まったのは、中世ヨーロッパ。ダイヤの研磨技術が発達してからのこと。ブリリアントカットの技術が確立されたことで、ダイヤは宝石の主役に躍り出ます。

そんなダイヤに目をつけたのは、ユダヤ人でした。
ユダヤ人には、職業の自由が無かったため、当時ギルド(組合)がなかったダイヤ業界に「新規参入」。研磨技術のノウハウを蓄積していきました。
また、高利貸しを営むユダヤ人が多かったので、借金の担保として差し出される宝石の選択眼が、ダイヤの価値の選定に役立ったのです。
しかし、ユダヤ人とダイヤを強く結びつけたのは、たびたび起こったユダヤ人に対するディアスポラ(離散)でした。
政治情勢が変わると、真っ先に追い出される彼らにとって、ダイヤは、高価で持ち運びできて換金しやすい「命綱」だったのです。

ただ、大航海時代に入って、南アメリカなどの植民地でダイヤ鉱山が次々発見されると、原石の供給過剰や不景気によって、ダイヤの価格が暴落しました。
価値を安定させるために、原石の供給と流通をコントロールすることが重要と考えたユダヤ人経営者の間で、採掘権の買収合戦が勃発。勝利したのは、ユダヤ系金融の雄、ロスチャイルド家と、現在も存続しているデビアス社でした。

第二次大戦が始まると、ナチスは、ダイヤの加工・流通の中心である、オランダのアムステルダム、ベルギーのアントワープを攻略。ダイヤという軍資金の獲得と、ユダヤ人の殲滅の一石二鳥を狙います。
しかし、すぐにユダヤ人を捕らえたりせず、届け出れば当面は商売を保証しました。これは、ダイヤのありかをすべて把握した段階で、ユダヤ人からごっそり奪うための作戦でした。
すべてがナチスの思いどおりになるかと思われましたが、ダイヤに目が眩んだナチスの将校が、ほとんどのダイヤを横領してしまって、今も行方知れず(^^;
多くのユダヤ人が、収容所で殺されてしまいましたが、戦後も、そして現在も、ダイヤの取り引きにユダヤ人が深く関わっていることは、続いています。

「ダイヤモンドは永遠の輝き」なんて言ってるけど、所詮、他人が作った価値でしかありません。
燃えてしまえばただの炭。焼き鳥を焼くには小さ過ぎます(笑)。

にほんブログ村 本ブログへ
にほんブログ村
[PR]
トラックバックURL : http://juneh.exblog.jp/tb/9995525
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]
※このブログはトラックバック承認制を適用しています。 ブログの持ち主が承認するまでトラックバックは表示されません。
by june_h | 2009-07-17 20:58 | 本 読書 書評 | Trackback | Comments(0)