カテゴリ:本 読書 書評( 559 )

痛み止めとして古代から使われてきたモルヒネや、マラリアの特効薬であるキニーネなど、人類の歴史に大きな影響を与えた薬を紹介した本。

世界史を変えた薬 (講談社現代新書)

佐藤 健太郎 / 講談社


有名な話が多いので、既に知っているエピソードも多かったのですが、ヴァチカンは沼地なので、マラリアが起こりやすく、コンクラーベの最中に枢機卿や教皇が何人も亡くなっている、という話は興味深かったです。
それで、イタリア半島統一目前だったチェーザレ・ボルジアと、父親の教皇アレクサンデル6世(ロドリーゴ・ボルジア)が同時にマラリアに罹るという悲劇が起こってしまったのですね(^^;

抗菌薬としてペニシリンが発見される前は、サルファ剤が使われていたとか・・・・・ふーん、硫黄ね(笑)。
スルホンアミド基がそういう作用を起こすそうです。

アメリカは、ペニシリンの研究に、第二時大戦中、マンハッタン計画に次ぐ資金を投じていたんだとか。
日本軍も、こうした抗菌薬を研究していたようですが、実用化には至らず、南方戦線で多くの日本兵が感染症で亡くなったのです。
戦力の違いは、原爆のような武器の性能だけではなかったというわけです。

エイズウイルスの発見では、米仏の研究者間で研究データを盗んだ盗まないで裁判になり、国際問題にまで発展したそうな。
研究者自身の名誉だけではなく、莫大な富や国力の大きさにまでつながるわけですから、みんな必死です(^^;
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by june_h | 2016-02-14 22:04 | 本 読書 書評 | Trackback | Comments(0)

最近、帳簿をつける必要があるので読んでみました。

さおだけなんて、そんなに売れそうもないのに、どうして商売になっているんだろう。
住宅街の高級フレンチレストランなんて客が入るんだろうか・・・・・。
世の中には、ちゃんと儲かっているのか心配になりそうな商売がありますが、そのカラクリを会計と絡めて、分かりやすく説明していて面白いです。

さおだけ屋はなぜ潰れないのか? 身近な疑問からはじめる会計学 (光文社新書)

山田 真哉 / 光文社



確か以前、著者の『女子大生会計士の事件簿』を読んだことがあります。

女子大生会計士の事件簿

山田 真哉 / 英治出版



大切なのは、目先の数字や損得に惑わされずに、全体を見ること。
そして、数字に対するセンスを磨くこと。

電化製品で「電気代が××円オトク!」と紹介されていても、自分の生活で、はたしてそんなに使うのか?と考えると、実は損だったりする。
某自動車メーカーに勤めている友人も
「エコカーは「ガソリン代が××円オトク」なんて宣伝しているけど、実は、車のライフサイクルで考えると全然エコじゃない」
なんて言ってたりします(^^;

あと、最近、お金以外の観点からも考えなければならないことを実感します。
電車賃を浮かせるために、一駅分歩くとする。
百数十円得したのか?
歩いた数十分損したのか?
歩いた数十キロカロリーを消費できて得したのか?
その労力分損したのか?
電車のエネルギーを使わなかった分、地球環境が得したのか?

人によって、また、場合によって、損得って変わると思いますよ!
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by june_h | 2016-02-10 14:10 | 本 読書 書評 | Trackback | Comments(0)

TOKYO MXテレビの番組『淳と隆の週刊リテラシー』に出演しているロンブーの田村淳さんと、ジャーナリスト上杉隆さんのエッセイ&対談本です。

淳と隆のなんだかおかしいニュースの裏側

田村 淳 / 双葉社


私は二人のツイッターをフォローしています。
淳さんは、ネットとコラボしたイベントをよくやっています。

こうした活動は、この本でも語っていましたが、テレビに対する危機感がその理由の一つだと言います。

このままでは、テレビはダメになってしまう・・・・・ただ、言われるがままに振る舞うタレントではなく、テレビ局のプロデューサーや、事務所のスタッフに、積極的に企画を提案しますが、キー局は規制だらけでなかなか思うようにいかない。
そんな時に活路を見出だしたのは、規制の緩い地方局やネットでした。
新たなビジネスモデルも提案しているようです。

それから、政治に対しても、積極的に発言しています。
お笑い芸人やテレビタレントが政治的発言をするのは、タブー視されますが、彼の姿勢を見ていると、
「一人のこの世代の男性として、日本国民として、自分の生活や国のことを当たり前に考えている」
ように思います。

上杉さんは、海外メディアと日本のメディアをよく比較しています。
海外メディアでは、あくまで政府と国民は別だと考えていて、政府見解は「大統領府は」「ワシントンは」のように報道しています。

日本のメディアは、国民と政府を分けて報道しないことが多いので、どうなんでしょうね。

また、日本のメディアで訂正がなかなかされないのも気になります。
自分が悪者にされるくらいなら国が滅んだ方がいいと思っている人がいるのは、メディアも同じようですね(^^;
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by june_h | 2016-02-01 21:06 | 本 読書 書評 | Trackback | Comments(0)

韓国人の日本観を知るための、韓国の財閥の元CEO、弁護士、大学教授と著者によるインタビュー集。
著者のオ・スンホ氏は、在日コリアン3世です。

韓国インテリジェンスの憂鬱

オ・スンホ / ベストセラーズ


今の日韓関係がややこしくなっているというのは、今回インタビューされた方々のみならず、全世界的な共通認識だと思います。
私がこの本に期待していたのは、日本とは違った見方だったり、状況を打開するための大胆な発想だったりしたわけですが、そういったものは見つけられませんでしたね(^^;
そもそも、メインストリームの知識人から既存の価値観をひっくり返すような思想は出て来ないでしょうけど、韓国の場合、日本よりも、均質化・同調圧力が強いような気がします。
内田樹先生の本が韓国で売れるというのは、硬直化した見方から離れるツールがなかなか無いことの表れのように思います。

韓国人には根底に
「日本は戦争に負けたのに、占領も解かれ、天皇制も残り、国土も分断されずズルい!」
という気持ちがあるみたいで。
そういう気持ちが根底の動機にあるなら、日本が韓国よりずっと落ちぶれない限り、何回誤っても許してもらえないような気がしますが(^^;

この本の中では、国民大学教授のイ・ゲヒョン氏のインタビューがわかりやすかったです。
日本の植民地統治時代の独立運動史を専攻されている教授ですが、韓国の今の主張や考え方が、どのような考え方を基にしているのかという点で、非常に参考になりました。
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by june_h | 2016-01-27 17:58 | 本 読書 書評 | Trackback | Comments(0)

オウム真理教教祖 麻原彰晃の三女のエッセイ。
マスコミにも「アーチャリー」という名で、たびたび登場していたので、ご存知の方も多いと思います。

止まった時計 麻原彰晃の三女・アーチャリーの手記

松本 麗華 / 講談社


私の「アーチャリー」に対するイメージは、ワガママで尊大。
小さい時から、教祖の娘の中で一番可愛がられ、信者達に「最終解脱者」として神や仏の如く崇め奉られてきた存在。

でも、実際の彼女は、ごく普通の女の子。
父親が大好きだけど、なかなか会えない。
幹部とは名ばかりで何もできない。
御付きの信者に囲まれてはいたけれど、不安と寂しさを抱えながらの幼少期でした。

彼女の人生が大きく変わったのは、父親の逮捕。
以降、教団内部は混乱し、彼女も家族も、一時的に記憶を失うほどの出来事が、次々と襲ってきます。

家族や他の教団幹部達は、彼女の名を語って、信者達を動かそうとしました。
教祖が一番目をかけていた「アーチャリー」の言うことならば、信者は従うからです。

彼女が望んだのは、教団の中での特別な存在としての自分ではなく、実社会でのごく普通の生活でした。
当たり前のように学校に通い、仕事をする。
しかし、「オウム真理教の幹部」である彼女には、非常に困難でした。
合格した学校に入学拒否され、バイトもクビになる。
そんなことが繰り返し起こりました。

以前、四女のエッセイ『私はなぜ麻原彰晃の娘に生まれてしまったのか』を読んだことがありますが、その本とは事実が食い違う部分もあります。

何が善いとか悪いとか、ウソかホントかとか、全部置いておいて、彼女が体験している出来事と、それに対する彼女の感情だけを考えると、なんて苛酷な人生なんだろうと思います。

そんな人生の中でも、彼女を親身になって支えてくれた信者や、学校の友達、弁護士がいたわけで。

教団幹部だった彼女は、一生、公安の監視から逃れられないそうです。
現在、彼女は、オウム真理教の被害に遭った人達の手記を読んだりして、教団が起こしたことに向き合っています。
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by june_h | 2016-01-24 11:44 | 本 読書 書評 | Trackback | Comments(0)

木村藤子さんは、何冊も本を出版されていますが、この本は、死後の世界や前世にスポットを当てています。
カルマに興味がある私には、とても面白い本でした。

あなたが、ここに生まれてきた理由

木村 藤子 / 学研パブリッシング


死後の世界や輪廻転生について書いてある本は、小さい時から結構読みました。

細部は違いますけど、大体、言っていることは同じ。
霊性の進歩のために、魂は輪廻転生を繰り返すのです。
時たま、ユニークな人生を送る人を見ると、前世はどんな人だったんだろうと、ついつい私は妄想しちゃいます(笑)。

死後の世界の「身の振り方」や転生先は、自分で決めるという人もいれば、閻魔様や白いおひげの神様に決められるという人も。
おそらく、どちらもあるのでしょう。
この本では後者でした。

木村さんは、前世の罪により、霊能力で人助けをすることになったそうですが、今世で頑張らないと、来世でまた、医者になって毎日、人をたくさん助けなければならなくなるということを、神様に見せられたのだとか。
人助けをしている方々の全員が、そのようなわけではないと思いますが、なんだかとても興味深い話でした。
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by june_h | 2016-01-21 16:00 | 本 読書 書評 | Trackback | Comments(0)

甲野先生と、統合医療医の小池さんの対談。

武術と医術 人を活かすメソッド (集英社新書)

甲野 善紀 / 集英社


甲野先生は、人間の運命は決まっているのかいないのか、ずっと考えていたそうですが、

「人間の運命は決まっているのと同時に自由」

という結論に至ったそうです。
一見、矛盾しているようですが、私なりの理解は、

「シミュレーションゲームのように、選択肢が用意されているという点で、人間の運命は決まっているが、どれを選ぶかは自由」

というものです(^^;
このことは、昔読んだ『神との対話』に書いてあったような。

神との対話―宇宙をみつける自分をみつける (サンマーク文庫―エヴァ・シリーズ)

ニール・ドナルド ウォルシュ / サンマーク出版


それから、甲野先生は、人体の不思議と奥深さよりも、人間の弱さと向き合うことの方が多いようです。
というのは、アスリートの監督やコーチに呼ばれて体の使い方を教えることが多いそうですが、普段、彼らが教えていることと正反対のことを教えると、呼ばれなくなってしまうそうです。

選手を伸ばすことよりも、自分の面子の方が大事だからなんですね(^^;
身体を鍛錬することも大切だけど、心の弱さと向き合うことがいかに難しいか、よくわかる話でした。
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by june_h | 2016-01-11 09:16 | 本 読書 書評 | Trackback | Comments(0)

木村藤子さんは、何冊も本を出版されていますが、この本は、死後の世界や前世にスポットを当てています。
カルマに興味がある私には、とても面白い本でした。

あなたが、ここに生まれてきた理由

木村 藤子 / 学研パブリッシング


死後の世界や輪廻転生について書いてある本は、小さい時から結構読みました。

細部は違いますけど、大体、言っていることは同じ。
霊性の進歩のために、魂は輪廻転生を繰り返すのです。
時たま、ユニークな人生を送る人を見ると、前世はどんな人だったんだろうと、ついつい私は妄想しちゃいます(笑)。

死後の世界の「身の振り方」や転生先は、自分で決めるという人もいれば、閻魔様や白いおひげの神様に決められるという人も。
おそらく、どちらもあるのでしょう。
この本では後者でした。

木村さんは、前世の罪により、霊能力で人助けをすることになったそうですが、今世で頑張らないと、来世でまた、医者になって毎日、人をたくさん助けなければならなくなるということを、神様に見せられたのだとか。
人助けをしている方々の全員が、そのようなわけではないと思いますが、なんだかとても興味深い話でした。
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by june_h | 2015-12-21 22:29 | 本 読書 書評 | Trackback | Comments(0)

著者は、イスラム法学者の中田考先生の奥様。
エジプトでのホームステイ生活やサウジアラビアのハッジ(メッカ巡礼)、夫の中田先生のことなどが書かれていて興味深かったです。

イスラームの息吹の中で (泰流選書)

中田 香織 / 泰流社


中田さんは、元々、フランス文学を勉強していてフランスに渡り、そこで、イスラム教に魅せられ、入信したそうです。
その後、エジプトでホームステイをしながらアラビア語とコーランを学んでいます。

イスラム教徒の女性は、同じイスラム教徒の男性としか結婚できません。
エジプト人男性と結婚し、日本で布教活動をしようと考えていましたが、なかなかうまくいかず。
そんな時、エジプトでの良き相談相手だった中田考先生に「打診」して、最終的に結婚されたのだとか。

読んでいると、アッラーとイスラム教に対する、中田さんの尊敬の念と深い感動が伝わってきます。

コーランの美しいアラビア語の詩。
人々の生活の中に息づく宗教的な儀礼。
一つ一つ語る言葉に愛があります。

イスラム教徒の女性のアバーヤは、西洋諸国からすると「抑圧の印」ととらえられますが、中田さんには、アバーヤで夫と歩いていると、
「女主人が従者を引き連れているよう」
な優越感を抱くのだそうです。

逆に、露出の高い日本女性がはしたなく思えるようです。
このことは、長く中東に滞在している私の友達も同じように言っていて、
「水着の広告が電車内に多くて目のやり場に困る」
んだとか。

中田さんは、旦那さんの中田先生と同じく「改宗ムスリム」ですが、やはり、お二人とも、イスラム教を芯からとらえようとしている点が似ていらっしゃると感じました。
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by june_h | 2015-12-13 22:25 | 本 読書 書評 | Trackback | Comments(0)

作家の田口ランディさんと、東大病院救急部・集中治療部部長 医師の矢作直樹さんの対談。
この二人が話すことと言えば、死後の世界しかないでしょう(笑)。

「あの世」の準備、できていますか?

矢作直樹 / マガジンハウス


田口ランディさんの次の言葉が印象的でした。

「社会適応をしなくてもよくなった人、死に近くなったような人、あなたはもう役に立たないから必要ありません、と社会から排除された人は、逆に社会に適応する必要がなくなるから、その人が望めば見えてくるすごい世界がある」

不本意に、今までいた世界とは別の世界に来てしまった時、早く元の世界に戻りたいと、必死でジタバタしてしまうもの。
でも、目を凝らして、自分が来てしまった世界に向き合ってみると、今まで見えていなかった世界、今まで見えていなかった自分が見えてきます。
なので、罪悪感や敗北感を抱く必要は決してありません。

それから、心理学者の河合隼雄先生のお葬式で、誰かが
「河合隼雄先生が夢枕に立ってご指導くださった」
という話をした時、私の夢にも現れたという声が次々に起こったという話がありました(^^;

なんだか、いろんな方のガイドスピリットのようになっていらっしゃるんですね!

私のゼミの先生が亡くなった時、河合隼雄先生が弔辞をお読みになったことを思い出しました。
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by june_h | 2015-12-06 14:22 | 本 読書 書評 | Trackback | Comments(0)