カテゴリ:本 読書 書評( 576 )

ミス・ユニバースの候補者を集めて、美しさに磨きをかける「ビューティーキャンプ」を舞台にした小説。

ビューティーキャンプ

林 真理子 / 幻冬舎


クイーンメーカーのエルザは、世界大会で優勝できる日本代表を育てるべく、オーディションしたり、見込みのある女性をスカウトしたりするビューティーアドバイザー。
ビューティーキャンプに参加している女性達に、体重を減らせ、下着を変えろと、次々、「指令」を出す。

エルザの思惑では、優勝候補は早い段階で決まっていて、明らかにえこひいきする。
育て上げなければならないのは、世界大会の優勝者。
「日本一」ではないのだ。

世界で通用する美女と、日本人の好みは全く違う。
日本人が好む細くて控えめでかわいらしい女性では優勝できない。
自分は美しいという自信に溢れ、ゴージャスな肉体を持つ女性でなければならない。
化粧の仕方やプレゼンテーションのポイントまで、念入りにチェックする。

しかし、キャンプ中に次々とトラブル発生。
キャバ嬢として働いていた女性に、過去をバラすと店のオーナーが脅して来たり、付き合っていた男性に大会に出るなと言われて失踪した候補者がいたり。

いよいよ大会が開催され、様々な人達の思惑が交錯する中、日本代表が決まる。
そして、最大のどんでん返しが!?

林真理子的に、美女達に容赦無い罵声を浴びせるのは、書いていてとても楽しかったのではないかと思ってしまう(笑)。

美女は、良い思いばかりしてきたわけではない。
周囲の嫉妬から「ブス」だと罵られたり、仲間外れにされたりして育ってきたため、自分に自信がない者もいる。
「ミス・ユニバース」の日本代表になったからといって、その後の成功につながった人は実は少ない。
このようなミスコンの「陰」を描く林真理子は、書いていてやっぱり楽しかったのではないだろうかと、つい勘ぐってしまう。
[PR]
by june_h | 2016-08-19 21:56 | 本 読書 書評 | Trackback | Comments(0)

この本をパラパラめくって見て、自分に合う本だと確信。
実際読むと、本当にそうでした。
内田樹先生のツイッターで、この本のことを知ったのですが、内田先生の本より刺激的かも。
大学の中国語の授業で講読した費孝通の『郷土中国』を読んだ時みたいにワクワクしました♪
自分の頭で考えた自分の言葉が並んでいる本です。

あわいの力 「心の時代」の次を生きる (シリーズ 22世紀を生きる)

安田登 / ミシマ社


安田さんは能楽師。
なので、考える時間感覚が長いのです。
なので、
「自分の代で完成させなくていい」
と考えるとホッとしたんだとか。
今は、目先のことしか考えられない人が増えているので、このような視点は本当に貴重だし、私もホッとします。

安田さんは甲骨文字の研究者でもありますが、麻雀がキッカケだったという話が面白いです。
麻雀パイから、古代中国の宇宙観と世界観にまでたどり着くなんて、ドキドキワクワクです!

安田さんは、キャバレーでピアノを弾く「夜の世界」にいたそうです。
能楽師だったりして、前世は傀儡子なのかしら、と、想像したりして(^^;

安田さんの著書をもっと読みたくなりました(^^)
[PR]
by june_h | 2016-08-16 14:36 | 本 読書 書評 | Trackback | Comments(0)

胎児期の記憶など「胎内記憶」を研究している池川先生。
著書は何度か読ませていただいています。
今回の本は、幼児が話す胎児期の記憶だけではなく、大人が語るそれぞれの前世のケース集のような趣向になっています。

前世を記憶する日本の子どもたち

池川 明 / 株式会社ソレイユ出版


前世を語る人は、ヒーラーやセラピストが多いです。
このような方は、見えない世界が見える方が多いからでしょうし、ご自身が前世療法のセッションを受けることも多いからでしょうね。

「前世はイギリス王の愛人だった」
「今の旦那はツインソウルで、前世でも会っていた」

これらの証言は、もちろん、証明することはできません。
でも、その人にとっては間違いなく真実です。

「前世」が、その人の説明できない恐怖の原因となり、癒すことで、確実に恐怖がなくなるからです。

死後の世界や中間世(前世と現世の間)の話も、人によって違います。
自分で生まれ変わることを決めたという人もいれば、神様に言われて来たという人もいます。

でも、全部、真実なのでしょう。
きっと、いろいろなケースがあるのだと思います。

印象的だったのは、前世が戦国時代の一向集門徒で、織田信長に攻め滅ぼされたという女性の話。
平和を求めた集団のはずなのに、信長勢に兵糧攻めにされて、文字通りの地獄を体験したという話です。

キレイな世界を求めているはずなのに、その反対の出来事を引き寄せてしまうこと、よくあるんですよね・・・・・。
[PR]
by june_h | 2016-08-13 18:27 | 本 読書 書評 | Trackback | Comments(0)

漫画家の萩尾望都先生の対談集。
「少女漫画の神様」と言われるだけあって、対談相手は、大和和紀さんや恩田陸さんなど、そうそうたる顔ぶれです。

愛するあなた 恋するわたし: 萩尾望都 対談集 2000年代編

萩尾 望都 / 河出書房新社


萩尾先生の漫画のキーワードは「美少年」「SF」でしょうか。
私も読んだことのある『銀の三角』『百億の昼と千億の夜』はSFファンタジーですし、美少年といえば『トーマの心臓』ですね!

意外だったんですが、萩尾先生は、あまり長編マンガを描いていないのですね。

お母様との関係が昔からうまくいかなかったという話が印象的でした。
ずっと漫画家に反対で、ようやく認められたのが、なんと最近だったとか!?
朝ドラの『ゲゲゲの女房』を見て、漫画家は大変な職業だと、やっと分かってくれたんだそうです。
それまで、ずっと「遊んでいる」と思っていたんですって(^^;

こういう母子の葛藤があったから『イグアナの娘』なんかの作品が生まれたのですね。

私は、萩尾先生の作品にちゃんと触れたのは、大人になってから。
でも、小学1年生の時に買ってもらった星占いの本の挿絵が萩尾先生のだったんです。
私のオカルト好きは、萩尾先生のせいだったりして(^^;
[PR]
by june_h | 2016-08-08 20:16 | 本 読書 書評 | Trackback | Comments(0)

前回の『ひっそりとスピリチュアルしています』と同様、興味深かったです。

幸せになるひっそりスピリチュアル作法

桜井 識子 / 主婦と生活社


私は、神社が好きなので、よく行きます。
この方の本やブログを拝見してからは、本殿の神様だけではなく、獅子や狛犬、神社のご神域の木や石も、気にかけるようになりました。
神様にも性格があるように、獅子や狛犬にもそれぞれ違った性格があるそうです。

この本では、神社仏閣についてだけではなく、家族や仕事の悩みなど、実生活においてスピリチュアルな観点から語られています。

著者の桜井さんは、介護の仕事をなさっているので、同じヘルパー仲間やお年寄りと接する仕事での経験から、いろいろ学ぶことが多いそうです。

人からイヤなことをされると、仕返ししたくなりますが、神様は、仕返しでプラスマイナスゼロにはしてくれないそうです。
その人の新たなカルマになってしまうんだとか。

続編もいろいろ読みたいです♪
[PR]
by june_h | 2016-08-05 15:36 | 本 読書 書評 | Trackback | Comments(0)

世界の歴史上で起こった出来事の背景には、実は経済的な問題があった!?
とても分かりやすい本でした。
歴史好きな私も目からウロコの視点でした。
この本の内容を、もっと学校で教えた方がイイと思います!

お金の流れでわかる世界の歴史 富、経済、権力・・・・・・はこう「動いた」

大村 大次郎 / KADOKAWA


歴史を紐解いていくと、国が強くなる背景には、通貨の統一や、徴税制度の発達があるそうです。

そして、国が乱れ衰えていく背景には、不平等な重税や、支配階級による租税回避、通貨乱発によるインフレなど、上手くいかなくなったお金の流れがあります。

こうしたお金の流れと、歴史上の戦争や革命は、見事に一致しています。

経済問題抜きで戦争を語ると、宗教的問題とか、ナショナリズムとか、感情的なことに原因が置かれそうだけど、背景の経済問題をベースに語られると、スゴくクリアだし、納得いきますね。
やっぱり人間、「食べていけるかどうか」は、本当に重要な問題。
口ではキレイ事が言えても、お金が絡むと、とたんにドロドロします(^^;

よく、戦争でロスチャイルド家が儲けている、みたいなユダヤ陰謀論がありますが、第二次大戦中、ロスチャイルド家の何人かは、ナチスにつかまって収容所で殺されているそうです。
陰謀論は、都合の良い事実だけを並べて、都合のよい文脈に合わせて語られるので、あまり信用できないです(^^;

現在は、世界規模でフランス革命直前のフランスと似たような状態にあるそうです。
フランス革命直前のフランスは、フランス国民の1%が、フランス全体の富の半分を握っているという、とても不平等な状態にありました。
世界中でいつ革命が起こって国が滅んでもおかしくない。
著者は警告しています。
[PR]
by june_h | 2016-07-24 08:27 | 本 読書 書評 | Trackback | Comments(0)

心理占星術研究家・翻訳家の鏡リュウジさんの対談集。
取っ付きにくいタイトルだなあ、もっと分かりやすくすればイイのにって思ったんですけど、ある意味、このタイトルで正解なんです。
なぜなら、人選が学究肌の人ばかりなので、高度な内容だからです(^^;

アニマの香り―鏡リュウジ対話集

鏡 リュウジ / 雲母書房



鏡さんは、西洋占星術やタロットの第一人者であるのに、「占いに対して懐疑的」で、自称「インチキ占い師」なんだとか(笑)。

よく、その世界や業界の中心人物であるほど、それに対して冷めた見方をしていることって、よくあります。
私自身としては、こういう方のほうが信用できます。

あと、
「心理療法と占いは構造が同じ」
と、おっしゃるのにも同感です。
私は心理学科の担当教授に
「占いと同じじゃないですか!?」
って、暴言吐いたことありますから(笑)。

私、宮台真司さんの言っていることが難しくて敬遠していたんですけど、なぜだかわかったように思います(笑)。
宮台さんも鏡さんも、魚座で、動物占いはタヌキなんですね(^^;

あと、言語学者のチョムスキーが政治学者でもあったということを初めて知りました。

人智学者の高橋巖さんによると、大川周明はシュタイナーに影響を受けていたそうですね。
それから、ユングはシュタイナーを嫌っていたんだとか・・・・・似た者同士なのにね(^^;

対談相手によって、全く違う切り口の話が出て来るので、興味深い本でした♪
[PR]
by june_h | 2016-07-21 15:12 | 本 読書 書評 | Trackback | Comments(0)

江原さんの本、久しぶりに読みました。

幸せに生きるひとりの法則

江原 啓之 / 幻冬舎


読んでいると、両親や自分の将来のこととか、いろいろ考えなければならないことが多いのだと、気づかされます。

ひとりで生きるのは確かに不安だらけです。
老後の病気とか、孤独死するんじゃないかとか、経済的な面とか。
でも、こういう不安があるから結婚するとか、子供を持つとかいうのも、何か違うと思います。
伴侶に先立たれたり、子供と仲が悪くなったりするかもしれませんから(^^;
依存心があれば、どんなにたくさんの人に囲まれていても、なかなかうまくいかないでしょう。

江原さんは、
「不安は余裕のあらわれ」
だと言います。

不安になるのは、不安で悩む余裕があるんですよね。
本当に余裕が無い人は、今を生きるのが精一杯で、悩んでいるヒマなんて無いんです。
私も仕事が猛烈に忙しかった時は、Twitterで「忙しい」って、呟いているヒマもありませんでした(^^;
ネットのことすら忘れていました(笑)。
[PR]
by june_h | 2016-06-20 20:36 | 本 読書 書評 | Trackback | Comments(0)

西原理恵子さんの『ダーリンは70歳』が面白かったので、母が発売日に即購入しました。
恋人の高須克弥さんのエッセイが主になっています。

ダーリンは70歳・高須帝国の逆襲 (コミックス単行本)

西原 理恵子 / 小学館


西原さんのファンだった高須さんがファンレターを送ったことから二人の交際が始まり、ホテルニューオータニの高須さんの部屋で、西原さんが「襲った」らしい(^^;

西原さんも高須さんも、お互い、キライなタイプだったはずなんですよね。
でも、高須さんは、自分の祖母と西原さんが似ていたので、親近感を持ったようです。
他人のニワトリが庭に迷い込んで来た時に、勝手に絞めて食べちゃって、しらばっくれるお祖母ちゃんだったという(^^;

西原さんに対抗してなのか、ぶっちゃけ話が面白かったです。
「クマ」や「カニ」のような西原さんについてもですし、医者についても。

でも、度が過ぎたのか、小学館の偉い人から「不適切な表現があるから書き直してくれ」と言われて拒否したので、発売早々、絶版になったらしい。

私が引っかかったのは、医師の家系に生まれた高須さんが、母親に言われた
「医者にならんでもいい。でもバカでない証拠に、「人殺しの免許」だけとってこい」
という言葉(笑)。
要は、医師免許だけは取れ、ということなのですが、「人殺しの免許」って、言い得て妙だなぁと(^^;
ここ笑うとこ??

最後の西原さんのマンガ、夕焼けに泣かされました(^^;
本当に、ここまで来るのに、西原さんは過酷な人生を送っていらっしゃったから・・・・・。
高須さんと一緒に、楽しく平穏な生活が続きますことを、そして、高須さんをネタにして、面白い漫画をどんどん描いてくださることをお祈りしています(^^)
[PR]
by june_h | 2016-06-11 13:35 | 本 読書 書評 | Trackback | Comments(0)

ジョン・ハンターに興味があったので読みました。種痘の歴史もよく分かりました。
この手の本の中では読みやすかったです。

近代医学の先駆者――ハンターとジェンナー (岩波現代全書)

山内 一也 / 岩波書店


ジョン・ハンターは、種痘で天然痘を予防する方法を開発したジェンナーの師匠。
『ドリトル先生』のモデルになった人物です。
偉大な医師っぽい肖像画だけど、カワリモノの解剖マニアじゃん・・・・・(^^;
夜な夜な解剖していたので、『ジキル博士とハイド氏』のモデルでもあります(笑)。

人痘の種痘は、中国やインドでもかなり古くから行われていたし、ヨーロッパでも民間療法としてあったんだそうです。
ジェンナーは、馬の「グリース」と呼ばれていた馬痘ウイルスによる疾患や、牛痘を研究して、天然痘のワクチンを作りました。

日本では、自分の息子に最初に種痘して実験したジェンナーは、息子を犠牲にして人類に貢献したのだと、美談のように語られますが、自分の息子に最初に種痘したわけではないそうです(^^;

ジェンナーは、生前も死後も、祖国イギリスで冷遇されているんですよね。
細菌を発見したパスツールやコッホは、祖国で英雄のように称えられ、潤沢な資金や研究所を与えられて研究していました。
しかし、ジェンナーは、スポンサーがなかなかつかなかったし、ライバルに研究を邪魔されたり、種痘反対派に執拗に攻撃されたり。

1980年代にジェンナーの自宅が売却されそうになったとき、イギリスでは寄付があまり集まらず、日本船舶振興会の笹川良一が多額の寄付をして、ようやく売却を免れたんだとか(^^;

この時代の医学に関する本を、もう少し読みたいですね(^^)
[PR]
by june_h | 2016-06-04 12:37 | 本 読書 書評 | Trackback | Comments(0)