カテゴリ:観劇 観戦 コンサート レポート( 180 )

初観能でした。能はよくわからなかったけど、心地良いひとときでした。
もう少し勉強していれば、もっと楽しめたと思うのですが。
そんなわけで、今回のレポートは、能の感想というより、かなり脱線した内容となっています。あしからず。


■素謡「翁」
・シテ:長谷猪一郎
家から近いと思って油断して、開演ギリギリに駆け付けた私と母は甘かった!
客席は既にすし詰め。毎年の初詣の賑わいは見慣れているけど、境内にこんなに人がいるのを初めて見ました。のんびり昼寝してご飯なんか食べている場合じゃなかった(-_-;;

謡が既に始まっていたのて、関係者のご厚意で、上手の袖近くに座らせていただきましたが、下手側(橋懸がある方)はほとんど見えず。短い演目だったので、終わってから、関係者にお礼を申し上げ、客席に移動しました。


■仕舞「忠度」
・シテ:塚原明
かなり後方の空席を見つけられたものの、石灯籠と狛犬があって、やっぱり橋懸はよく見えず。まあ、しょうがないですね。
ちゃんと舞台が見える狛犬ちゃんが羨ましいなぁ、なんて思いながら見渡すと、かなり良い雰囲気。
能舞台のバックには、ライトアップされた御神木の大銀杏。
風一つない闇の中、天を指して燃えるかがり火。
空には満天の星と半月。
大雨だった昨日とはうって変わって、絶好のコンディションでの観能でした。

そんな中、イビキをかいて眠る母(^^;;;

さてさて演目の「忠度」とは、源平時代の武将、平薩摩守忠度のこと。
大変な和歌の名手で、彼の歌が、歌い手として最高の栄誉である勅撰和歌集に記載されることになった。しかし、平家は逆賊となってしまったため、和歌集に歌は載ったものの、「読み人知らず」とされ、彼の名前は残らなかった。
忠度の霊が、その無念の思いを伝えようと、人の前に現れて舞うのです。

余談ですが「薩摩守」は、電車のキセルの隠語でもあります。どうしてかって?だって「タダノリ」だから(笑)。


■狂言「呼声」
・シテ:野村萬斎
今回は、能よりも、この萬斎さんが出演する狂言を楽しみにしていたお客さんも多かったのではないでしょうか。
これはわかりやすかったので楽しめました。

次郎冠者が呼んでも、居留守を使ってちっとも出て来ない太郎冠者。次郎冠者がいろいろ声の調子を変えて呼ぶと、太郎冠者もそれに合わせて返事をする。
次郎冠者が踊り歌いながら呼ぶと、太郎冠者も踊り出して出て来てしまい、とうとう見つかってしまう、というオチ。

コントを繰り返しているうちに、リズムが生まれて踊り出してしまうなんて、まるで最近流行ってる「ラララライ♪」でお馴染みの藤崎マーケットみたいじゃん、って思いながら見てました。

萬斎さんは声が美しい!
他の演者さん達は、髪の毛をちゃんと刈り上げていたのに、萬斎さんだけ今風のフェミニンな髪型だったのが気になりました(笑)。


■能「半蔀」立花供養
・シテ:櫻間右陣
今回のメインディッシュですね。しかし、私の母は爆睡。私は寝なかったけど、観ながら全然別のことを考えていました。
時折、意識が舞台に戻って、鼓の音がキレイだなあ、衣装がステキだなあ、と思う程度。

『源氏物語』の登場人物、夕顔の霊との邂逅が主題になっている演目ですが・・・・・先週も解説してもらったのに・・・・・どうしよう、さっぱりわからなかった!
夕顔は遊女っぽい女性と言われていることから、「今のキャバクラ嬢やソープ嬢も、千年も経てば高尚な芸術になって、みんなにありがたがられるのかしらん」と、バカなことを連想しながら観ておりました。


そんなこんなで、散々な初観能でございました。
ここまで読んでくださってありがとうございました。オソマツサマでした。
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by june_h | 2007-10-22 21:12 | 観劇 観戦 コンサート レポート | Trackback | Comments(4)

来週催される「春日部薪能」の予習です。
毎年開催されているこの薪能。私、今年、生まれて初めて観能することになりました。

境内に入ると、神殿と向かい合うように、能舞台ができていました。
でも背景には、よく見る松の絵はありません。松の代わりに、御神木の大イチョウをバックにしているのです。そんなわけで、だいぶ雰囲気が違います。

講師は、金春流シテ方の櫻間右陣さん・・・・・と書いてはみたが、私は能についてはほとんど知らず。
歌舞伎とも全然違うんだよねー。「素謡」とか「仕舞」とかなんだべや?というレベル。
能の役者は、主役(シテ方)と脇役(ワキ方)が完全に分化されてて、それぞれの流派があるらしい。私がかろうじて知っていた「宝生流」や「観世流」は、主役しかやらない流派らしい。歌舞伎も役者の上下関係や血筋の区別が厳しい世界だけど、能の方がさらにスゴい!

最後に「半蔀」の触りの実演があったけど・・・・・いやー、私、これを寝ないで見ていられる自信ない(-_-;;;
歌舞伎よりさらにスローだし、言ってること全然わかんないし・・・・・イヤホンガイドあるといいんだけど・・・・・。来週までに、もちょっと勉強していかなくちゃ。

それにしても、日中だったのに寒かった(∋_∈)ちゃんと防寒してったつもりだったけど、外でじぃっと風に吹かれっぱなしでいるのは寒い。
来週はもっと寒そうだし、夜だから、もっと着こんでいかなくちゃ!
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by june_h | 2007-10-14 07:22 | 観劇 観戦 コンサート レポート | Trackback | Comments(0)

昼休みに本を買ったら、講演会の整理券をいただきました!ラッキー!ということで、行って参りました。

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この講演会は、彼のエッセイ本の発売記念に開かれたもの。もう13年も雑誌『SPA!!』に連載されているエッセイ「ドン・キホーテのピアス」で、私は毎週欠かさず立ち読みしています(笑)。そんなわけで、本の中身は既読のものばかりなんですが、鴻上さん曰く「毎週立ち読みしているヤツは、エッセイ本が出たら、「毎週タダで読ませてもらってる贖罪」のつもりで買え!」ということで、今回購入しました(笑)・・・・・というのはウソで、私は、エッセイ本に関しては、ちゃんと毎回買ってます。

講演内容は、先日なんとか終わった『トランス』のイギリス公演のウラ話。
連載されているエッセイの文字数には、とても収まりきれないような数々のハプニングが起こったそうで、機関銃のように、イギリスでのお話を語ってくださったんですが、公演初日までしゃべったところで、残り時間があとわずか!となってしまい、あとは駆け足に。もう1時間あればな~。残念!

届いた小道具のあり得ないミスから始まって、俳優が急病になったり、劇場で滝のような雨漏りがあったり、照明が使えなくなったり・・・・・今度、一連の「事件」を詳しく書いたエッセイを出したいとのことですが、「芝居や小説のように、ウソでしょ?と思うくらいコテコテのハプニングが次から次へと起こった」。
確かに、「あらすじ」を聞いていると、三谷幸喜のドタバタ喜劇のようです(笑)。

イギリスの演劇学校でクラスメイトだった、『ロード・オブ・ザ・リング』で有名になった、オーランド・ブルームにも触れていました。
「いやぁ、アイツは、カッコいいだけでバカだったんだよね。中身がなくってさぁ、しゃべってても面白くないんだもの。だからノーマークだったんだけど、こんなにビッグになるんなら、もっと仲良くしとけば良かったなぁ。人生わからんなぁ・・・・・」
・・・・・カッコよくって中身のある人間はなかなか居ないですってば(暴言失礼)。
バカ、というか素直で単純だからいいんじゃない!?っていうのもあります。
カッコよくて、スポーツ万能で、頭が良くて・・・・・っていう人は結構いるけど、カッコよくて自分の言葉を持っている人が、もし、居るとしたら、その人は、「女性にモテモテ」っていうことを遥かに凌駕するくらいの強烈なコンプレックスを持っているか、自分の存在が覆るほどの大きな不安感を持っているか、若い頃からとんでもない苦労をしているかのどれかだと思います。
そういう男性は、付き合ったら大変ですよ(笑)。

「ドン・キホーテのピアス」シリーズで、こうしたイベントを開くのは、初めてなんだとか。なんでも、このシリーズ本の発売部数が、順調に減少しているそうで(^^;部数を上げるためのテコ入れとして企画されたんだそうです。

毎週、「SPA!!」も買わなきゃかしら・・・・・。


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thirdstage.com
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by june_h | 2007-09-22 09:47 | 観劇 観戦 コンサート レポート | Trackback | Comments(2)

初めての文楽で、通し狂言はハードルが高過ぎました(^^;
全ての幕で、一回以上意識がなくなりました。
イヤホンガイド聞いて、字幕読んで、舞台見て・・・・・疲れて(-.-)zzZ・・・・・イヤホンガイド聞いて、字幕読んで、舞台見て・・・・・疲れて(-.-)zzZ・・・・・を繰り返してしまいました。
どこに集中すればいいのかわからなくなりました。せめて、多少セリフがわからなくても、字幕を読むのは止めるべきでした。
一応、見せ場は見逃してないとは思うのだけど・・・・・。

文楽は、人形浄瑠璃とも言い、義太夫の語りと三味線に合わせて、人形を動かします。
太夫さんは、語り始める前、台本である「床本」を恭しく捧げ持ち、礼をします。
私は、太夫さんのこの動作が好きです。
誠実にこの舞台を努める、という気持ちの表れなんだそうです。

床本を置く見台は、漆黒で、白いフサがついているものがオーソドックスなようですが、フサの色に紫が入っていたり、深紅の見台に螺鈿細工が施されていたりするものも。
太夫さん一人一人の好みに合わせたオーダーメイド、こだわりの逸品なんでしょうね。

三味線は太竿。津軽三味線と同じ種類のものです。
三味線の擬音でよく使われるチントンシャンではなく、ブンブンベンベンと重厚な音がします。

文楽の人形はスタイルがいい!
手足が長く、顔が小さく、八頭身以上あります。
立ち回りをすると、まるでバレリーナのようです。
人間のような写実的な動きと、人間には絶対できないアニメのような動きの組み合わせで、本当に生きているように見えます。

タイトルからわかるように、この演目は夏のもの。
時折、男の人形が、着物の裾をガバッと開いて、股間を団扇でバタバタバタっとあおぐのを見ると、「あー、暑いんだなぁー、夏なんだなぁー」ということがよくわかります(笑)。

特に、興味深かったのは道行の場。
歌舞伎で道行というと、男女のロマンチックで美しい舞踊劇であるパターンが多いのですが、文楽のこの演目では、金を騙し取った男に復讐するため、騙し打ちする場面になります(^^;
自殺に見せかけ、首を吊らせれるのですが、苦しみもがく様子から、首が締まってグッタリする様子まで、妙にリアルでゾッとしました。

それにしても、つくづく惜しい!文楽の楽しみ方を間違えた気がする。
今度、文楽を観る時は、あらすじを予習して字幕を見ないようにしなきゃ!


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国立劇場小劇場 九月文楽公演
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by june_h | 2007-09-18 20:56 | 観劇 観戦 コンサート レポート | Trackback | Comments(0)

日ごろ、パラサイトさせてもらっている父親に、感謝の気持ちをこめて、マス席をプレゼント!・・・・・なーんて言うと聞こえはいいですが、ただ単に、自分が一度見てみたかっただけです(笑)。

両国国技館は、駅の目の前。
昼過ぎに着いたときには、有名力士の入り待ちをするお客で、入り口は大賑わい!暑い中、ご苦労なことです。
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テレビで見ると、席の傾斜がすごく急に見えるのですが、思ったより平たかった。マス席で足を伸ばしながら、国技館名物のヤキトリをムシャムシャ頬張りつつ、お菓子をボリボリかじりつつ、のぉんびりと観戦。取組と取組の間が結構あるから、集中するときは、ワッと盛り上がるけど、それ以外はわりと好きなように過ごしてる。客席はゆるーい雰囲気。

この空気、デジャヴを感じる・・・・・何かに似ている・・・・・そうだ!野球だ!

野球も、ビールとかおつまみとか口に入れながら、攻守交替のとき休憩して、三者凡退が続くときはわりと緩くて、塁に人が貯まりだすと盛り上がって・・・・・ずっと集中してなきゃならない西洋演劇とかサッカーとかと、明らかに違うよね。

よく考えたら、歌舞伎も落語も、飲食しながら、リラックスして楽しむもんだよね。
そういう、日本人の娯楽の生理に、野球はスゴく合ってたから、国民的スポーツになったんじゃないかしらん・・・・・そんなことまで考えてしまった。

高見盛が、コワいくらいに気合を入れるところ、ナマで体験しましたが、やっぱりコワい(笑)。昔、関取として大活躍していた親方衆もたくさん見れて感激!やっぱり、元 千代の富士、九重親方はカッコ良かったし、貴乃花親方は、すっかり痩せて、普通のニイチャンが審判しているみたいだった(^^;

席は向こう正面の東寄りだったので、私、テレビに映ったかしら!?
この位置だと、東の力士の所作がよく見える。
朝青龍は、あまり好きではないけれど、時間いっぱいになったときに、彼がバアァンッとまわしを叩く迫力。ナマで味わいたかったなぁ。ちょっと残念。

座布団投げ、あるかしらん!とか思って、結びの一番は座布団を手元に準備してたけど、白鵬は磐石でした。これもちょっと残念(^^;


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日本相撲協会公式サイト
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by june_h | 2007-09-16 10:03 | 観劇 観戦 コンサート レポート | Trackback | Comments(0)

メイシオ・パーカーは、ジェームス・ブラウンのサポートメンバーを長く務めたファンクの大御所。
アルトサックスを携え、バンドを引き連れ、東京ミッドタウンに見参!

JBのグルーヴはカラッと乾いているけど、彼のはジワーッとくるグルーヴ。
JBのバンドがオモチャ箱だとしたら、彼のはクスリ箱。
JBがヤンチャ坊主だとしたら、彼はいぶし銀のオジサン。
まぁ、ライヴハウスだったから、メロウなセットリストにしたのかもしれないけど、もうちょい暴れてもらっても良かったなぁ。

聴いてて、Pファンクっぽいなぁと思ってて、ウィキペディアで確認したら、やっぱりPファンクどっぷりな方だったんですね・・・・・。

アンコールでようやく、セブンスコードで押しまくりの、ノリノリファンクナンバーがかかったけど、どうして最初からこのテンションでやってくんなかったのさ!と、恨みがましく思いながらも立ち上がってダンス!
・・・・・でも、この曲でオシマイ。

こらあぁーっ、さっさと帰るな!オッサン!戻ってきやがれ!もっと踊らせろ!

1曲だけだったけど、久しぶりに黒いリズムで踊れたから、まぁよしとするか。でも、次のセカンドステージがもっとノリノリだったら悔しいな(-_-;;)

ビルボードライブ東京は初体験。オープン間もないこともあってか、エアー・サプライ、ベビーフェイスなどなど、大物ゲストが目白押し!ミュージックチャージはそれなりに高いですが、間近で一流のプレイが堪能できるので、普通のホールコンサートに比べても全然オトク。
私はカジュアルシートで参戦。立ち上がって踊っても、後ろの人の迷惑にならない造りになっているので、なかなかグッド!
ただ、一体感を求めるなら、自由席がオススメですね。


P.S.
ドラムのノッポのおじさん、キック使い過ぎ!そんなにボコボコ蹴らんでもええがな・・・・・。


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Billboard LIVE
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by june_h | 2007-09-15 08:16 | 観劇 観戦 コンサート レポート | Trackback | Comments(2)

「光」「静」を感じさせる玉三郎の踊りと、「大地」「動」を思わせる鼓童の音楽。
全く異なる二つの芸術が、日常にはない「ハレ」の空間を作り出す。双方の良さを堪能できた贅沢なひと時でした。
・・・・・どうりで、チケット代金が高いはずです(^^;;

二部構成で、第一部は、アマテラス、ツクヨミ、スサノオの三柱の神が生まれ、アマテラスが天の岩戸に隠れるまでの話。
第二部は、天の岩戸の前で宴を開いて、アメノウズメが舞うと、アマテラスが岩戸を開いて、世界に光が戻るまでの話。

第一部は、世界に入りこむまで、ちょっと時間がかかりました。演出になかなか私が馴染めなかったのね。

でも第二部は、圧巻でした!鼓童万歳!
沖縄のエイサーとか、韓国のサムルノリとか、血を躍らせるリズムのごった煮という感じでしたね。見ている私も母も、体が自然に動きました。

鼓童の人たちは、カッコ良かった、っていうか、エロかったですねえ。別に、エッチな踊りをやってるわけでもないし、エッチな格好をしているわけでもないんだけど、エロスを感じましたですねえ。
男性が男性に感じる色気が、なんとなくわかったような気がします(ほんとか?)。

玉三郎のアマテラスもさることながら、アメノウズメ役の踊り子さんもスゴかった。本当に神様出てきそうだったもん。

いつ見ても思いますが、玉三郎はいろんな意味で「別格」ですね。
美意識の高さ、踊りのレベルの高さ、人間としての存在感。
近くからでも遠目で見ても、生身の人間としての生活感や日常の動きを全く感じさせない、正に「虚」の人。

しかも玉三郎は、泉鏡花研究の第一人者でもあるそうですね。大学教授が意見を求めにくるほどの。
外見の美しさや芸だけではない、内面的な美しさにもこだわりがあることが良くわかります。

カーテンコールは、5回くらいあったでしょうか。客席はスタンディングオベーション。拍手の嵐。
歌舞伎座で総立ちになることは、なかなかありません。私も母も立ちました。

終わった後、自分の手のひらが真っ赤だ・・・・・と思ったら、血が出てました(^^;


<関連リンク>
アマテラス再演(鼓童)

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by june_h | 2007-08-07 20:44 | 観劇 観戦 コンサート レポート | Trackback | Comments(3)

作:土田英生
演出:生瀬勝久
出演:大倉孝二、奥菜恵、八嶋智人、小松和重、鈴木浩介、岩佐真悠子、六角精児、戸田恵子

何も残らないハッピーエンドより、後味の悪いバッドエンドの方がマシ、と思った作品。

『おかしなふたり』以来、土田英生さんの脚本のファンだし、役者さんも個性派揃い、そして生瀬さんの演出も、大変楽しみにしていました。

暗転するたびに登場人物の衣装が変わります。
例えば大倉孝二の場合、
観光船の制服(ある共同体に異邦人としてやってきた)

浴衣(他のメンバーと同じ浴衣を着ることで共同体の一員になった)

囚人服(服従者になった)

赤いマント(支配者になった)

観光船の制服(共同体を離れる)

アロハシャツ(?)

衣装が人間の関係性を表しています。つまり、暗転するたびに関係性が変わる、という仕掛けになっています。
暗転中にドロドロしたことが起こったはずなのですが、その描写は一切なく、ノンビリした会話の中ですべて「あんなこともあったねぇ」風に処理されていました。薄皮一枚の危うい「秩序」の中で生きていることは伝わってくるのですが、こういう場合、もっと泣くでしょう?怒るでしょう?なんて勘ぐってしまって、説得力が無いのです。まあでも、あんまりドロドロし過ぎても、お客さんが苦しくなって観られなくなるだろうから・・・・・その辺のサジ加減が難しいなぁと思いました。

場の雰囲気でなんとなく出来上がったり変わったりしてしまう人間関係というものを表現したいなら、学校の教室でイジメをテーマにした舞台の方が伝わるのでは?

カーテンコールの演出は、ハッピーエンドを思わせるものでしたが、別にいらなかったな。本編では、ラストをお客さんの想像力に任せていたのに、その想像力を奪ってしまいます。演出者の余計な解釈です。
大倉孝二の衣装は最後まで制服で良かったのに。そう思いました。

P.S.
砂浜の舞台セットとして本物の砂が敷き詰められていましたが、ホコリっぽくて咳がトマラナイ・・・・・。

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by june_h | 2007-03-14 11:22 | 観劇 観戦 コンサート レポート | Trackback | Comments(0)

舞台そのもの、と言うよりは、重厚で巧みな脚本の素晴らしさに感動した作品。もちろん、役者さん達の演技も衣装も舞台美術も良かったけれど、これだけジャン・コクトーの作品が魅力的で分かりやすく感じられたのは、脚本に対する、美輪明宏の深い解釈と演出力の為せる技なのだと思う。

最初の1幕目はやっぱり取っつきにくかった。朝から映画だの芝居だのを観てきて、体力的にも限界だったし、昼間観た『僕たちの好きだった革命』とは正反対に、場面転換がほとんどなくて、退屈に感じられたのだ。それをカバーするための、役者の動きに変化を付けるなどした「配慮」はわかったけれど、さすがに1対1のやりとりが10分以上も続くのは正直ツラかった。

でも、2幕目で気づいた。
これは単なるセリフのやりとりではない。言葉の立ち回りなのだ。言葉の刃がいつ、本物の銃や刃に変わるかわからないスリリングさに気づいた時、これほど刺激的な舞台はないと、意識が釘付けになった。

嵐の夜に出会ったのは、隙あらば自分を追い落とそうとする宮廷に疲れ果てた王妃と、自由主義者の仲間達にそそのかされて彼女を暗殺しようとした詩人。
1幕目は、嵐が好きだと言う王妃の純粋さと、死んだ夫の影にすがりつきながら、ひたすら自分の死を願う彼女の深い孤独と絶望が描かれている。

2幕目は、王妃と詩人の、純粋で孤独な二つの魂がだんだん近づいて、愛が生まれるプロセスが丹念に描かれている。二人の間にあった心の壁が、だんだん薄くなって、最後にピッタリつながってしまう様が目に見えるような、二人の美しくて激しい言葉のやりとりに、涙腺が熱くなる。

そして3幕目は、まさに王妃役の「美輪劇場」。詩人が毒を飲んでしまった後の、王妃の激情と行動が圧巻。クライマックスに向かって昇りつめる二人の感情が、舞台中央の大階段を効果的に使う演出によって、より鮮明でドラマチックに描かれている。階段落ちそのものよりも、それに向かうプロセスがスゴい。

先行抽選発売や一般発売にことごとく外れたけれど、当日券まで粘って観に行った甲斐があった舞台だった。
98年に、美輪明宏の『椿姫』を観てから10年。それから、『毛皮のマリー』、『黒蜥蜴』、『葵の上』、『卒塔婆小町』、『愛の賛歌』、そして『双頭の鷲』。これで、美輪明宏のお芝居はコンプリートできたかな。

P.S.
劇場ロビーは、舞台を祝福する大物芸能人からの贈花でいっぱい!まるで、フラワーアレンジメントの展覧会のよう。
その中で、明石家さんまと大竹しのぶのお花が、仲良く並べられていました。誰の策略?

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by june_h | 2007-03-07 10:35 | 観劇 観戦 コンサート レポート | Trackback | Comments(0)

カーテンコールが鳴り止まない!
とうとう最後に鴻上さんが出てきて
「主役がサヨナラって言ってるんだから終わりなんだよ!」
とニコニコしながらブチ切れていました(笑)。そんな舞台でした。

僕たちの好きだった革命

鴻上 尚史 / 角川学芸出版


タイトルからもわかるように、学生運動が絡む話なので「シュプレヒコールみたいな舞台だったらヤだな・・・・・」なんて考えていたのですが、全然そんなことはなく、おもしろくて楽しくて、ホロリとする良いお芝居でした。
送りバントのようにコツコツと積み重ねられていく、堤幸彦の細かい笑いと、最後に必ずホームランを打ってくる、鴻上尚史の巧みなストーリー展開。この二人のコラボレーションは大成功だったのではないでしょうか。

1966年、学生運動の最中に意識不明になり、30年ぶりに目覚めた主人公と、1999年のイマドキの高校生たち。最初はかみ合わないけど、文化祭という一つの目標に向かって、だんだん一つになっていきます。60年代は学生運動で、90年代はコンサート。熱い気持ちのぶつけ先は違うけど、その根底に流れる想いは、今の学生も昔の学生も変わらない。かみ合わない会話をしながら、ぶつかり合いながら、お互いにだんだんそのことを理解していくのです。

文化祭に向かう息子に、パン屋の父親が「今度は負けるなよ!」と言いながら、かつて自分が学生運動で使っていた、ボロボロのヘルメットを渡すシーン。それまでロクに会話をしなかった親子がつながった瞬間がありました。

この舞台は、学生運動を礼賛するわけでも、批判するわけでもありません。誰も語ろうとしないことで、なかったことにされようとしている60年代。でもその時の「影」は未浄化のまま、30年後
の生活にも確実に漂っている。確かに、結末はあまり良くなかったかもしれないけれど、その時抱いた熱い想いまで、なかったことにしないでほしい。どうか60年代を受け入れて「成仏」させようという、鴻上さんの思いが、主人公の言葉によく表れています。

そして、クライマックスで明かされる、ある言葉とその語源。60年代の高校生と今の高校生が、こんな言葉でつながっていたんだ・・・・・衝撃的で感動的でした。
そしてそして、けだるい教室の日常と、今も世界のどこかで起こっている戦争という現実が一瞬でつながるラストの演出も素晴らしかった。

是非、当初の予定にあったように、映画化してほしい作品です。そして、たくさんの親子に観てほしい作品です。

P.S.
「K.T.(稽古場ブログで伏せられているのでイニシャル)」と「チョコボールムカイ」という言葉を聞いて、大笑いしてしまった私。まさかこんな所でその名を聞こうとは。・・・・・知ってる私ってどうなのよ(笑)。
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by june_h | 2007-03-05 11:09 | 観劇 観戦 コンサート レポート | Trackback | Comments(0)