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最後に六人揃ったとき
「お!これはなかなかの豪華キャストだぞ!」と思いました。
やっぱり幸四郎と吉右衛門は兄弟だけあって似ていますね。声の絞り出し方なんてソックリです。
菊之助の声は本当に美しい!小浪が泣き叫ぶ場面は、なんだかオペラを観ているようでした。

・戸無瀬:中村芝翫
・大星由良之助:中村吉右衛門
・大星力弥:市川染五郎
・小浪:尾上菊之助
・お石:中村魁春
・加古川本蔵:松本幸四郎


<以下、ウケウリのウンチク>
「忠義ゆえには捨てぬ命 子ゆえに捨つる親心 推量あれやぁ」

そう言って、娘のために力弥の槍にかかって命を落とそうとした加古川本蔵は、「心ならずも赤穂浪士の仇討ちのお膳立てをしてしまった」、二人の実在の人物が託されています。

一人は、梶川与惣兵衛。この人物は、浅野内匠守が吉良上野介に切りつけたとき、浅野内匠守を制した人物。もし、与惣兵衛がいなかったら、浅野内匠守は、吉良を殺してしまったかもしれません。
加古川本蔵は、『三段目 足利館殿中松の廊下刃傷の場』で、塩冶判官を抱き止めて制します。

そしてもう一人は、多胡主水(たこもんど)。津和野藩主、亀井茲親の家老です。実は、亀井茲親も、浅野内匠守と同様、吉良にいぢめられ、恨みを持っていました。
「アイツちょームカつく!叩き切ってやる!」
亀井茲親のストレスいっぱいの叫びを聞いたご家老のタコさんは、「殿がご乱心めされては一大事!」と思ったのか、吉良上野介に会いに行き「うちの殿をいぢめないでください」と金銀財宝を差し出してお願いしたのです。大喜びした吉良は、その後、亀井茲親に意地悪をしなくなったとか。そんなわけで、もしタコさんが機転を利かせていなければ、亀井茲親が吉良を手にかけていたかもしれないし、そうなったら、赤穂浪士の討ち入りの話はできていなかったかもしれません。
(ちなみに、亀井茲親のご子孫は、国会議員の亀井久興さんと亀井亜紀子さんです)

この吉良に賄賂を贈る場面は『三段目 足利館城外の場』で出てきます。桃井若狭之助の家老、加古川本蔵が、高師直の家臣に賄賂を贈ります。そんなわけで、桃井若狭之助のモデルは亀井の殿様というわけだそうです。


<ここからは私の独り言>
由良之助以外の5人の人物の衣装が、ちょうど五行の色と同じ!
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確かこんな風に最後並んでたと思うのだけど「小浪と戸無瀬が入れ替わったら、春夏秋冬、東西南北、ぐるっと回って完璧なのになぁ」と、一人で考えておりました。でもまぁ、親達が上座ってことになってるみたいだから、しょうがないと思うけど。どうでもいい話でしたね。オソマツサマでした(笑)。


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吉例顔見世大歌舞伎(歌舞伎美人)
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by june_h | 2007-11-29 13:36 | 歌舞伎 鑑賞 | Trackback(2) | Comments(6)

ムダにドロドロしてる(-_-;;;感動できんかった。

4分間のピアニスト [DVD]

ギャガ・コミュニケーションズ


舞台はドイツの監獄。天才的なピアノの才能を持つ殺人犯の少女ジェニーと、彼女にピアノを教える老女クリューガーの物語。

まず、いただけないなぁ~と思ったのは、二人のそれぞれの過去の設定。
ジェニーは養父にレイプされて、養父を殺してしまった。そのせいで、人に触れられることを極端に嫌い、ちょっとしたきっかけで感情を爆発させ、他人を半殺しになるまで叩きのめす。これは、彼女の情緒不安定さとかトラウマとか繊細さが表れてるってことで、まぁわかる。
でも彼女にはさらに、恋人がいて、その恋人との子供が出産後すぐ死んで・・・・・って設定は必要だろうか?ストーリーが進むうちに、養父を殺したのはジェニーではなく、この恋人であることがほのめかされるが、単にジェニーを殺人犯にしたくなかったために、恋人の設定を無理やり付け足したようにしか思えなかった。

それからクリューガーの過去について。
彼女には、ナチスに捕らわれた共産主義者の恋人を見殺しにした過去がある。ジェニーの才能を懸命に伸ばそうとするのは、こうした過去への贖罪の意味もあったと思う。しかし、実はクリューガーは同性愛者で、恋人が女性だったということには、何の必然性も感じなかった。
だから、彼女がジェニーに生い立ちをカミングアウトすることで、ジェニーが心を開くシーンがあるが、いま一つ納得できず。必要以上に話を重くしているだけな印象。

クライマックスのコンクールでのシーンもなんか違う。
ジェニーをコンクールに出場させるために、脱獄の手引きをしてドイツ オペラ座へ向かうクリューガー。警官が舞台を取り囲む中、4分間だけ猶予をもらい、ピアノに向かうジェニー。この映画最大の見せ場だが、ここで彼女が弾いたのは、当初予定していたクラシックの楽曲ではなく、彼女の叫びとも言えるような、前衛的な音楽だった。客席は熱狂的なスタンディングオベーションに包まれたが、私はちゃんと、クラシックの曲を弾いて欲しかった。私は別に、クラシック至上主義者ではないが、ここでピアノの弦をビンビン弾いたり、譜面台をバンバン叩いたりするのは、奇をてらったオーバーな演出としか思えなかった。

韓国映画を観ていてもよく思うが、南北分裂問題を扱っていれば、一定以上の感動を生めると思いこむように、ドイツ映画でナチスを扱えば、良い映画になると安易に思っているところがあるんじゃないかしらん。

感動がついてこなかった映画だったんで、分析的に観てしまったけど、一つだけ、スゴいな、と思ったところがあった。
「あなた自身には興味はないの。興味があるのは、あなたの才能だけ」


クリューガーがジェニーに言った言葉。
普通ならとても残酷な言葉なんだけど、逆に、この言葉がとても愛情深いものに聞こえた。ジェニーも同じだったのだと思う。
殺人犯というレッテルでしかジェニーを見ようとしない人が多い中、クリューガーはある意味、あなたの過去は関係ない、とジェニーに言ったようなもの。どんなヘタなおべっかより、力のある言葉だ。だからこそ、ジェニーはクリューガーを信用したのだと思う。


P.S.
ジェニー役のハンナー・ヘルツシュプルングの背中のたくましさと、胸板の厚さ。あんなガタイの女性に殴られたら、確かに殺されそう(^^;


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4分間のピアニスト 公式ページ
4分間のピアニスト(映画詳細、映画館情報)
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by june_h | 2007-11-27 21:15 | 映画 感想 | Trackback | Comments(0)

買い物ついでに幕見で見よう、なんて、のんびり夜の部の開演前に歌舞伎座に着いたら、千秋楽で大賑わい。幕見のお客もたくさんいて、危うく席を逃すところでした。危ない危ない。

この演目は、ストーリーらしいストーリーもなく、セリフもほとんどなく、かといって舞踊劇でもない不思議な演目。
平清盛を始めとした、厳島神社にゆかりのある人物がわらわらと登場して、ひたすら無言で練り歩きます。歩く姿だけで、それぞれの役を表現するんだそうです。そんなわけで、簡単なようで難しいせいか、ベテランの役者さんばかりでした。
だまーってウロウロするから、「だんまり」・・・・・(^^;?
なんだかファッションショーのような、前衛的な演劇のような、今まで観たことがない、興味深い演目。

私は厳島神社に一度、大学のとき一人旅で訪れましたが、世界遺産の建物そっちのけで、シカの群れに突進して、シカを怖がらせて楽しんだことが思い出されます(笑)。


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吉例顔見世大歌舞伎(歌舞伎美人)
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by june_h | 2007-11-26 20:41 | 歌舞伎 鑑賞 | Trackback(2) | Comments(4)

さむーい!・・・・・と言っても、落語のコトではなくて、最近の朝晩の話。
今日の会場は、分かりにくくって、浜松町の駅前をしばらく震えながらさまよっちゃいました。
文化放送のビルの中にあるホールだったんですが、看板くらい出してもらってもいいものを・・・・・駅前だからって、出す必要もないってか(-_-メ・・・・・と、寒かったし、迷ったおかげでご飯を食べる時間もなくなって、始まる前から機嫌が悪くなりましたよぉ。
まぁ、楽しかったからよかったけどね。


■「家見舞」:立川吉幸
兄貴分の新築祝いに水瓶を贈ろうとしたけど、お金がなかったんで、便器を水瓶と偽って贈る話。
いろいろ想像しながら聴いてると、ウゲってなるけど面白い(^^;
立川流は、どうしてみんな早口なのかしら。私はアタマが悪いから、あんまり早いとついていけないんだよね。


■「茶の湯」:春風亭一之輔
研精会で聞いたのと同じ演目。この方の定吉くん、かわいらしくてスキです。


■「掛取」:柳亭市馬
やっぱりこの御方がいなくては!今日はなんだろうって、とても楽しみにしていたのですが、マクラで紅白の話が出たので、「また二番煎じかぁ」と思っていたら・・・・・。
市馬さんのネタの中でも評判の高い、ずっと聞いてみたいと思っていたあの噺がじゃないですか!!この噺が聴けただけでも、寒くてヒモジイ思いをして、ここまでたどり着いた甲斐があったというものです(*^。^*)

暮れのツケ払いの催促を、狂歌や居直りなど、あの手この手で追い返す噺ですが、中でも圧巻だったのは、相撲好きの借金取りをやりこめた話。
扇子をパラリと広げて前にかざし、高らかに呼び出す声から始まって、客席から拍手!続いて、相撲部屋の名前を連ねて夫婦生活の話。さらに、高見盛のモノマネまで炸裂。そしてもちろん、最後は必殺技!相撲甚句!
これでお客が落ちないわけがない!大拍手でした!


■「一文笛」:林家正蔵
「今年、三回も金屏風の前で記者会見しました」
ま、この御一族の方々が、ちゃんとプライベートに触れておくのは、お約束ということで(^^;
話は、途中まですっごく良くって「もしかして円朝の噺かしらぁ♪」なんて思いながら聴いてたんだけど、サゲがあっけないの。まさに竜頭蛇尾な話。期待がおっきかった分「カネ返せ!」って思っちゃった。正蔵さんが悪いってわけじゃあ、全然ないです。


本日の落語会は、ヤクルトがスポンサーということで、お客さん全員に、蕃爽麗茶がプレゼントされました・・・・・でもアタシは、普通のヤクルトがよかった(笑)。


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浜松町かもめ亭(文化放送)
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by june_h | 2007-11-23 09:34 | 落語会 寄席 | Trackback | Comments(0)

昭和7年。横須賀の裕福な豆腐商人の娘、小泉芳子は、東京の女学校に通っていた。ある雨の日、傘を忘れて濡れながら帰っていると、一人の男子学生から傘を差し出される。この瞬間、芳子の数奇な運命が回り始めた・・・・・。

黄海道(ファンヘド)の涙―引き裂かれた母と娘の六十年

山田 寛 / 中央公論新社


男子学生の名は、金豊瑞。法政大学の朝鮮人留学生だった。当時の朝鮮半島は、日本の支配下にあった。二人は間もなく恋に落ち、結婚。芳子には婚約者がいたが、親の敷いたレールの上で生きるのはゴメンだとばかり、豊瑞の子をさっさと妊娠して親を黙らせ、豊瑞と朝鮮半島に渡ってしまう。

豊瑞の実家の、大きな屋敷に着いて驚いた。彼は、黄海道(現在の北朝鮮領内)に広大な領地を持つ、両班(李氏朝鮮時代の貴族)の嫡子だった。
そして、もっと驚いたのは、既に彼には妻子がいたこと。芳子は第二夫人だったのだ。
文化や言葉の違い、そして夫の女性問題に苦しんだが、四人の子供に恵まれ、婚家の莫大な財力によって、物資不足の戦時中も、豊かに暮らすことができた。

しかし、日本の敗戦によって、彼女と家族の苦難が始まる。
芳子は、ソ連の軍施設に収容され、家族と離ればなれに。生まれて間もない末娘は乳母に預けられ、いわゆる「北朝鮮残留孤児」となってしまう。芳子の他の子供達は、豊瑞と彼の愛人女性に引き取られるが、待っていたのは、愛人による地獄のような虐待の日々だった。そして、朝鮮戦争が勃発する。
芳子はソ連軍施設を脱出し、中国を転々としながら潜伏生活を送る。家族の住む黄海道は、朝鮮労働党支配下にあり、日本人だとわかれば殺されるので戻れない。
やがて、母親を探しにきた長男と再会。二人で日本に帰国する。

豊瑞と芳子の残りの子供二人も、ブルジョア階級出身者かつ日本人の関係者ということで、とても無事ではいられない。一族総出で韓国へ脱出。芳子の子供二人はようやく日本に帰国。芳子と再会できた。

芳子は女手一つで家族を食べさせていくために、駐日米軍人を相手に商売を始め、大成功。忙しいながらも、家族で協力しながら戦後を生き抜いたが、ただ一つ気がかりだったのは、北朝鮮に残してきた末娘のことだった。

拉致問題はおろか日本人妻帰国問題も解決していない今日まで、北朝鮮残留孤児の問題が議題に乗ることはない。芳子も、末娘が帰国するまでは死なないと言っていたが、2004年12月、望みが叶わぬまま亡くなった。

豊瑞を取り巻く他の女性達も皆、劇的な生涯を送った。
李王家につながる名家出身の第一夫人は、政略結婚だったため、豊瑞にほとんど相手にされなかったが、豊瑞の女性問題に苦しむ芳子を優しく労り、虐待を受けていた芳子の子供達を、命がけでかばったこともあった。一族が韓国へ脱出したときも一人、親戚の老女の看病をするために残り、その地で誇り高く亡くなった。
豊瑞の愛人は、芳子の子供達だけでなく、周囲の者にもつらくあたったため、人々に恨まれ、第一夫人の息子によって偽の密告をされる。そして最後は捕らわれ、処刑されてしまう。

豊瑞自身は気前がよくて優しい男だが、自分で働くということを知らないボンボンで、財産を失ってからは愛人女性達に頼りきりだった。芳子の子供達がひどい虐待を受けていても、ただ見ているだけだった。
そんな父を、芳子の子供達はずっと恨んでいたが、芳子自身は、後に夫についてこう語った。
「お父さんは最後の両班だったから仕方ないのよ」



芳子のバイタリティに引っ張られるように、久しぶりに一気に読んだ本だった。恋愛結婚も珍しかった時代にできちゃった結婚をして、お嬢様育ちなのに、戦後は死ぬまで働通しの人生。途中、末娘を探すために、まだ国交がなかった韓国に密航するなど、家族のためならどんな危険もかえりみない、どんな苦労も厭わない女性だった。

今まで「中国残留孤児」については多く語られてきたが、「北朝鮮残留孤児」についてはほとんど知られていなかった。拉致問題や核問題の影に隠れてしまったせいもあるかもしれない。
現在、日朝関係は、拉致問題を盾に膠着状態だが、進展しない外交関係の裏で、日本人妻を含めた北朝鮮国民の、絶え間ない脱北と餓死が続いているのは間違いない。

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by june_h | 2007-11-21 21:06 | 本 読書 書評 | Trackback | Comments(0)

あれ?原作より重たい話になってるぞ!?

クワイエットルームにようこそ 特別版 (初回限定生産2枚組) [DVD]

角川エンタテインメント


フリーライターの明日香がある日目覚めると、そこは、精神科病院の隔離病棟にある特別室、通称「クワイエットルーム」だった。
芥川賞候補にもなった同名小説の映画化。著者の松尾スズキ自身が、この映画の監督も務めている。

とにかく、登場人物のキャラが濃い!
鉄面皮の看護士役のりょう。主人公明日香の恋人、お尻を披露してくれた鉄ちゃん役のクドカン。それって「地」でやってませんか?って思うくらい。

中でも「怪演」してたのは、「住人」の一人、中年女性役の大竹しのぶ。こんな人に付きまとわれたら、自分も狂いそう。
もっとスゴかったのは、拒食症の女性役の蒼井優。すっごく魅力的な雰囲気。でも、病院内で、あんなにばっちりメイクきめてる人、本当にいるのかな?

他にも、精神科医役の庵野秀明。鉄ちゃんの後輩役の妻夫木聡など、チョイ役陣も豪華。

重たい話だけど、随所で笑えました。
特におもしろかったのは、明日香が病院に運ばれてから初めて、鉄ちゃんと面会するシーン。
二人のやりとりを長回しで撮ってて、なんだか演劇的。
それから、住人役の箕輪はるか(ハリセンボンの細い方)。彼女はフツーにしてても病気っぽいですが、フレームインするだけで、なぜか笑える(^^;

また、妹とこんな意見で一致しました。
「中絶のエピソードは余計だったね」
前のダンナの自殺と、妊娠中絶は、原作にはなかった気がする。原作を読んでいない妹も同じ意見だったから、やっぱり、とってつけたような印象だったのは否めない感じ。
要は、主人公の明日香が死にたくなってオーバードーズした原因を、ダンナの自殺と中絶にもとめているんだけど、別に、このことを原因にする必要もなかったし、原因を明らかにしようとしなくてもよかったんじゃないかって思う。
確かに、こういう重たい過去が原因です!って言ったほうがわかりやすいけど、些細な原因で死にたくなる人だっているし、明確な原因がなくても、突然発病して、病院送りになる人だっているから。

原作は、塀の中の奇妙な住人達との生活がメインだったような気がするけど、映画では、主人公明日香について、もっと深く掘り下げているような印象。でも、どっちもおもしろかったし、どっちがいい!って比べるものでもない。

ララガーデン春日部、そして、この映画が上映されているシネコン、ユナイテッドシネマに、オープンしてから初めて足を運びました。早速、メンバーズカードも作りました。
とてもすいていて、私と妹は最後列でポップコーンをモキュモキュかじりながら、あーだこーだと突っ込みながら観ていました(^^;楽しかった!
これからも、公開されてしばらく経って、すいてきた頃合いを見計らって、ゆっくり楽しみたいと思いますo(^_^)o

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映画「クワイエットルームにようこそ」公式ページ
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by june_h | 2007-11-19 20:52 | 映画 感想 | Trackback | Comments(0)

前売りは完売。立ち見もいっぱい!
落語で笑いまくるってわかってたのに、お昼にニンニクたっぷりのペペロンチーノを食べてしまいました(^^;
その後、チョコ食べて歯磨きしてグリーンガムいっぱい噛んでラーメンすすってまたガム食べたけど、全然ダメ(-.-;;;アタシ臭い。
そんなわけで、隣で聴いてたおじさん。とんだ毒ガス攻撃を仕掛けてしまいまして。ゴメンなさいm(_ _)m


■「道具屋」:柳亭市朗
前座は市丸くんだとばかり思っていたけど、市馬さんの一番弟子、市朗さんが出てきました。前回の「日本演芸若手研精会」の前座は、市朗さんだったはずなのですが、いざフタを開けて見ると、別の人だったんだよね。だから今回聞けて良かったです。
話し方はというと、早口ではないけど、もう少し「間」を大事にしてもいいと思う。そんなふうに思いました。


■「悋気の独楽」:入船亭遊一
この方も、研精会にお出になっていた方です。
しかし!ラーメン食べて、お腹いっぱいになってたもんだから、ウトウトしてしまい、サゲの「心棒(辛抱)が狂ってます」のところで、かろうじて目が覚めました(^^;;;
与太郎くんは、落語にしばしば登場するマヌケな男ですが、バカなようでいて結構、目ざとかったりするんだよね。


■「野晒し」:柳亭市馬
暮れの紅白出場を密かに狙っている市馬師匠の登場です(笑)。
アーティストぶってるそこいらの歌手なんかじゃ、太刀打ちできないくらい、お上手ですからね。
この噺でも、市馬さんの自慢のノドが、いかんなく発揮されていて、八つぁんが釣竿をブンブン振り回しながら朗々と歌うたびに、客席から拍手が起こっていました。市馬さんが歌うと、後ろで太鼓や三味線が鳴っているような、そんな錯覚にとらわれます。

この噺を聞きながら、一人暮らしの友達の、こんな話を思い出しました。
「こないだ真夜中に寝ようとしたらさ、どっかから女の人のすすり泣きが聞こえたわけ。気味悪くて眠れなくなって、その声をずっと聞いてたらさ・・・・・どうも隣のカップルが、窓開けっ放しにして仲良くヤッてる声だってことがわかったの。そのとき私、思ったんだけど、世間の怪談話に出てくる、夜中のすすり泣きの声って、実は、こういうケースが少なからずあるんじゃないかなって」
で、私もこの噺を聞いてて思ったんだけど、ご隠居と女性がイチャイチャしてたのを八つぁんに見られて、外聞が悪いから、「幽霊の女が訪ねてきた」っていうややこしい作り話をして、ケムに巻こうとしたんじゃないか・・・・・と、くだらない話で、オソマツサマでした。ちゃんちゃん。


■ポカスカジャン
幕が上がって最初に思ったこと。
「良かった・・・・・服着てる」
彼らがそういう芸風かどうかは知りませんが、一度ナマで見てみたかったんだよねー。
シカオちゃんが深夜のラジオ番組を担当していたとき、よくゲストで出ていて、ディープなポカスカジャンワールドでどっぷり、ゲラゲラ笑かしてもらったっけ。
「ア行のバラード」、ラジオで聞いたときは、もっと下ネタっぽかったような。「ラ行のヨーデル」とか、とにかくいろんなジャンルの音楽を巧みに笑いに変えていて、「コミックバンド」という肩書きではもったいないくらい。
「北の宿からアフリカンバージョン」とか、「津軽弁でポサノヴァ」とか、おもしろかった。
でも私は「長渕剛でドラえもんの絵描き歌」が聞きたかったんだよねー。
「ろくなもんじゃねぇ」のメロディに合わせて「マルを描いちまった・・・・・ドラえもんじゃねええーっ!」って歌うヤツなんですけど。


■「二番煎じ」:柳亭市馬
風の強い寒い夜。無精者たちが集まって、火の用心の見回り当番。いつしか番小屋で鍋を囲みながら酒盛りに。
「火のぉーよーじん!」をいろいろな節回しで歌う場面でも当然、市馬さんの得意技炸裂!だったんですが、圧巻は、美味しそうにお酒を飲んだり、鍋の肉を食べたりする仕草。
市馬さんがモグモグ食べる一挙手一投足を、お客さんがシーンと固唾を飲んで見守る。
若い噺家さんは、この、シーンとした間が耐えられないのか、間を極力詰めちゃう人が多い気がします。

ラストはもしかしてまた、市馬さんの昭和歌謡ワンマンショーかと思ったら、今回はそのまま幕。ちょっと残念!でもまた来週!


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鈴本演芸場
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by june_h | 2007-11-17 13:21 | 落語会 寄席 | Trackback | Comments(2)

ボロボロの中古カメラを片手に「不良品だから300万円で買い取れ」と脅す男。仕事で写真がうまく撮れなかったからといって200万の損害を補償しろとすごむヤクザ。

著者は長年、大手カメラメーカーのサービスカスタマーセンターで所長を務めていた方。
この本に登場するクレーマー達は、彼の長年の所長人生の中で、特に印象深かった人達。手ごわい相手ばかりです。

私も仕事で、社内システムのチェックとサポートを担当しているので、仕事の参考に、最近こうした本を読んでいます。でもまあ、基本的に社内の問い合わせ対応なので、この本に出てくるような、エキセントリックな要求をされたことは、幸い無いのですが。せいぜい「オレのせいじゃない!」って言い訳を長々聞かされて、ため息をつくぐらいです。
だからといって、この本の事例が役に立たないかというと、そんなことは全然ありません。
  • 電話の録音やビデオの録画などで、やりとりの記録を残す。

  • 窓口を一本化する。人によって対応がバラバラだと、矛盾点につけこまれる。

  • 相手の家や事務所に出向くときは、二人以上で行く。

  • 客を決してバカにしてはいけない。新たなクレームを生む土壌になってしまう。社内で客を足蹴にする「クレームメーカー」社員を育てないようにする。

  • マニュアルどおりに対応すれば必ず解決するわけではない。一人一人にその都度適した解決方法を見つける。

などなど、当たり前だけど、結構重要で忘れがちなエッセンスを読み取ることができます。
サポートセンターの問い合わせの内容は、お客さんが、製品について良く知らなかったり、勘違いしていたりする場合が多いのですが、当然、サービスを提供する側の落ち度である場合もたくさんあります。

私も実際、いろいろな問い合わせを受けていて、明らかにこちらのシステム仕様やマニュアルが悪いことで問い合わせが増えていることがわかった場合は、システム製造元や取り纏め部署に対して、改善提案をします。
もちろん、私のミスで発生してしまったトラブルについては、先方にお詫びして、一生懸命フォローして、こちらの対応手順を見直します(^。^;;;
そんなわけで、クレーム対応はタイヘンですが、とても勉強になります。

この著者の対応には、本当に頭が下がります。「こちらが一生懸命相手をしているとわかると、大抵のクレーマーは静まるものだ」ということで、クレーマーの世間話を延々聞いたり、何十キロも歩いてクレーマーの家に出向いたり。会社を辞めた後も、プライベートでお付き合いが続いているクレーマーもいるそうです。実際、家庭で居場所がない亭主とか、頭は良いけど話相手が居ないマニアとか、クレーマーには寂しがり屋さんが多いのね。

この本の最後に、著者が「真のクレーマー」と呼ぶ、スゴい人物が登場します。この人は、あるトラブルをきっかけに、ある大手メーカーに対してサービスの改善を要求し続け、そのメーカーの製造物責任に対する社内意識を根本から変えた人です。
最終的に、そのメーカーは、新聞にお詫び広告を記載し、消費者から余分にもらった利益を社会に還元するため、慈善団体に毎年一定額を寄付し続けるという約束をしました。
ここまでくるのに、最初のトラブルから八ヶ月。
彼は、会社の顧問弁護士でも、コンサルタントでもありません。彼の要求が受け入れられたのは、シュプレヒコールをし続けたわけでも、ゴネまくったわけでもありません。問題が発生した原因をしっかり分析し、問題解決のための的確な提案をしたことにあります。そして、彼の提案を受け入れたメーカー側もスゴい。一消費者の意見を社内全体に反映させるなんて、なかなかできないことです。彼が、自分のことしか考えていないクレーマーではなく、社会の利益のために戦っていた人であることの証拠です。

こうして書いている私は、今日も仕事で、メールの宛先を間違えてしまいました・・・・・反省_П○

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by june_h | 2007-11-15 21:11 | 本 読書 書評 | Trackback | Comments(2)

イヤホンガイドでお馴染みの、小山観翁さんの講演です!いつも、イヤホン越しに拝聴していたお話を、ナマで聞けるのです!この日が楽しみで、指折り数えて待っていました!

歌舞伎解説者としては、最長老と言ってもいいんじゃないでしょうか。
随分お年を召された方(調べたところ、1929生まれ・・・・・)ですが、立て板に水の如く、おもしろい話が次々にとめどなく湧き出てくるようで、歌舞伎役者が亡くなった年月日や、戦時中空襲に遭った日を正確に記憶なさっていたのには驚きでした。

観翁さんのご先祖は、長岡藩御典医。皇室ともゆかりが深い方のようで、現在の皇太子の教育係でもあったとか。小さい時からお祖母様に手を引かれて歌舞伎鑑賞に明け暮れ、学習院大学では、芝居好きが嵩じて国劇部を創立(お父様からひ孫まで5代続けて学習院だそうです・・・・・)。電通に入社してからは、歌舞伎や落語の番組を数多く制作し、歌舞伎イヤホンガイド解説放送を開始。電通退社後も、日本伝統芸能の振興のため、イヤホンガイド解説や、歌舞伎番組解説者として活躍。江戸勘亭流書道家元・・・・・とまあ、「セレブ」なんて言葉で片付けるには恐れ多い経歴の方です・・・・・。

前半は、戦後初めて『仮名手本忠臣蔵』が上演されるまでのドタバタ顛末記を、あれこれお話しくださいました。
観翁さんは、多くの歌舞伎役者と親交のある方ですが、戦後の混乱期、当時手に入りにくかった玉子を手土産に、役者さん達と仲良くなったそうです。
その玉子はどこから手に入れたのかと言うと、観翁さんちのお隣で、養鶏をしていた水戸徳川の殿様から、安く譲ってもらったのだそう。戦後直後は、殿様もタイヘンだったのね(*_*)

後半は、現在歌舞伎座で上演されている『仮名手本忠臣蔵 九段目 山科閑居の場』に登場する、加古川本蔵なる人物についての解説でした。
忠臣蔵で、吉良上野介を討ったのは、浅野内匠守であるのは言うまでもありませんが、実は、彼の他にもう一人、吉良を恨んでいた人物がいて、加古川本蔵はその人物と密接な関わりがあるのだそうです。
詳しくは、私が『九段目』を観たあとにでも、レポートしようと思います。

どの話も本当に面白くて、1時間半、あっという間に過ぎてしまいました。
観翁さんにはいろいろお伺いしたいことがあったので、終わった後、控え室に押し掛けちゃったのですが(^_^)、観翁さんは、快くいろいろと教えてくださいました。

また是非、講演会があったら聞きに行きたいな♪


P.S.
この講演会を教えてくれたのは、母のママさんコーラス仲間でした。うちの母が「娘が歌舞伎と落語にハマっている」ということを触れ回ったらしく、それを聞いた一人が「娘さんにどう?」と、この講演会のパンフを持ってきてくれたのです。でも、そのパンフの観翁さんは、着物姿であったため、その方は落語家と勘違いしたのだとか(笑)。でも、こんな機会はなかなか無いので、とっても感謝です!



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JTBカルチャーサロン
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by june_h | 2007-11-14 21:08 | 歌舞伎 鑑賞 | Trackback | Comments(2)

・浮世又平:中村吉右衛門
・又平女房おとく:中村芝雀
・狩野雅楽之助:中村歌昇


先月、この演目を通しで観たばかりで記憶に新しいので、最初の虎退治の場面とか、狩野雅楽之助が出てくる場面とか、前幕を引きずっているような場面はわりと流して観ていました・・・・・なーんて言うと、なんだか自分が「通」になった気分(*^_^*)実際は全然そんなことないけど(T_T)
また、前回の「市川右近版又平」と、今回の「中村吉右衛門版又平」を比べながら観るのも楽しみでした。

右近さんは、又平の素直さと、ドモリの障害の苦しみを表現するあまり、ヘタしたら精神遅滞者に見えなくもなかった。
一方、吉右衛門さんは、ただドモリであるだけで、いたって「普通」の人に見えた。

それから、又平が奥さんに当たり散らす場面で、右近さんは、グーでガンガン殴ってたのに対し、吉右衛門さんは平手でパンパン奥さんの首の後ろを叩いただけ。
写実的な表現なら、右近さんの方がたぶん正解だけど、ヘタしたらDV男に見える危険性がある。
又平は一応、実直で根は良い男ってことになっているのに、この場面でお客に「あんなに奥さんを殴るなんてひどい男ね」なんて思わせちゃったら、演出家や役者の本意から外れてしまう気がする。
芝居は、必ずしも写実的にやればいいってもんじゃないんだと、このときなんとなく思った。

右近さんに比べて、吉右衛門さんは、決して大きな芝居をしているわけじゃなかったけど、とても感動できるものでした。四階の幕見席からオペラグラスで、吉右衛門さんの又平の一挙手一投足を見つめながら、何度鼻をすすったことでしょう。
又平は、重たい運命を背負っている男だけど、吉右衛門さんの温かくてコミカルな演技が、又平をより一層、魅力的な人物にしていました。
それが証拠に、又平の、絵師としての力量が認められて、土佐の名前が与えられたとき、客席から大きな拍手が起こりました。それだけお客さんたちが、又平に感情移入していたのです。

イヤホンガイドでお馴染みの小山観翁さんは、講演会で、又平の女房おとくについて、興味深いことをおっしゃっていました。
おとくが、ドモリの旦那に代わって、師匠の土佐将監にベラベラまくし立てて、最後にオホホと笑うシーンがあるのですが、先代の中村時蔵のおとくは、笑い方がとても明るくて魅力的で、お客さんに大人気だったそうです。
ところが、先代の中村梅玉のおとくは、お客さんにあまりウケが良くなかった。んで、観翁さんが梅玉に「貴方のおとくは時蔵さんに比べてつまらないですね」と言ったところ、
「これでええんや」
という返事。
「おとくは明るい女やない。旦那はドモリで貧乏で、常に不安を抱えた女や。せやから、目立たへんこの演技でええんや」と。
それを聞いた観翁さんは、自分が目立つことしか考えない役者が多い中、芝居全体のことを考え、役の性格を掘り下げて演技する梅玉に、とても感心したそうです。

芝居って、奥深い!


<関連リンク>
吉例顔見世大歌舞伎(歌舞伎美人)
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by june_h | 2007-11-13 21:30 | 歌舞伎 鑑賞 | Trackback | Comments(2)