<   2007年 08月 ( 21 )   > この月の画像一覧

勘三郎の舞台が観たくて歌舞伎座へ。
立見席目当てだったけど、大人気だからたぶんダメだろうなと思いつつも、とりあえず行ってみた。

・・・・・やっぱりダメだった(-。-;;;

私が観たかった舞台は既に締め切られていて、今並んでいる人たちは、その次の舞台を待っているのだという。
これからまだ2時間以上並んでるのね。ご苦労様・・・・・と思いつつ上野へ。
観たい美術展はいくつかあったけど、暑くて歩く気しなかったので、なるべく駅から近い博物館にしました。

京都五山は、鎌倉五山と一緒に、受験で覚えさせられましたですねえ(私は日本史受験)。今回、展示されていたのは、鎌倉時代から室町時代のものでした。
曼陀羅とか鈴とか、きらびやかな密教の仏具と違って、禅宗のはジミなイメージがあるけど、仏像とか、偉い禅僧の像とか、写実的でなかなか美しいので好き。中でも、仏画が好きで、この時代の仏様の光背の表現が好きなのね。柔らかくて。
高校の遠足で鎌倉に行ったとき、如意輪観音を見て一目ボレしましたです。

そんなことを考えていたら、修学旅行中、宿で騒いでいて、廊下に正座させられたことを思い出しました(^^;;;


<関連リンク>
足利義満600年御忌記念「京都五山 禅の文化」展(東京国立博物館)
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by june_h | 2007-08-30 20:55 | 美術展 展覧会 | Trackback(1) | Comments(0)

鈴本の前方の座席には、テーブルがあるんですねー。
飲食物を置いたり、メモを取ったりするのに便利♪
でも、以前、小朝が「最前列でカップラーメンをすすっていた不届きモノがいた」と言ってました。私も前から2列目に座っていたけど、いくら恥知らずな私でも、ここでカップラーメンをすする勇気は、さすがにない(^^;;


■「四段目」:林家正蔵
聞いてみたいと思ってたんだよねー。この噺。
タイトルでわかるように、ズバリ、『仮名手本忠臣蔵』四段目を題材にした噺。
私も芝居が大好きだから、仕事を忘れて夢中になってしまう、定吉くんの気持ち、わかるわかる。
幸四郎と吉右衛門がネタにされてて、私は一人で大ウケ!
サゲもよくできてて、うーん、もう一回聞きたい!
やっぱり、お義兄さんの指導があるのかしら。正蔵、なかなか面白い!甲高い声と愛嬌のあるキャラだから、子供とかタヌキとかが出てくる噺をやると、ピッタリだと思う。
でも、人の悪口で笑いを取る所は、お義兄さんに似てほしくないな(^^;;;
<あらすじ>
丁稚の定吉は、店の仕事をサボって芝居を観に行っていたことがばれ、蔵の中に閉じ込められてしまう。仕方なく、蔵の中で、「ごぜーん(御前)」「待ちかねたぞ」と、忠臣蔵四段目、判官切腹のシーンをマネして、空腹をまぎらしていた。女中のおキヨが、ふと蔵を見ると、定吉が腹に刀を突きたてようとしていたからビックリ!急いでご飯を持って、蔵の中へ。
「ごぜーん(御膳)」「待ちかねたぞ!」


■奇術:伊藤夢葉
突然ムチを取り出して、ビシッビシッと鳴らす。
へえ、ムチって、モノに当たって音が鳴るんじゃなくて、空気を裂くときに音が鳴るのね・・・・・なんて感心してたら、さっさとカバンにしまっちゃった。
ええええぇぇ!?ムチで手品やるんじゃないの!?
予想外のボケでした。


■真景累ヶ淵「豊志賀の死」:鈴々舎馬桜
映画『怪談』の原作。今回、圓朝の新たな魅力発見!

それは、登場人物の感情の変化や行動に、いちいちとっても納得できるのだ。
それを特に感じたのは、お久の設定。

豊志賀と新吉が深い仲になると、あんなふしだらな師匠の所には通えない、と、豊志賀の弟子がどんどん減るが、お久だけは最後まで通い続けること。
それから、新吉と二人きりで話したとき、駆け落ちしてもいいんですよと迫ったこと。
この二つの行動の裏には、お久が継母にいじめられていて、家に居場所がなかったという事情がある。
お久のそんな危うさが、お久自身を悲劇に巻き込んでいく。

危ういのは、豊志賀も新吉も同じ。
豊志賀は生真面目で身持ちの堅い女だけど、一度のめりこむと、盲目的になってしまう。
新吉は素直で優しいけど、ムードに流されやすく、場当たり的な行動を取ってしまう。
三人とも、決して悪い人ではない。誰もが持っている人間の危うさ、弱さが悲劇を招く。
そこに、妙なリアリティと強い説得力を感じて、引き込まれる。

だから、豊志賀の遺体を発見した帰り道、新吉のおじさんが「ギャアアアアァ」と叫んだとき、すっかり物語に入りこんでいた私は
「なに?なに?何が起こったの?」
と背筋がゾクゾクッとした。

人の因果をストーリーの中に巧みに織り込む点では、黙阿弥に似てるけど、彼の芝居のようなワザとらしさはほとんど感じない。

それから、随所に、実在する地名や建物の名前が出てくるのも、リアリティが増す仕掛けになっている。
これらは、圓朝がその土地に足を運んで、取材したことによるそうだ。落語家じゃなくて、ルポライターみたいだ。
だからといって、講談のように、背景を長々と説明したりしない。
最低限の言葉で分かりやすく、聴く人の想像力をうまく引き出す。

惨たらしい話なのに、物語としての「美」を感じる。
やっぱり円朝って、スゴい。

馬桜さんはなかなかうまかった。ただ、言葉の語尾の処理を、もう少し丁寧にしてほしい。セリフを言い終えないうちに、次の人のセリフを始めてしまう箇所が目立った。テンポを良くするために、わざとそうしている部分があるのかもしれないが、あまりにも頻繁だと、いい加減にやっているように感じてしまう。この辺、歌丸さんは、きっちりかっちりじっくりやる人だったから、つい比べてしまう。

それから、新吉をもっとカッコ良く演じて欲しかった。熊さん八つぁんみたいなしゃべり方じゃあ、アタシは惚れない(笑)。


<あらすじ>
真景累ヶ淵(ウィキペディア)


<関連リンク>
鈴本演芸場
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by june_h | 2007-08-29 20:48 | 落語会 寄席 | Trackback | Comments(0)

初スズモトです!うれしー!一度来たかったの。
大通りに面していて、迷うわけないんだけど、方向オンチの私は、しっかり迷ってしまいました(笑)。あー、足がツカレタ。
改装されたのか、コギレイな小屋だなぁという印象。


■「どうかん」:?(メモし忘れた)
淀みがないし、声も大きい。でも、セリフの間を詰め過ぎていてちょっとせわしない印象。もうちょっと、お客さんをしっかり見てね。
<あらすじ>
「道灌」(吟醸の館)


■「ちりとてちん」:鈴々舎馬るこ
出囃しのメロディが美しくて気に入りました。・・・・・でも、これってプロレスのテーマなの?あれ?私、勘違いしてる??
本題は、いつもエラそうで愛想の無い中国人をギャフンと言わせるために、おだて上げて、腐った麻婆豆腐を食べさせる噺。
筋は「酢豆腐」とほとんど同じ・・・・・と思ったら、「酢豆腐」を上方では「ちりとてちん」と呼ぶらしい。
文字どおり「毒」のある話ですが、毒を持たせて欲しい場所が、私のツボとちょっと違う。
でも、中国人が腐った麻婆豆腐を食べて悶絶する芝居は、なかなかの熱演でした!
<あらすじ>
「酢豆腐」(ウィキペディア)


■漫才:大瀬ゆめじ・うたじ
うなぎは「ワショク」か「ヨウショク」かで揉めるネタ。
オチは最初からミエミエなのですが、ウナギに関する蘊蓄と共に、最後まで楽しめました♪


■「粗忽の釘」:隅田川馬石
ホウキを架けるために、ものすごく長い釘を壁に打ち込んだらば、隣の人んちに突き抜けちゃって、こともあろうに、仏壇の仏様の首をぐっさり。「ここにホウキをかけよう」ってサゲ。
うわー、どこに突き抜けちゃったんだろー、っていろいろ想像しちゃってワクワク。落語って、お化け屋敷に来たみたいなんだよねー。先が見えないからオモシロイ、みたいな。


■「二階ぞめき」:柳家喜多八
脱力系の噺家さん。高座に上がるときも去るときも、ヤル気なさそう。
でも、噺はきっちり。ちゃんとお仕事なさってました。
吉原に行くことを禁じられた若旦那が、ネコを相手に遊女とのノロケ話をするのですが、ネコがアクビしたり、興味なさそうにしたりしているところが目に浮かびましたね。


■粋曲:柳家小菊
お三味線で、どどいつなどを唄ってくれました。
落語に集中しっぱなしだったので、ちょっと息抜き。ウットリ聴きながらウトウト。


■「夏泥」:橘家文左衛門
「今日も超満員で」とマクラでのたまうから、思わず振り返って確かめたら、
「そこのあなた、だからって振り返らなくていいんですよ」
と突っ込まれてしまいました(^^;;;
こういう泥棒がいたら、世の中もっと平和なんだけどなあ。貧乏の描写がスゴくって、聴きながら部屋の様子が浮かんできました。
<あらすじ>
泥棒が貧乏長屋で「仕事」をしようとしたが、あまりの貧乏暮らしを不憫に思って、逆に、住人に施しをしてしまう。増長した住人は「もっとよこさないと死んでやる」と、泥棒を脅し、有り金を全部巻き上げ、挙げ句の果ては「来月も来てくれ」。


■「浮世床」:桂藤兵衛
またまた女性とのノロケ話。
落語では、女性の方から積極的に、男の布団に入ってくるパターンが多いんだけど、大抵、男の妄想だったり、白昼夢だったりするオチで終わるんだよね。
そこが聴いてて奥ゆかしいなと思う(笑)。
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by june_h | 2007-08-28 20:49 | 落語会 寄席 | Trackback | Comments(2)

先日のSKIP映画祭で見たシネマ歌舞伎『研辰の討たれ』。

映画祭らしく、上映後に、シネマ歌舞伎のプロデューサーのトークショーと、質疑応答がありました。
その中で、こんな質問が。

「劇中、中村獅童が結婚したことをネタにしたアドリブがあったが、彼は今とっくに別れているので、聞いていておかしい。当時しかわからないアドリブはカットした方が良いのではないか」

はぁ?何わけわかんないこと聞いてんの?このおばちゃん。
その当時の空気がわかるから入ってた方が良いに決まってんじゃん!
・・・・・と一人で私は怒ってしまって、そっから先、プロデューサーさんとそのおばちゃんがどういう受け答えをしたかよく覚えてないんだけど、少なくとも「はい。じゃあカットしましょう」と答えてはいなかった気がする。
でも、こう考える人は、少なくないのかしら。妹に話したらば
「その場限りの演劇じゃなくて、記録として残るものだから、カットするのもしょうがないんじゃない?」と。

どの時代の人も平等に楽しめるものを、と思うのはわかるけど、古くなっていくのは、こういうアドリブだけじゃない。
言葉遣いも風俗も、速度は違いこそすれ、同じように古くなっていく。
百年後の人間が見たら、理解できないセリフが、2年後の今より確実に増えているはずだ。

でも不思議。見ていたのは百年以上前に作られた歌舞伎。
仇討ちの合法性とか、赤穂浪士の討ち入りブームなんて、モロに当時の風習だから、今の私たちには馴染みがないし、いくら野田秀樹が脚本を書いているからとはいえ、難しくて理解できないセリフもたくさんあったはず。
百年以上前のわからないことはどうでも良くても、2年前のわからないことは許せないのね。

そもそも中村獅童が離婚危機にならなきゃ、こんな質問は出なかったと思うんだけど(^^;


歌舞伎なら、わからないことが多少あっても大丈夫だけど、落語はそうはいかないからね~。
「当時しかわからないアドリブはカット」という論理でいけば、ほとんどカットになっちゃう。
そうでなくても、今のお客さんが理解できなくて、滅んだ噺がたくさんあるのだから。

この前「茶の湯」っていう噺を聞いたとき、茶道がわからないご隠居さんが、自己流でお茶を立てたけど、泡立たないからって「椋の木」を入れるって場面があったのね。
昔のお客さんなら「椋の木」って聞いた時点で爆笑してたと思うんだけど、今のお客さんは「?」って反応で、「椋の木は当時、体を洗うために使われていた石鹸みたいなモノでして」という解説が入って、やっと「ハハハ」と笑えた。

解説されないと笑えないのは、ちょっとキビシイし、「誰でもわかって、たくさんの人を笑わせる」って観点からすれば吉本の笑いには到底勝てない。
「人を笑わせる」って観点に沿えば、今の人が聞いてすぐ笑えるように、「椋の木」を「シャボン」とかに、言い換えたほうが良い気もする。

歌丸さんは、『東京人』 9月号のインタビューで、こんなことを言ってる。
「古い言葉使いについては、それをどうにかアレンジしなければなりません。圓朝師匠の話の中には、むずかしい言葉がたくさん出てきます。それをわかりやすく直していいものと、絶対に直してはいけないものがあるんです」

この辺の取捨選択とかアレンジとかは、各々の落語家の力量に関わってくるんでしょうね。

ほんと、古典落語と現代との折り合いの付け方って、難しいと思います。

なんだか話があちこち行っちゃった。
中村獅童がヨリを戻したら、このアドリブの問題は、なくなるのかしらん(^^;;;
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by june_h | 2007-08-25 09:31 | 雑記 | Trackback | Comments(0)

前から行こうと思ってました。
お昼にダッシュしたら、着いた頃には汗だく(^^;真っ赤なお社が目印です。
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今日は朝から雨だったから、お昼にお散歩にはちょうど良い気候かしらん、などと思っていたら、昼はピーカン照り。思わずタンクトップ一枚に。

時間の都合であんまり居られませんでしたが、お参り&おみくじはしっかりやってきました。
この辺は大学が多いから、受験シーズンは大変な賑わいなんでしょうね・・・・・なんて思っていたら、明治大学がちょうどオープンキャンパス中で、高校生がウジャウジャ。私もまぎれこんで、学食でも行ってみようかしらん・・・・・なんてね。


<関連リンク>
江戸総鎮守 神田明神
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by june_h | 2007-08-23 20:50 | 雑記 | Trackback | Comments(0)

最近見ないなぁと思ったら、病気になって、ホメオパシーにハマってたんですね!サンプラザ中野さん。しかも、ホメオパスの資格まで取って。ビックリです。

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この本のタイトルだけみたら、健康エッセイかと思ったけど、読んでみたら、完全にホメオパシーのカウンセリング(健康相談)じゃないですか。
ホメオパシーを全然知らない人には、この本だけでは情報が足りないと思う。っていうか、この内容で1600円は高い・・・・・・買っちゃったけど(-_-;;

「現代西洋医学は慢性病を治すのは苦手」
と、中野さんも語っているけど、それは私も実感してる。あと、数値に表れない体の不調を治すのも苦手だと思う。こんなに調子悪いのに、異常ナシってどういうことよ!と、何度思ったことか。

医者にかかって治らなかった人は、民間療法に頼る。それで効果があると、まず、医者を疑い、西洋医学を疑い、食品の安全性を疑うようになる。さらには、大企業や国家の巧妙な政策に気付く。
体に良いとされている薬や食品は、プロパガンダによるもので、本当は毒なんじゃないか?消費者は金儲けのためにノセられているだけじゃないか?
中野さんはマクロビオティクスなんかの食餌療法も取り入れているようだけど、どの療法でも共通してやり玉に挙げているのが、砂糖と牛乳(乳製品含む)。この本の対談の中で彼は
「スイーツブームは世界を滅ぼす」
とまで言ってる。
過激?な発言にチャチャが入ったのか、発言の表現を和らげる訂正票が本に挟まってた。誤字脱字以外の訂正票って初めて見たわ、私。

病気になって初めて気付く自分の体、世界のシステム。医者も国家も自分を助けてはくれない。自分の体は自分で守る。これ大事。

健康な人にとっては、ワケわかんない本だろうけど、もし、医者では治らない病気にかかったら、ちょっとこの本を思い出してみると良いかも。


<関連リンク>
sunplazanakano.com(サンプラザ中野 公式サイト)

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by june_h | 2007-08-22 20:40 | 本 読書 書評 | Trackback | Comments(0)

ずっと見たいと思ってたんだよね、この映画。
終戦記念日にBSで放送されたので、迷わずビデオに撮りました。
この映画に主演している加東大介さんの実話原作を映画化したもの。

南の島に雪が降る (知恵の森文庫)

加東 大介 / 光文社


敗戦の色が濃くなってきた昭和十八年、ニューギニア。
日本軍は物資の不足にあえいでいたが、娯楽で兵士の士気を鼓舞するため、芝居や踊りを見せる「演芸班」を創設することに。
オーディションには、島中の各部隊から続々と芸達者が集まった。
中にはプロの芸人もいたが、どんなに上手でも、浪曲のように陰気な芸は不合格で、逆に、素人の一発芸でも、面白ければ即採用となった。

役者だけではなく、脚本や美術担当などの裏方も集められ、有り合わせの品で衣装や小道具を作り、入念に稽古した。
初舞台は大成功!兵士達にも好評で、いつでも芝居ができるように、専用の劇場まで作られた。

もちろん、いつ敵機が襲来するかわからない、戦場の最前線。空襲で芝居が中断したこともあったし、芝居を見に来る兵士達も命がけだ。
それでも、役者達は、少しでも良い芝居を見せようと熱心に稽古し、兵士達も喜んで見にきた。

「オレの母ちゃんそっくりだ!」と叫びながら、女形に抱きついて頬擦りしたり、おしろいの匂いに興奮したり、子守唄を聞きながら泣いたり。

ある日、演芸班の宿舎に、一人の兵士がフラリとやってきた。ピアノの音を聞きつけて、自分にも弾かせて欲しいと言った。
ピアノに向かった彼の両腕は、喜びで震えていた。ショパンを弾こうとするが、怪我をしていて、うまく弾けない。それでも彼は弾き続けた。
彼の音色にすっかり魅了された班員達は、演芸班に入らないかと誘ったが、彼は断り、ジャングルの中に消えて行った。
しばらくたって、彼は戦死したと聞かされた。彼は元ピアニストで、所属した部隊は全滅。生きて戻っても、死者として扱われ、行き場がなかったのだ。「生涯で一番の演奏ができた」と言い残しながら。

また、瀕死の兵士が「内地の匂いを嗅ぎたい」と言って、担架で運ばれながら決死の思いで劇場にやってきた。舞台いっぱいに広がる雪景色。東北出身の彼は、故郷を思い出しながら、降りしきる紙吹雪の中で息を引き取った。

戦争映画にありがちな悲壮感もイデオロギーもなく、芸術に接したときの喜びとか、故郷への想いとか、親に対する思慕の念とか、人間のプリミティブな感情が良く伝わってくる映画。戦争で、兵士達は食べ物に飢えていたが、美しいもの、喜びにも飢えていたのだ。
人はパンのみに生きるにあらず、だ。
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by june_h | 2007-08-21 20:51 | 映画 感想 | Trackback | Comments(2)

具合があんまり良くなくて、本当は第一部も観劇する予定だったけどキャンセル。残念!
その分、第三部は楽しませていただきましたよぉ。


・下男小助/乳人政岡/仁木弾正:中村勘三郎
・足利頼兼:中村七之助
・栄御前:片岡秀太郎
・荒獅子男之助:中村勘太郎
・下女お竹:中村福助


■序幕 花水橋の場
七之助の立役は初めて見ました。でも、声が高いから女形みたい。裏声を使わなくても、実声で女形ができちゃうんですね。
頼兼は「ぜいたくな若殿様」であることの象徴として、高価な伽羅の香木でできた下駄を履いている、という設定があるのですが、足のニオイが気になる私としては、いいなぁ、私も欲しいなぁと思ってしまいました(^_^;;
頼兼も足が臭かったんでしょうか(笑)。
刺客の一人が途中、頼兼の下駄の匂いをクンクン嗅ぐシーンがあるのですが、何にも知らない人が見たら、ヘンな趣味を持ってる人に見えるので、ちょっと面白かった。


■二幕目 大場道益宅の場
小判がウソみたいに、あっちへ行ったりこっちへ行ったりするのは、脚本に、黙阿弥が関わっているせいかしら。
コミカルな笑いあり、凄惨な殺しあり、細かい演出にいろいろ工夫があります。
勘三郎は、この幕では、主人を殺して金を盗む、下男小助として登場。
勘三郎は、相変わらず、欲望ダラケの人間らしさのカタマリみたいな役をやると面白い!


■三幕目 足利家御殿の場
「よう死んでくれた!でかしゃった」
乳母の政岡のこの言葉に、目頭が熱くなりました。
前の幕とはうって変わって、重厚でゆったりした時代物の雰囲気を持つ三幕目。
乳母の政岡が、養育している鶴千代と、実子の千松と一緒に屋敷で過ごしていると、毒入りの菓子を持参した栄御前がやってくる。この菓子を鶴千代に食べさせろと迫る栄御前に、政岡が窮していると、千松が菓子を食べて死ぬことで、身を挺して鶴千代を守る。実子の千松が毒に苦しみながらなぶり殺しにされているのにじっと耐え、鶴千代を抱き締める政岡。栄御前が去った後からが、政岡の見せ場です。
千松の亡骸を前に、
「よう死んでくれた!でかしゃった」
と言いつつも、心はウラハラに、子供を殺された悲しみにくれる政岡。
鬼気迫る勘三郎さんの熱演に、大拍手でした!
勘三郎さんの女形を見るのは初めてでしたが、本当に良かった!でもやっぱり、立役の勘三郎さんがいいな。


■同三幕目 床下の場
前の場とはまたまたうって変わって、いきなりファンタジーな世界。荒獅子男之助がネズミを追い詰めると、ネズミが悪役の仁木弾正の姿に変身!
江戸荒事の芸で魅せる、男之助役の勘太郎。でも、荒事はやっぱり海老蔵で見たいな。海老蔵以外の役者さんがやってると、おとなしく見えちゃうんだよね。勘太郎君、ちょっとノドの調子がおかしかったみたいだし。
仁木弾正の引っ込みが見せ場になっているのですが、三階席の私には影しか見えませんでした(^^;;;


■大詰 門注所小助対決の場
この幕で、小助の悪事が裁かれます。
下女のお竹に罪を擦り付けようとしたり、バレても必死で言い逃れをしたり。
実際にこんな人がいたら超ムカつきますが、勘三郎がやってると、何だか憎めない人に思えてくるから不思議。


■同 大詰 控所仁木刃傷の場
悪の張本人、仁木弾正が大暴れ!
歌舞伎って、悪役がカッコ良かったりするのよねん。
でもやっぱり、最後は勧善懲悪なんだけどねー。



第一部から第三部まで、勘三郎はほぼでずっぱりで、しかも連日だからスゴい!それで終わったら飲みに行ったりするわけだから、とても人間の体力とは思えません(^^;
きっと、観客からエネルギーを吸いとっているに違いない。だから私、終わった後、ぐったりだったのよねん(笑)。



<関連リンク>
八月納涼大歌舞伎(歌舞伎美人)
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by june_h | 2007-08-20 20:52 | 歌舞伎 鑑賞 | Trackback | Comments(0)

客席は大入り満員!立見客も大勢いました。出演者さんたちには、連日、大入袋が配られているそうな。でも、どの噺家さんたちも
「どうせ主任(トリ)の歌丸さんがほとんどギャラを持っていっちゃうんだもんねー」
なんて言って、客席を沸かせていました!


■「棒だら」:桂小南治
料理屋で飲んでいる二人の江戸っ子が、隣の座敷で騒いでいる田舎侍と芸者に我慢ならず、乱入する話。
田舎侍の訛り、いろんな方言が混じっててですね、それぞれの地方の人が聞いたら、気になってしょうがないんじゃないかな。まぁ、方言の正確さよりも、田舎モノだってことがわかれば良いと思うのですけどね。


■音曲:松乃家扇鶴
お三味線を持った師匠の登場です。良い息抜きになりました。
最近、筝&三味線の師範の免状を持っている妹に、三味線を習っているので、持ち方とか、弾き方とか、注意しながら見ていました。
特に、竿を持つ左手の形。ギターのネックを持つようにしてはダメ。妹に、
「エミちゃん、左手で「イエーイ!」ってやってみて」
って言われて、親指を突き出すと、
「そうそう、その形で、竿を持ってみて」
と言われて持ってみました。この形が正しい三味線の持ち方。三味線では、左の親指を使わないのです。
そんなわけで、みなさんも、三味線を弾いている姿を見る機会があったらば、左手の形が
「イエーイ!」になっているか、確かめてみてください(笑)。


■「怪談乳房榎」:桂歌丸
いよいよトリの登場です。客席からも「待ってました!」の声が。
でも、歌丸さんのノドの調子が良くなくて、ちょっと残念。話にうまく集中できず。
また、本来ならば、三つくらいに分けて話す大ネタを、一気にやってしまうので、いろいろはしょっている箇所もあったようで、もちょっと詳しく聞いてみたいと思うところもありました。
歌舞伎の通し狂言はよくあるけれど、落語は一人でしゃべんなきゃならないし、時間の制約なんかもあるから、フルで通しっていうのは、なかなか難しいかもしれませんね。
でも、歌丸さんの「乳房榎」は、まだまだ始まったばかり。これからの進化を期待しています!だから歌丸さん、長生きしてね♪
<あらすじ>
「乳房榎」(吟醸の館)



終わったあと、すぐ傍にある「伝統芸能情報館」へ。
2階の図書閲覧室で、玉三郎の写真集を堪能しました。
女形もさることながら、立役姿もウツクシイ!「勧進帳」の源義経の写真があったけど、こんなに美しいんじゃ、脇役なのに目立っちゃいますねー。
パラパラ見ていて、発見しました!玉三郎の写真、どれもカメラ目線じゃないんですね。ちょっと伏し目がち。なんかそそられます。


<関連リンク>
8月中席(国立演芸場)
伝統芸能情報館
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by june_h | 2007-08-19 14:08 | 落語会 寄席 | Trackback | Comments(0)

ここへ来る前、銀行で新しく口座を作ったら、ハンカチ&ウェットティッシュをもらっちゃいました♪
国立演芸場で、出し物に関するアンケートに答えたら、ボールペンをもらっちゃいました♪
バッグの中は景品だらけ。なんだか良い日だ。


■「青い鳥」:桂夏丸
最初は頼りない感じでしたが、上り調子に良くなっていきました。もうちょっとおなかから声が出るといいんだけど。「父、帰る」って言った瞬間、サゲが判っちゃいましたよ。
「クッククックッ」の踊りはヘンな動きで笑えました。
<あらすじ>
子供の学校の学芸会で、親も出し物をしなければならないということで、桜田淳子の「青い鳥」に合わせて踊ることになった。夫が振り付けを考え、奥さんに踊らせることにしたが、奥さんが家だと狭いので、公園で練習したいという。そこで夫「やめときなよ。青い鳥は家の中にいるものなんだ!」


■「湯屋番」:三笑亭可龍
噺家さんというより、どっかの美容院で髪を切ってそうな、イマドキのオシャレさん。でも、なかなか面白かったです。
「十階(お二階に厄介(八階))」のマクラは、若旦那登場のサインなのでしょうか。
それから、この噺もそうですが、自分の都合のよい妄想で悦に入った男が周囲を振り回すパターンの噺って多いですね。このパターンの噺に遭遇すると、いつも私は明石家さんまを連想してしまいます(笑)。
<あらすじ>
「湯屋番」(ウィキペディア)


■「垂乳根」:桂平治
これは有名な噺なので、マクラを聞いてわかりましたよ。この噺を聞くと、大学時代の就職説明会で、バカ丁寧すぎて何を質問しているかわからない女子学生のことを思い出します。
<あらすじ>
「たらちね」(ウィキペディア)


■「初天神」:桂歌助
これも有名な噺。見た目がゴツい感じの噺家さんは、長屋の話が得意に見える!?・・・・・そういうわけでもないでしょうが、自分のキャラに合った話を選ぶのは良いと思います。
<あらすじ>
「初天神」(吟醸の館)


■漫才:Wモアモア
よくある、家族に足蹴にされるダンナを皮肉ったネタ。
「85%の男性が、定年後は妻と一緒に旅行に行きたいと言っているが、夫と旅行に行きたいと思っている妻は15%しかいない」・・・・・そうだよね。旅行に行ってまで、夫のお世話なんてしたくないものね(笑)。


■「こり相撲」:雷門助六
酔っ払いが飲むのか飲まないのか・・・・・と、ハラハラさせられました。話し方が独特。
終わったところで、人形の踊りを披露されました。ロボットダンスやパントマイムは見慣れていますが、日舞の「かっぽれ」と合わせると「あやつり人形」の踊りになるんですねー。
噺家さんの趣味程度のモノか・・・・・なんて思っていたら、とんでもない。スゴかった。
足がグニャっと寝ていて、糸に引っ張られるようにヒョイっと起き上がるところなんて、相当な訓練と柔軟性と筋力がないとできませんよ。思わず大拍手です!
<あらすじ>
相撲観戦をしていた男性が尿意をもよおしたが、いい取組が始まるところなので、席を立ちたくない。そこで、隣の酔っ払っいの足元に転がっている徳利で用を足し、元に戻した。酔っ払いは、酒だと思い、その徳利の「中身」を飲もうとするが・・・・・。


<関連リンク>
8月中席(国立演芸場)
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by june_h | 2007-08-18 10:25 | 落語会 寄席 | Trackback | Comments(0)