カテゴリ:本 読書 書評( 576 )

CDが売れない、売れているCDの曲を知っている人が少ない・・・・・。
そんな昨今の日本の音楽シーンについて分析した本。

ネットで個人がライブやCDの感想を自由に発言できるようになった昨今、音楽ライターの存在や立ち位置について、私は日頃から疑問を持っていました。
でも、この本は、長年、著者が培ってきた音楽業界のキーパーソンから聞いた意見や、音楽関連の膨大な記事やデータの丹念な客観的分析に基づいて書かれているので、これぞ音楽ライターしか書けない本!だと思います。

ヒットの崩壊 (講談社現代新書)

柴 那典/講談社

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昔は、CDの売上枚数と人気は一致していたし、オリコン上位の曲は、誰もが知っていました。
でも、昨今は、CDに握手券がついていたり、SMAP解散を阻止したいファンが、CD購入を呼び掛けたり。
人気そのものというより、「投票」「意思表示」の意味合いが強くなってきたわけです。

代わりに、「カラオケでよく歌われる曲ランキング」を見ると、誰もが口ずさめる曲ばかり。
この「定番曲」は、数年間変わらないので、CDがよく売れていた90年代に比べると、1曲の寿命が長くなったのが分かります。

CDが売れなくなったのは、配信ダウンロードが増えてきたのも一因ですが、両方を足しても、CDが最も売れていた98年には及ばず。
代わりに、音楽フェスやライブの売上が伸びて来ているんだそうです。

私は小さなライブハウスによく出入りしていますが、名を知られていなくても、実力があるミュージシャンはたくさんいます。
今は、長くライブで実力をつけた後、陽の目を見るようなパターンもあるようです。
CDが売れていた頃が「バブル」で、今は本来の音楽の楽しみ方に近くなっているのかも。
そんなふうに思いました。

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by june_h | 2017-02-19 10:43 | 本 読書 書評 | Trackback | Comments(0)

歴史を辿りながら、香と日本人の関わりを語っている本。

香と日本人 (角川文庫)

稲坂 良弘/KADOKAWA / 角川書店

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香木は日本では採れないので、輸入しなければ手に入らない、高価なものでした。
なので、上流階級の人しかなかなか手が出ないものでしたし、使うには教養も必要でした。時代の権力者達は高価な香をこぞって集めたのです。

日本の古典には、香がよく登場します。
歌舞伎の『仮名手本忠臣蔵』では、伝説の香「蘭奢待」が重要な役割を果たしています。

『源氏物語』は、香を中心に読むと、全然違ってくるんですね!
入内する明石中宮のために、光源氏の女達が、自身の財力と教養を賭けて贈った香。
特に、生母の明石の上が贈った香からは、母としての愛情を感じます。

そして、不義の子を宿した藤壺女御と光源氏との対面シーン。
極楽のような馥郁たる香り漂う中、二人の心は地獄にいたのだと・・・・・。
香を使うことで、二人の心情が余計に際立つものなのですね。

ヨーロッパでは、燃やす香ではなく、もっぱら香水が使われます。
香水の匂いを練り込んだ香は、今では珍しくありませんが、発明したのに日本人が関わっているのですね。

私が香で思い出すのは、高校の修学旅行で行った神戸。
ジャイナ教の祭壇に迷い込んでしまって(笑)、フロア全体、香の匂いでいっぱいでした。

そして、パリの地下鉄。
乗客それぞれ香水を付けているので、いろんな匂いがします(^^;
風景は写真やネットで見られますが、香りはその場所に行かないと分かりませんからね。

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by june_h | 2017-02-14 15:13 | 本 読書 書評 | Trackback | Comments(0)

一語では翻訳できない言葉を集めた絵本。
この本を読んでいると、言葉はまさしく「文化のカプセル」だよなあと、しみじみ思います。

翻訳できない世界のことば

エラ・フランシス・サンダース/創元社

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いくつか気になった言葉を。

■モーンガータ/スウェーデン語
「水面にうつった道のように見える月明かり」

「スパウザ小田原(現ヒルトン小田原)」の部屋から夜の海を眺めたときのことを思い出しました。
まさしく、美しいモーンガータが見えました。


■ピサンザプラ/マレー語
「バナナを食べるときの所要時間」

東南アジアはバナナの種類が豊富で、生活に欠かせない食べ物だと知っていますが、どういうシチュエーションで使うんでしょう??
ちなみに、「ピサンザプラ」は2分くらいだそうです。


■グルファ/アラビア語
「片方の手のひらに乗せられるだけの水の量」

アラビア語は砂漠地方で主に使われている言葉なので、どれだけ水を大切にしているか、この一語で伝わってくるかのようです。


■ヤーアブルニー/アラビア語
「直訳すると「あなたが私を葬る」。その人なしでは生きられないから、その人の前で死んでしまいたい、という美しく暗い望み。」

スゴい!
この一語で、愛に含まれているエロスとタナトスを表現している・・・・・。


■ポロンクセマ/フィンランド語
「トナカイが休憩なしで、疲れず移動できる距離。」

トナカイが生活に密着しているフィンランドならではの言葉で面白い!
ポロンクセマは7キロ半らしいです。


■アキヒ/ハワイ語
「誰かに道を教えてもらい、歩き始めた途端、教わったばかりの方向を忘れたとき。」

破滅的に方向音痴の私は、よくこの状態になります(笑)。
親切に教えてくれても、最初の方しか覚えてなくて、また他の人に聞けばイイやと思っている(^^;


■ドラッヘンフッター/ドイツ語
「直訳すると「龍のえさ」。
夫が悪い振る舞いを妻に許してもらうために贈るプレゼント。」


日本語でも「鬼嫁」とか言いますが、奥さんが怒ると怪物になっちゃうのは、ドイツも同じですね(^^;


■スグリーブ/ゲール語
「ウイスキーを一口飲む前に、上唇に感じる妙なムズムズする感じ。」

ゲール語はアイルランドなどで使われていますが、ウイスキーの名産地ならではの言葉ですね!
お酒に弱い私にはイマイチ実感できない感覚ですが(^^;


日本語からは「積ん読」「木漏れ日」などが紹介されています。
日本語にも説明が難しい言葉がたくさんありますね(^^;

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by june_h | 2017-02-01 21:55 | 本 読書 書評 | Trackback | Comments(1)

イスラーム法学者の中田先生と、中東関係の国際政治学者の内藤正典さんとの対談。
この本のタイトルは、なぜ「講和」なんだろう・・・・・と思いましたが、よくわかりました。

イスラームとの講和 文明の共存をめざして (集英社新書)

内藤 正典 / 集英社



イスラム国がやっていることは、他の宗教に対する攻撃ではなくて、ムスリム間の分断を狙っているという話をしていて背筋がゾッとしました。
世界中で分断が起きている・・・・・。

中田先生が思うに、今はスンナ派もシーア派も、お互いの派閥をまとめられるリーダーがいないそうですね。
この混乱、長く続きそうです・・・・・。

米英がイスラム国に手を焼いている隙に、中国が中東での勢力を拡大しているのは知っています。
パキスタンに駐在していた友達からいろいろ聞いていましたから。

中国とトルコって歴史的に仲が悪いんですね。
よく考えたら中国をたびたび脅かした「突厥(とっけつ)」ってトルコのことですもんね(^^;

中東関連は、普通に流れているニュースを見るだけじゃ、報道されないことがとにかく多すぎるし、見方があまりに偏っている・・・・・いろいろ大丈夫なのかな。
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by june_h | 2017-01-15 11:08 | 本 読書 書評 | Trackback | Comments(0)

桜井さんの本、面白いです(^^)
こんなに神様や御眷属様方とコミュニケーションできたら、神社仏閣に行くのが楽しみになりそうですね♪

神社仏閣 パワースポットで神さまとコンタクトしてきました (ひっそりとスピリチュアルしていますPart2)

桜井 識子 / ハート出版


「ウチの神社を紹介して!」と、売り込んできた源九郎稲荷神社の狐様の話、面白かったです♪
お稲荷様の見習い子狐達は、たくさんの人が参拝に来ないと、修行できないんですね(^^;;;

ご神木には抱きついちゃいけないんですね。
ご神木にとって、私のエネルギーは虫みたいなものだと(^^;

箸墓古墳に葬られている巫女さんが教えてくれた話、興味深かったです。
古代、巫女が亡くなると、死後、力を封じる目的で、遺体を傷つけていたのですね。
神を身体に降ろす巫女の遺体は、神の宿る腹(子宮)を傷つけ、祈りを捧げる巫女の遺体は、手を切り落とすという・・・・・。

金刀比羅宮の神様は、大事なのは
「誰かのことを「想う」気持ち」
なのだと仰いました。

アイドルとかでもいい。
たとえ想いが届かなくても、その気持ちを持っていることを肯定してもらえるなら、私も嬉しいです(^^)

松下幸之助が信仰していたという、椿大神社にも行ってみたいですね♪
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by june_h | 2017-01-11 14:09 | 本 読書 書評 | Trackback | Comments(0)

ラスベガスで長年カジノディーラーを務めている著者の経験が書かれた本。

運を味方にする カジノで一晩10億勝つ人の法則

片桐ロッキー寛士 / 幻冬舎


ディーラーって、てっきり客からお金を巻き上げるのが役割だと思っていたんですが(笑)、逆なんですね!

お客さんにそれとなく賭け金を上げるタイミングを教えたり、負けが込まないように、潮時を知らせたり。
お客さんが買って喜ぶと、また足を運んでくれるし、チップも弾んでくれるからだそうです。

ギャンブルに勝つ人負ける人の特徴も興味深い。

ギャンブルが上手な人は、勝っても負けても長居しないんだとか。
大勝ちする人は、大負けしている経験もあるんだそう。
ハイリスクハイリターンということですね!

面白いと思ったのは、靴を手入れしていない人と、チップをいつも数えている人はギャンブルに勝てないということ。
経験則から気づいたそうですが、子役出身の内山信二くんも同じことを言っていました。
靴の汚ないディレクターは出世しない、と。
だから、靴のキレイなディレクターには媚びて、汚ないディレクターのことはいじめていたんだそうです(^^;

マナーの悪い客やネガティブなことを言う客も嫌われるそうです。
場の雰囲気を悪くしてツキを落としてしまう客を「クーラー(Cooler)」と呼ぶんだとか。
楽しまないと、ツキは来ないんだそうです。

私はギャンブルは向いていないと思うので、1万円を賭けるくらいなら、それで美味しいものを食べに行った方がイイです(^^;
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by june_h | 2017-01-07 20:48 | 本 読書 書評 | Trackback | Comments(0)

西原理恵子さんによるお悩み相談集。
今まで読んだ悩み相談の中で、一番役立つと思いました!

生きる悪知恵 正しくないけど役に立つ60のヒント (文春新書 868)

西原 理恵子 / 文藝春秋


悩み相談って、正論を吐けばキレイに丸く収まるのかもしれないけど、正論で済むなら相談者は相談してきませんよね。
むしろ、正論じゃ納得できないから、正論と向き合って行き詰まってしまったから相談してくるんです。
正論だけで生きられるなら幸せですけど、そうもいかないですもんね。

彼女の答えは正論じゃない。
「腑に落ちる」感じ。
身体で納得できるんです。

自分自身の力で、必死で生き抜いてきた人から、「とにかく生き抜け」と、どの答えからも聞こえてくるかのようです。
特に仕事に関する悩みに対しては、ヘタなプライド捨てて、生きることを考えましょうというメッセージにあふれています。

恋愛相談は、ミもフタもなくて笑えるものもあるんですけど(^^;
恋愛って、コミュニケーションの最たるものだから、悩み出すとキリないですよね。

「元カレの結婚にモヤモヤする」
という質問には、
「今の自分が幸せじゃないからそう思うんでしょ。幸せだったら、そんなこと、ヘとも思わないわよ」
・・・・・鋭い(^^;;;

西原さんの漫画も好きです♪
他のも読みたい!
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by june_h | 2017-01-03 14:44 | 本 読書 書評 | Trackback | Comments(2)

胎内記憶について研究している池川先生の本。

生まれた意味を知れば、人は一瞬で変われる - 胎内記憶・前世記憶研究でわかった幸せへの近道

池川 明 / 中央公論新社


概要は、今までの本と変わりませんが、先生の生い立ちについても語られていて興味深かったです。

先生の奥さんって、すごい名家のご出身なんですね!
奥さんのお母さまが結婚された時は、お手伝いさんと一緒に輿入れしたんだとか(^^;

先生が産婦人科医になったばかりの頃の出産は、母子のケアなど考えることもなく、流れ作業だったため、先生がその時のことを思い出して「申し訳なかった」と言います。
今の出産のケアは、当時の常識とは大きく変わっています。

今でこそ胎内記憶は、世界各地で研究されるほどの分野になりましたが、先生が研究し始めた頃は、当時の医学の常識とは大きくかけ離れていたので、叩かれることが多かったと思います(今もありそう)。

でも、先生はいつもお地蔵様のような穏やかなお顔なので、本当にすごい方だと思います。
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by june_h | 2016-11-27 19:50 | 本 読書 書評 | Trackback | Comments(0)

今、三蔵法師(玄奘)に興味があって読みました。
三蔵法師の生涯と共に、お釈迦さまを始めとした名だたる仏教の偉人達の教えが平易な言葉で語られていて、無理なく読めました(^^)

玄奘のシルクロード―心を求めて仏を求めず

松原 哲明 / 講談社


三蔵法師は、『西遊記』で有名なように、天竺にたどり着くまでの波瀾万丈な旅路が有名ですが(もちろん、孫悟空はフィクションですが)、帰国後に天竺から持ち帰った千三百余の経典を翻訳した業績の方が、実は歴史的に重要です。
私が興味を持っているのは、帰国後の翻訳についてなのですが、そのことは、最後に少し触れられているだけですね。
しょうがないですよね。語るには地味な話ですから(^^;

三蔵法師は、出発間もなく、
「自分には家族がいるし、捕まりたくないから、あなたと一緒には行けない」
のだと、従者の裏切りに遭っているんですね!
ちょっとビックリしました。

それにしても、三蔵法師の旅程は、あまりにも広大。
今はイスラム圏のアフガニスタンなど、中央アジアに及びます。当時は仏教圏だったんですね。

交通手段が発達している現代でも、私だったら行きたくない(^^;
砂漠ばかりの道程で、それこそ当時は、死と隣合わせだったわけで。
それでも、三蔵法師が無事にたどり着き、経典を持ち帰ることができたのは、彼の信念と人柄ゆえですね。
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by june_h | 2016-11-24 20:31 | 本 読書 書評 | Trackback | Comments(0)

漫画家の西原理恵子さんの対談集。

サイバラの部屋 (新潮文庫)

西原 理恵子 / 新潮社


西原さんは、武蔵野美術大学の卒業生ですが、同じ武蔵美だった、みうらじゅんさんと語る学生生活は、『ハチミツとクローバー』で描かれている世界と、あまりにもかけ離れていてビックリ(^^;
働きながら美大に通って、あんなことやこんなことを・・・・・って、載せちゃって大丈夫なんでしょうか(^^;

ともさかりえなど、育児中の芸能人とも対談しているんですが、西原さんから伝わってくるのは、とにかく自分で稼いで、なにがなんでも子供達を養うぞ!っていう、プリミティブな母性。
結婚や出産でキャリアを捨ててしまう女性がいるけど、どんなに子育てが大変でも、給料が保育所に右から左で渡っても、自分の食い扶持は捨てるなよ、と。
小さい時から苦労してこられたというのもあると思います。

西原さんは、子供だけではなくて、旦那さんも筆一本で養ってこられたんですよね。
なので、最近、高須クリニックの院長の高須さんとお付き合いされていて、本当に良かったと思います(^^)
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by june_h | 2016-08-27 20:52 | 本 読書 書評 | Trackback | Comments(0)