カテゴリ:本 読書 書評( 563 )

鴻上さんが雑誌『SPA!』で連載しているエッセイ「ドンキホーテのピアス」シリーズ単行本第17弾です。

この世界はあなたが思うよりはるかに広い ドン・キホーテのピアス17

鴻上 尚史 / 扶桑社


鴻上さんのお芝居や主宰している劇団「虚構の劇団」は、よく観ているので、このエッセイはよくその裏話が語られてて面白いです。
時事ネタもよくあります。

号泣議員の話題で
「人は泣くとき「泣きたくない」という反対のベクトルが存在しながら泣く。
アピール泣きには無い。」

と、語られていました。
泣く芝居をする時、「泣きたくない」と思いながら泣かないと、ウソっぽくなっちゃうんですって。
だから、号泣議員の泣き方は「アピール泣き」だって、すぐバレちゃうんですね(^^;

韓国や北朝鮮の人達が泣いているのを見て違和感を感じるのは、感情を表さない日本人とは違って、泣いて悲しみをアピールする文化だから「泣きたくない」というベクトルが存在しないということなんですね。
この本を読んで腑に落ちました。

その他にも、私が読んだことのある「止まった時計 麻原彰晃の三女・アーチャリーの手記」 の書評もあって、興味深かったです。
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by june_h | 2016-03-08 12:04 | 本 読書 書評 | Trackback | Comments(0)

「声優だけはやめておけ」
洋画やアニメの声優として長いキャリアを持つ大塚さんの著書は、こんな言葉で始まります。

声優魂 (星海社新書)

大塚 明夫 / 講談社


今、アニメは人気とはいえ、声優業界は数百の椅子を一万人が争っている状態。
しかも、その限られた椅子は、ほんの一握りの声優がほとんど占めています。

声優になるためには不断の努力が必要ですが、努力だけではなかなか仕事が回って来ない、厳しい世界なのです。

また、声優は「受け身」の仕事。
プロデューサーから声がかからなければ、できないのです。

大塚さんが若い頃は、声優になる人が少なかったし、父親が声優だったこともあり、いろいろツテはあったようですが、それでも、定期的に仕事が入って声優一本で食べて行けるようになるまでには、何年もかかったそうです。

最近は、SNSで話題を作り、人気を集めて仕事を取ろうという声優志望の若者も多いようです。
「良い声」であれば声優になれるのではないかと考える人もいます。

しかし、自分の「良い声」を聞かせようという我の強さは、簡単に見破られてしまいます。
若い頃は、声の良さで通用しても、年を取ると衰えていきます。

肝心なのは、役を深く理解して、見ている人を感動させることだと言います。
良い作品を作るために、プロデューサーとケンカしたこともあったそうです。

声優を目指している人は、とても参考になる本です。
この本を読んで、厳しい現実を知って、声優って大変だと思った人は、早く他の業界を目指した方が身のためです(^^;
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by june_h | 2016-03-02 11:07 | 本 読書 書評 | Trackback | Comments(0)

作家の村上龍さんと、エネルギーを研究している山岸隆さんとの対談。

「超能力」から「能力」へ―宇宙的な未知の力を身近なソフトウェアに (講談社文庫)

村上 龍 / 講談社


山岸さんは、エネルギーを感じたり、見たりできて、そのエネルギーを利用して人を治療しできたりする、いわゆる「超能力者」です。
でも、一人一人の患者を治療するということには、あまり興味が無いみたい。

薬科大卒の薬剤師で、製薬会社に勤めていただけあって、こうした能力を科学的に研究。
自分が直接、相手にエネルギーを送るのではなく、CDのような媒体にエネルギーを転写して、聞いた人に同じような反応を起こす、というようなことをなさっていたようです。

ちなみに、私も山岸さんが開発した「パパベル」のCDを聞きました。
次の日、なんとなーく体がダルくなりましたね。

いろいろ、エネルギーについて面白い話があって、
「東大寺のある仏像は本体からエネルギーが出ているが、それを写真に撮ると写真から同じエネルギーが出る。しかし、エネルギーがないものを写真に撮ってエネルギーを入れてもダビングできない。」
のだそうです。

病気に関する話も興味深かったです。
「緊張した筋肉にガン細胞を植えつけるとよく繁殖する」
とか。
交感神経優位な状態がずっと続くと、病気になるので納得です。

それから「母性略奪性体重増加不良」。
孤児に見られる体重増加不良らしいのですが、人間に必要なのは食べ物だけではなく、作ってくれる人のエネルギーもなのかもしれません。

その他、治癒する過程で一時的に症状の出る「瞑眩(めんげん)反応」とか、「クラスターが小さい水の方がエネルギーが入りやすい」とか、ホメオパシーを勉強している身として納得できる話がありました。

目に見えない世界を研究している山岸さんは言います。

「科学でも最先端にいる人は分からないことのほうが多い、ということを知っている。最先端にいる人々は、意外と我々に対して理解がある。それよりもセカンドの人たちが駄目。」

本当の科学者なら、頭ごなしに否定しないで「わからないけど何かある」と思うのが、あるべき姿勢ですよね。
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by june_h | 2016-02-22 21:15 | 本 読書 書評 | Trackback | Comments(2)

内田先生の新刊。
メルマガのQ&A集の加筆・修正のようですが、先生が日頃からおっしゃっていることをまとめた感じで、分かりやすかったです。

困難な成熟

内田樹 / 夜間飛行


読んでいると、最近、悩み迷うことの多い自分にグサグサ突き刺さるような言葉ばかり(^^;
やはり、内田先生は、我が心の老師です。

いくつか印象に残った言葉を。

■0から1を創り出す生産者より、それをコントロールしたり右から左に動かしたりする人の方が儲けている。

■「守るべきものがある」というマインドがあると組織のパフォーマンスが劇的に向上する。

■「執着に引きずられると生命力が減殺します。ある選択が適切だったかどうかを判定するときの度量衡はいつでも「生きる力」の増減です」

■「理屈をつけないと身体が動かないというのは執着のほうです」

■サンタクロースにはお礼ができない。だから、それを自分の子供に返す。

■「人々が「すぐばれる嘘」をつき続けるようになったのは、別に人間がそれだけ邪悪になったからでも、愚鈍になったからでもなく、私たちが平均寿命のきわめて短い生物としてふるまうことを強いられているからです」

■「教育とは「おせっかい」と「忍耐」。身銭を切る」「人は成熟しているようにふるまわなければならないときに成熟する」

■「トラブルは「問題」じゃなくて「答え」」
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by june_h | 2016-02-19 22:31 | 本 読書 書評 | Trackback | Comments(0)

痛み止めとして古代から使われてきたモルヒネや、マラリアの特効薬であるキニーネなど、人類の歴史に大きな影響を与えた薬を紹介した本。

世界史を変えた薬 (講談社現代新書)

佐藤 健太郎 / 講談社


有名な話が多いので、既に知っているエピソードも多かったのですが、ヴァチカンは沼地なので、マラリアが起こりやすく、コンクラーベの最中に枢機卿や教皇が何人も亡くなっている、という話は興味深かったです。
それで、イタリア半島統一目前だったチェーザレ・ボルジアと、父親の教皇アレクサンデル6世(ロドリーゴ・ボルジア)が同時にマラリアに罹るという悲劇が起こってしまったのですね(^^;

抗菌薬としてペニシリンが発見される前は、サルファ剤が使われていたとか・・・・・ふーん、硫黄ね(笑)。
スルホンアミド基がそういう作用を起こすそうです。

アメリカは、ペニシリンの研究に、第二時大戦中、マンハッタン計画に次ぐ資金を投じていたんだとか。
日本軍も、こうした抗菌薬を研究していたようですが、実用化には至らず、南方戦線で多くの日本兵が感染症で亡くなったのです。
戦力の違いは、原爆のような武器の性能だけではなかったというわけです。

エイズウイルスの発見では、米仏の研究者間で研究データを盗んだ盗まないで裁判になり、国際問題にまで発展したそうな。
研究者自身の名誉だけではなく、莫大な富や国力の大きさにまでつながるわけですから、みんな必死です(^^;
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by june_h | 2016-02-14 22:04 | 本 読書 書評 | Trackback | Comments(0)

最近、帳簿をつける必要があるので読んでみました。

さおだけなんて、そんなに売れそうもないのに、どうして商売になっているんだろう。
住宅街の高級フレンチレストランなんて客が入るんだろうか・・・・・。
世の中には、ちゃんと儲かっているのか心配になりそうな商売がありますが、そのカラクリを会計と絡めて、分かりやすく説明していて面白いです。

さおだけ屋はなぜ潰れないのか? 身近な疑問からはじめる会計学 (光文社新書)

山田 真哉 / 光文社



確か以前、著者の『女子大生会計士の事件簿』を読んだことがあります。

女子大生会計士の事件簿

山田 真哉 / 英治出版



大切なのは、目先の数字や損得に惑わされずに、全体を見ること。
そして、数字に対するセンスを磨くこと。

電化製品で「電気代が××円オトク!」と紹介されていても、自分の生活で、はたしてそんなに使うのか?と考えると、実は損だったりする。
某自動車メーカーに勤めている友人も
「エコカーは「ガソリン代が××円オトク」なんて宣伝しているけど、実は、車のライフサイクルで考えると全然エコじゃない」
なんて言ってたりします(^^;

あと、最近、お金以外の観点からも考えなければならないことを実感します。
電車賃を浮かせるために、一駅分歩くとする。
百数十円得したのか?
歩いた数十分損したのか?
歩いた数十キロカロリーを消費できて得したのか?
その労力分損したのか?
電車のエネルギーを使わなかった分、地球環境が得したのか?

人によって、また、場合によって、損得って変わると思いますよ!
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by june_h | 2016-02-10 14:10 | 本 読書 書評 | Trackback | Comments(0)

TOKYO MXテレビの番組『淳と隆の週刊リテラシー』に出演しているロンブーの田村淳さんと、ジャーナリスト上杉隆さんのエッセイ&対談本です。

淳と隆のなんだかおかしいニュースの裏側

田村 淳 / 双葉社


私は二人のツイッターをフォローしています。
淳さんは、ネットとコラボしたイベントをよくやっています。

こうした活動は、この本でも語っていましたが、テレビに対する危機感がその理由の一つだと言います。

このままでは、テレビはダメになってしまう・・・・・ただ、言われるがままに振る舞うタレントではなく、テレビ局のプロデューサーや、事務所のスタッフに、積極的に企画を提案しますが、キー局は規制だらけでなかなか思うようにいかない。
そんな時に活路を見出だしたのは、規制の緩い地方局やネットでした。
新たなビジネスモデルも提案しているようです。

それから、政治に対しても、積極的に発言しています。
お笑い芸人やテレビタレントが政治的発言をするのは、タブー視されますが、彼の姿勢を見ていると、
「一人のこの世代の男性として、日本国民として、自分の生活や国のことを当たり前に考えている」
ように思います。

上杉さんは、海外メディアと日本のメディアをよく比較しています。
海外メディアでは、あくまで政府と国民は別だと考えていて、政府見解は「大統領府は」「ワシントンは」のように報道しています。

日本のメディアは、国民と政府を分けて報道しないことが多いので、どうなんでしょうね。

また、日本のメディアで訂正がなかなかされないのも気になります。
自分が悪者にされるくらいなら国が滅んだ方がいいと思っている人がいるのは、メディアも同じようですね(^^;
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by june_h | 2016-02-01 21:06 | 本 読書 書評 | Trackback | Comments(0)

韓国人の日本観を知るための、韓国の財閥の元CEO、弁護士、大学教授と著者によるインタビュー集。
著者のオ・スンホ氏は、在日コリアン3世です。

韓国インテリジェンスの憂鬱

オ・スンホ / ベストセラーズ


今の日韓関係がややこしくなっているというのは、今回インタビューされた方々のみならず、全世界的な共通認識だと思います。
私がこの本に期待していたのは、日本とは違った見方だったり、状況を打開するための大胆な発想だったりしたわけですが、そういったものは見つけられませんでしたね(^^;
そもそも、メインストリームの知識人から既存の価値観をひっくり返すような思想は出て来ないでしょうけど、韓国の場合、日本よりも、均質化・同調圧力が強いような気がします。
内田樹先生の本が韓国で売れるというのは、硬直化した見方から離れるツールがなかなか無いことの表れのように思います。

韓国人には根底に
「日本は戦争に負けたのに、占領も解かれ、天皇制も残り、国土も分断されずズルい!」
という気持ちがあるみたいで。
そういう気持ちが根底の動機にあるなら、日本が韓国よりずっと落ちぶれない限り、何回誤っても許してもらえないような気がしますが(^^;

この本の中では、国民大学教授のイ・ゲヒョン氏のインタビューがわかりやすかったです。
日本の植民地統治時代の独立運動史を専攻されている教授ですが、韓国の今の主張や考え方が、どのような考え方を基にしているのかという点で、非常に参考になりました。
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by june_h | 2016-01-27 17:58 | 本 読書 書評 | Trackback | Comments(0)

オウム真理教教祖 麻原彰晃の三女のエッセイ。
マスコミにも「アーチャリー」という名で、たびたび登場していたので、ご存知の方も多いと思います。

止まった時計 麻原彰晃の三女・アーチャリーの手記

松本 麗華 / 講談社


私の「アーチャリー」に対するイメージは、ワガママで尊大。
小さい時から、教祖の娘の中で一番可愛がられ、信者達に「最終解脱者」として神や仏の如く崇め奉られてきた存在。

でも、実際の彼女は、ごく普通の女の子。
父親が大好きだけど、なかなか会えない。
幹部とは名ばかりで何もできない。
御付きの信者に囲まれてはいたけれど、不安と寂しさを抱えながらの幼少期でした。

彼女の人生が大きく変わったのは、父親の逮捕。
以降、教団内部は混乱し、彼女も家族も、一時的に記憶を失うほどの出来事が、次々と襲ってきます。

家族や他の教団幹部達は、彼女の名を語って、信者達を動かそうとしました。
教祖が一番目をかけていた「アーチャリー」の言うことならば、信者は従うからです。

彼女が望んだのは、教団の中での特別な存在としての自分ではなく、実社会でのごく普通の生活でした。
当たり前のように学校に通い、仕事をする。
しかし、「オウム真理教の幹部」である彼女には、非常に困難でした。
合格した学校に入学拒否され、バイトもクビになる。
そんなことが繰り返し起こりました。

以前、四女のエッセイ『私はなぜ麻原彰晃の娘に生まれてしまったのか』を読んだことがありますが、その本とは事実が食い違う部分もあります。

何が善いとか悪いとか、ウソかホントかとか、全部置いておいて、彼女が体験している出来事と、それに対する彼女の感情だけを考えると、なんて苛酷な人生なんだろうと思います。

そんな人生の中でも、彼女を親身になって支えてくれた信者や、学校の友達、弁護士がいたわけで。

教団幹部だった彼女は、一生、公安の監視から逃れられないそうです。
現在、彼女は、オウム真理教の被害に遭った人達の手記を読んだりして、教団が起こしたことに向き合っています。
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by june_h | 2016-01-24 11:44 | 本 読書 書評 | Trackback | Comments(0)

木村藤子さんは、何冊も本を出版されていますが、この本は、死後の世界や前世にスポットを当てています。
カルマに興味がある私には、とても面白い本でした。

あなたが、ここに生まれてきた理由

木村 藤子 / 学研パブリッシング


死後の世界や輪廻転生について書いてある本は、小さい時から結構読みました。

細部は違いますけど、大体、言っていることは同じ。
霊性の進歩のために、魂は輪廻転生を繰り返すのです。
時たま、ユニークな人生を送る人を見ると、前世はどんな人だったんだろうと、ついつい私は妄想しちゃいます(笑)。

死後の世界の「身の振り方」や転生先は、自分で決めるという人もいれば、閻魔様や白いおひげの神様に決められるという人も。
おそらく、どちらもあるのでしょう。
この本では後者でした。

木村さんは、前世の罪により、霊能力で人助けをすることになったそうですが、今世で頑張らないと、来世でまた、医者になって毎日、人をたくさん助けなければならなくなるということを、神様に見せられたのだとか。
人助けをしている方々の全員が、そのようなわけではないと思いますが、なんだかとても興味深い話でした。
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by june_h | 2016-01-21 16:00 | 本 読書 書評 | Trackback | Comments(0)