カテゴリ:本 読書 書評( 569 )


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人間よりも細菌のほうが、ずっと子供思いだな。抗生物質に対抗する部品を娘細胞に渡して、自分は死んでいくんだから。
そして、娘達は耐性を身につけて、強力な細菌に進化する。そして、どの抗生物質も効かないMRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)みたいな細菌が生まれてくる。

人間が抗生物質を発見したときから、宿命的に続いてきた、耐性菌の出現と新薬開発のイタチごっこのルポ。

MRSAの院内感染とか、耐性菌の問題は、新しい問題なんだと思ってた。でも、ペニシリンが発見された1940年代からすでに、研究者の間では知られていた。

抗生物質は、人間の寿命を大幅に伸ばし、家畜の成長を促進する「魔法の薬」として、製薬会社によって大量に売られ続けた。耐性菌が出現しても、それを死滅させる抗生物質を新たに開発することで、抗生物質の神話は保たれてきた。耐性菌との戦いは、必ず人間が勝利すると信じて。
比較的安い値段で手に入り、即効性があるため、人々もこれを求めた。抗生物質が効かないはずのウイルス性の風邪にも、医者は万能薬のように処方し、乱用は数十年続いた。結果、MRSAのような強力な細菌が出現し、院内感染に留まらず、市中にも広がった。
60億個の細胞を持つ人間が、1個の細胞ですらない細菌に負けてしまう。これが現実だ。

細菌と人間の戦いだけではない、抗生物質をめぐる研究者、製薬会社、国家の戦いも描かれている。抗生物質の乱用は危険であるとして、家畜への使用禁止を求める研究者と、抗生物質は「成長促進剤」であるとして、ロビー活動を展開する製薬会社。金が絡んだ途端に、捻じ曲げられる真実。

読めば読むほど絶望的になるが、抗生物質に代わる新たな抗菌薬として、ファージやペプチドに対する期待についても書かれている。しかし、実用化にはまだまだ時間が掛かるようだ。

素人考えでは、細菌をやっつけるのではなく、免疫力を高める薬を開発したほうがいいんじゃないかと思ってしまう。新たな抗菌薬を開発したって、どうせ細菌は強くなるのだから。抗生物質のせいで、それまでは何の害もなかった細菌まで毒性を持つようになったとか。恐怖政治で人を押させつけすぎて、かえって憎悪や革命を助長する、どっかの政治ベタな国みたいだぞ。

感染症は老人や子供だけの問題ではない。過労やストレスなどで免疫力が落ちた若い人の間にも、抗生物質の効かない結核が増えているという。

あなたは、手洗い、うがい、してますか?

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by june_h | 2007-06-09 09:47 | 本 読書 書評 | Trackback | Comments(0)

「人間が最も能率を上げるのは、遊ぶときである。このときだけは、どんな人間でも実に能率よく遊ぶものである」


なかなか面白い言葉ですね。働き詰めは良くない。働くときはキッチリ働き、遊ぶときはパーッと遊ぶ。遊んでこそ、新たなアイデアが生まれ、娯楽の需要が伸び、経済が繁栄する。遊びの大切さを良くご存知です。

編集の仕方が問題なのか、具体的なエピソードが少なく、精神論に偏っていて、「年寄りの世間話」の感がなくもないのですが、この方は、根っからの技術屋さんだってことが伝わってきます。
日本では1995年に施行された、製造物責任法につながる概念について、昭和27年の時点で言及されているのも、先見の明の最たるものでしょう。

バイクや自動車には全く興味がない私ですが、車やバイクって、実用的な面はもちろん、経済力のステータスシンボルだったり、レースなんかの娯楽だったり、いろいろな面があることを、この本と本田さんから教えられました。

一番素晴らしいと思ったのは、「デザイン」や「美」というものを、とても大切にされていたこと。この時代の経済界のトップで、こんなことをおっしゃる方は、珍しいんじゃないかしら。ただ単に、どれだけお金をかけたデザインか、どれだけ飾っているか、ということではなく、洗練された製品のボディラインであったり、装うことを通して人間の内面からにじみ出る知性であったり、デザインの本質をとても大切にされていた方です。
そんなわけで、女性のファッションと洋服のラインに、とてもこだわりと興味をお持ちだったよう。だからこんなこともおっしゃっています。

「人間というものは全部美人になれる素質がある。美人になれるかどうかは、自分の、いわゆる磨き方一つにかかっているというわけである。(中略)私は、人間の美しさというものは、そういった天然の美しさだけでなく、さらに磨きあげられた第二の天性が重なりにじみ出してくるところにあると思う。デザインの価値というものはそれと同じである。生まれつききれいな人は、たいてい自分の美しさを支える知性を磨く前に、自分の美しさに溺れてしまうことが多い」


私も美人になっれるっかなー♪


<関連リンク>
本田宗一郎(ウィキペディア)

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by june_h | 2007-06-05 20:33 | 本 読書 書評 | Trackback | Comments(0)

病気になっても薬を飲むな!読んだらそう思う本。

くすりの裏側―これを飲んで大丈夫? (集英社文庫)

堀越 勇 / 集英社


私は小さい時から病弱で病院が大好き!薬も点滴も大好物!のヘンタイ(^^;ですが、最近薬の効きがだんだん悪くなってきたり、明らかに具合が悪くても病院に行くと「異常無し」と言われてしまったりして、現代医療と自分の体についていろいろ思うことが最近多くなったので、手始めにこの本を手に取りました。

読めば読むほどゾッとする話ばかり。決してわざとおどろおどろしく書かれているわけじゃない。私が知らなさ過ぎたのです。

漢方薬は安全なんて言われて飲んでいたけど、中には肝臓に悪いものもあるし、そもそも生薬自体が農薬で汚染されていたり。
私が飲んだことのある薬が「存在しないほうがよい、製造中止にすべき」とされる「デビルピル賞」にノミネートされていたり。
もう私、オヨメに行けません(T_T)

業界にもいろいろ問題があって、日本で開発された薬は治験が曖昧で、国際的信用が低いとか。
効果が無いのに「痴呆症に効く薬」と謳って売りまくって莫大な利益を上げたとか。

読めば読むほど腹の立つ話ばかり。薬を飲むことで健康になるならまだしも、お金と健康を失うことになるなんて!

そもそも病院で薬をたくさん処方されて、国民が薬漬けになってるのは日本くらいなもので、医療行政に問題がある、というより、何か政治的な意図すら感じてしまいます。

その一方で、薬の副作用を主作用にしてしまった興味深い例も。
「悪魔の薬」と言われ、たくさんの奇形児を生み出す原因となったサリドマイド。これが今、ハンセン病やガンの治療薬として再び注目を集めていることを知って驚きました。
それから薬局で買える睡眠薬としてCMでお馴染みのドリエル。これは元々風邪薬の副作用で発生する眠気を主作用として売り出したもの。もちろん、安全な薬というわけではありません。

薬って、やっぱ、体にドクなのね・・・・・。

<関連リンク>
おくすり千一夜(著者のサイト・この本のネタ元)

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by june_h | 2007-05-30 21:02 | 本 読書 書評 | Trackback | Comments(0)

私を歌舞伎に引き合わせてくれた、思い出深い一冊です。

手持ち無沙汰で図書館でブラブラしていた私は、演劇の本でも探そうと書棚をのぞくと、この本に目が留まったのでした。
「そういえば、現代劇はよく観るけど、歌舞伎って、あんまり縁がなかったなあ」
そう思った私は、入門書でもかじる気分で借りたのでした。

かたっ苦しい説明はほとんどなくて、イラスト満載。
「歌舞伎座のホール内は飲食OK!」・・・・・食堂か!?
「歌舞伎座のロビーでたい焼きが買える」・・・・・縁日か!?
「一幕見席なら数百円で歌舞伎が観られる」・・・・・公民館か!?
「市川染五郎ファンクラブは年会費数万円」・・・・・ぼったくりか!?

これを観て、すごーく歌舞伎座に行ってみたくなりました。

それからは、日比谷や銀座に行くたびに、歌舞伎座に寄るようになり、ハマってしまったのは言うまでもありません。
歌舞伎座って、ロビーもすっごく面白いんですよねー。お菓子とかお土産とかいろいろ売ってるし、歴代の歌舞伎役者の肖像もいっぱい飾ってあるし、絵画や工芸品なんかも展示されているし、幕の間にウロウロしているだけで楽しい。

歌舞伎役者さん達にとって、歌舞伎座は生まれたときからの生活の場。染五郎さんの視点から観た、歌舞伎の魅力満載です!


<関連リンク>
「市川染五郎と歌舞伎に行こう! 」(旬報社)
「市川染五郎と歌舞伎に行こう! 」(Amazon.co.jp)

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by june_h | 2007-05-26 11:36 | 本 読書 書評 | Trackback | Comments(0)

「バージンの女優とそうでない女優の見分け方」とか「性欲の強さは脇のシタと足のウラでわかる」なんて書いてあるから、下世話な私はついつい気になって読んでしまった。

『静心』 大石静 著 角川書店

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『ポンポンしてる?』 大石静 著 小学館


NHKの朝ドラ『ふたりっ子』や、NHK大河ドラマ『功名が辻』でおなじみの脚本家、大石静のエッセイ。

人の興味を惹くツボを心得ているのはさすが有名脚本家。人の注目を集めることを四六時中考えている、彼女を取り巻く業界人の話はそれなりに面白い。でも私が魅かれたのはそんなことではない。

やっぱり大石静の人となりだ。
この人は、何かを手に入れたいと思ったら、手に入れるために、自分の気持ちに正直に、ウンウンうなりながら、傷つきながら、真っ直ぐがんばらずにはいられない人だ。これだけなら誰でもできるが、この人のスゴい所は、手に入らないとわかったら、やさぐれるでもなく、誰のせいにするでもなく、潔く諦められる人なのだ。いや、諦めざるを得なかった人なのだ。そして、諦めた後に彼女が手にした、透明ですがすがしい境地。自分はどこにでもいるただの人間なのだという達観。ここまでたどり着ける人は、本当のオトナだ。そして、今の日本には、こんなオトナはなかなかいない。

脚本家の産みの苦しみと大勢の現場スタッフの徹夜作業を経て、ドラマが出来上がっていくエピソードは、どんなに華やかに見える世界でも、地味ぃな作業の積み重ねで日々が過ぎていくのは同じなのだということを教えてくれる。

あなたがたまたまチャンネルを替えて目にした恋愛ドラマのラブシーンは、脚本家とプロデューサーが、視聴率に歯ぎしりしながら、お互いの全人生と恋愛経験を賭けて「ここで二人は寝る」「いや寝ない」と一晩中議論した結果かもしれない(笑)。

<関連リンク>
『静心』(Amazon.co.jp)
『ポンポンしてる?』(Amazon.co.jp)
大石静(ウィキペディア)
静の海(大石静公式サイト)

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by june_h | 2007-05-18 21:59 | 本 読書 書評 | Trackback | Comments(0)

雑誌『和楽』で連載された、ルポライター小松成美さんと、日本の伝統芸術家や伝統工芸師との対談集。

小さい時からその道一筋とか、跡継ぎとして育てられたとかいう人は、昔と違って今は少ないようだ。いろんな経験をして、外側から芸の良さや自分のアイデンティティを再認識して戻ってきたという人が多かった。
特に海外での体験が重要だったという人が何人かいた。日本だと「難しい」とか「古い」という固定観念があって敬遠されがちだけど、外国人は、良いものは素直にスバラシイと受け止めてくれる。それに、違文化での生活をとおして、日本の文化の良さを知ることも。

日本の伝統芸能に携わる人達は、親もそうだったという人達が多い。だから、彼らにとっては単なる仕事ではなく、親子の絆であったりする。特に、落語家 柳家花縁と、祖父の柳家小さんのエピソードには泣かされた。

対談集ということなので、一人一人に割かれているページ数が少ないため、オーソドックスな話題で精一杯な印象。本当はもっと突っ込んだ話もしていたのだろうけど、紙面の都合で割愛されたんだろうな。
インタビュー内容は仕方ないとしても、各々が携わっている作品の写真があれば、もっと魅力的な本になったと思うし、その良さももっと読者に伝わったと思う。

でも、こんな世界もあるのだなあ、とちょっと覗いてみるには良い本。

<関連リンク>
『和樂』(雑誌の公式ページ)
『和を継ぐものたち』(Amazon.co.jp)

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by june_h | 2007-05-17 21:03 | 本 読書 書評 | Trackback | Comments(0)

版元(出版社)、印刷会社、取次、書店、図書館、など、一冊の本が読者に届くまでに関わる様々なポイントの問題点を照らすことで、日本の出版の現状(2000年当時)を浮かび上がらせたルポ。

だれが「本」を殺すのか

佐野 眞一 / プレジデント社


私が小学生だった頃。薬師丸ひろ子が主演した角川映画『里見八犬伝』がヒットした。映画を観た母は、ノベライズ本も読みたくなって、近所の本屋に買いに行った。しかし当然のごとく売り切れ。注文すると一ヶ月以上掛かると言われ、結局手元に届けられたのは半年以上後のことだった。母も私も注文したことを、すっかり忘れていた。

こんなことがあってから二十年以上経つが、この本を読んで驚いたのは、現在(2000年当時)もこうした状況はほとんど変わっていなかったということだ。もっと驚いたのは、ネット書店やコンビニの参入など、本の流通に改善をもたらしたのは、出版業界出身者ではなく、異業種からの参入組だったことだ。
出版社の採用試験は倍率が高く、試験自体も難しいためかなり「優秀な」人材が入っているはずなのだが、一体なぜ?

日本全国でチェーン展開する古本屋、ブックオフの創業者も、以前は中古ピアノの販売をしていたという、異業種参入組。本の再販制度(再販売価格維持契約)を逆手に取って急成長し、新刊書店の万引きなどを助長して、既存の出版界の人間からは、蛇蝎のごとく嫌われているが、新刊書店が、ブックオフで安く仕入れた本を出版社に「返品」したり、既存の古本屋がブックオフで安く「仕入れた」本を高く売ったり、モラルの崩壊とも言える現場が報告されている。しかしある意味、こうした問題が起こるのは、出版の流通制度の閉塞状況を物語っていると言えるのかもしれない。

何かの本で、今、日本で最も遅れているのは、教育や出版など「日本語」だけで閉じている世界だという。本は、自動車や電化製品のように、そのまま世界に売れるわけではないから、パイが限られている。「本が売れないのは、若者の活字離れのせいだ」なんていう業者の言い訳も、この本を読むと、無責任でヒトゴトに聞こえる。

一人一人読者を大事にする。そんな当たり前のことが難しい、出版界の今がわかる本。

佐野眞一のルポは面白い。文章から彼の情熱がほとばしってくるから面白い。でも、ラストに近づくにつれ、さらに温度が上がって、私のアタマでは、彼が何を言いたいのか、理解できなくなってしまう(笑)。

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by june_h | 2007-05-12 11:04 | 本 読書 書評 | Trackback | Comments(0)

篠山紀信による、歌舞伎座と坂東玉三郎の写真集。

玉三郎さんの解説と共に、篠山紀信の感受性で切り取られた歌舞伎座の裏表を、大判の写真で堪能できます。

舞台の写真だけでなく、客席、屋根の上、楽屋裏などなど。歌舞伎座は多くの人たちに支えられていることが本当によくわかります。
舞台って意外に奥行きがあるんだなぁとか、役者さんたちが濡れないように歌右衛門さんが屋根を作ったというトンボの稽古場はココなのかぁとか、なんか古そうなお風呂だなぁとか、衣裳部屋ってどんな匂いだろうとか、役者や裏方さんたちの息遣いや生活観が伝わってきます。

一番興味深かったのは、歌舞伎座の玉三郎の楽屋。玉三郎さん愛用の調度品が並んでいるのですが、一々趣味が良いものばかり。古い螺鈿の化粧台、ペルシャ織の絨毯、衝立、そして活花。その中で静かに座る玉三郎とお弟子さん。すべてが玉三郎の美意識によって調和し、楽屋が一幅の絵のような佇まいなのです。まさに「美意識のカタマリ」。

私が始めて玉三郎を観たのは、数年前の舞踊公演でした。
会社の先輩に連れられて、開演間際に駆け込んだら、最前列ド真ん中の席!玉三郎の踊りをカブリツキで観ることのできた贅沢な時間でした。

観終わった後、わたしゃ腰痛になりましたね(笑)。だって、玉三郎さん、数十分間ずっと、膝を落として中腰で踊り続けるんですよ!しかもそれを全く感じさせない優雅な動き。過酷なまでの筋力を使っていることを、私は自分の頭じゃなくて、腰で感じてしまったんですね。

最近、歌舞伎の本で、立役よりも女形のほうが、筋力を使っていることを知りました。女形は内へ内へ「体を殺して」踊る、と表現されていました。そんなわけで、ストレスが溜まるのか、女形は酒飲みが多いそうです(笑)。
玉三郎さんはどうなのかしら・・・・と、この写真集を見ながらふと思いました。

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by june_h | 2007-04-29 08:24 | 本 読書 書評 | Trackback | Comments(2)

先代、十一代目市川団十郎、その息子で現在の十二代目市川団十郎、さらに息子の市川海老蔵、三代にわたるエピソードが綴られたエッセイ。

海老蔵そして團十郎 (文春文庫)

関 容子 / 文藝春秋


舞台では荒事の勇壮な演技を披露しながらも、私生活では非常に繊細だった十一代目団十郎。
歌舞伎界きっての名家に生まれながらも、若くして父親と死別したことで後ろ盾を失い、大変な苦労をすることになった十二代目団十郎。
「完璧な隔世遺伝」と言われるほど、祖父である十一代目団十郎にそっくりで、大河ドラマ「武蔵」で一躍有名になった市川海老蔵。
面々と成田屋の血と芸は受け継がれていきます。

残念なのは、本の中で名前が統一されていないので、誰のエピソードなのかわからなくなってしまうところ。
十二代目団十郎のことを「新之助さん」と言ったり「海老さま」と言ったり「団十郎」と言ったりして定まらず。はたまた「団十郎」と言ったとき、何代目の団十郎を指すのかわからなかったり。
これで時系列に並んでいるならまだわかるけれど、そういうわけでもない。初心者の私は読みながらかなり混乱しました。
歌舞伎役者の名前はコロコロ変わるものだとはわかっているけど、もうちょっと親切に書いていただけたらなぁ・・・・・。

エピソードの一つ一つは興味深いけれど、古くからずっと成田屋を応援している方々が楽しむ本、という印象。

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by june_h | 2007-04-27 22:25 | 本 読書 書評 | Trackback | Comments(2)

集英社インターナショナルから出版されている「痛快!~学」シリーズの歌舞伎編。
執筆者は、歌舞伎のイヤホンガイドでお馴染みの小山観翁さん。私は彼のイヤホンガイドが一番面白くてスキです。

冒頭部分は、彼の家の話だったり、イヤホンガイドの自慢話だったりして「アタシは歌舞伎について知りたいの。あんたの話を聞きたいんじゃないの(-_-#)」と、怒りながら読んでいたのですが、いろんな歌舞伎入門の本の中で、この本の内容が一番印象に残っているんですねえ。それは何故かというと、小山さんが面白いと思っていることだけを載せているからかな?

ほかの入門書は、歌舞伎をなるべく客観的に、分かりやすく解説しようとしています。でも、歌舞伎は客観的に分析されても面白かぁない。あらすじや人物相関を忠実に再現されても、複雑に感じるだけだし、そもそも登場人物の名前が難しいしから、やっぱ歌舞伎は敷居が高い!って投げ出しちゃう。それより「この芝居で十五代目市村羽左衛門は西洋人とのハーフだったから、高い鼻を見せつけるために横顔で見得を切った」みたいな話のほうが面白い。

本で読むより、歌舞伎通の人と一緒にお芝居見ながら解説してもらうのが、一番良いんですけどね。

小山さんの話は歌舞伎だけにとどまらず、絵島生島事件の真相や、浮世絵の東洲斎写楽の正体など、多岐に渡ります。
特に興味深かったのは、江戸時代の芝居小屋のお得意様だった大商人のお嬢様達の話。
芝居見物が決まったお嬢様は、その日に着ていく着物をキャアキャア言いながら何枚も新調し、当日、お共の人を連れて屋形船に揺られて芝居小屋へ(屋形船の乗り降りの方法まで書いてある)。実際のお芝居が始まると、幕間(休憩時間)ごとに、着物を着替えたそうな。
今も歌舞伎座に行くと、晴れ着の人をよく見かけますが、江戸時代のお嬢様の気合いの入れ方はスゴいです(^_^;)

ああ、私も江戸時代のお嬢様になって、屋形船で芝居見物に行ってみたい(*^_^*)

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by june_h | 2007-04-26 20:55 | 本 読書 書評 | Trackback | Comments(2)