100円のハンバーガーを買って「安くてトクしちゃった」と思ったら大間違い!ワンコインと引き換えに、実は私達は多くのものを失っている。
食の安全、健康、雇用の安定、治安・・・・・「安かろう悪かろう」製品を購入することで、実は自分達の生活まで「安かろう悪かろう」ものになってしまうのだ。

ファストフード業界を通して見えてくるのは、アメリカ資本主義経済の功罪である。

ファストフードが世界を食いつくす

エリック シュローサー / 草思社


均一のサービスと味を安価で提供するファストフード店は、戦後アメリカ国内で急速に広がり、今や世界中を埋めつくしている。
そのため、世界中の街が、同じ景色になってしまった。

アメリカの主要ファストフードチェーンの創業者の一人に、このような街の景色を見てどう思うか尋ねたところ「大変満足している。なぜなら妻と知り合ったころ、この道路は砂利敷きだった。それが今、アスファルト舗装になっているんだよ」と答えたという。
これは自己弁護でも開き直りでもなく、彼には本当にそう見えるのだろう。
彼が若かった頃は、自分も街も貧しく、毎日の食事に事欠くこともあっただろう。彼にとってファストフードは「進歩」と「富」の象徴なのだ。

しかし、大きくなりすぎたファストフード産業は、世界中に大きな弊害を持たらすようになった。

安い賃金で長時間働く従業員たちは、スキルがあがらず給料も増えず、組合を作ろうとすれば解雇されてしまう。強盗や殺人など、マクドナルドで発生する犯罪のほとんどは、元従業員によるものだという。
また、専属の牧場や農家の生産物は、農奴のごとく安く買い叩かれるため、自営の牧場がどんどん姿を消しているという。
アメリカ国内の消費者も、数十年前と食生活が大きく変わり、今や世界でも指折りの肥満大国。学校でもハンバーガーとコカコーラが売られ、ファストフード業界に都合の悪い教科書の記述は削除される。

特に、食肉加工場の様子が書かれている7章、8章を読んだ晩は、あまりのエグい内容で、ものすごいリアルな悪夢を見てうなされてしまった。

牛達は、牛犬猫鳥の死骸で作った粉を食べさせられ(←生ゴミ処理機か!)、不法移民を安い賃金で長時間働かせている。従業員は、過酷な労働環境でケガや病気になりやすいのに、健康保険も補償もなく使い捨てられる。
牛の加工場で、従業員達が排尿するのは当たり前。肉が細菌で汚染されるリスクが極めて高いにもかかわらず、経営者が政治家に「献金(←賄賂だよね)」して、外部の検査担当者を立ち入らせないようにしている・・・・・。

ハンバーガーに挟まっているのは、肉ではなく、細菌と汚物なのだ(-_-;;;

最近また、輸入アメリカ産牛肉に危険部位が含まれていたとかで、問題のアメリカ企業の食肉加工場を日本のマスコミが取材しようとしたが、インタビューも撮影も拒否されていた。この本に書かれていることが真実なら、とても、あの窓の無い工場の内部なんて公表できないだろう。

問題は何か?

まず一つは「利益」至上主義だ。
創業者達が開いた店に、経営や宣伝のプロが続々と参加することにより、爆発的に大きくなった。そして、株式市場に上場することで、より多くの資金を集めることに成功したが、同時に、株主と経営者が現場を無視して数字上の利益ばかり追いかけるようになった。そのため、安く仕入れて高く売るのに、手段を選ばなくなった。

会社が大きくなるのは良いことと思われがちだが、株式公開もリスクなのだ。

それから、経営者たちは、従業員も消費者もバカにしているってことだ。お金儲けは決して悪いことではないが、優先順位の一番上にお金を置くと、エグい世界になってしまう。モラルとか、尊厳とか、環境とか、命とか、社会とか、人間関係とか、あまりにもナイガシロにされているので、読んでいて、怒りがどんどん湧いてくる。

私達の生活を脅かすのは、宇宙人でも未知のウイルスでもない。私達が100円玉をどう使うかで、世界は変わる。

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by june_h | 2008-04-29 13:54 | 本 読書 書評 | Trackback | Comments(0)

【映画】大いなる陰謀

タイトルに偽りあり。
「大いなる陰謀」というより「大いなる欺瞞」ですね。

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原題は「Lions for Lambs」。第一次世界大戦中、上層部の相次ぐ作戦の失敗で、数十万もの歩兵を失ったイギリス軍を「ライオンの群れを羊が率いている」と揶揄したドイツの将軍の言葉から。

戦争は、前線からほど遠い場所で、国の上層部が机上で考え、実際に傷つくのは貧困層から徴兵された若者たち。メディアも、大本営発表よろしく政府の都合の良い言葉を垂れ流すばかり。大多数の国民は無関心で「暴走」を誰も止めようとしない。一人一人の欺瞞が、戦争への道を開く。
そして、最前線で傷つく兵士達に助けは来ず、真実は国民に知らされない・・・・・。

911テロからアフガニスタン侵攻、イラク戦争へと転がり落ちていったアメリカへの痛烈な批判であり、すべての戦争に通じる真理を描いた映画だった。

トム・クルーズ演じる上院議員と、メリル・ストリープ演じるジャーナリストのやりとりを聞いていると、911以降のアメリカの行動は、国際問題解決のためではなく、ヒステリー状態になった国内を納得させるためだったということがよくわかる。イラクが大量破壊兵器を持ってるから、テロ組織を匿っているから、なんてただの口実で、「強いアメリカ」を維持するために、他国をメチャクチャにしたのだ。まぁでも、石油の権益の獲得とか、他にもいろいろあるんだろうけどね。

私が一番興味を持ったのは、この映画が当のアメリカでどのような評価を受けたのかということ。
「華氏911」のマイケル・ムーアならともかく、この映画に参加しているのは、ロバート・レッドフォードやトム・クルーズなど、アメリカのピラミッドの頂点にいる人たち。そんな彼らがこのような映画を作ったなら、まだまだアメリカは捨てたもんじゃない・・・・・なんて思ったけど、ロバート・レッドフォートが民主党支持者ということがわかると、急に「共和党のネガティブキャンペーン映画」なんていうチャチなものに見えてきてしまった。

残念ながら大ヒットはしないだろう。決して面白い映画ではないし、批判の矛先が、見ている人間にも向けられるわけだから。また、セリフを中心に展開していて、非常に脚本に力がある作品だが、字幕を読みつつ、内容を追うので精一杯。
映画館を出たあと、私のアタマはフラフラ。「アタシ映画で初めて寝てもうたわぁ~」なんて声も聞こえてきた。映画というより、よくできた「教材ビデオ」のような印象がある。

いっそのこと、教材にして、学校で見せればいいのに、と思う。
ロバート・レッドフォード演じる大学教授が、学生達の無関心を指摘していたけど、政治への無関心という点では、アメリカより日本のほうが高いから、自国が戦争しちゃうリスクは、負けず劣らず高いと思うぞ~なんてね。
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by june_h | 2008-04-24 21:07 | 映画 感想 | Trackback(3) | Comments(2)

あのトニー&サオリに、かぁいい男の子が生まれました!

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トニーさんは、わりと理屈っぽい人なので、理屈で動かない赤ちゃんに対して、恐る恐る接している様子。サオリちゃんは、初めてのお産と子育てに悪戦苦闘。
トニーさんのユニークな行動には、いつも笑ってしまいます。今回もサオリちゃんから「(赤ちゃんを)ナナメに寝かせて」と頼まれたときのトニーさんの行動に爆笑!でも、私がサオリちゃんの立場だったら、イラっとしちゃうかしら(^^;

『ダーリンは外国人』シリーズと同じく、サオリちゃんのマンガの後にトニーさんの文章がセットになっているので、パパとママ両方の視点から、二人の子育てを見ることができます。

最近、男の子が生まれた上司に、早速この本をお貸ししたところ、奥さんが、オシメ替えの間にさっさと先に読んでしまったらしい。上司が本を会社に持って行こうとすると「もう一度読みたいから持って返ってきてね」と。

上司も、トニーさんと同じく、朝も夜も関係なく泣き出す赤ちゃんをあやし、オシッコ&ウンチ攻撃に耐えつつオシメを替え、日々重たくなっていく赤ちゃんを抱えてお風呂に入れているので、最近会社でよく寝ています(^^;ガンバレ上司(^o^)/
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by june_h | 2008-04-21 20:57 | 本 読書 書評 | Trackback | Comments(0)

純粋な娯楽映画でした。

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薬害訴訟がテーマということで、巨悪と戦う弁護士の話?とか、法廷で繰り広げられるスリリングな駆け引き?とか想像してたんですが、弁護士同士のごくごく個人的な陰謀と攻めぎ合いに終始してました。
ぶっちゃけ薬害訴訟だろうが殺人事件だろうが国家犯罪だろうが関係ないわけ。とりあえず、裁判をひっくり返す重要機密文書の奪い合いなわけだから。

弁護士事務所をチョロチョロして汚い仕事を引き受ける「フィクサー」のマイケル。
被告である製薬会社の弁護を担当して、精神に異常をきたした弁護士のアーサー。
アーサーの後任で、文書が明るみにならないうちに必死で和解に持ちこもうとする女性弁護士のカレン。
同じ弁護士事務所にいる三人の、水面下での争い。

2時間たっぷり惹き付けられたのは、筋が判りにくかったのと、アーサーが何をしでかすかわからなかったからかな。
でも、三人それぞれの俳優の演技や、キャラクターの内面の描き方は、とても良かったと思います。

マイケルは借金を返すためにイヤイヤながら仕事を引き受け、アーサーは良心の呵責に苦しみ、カレンはすべてを失う恐怖に駆られて二人を葬り去ろうとする。
普通なら、カレンはもっと悪役チックに描かれると思うのですが、人間としての迷いと苦しみを抱えながら一線を越えてしまうという内面がよく描かれていました。
それからアーサー。この映画は、アーサーの狂気スレスレの切迫したモノローグから始まります。ここだけで映画の世界にグっと引き込まれます。

ただ、大金(製薬会社からの莫大な弁護料)と良心(機密文書の公表)を秤にかけて、後者を選んだマイケルの行動に、もう少し説得力がほしかった。それまではお金のためだけに動いていたはずなのに、なんでやねん?と、エンディングのタクシーでのロングカットを見ながら、はてなマークが頭に浮かんでいた私。
最近、アメリカに関するミもフタもない話ばかり読んだり聞いたりしているので、良心に従う弁護士が、今のアメリカにどれだけいるんでしょうね、とイジワルに考えちゃったりしてしまったから、余計に彼の行動がわからなかった。まぁ「実は正義の味方でしたー!」っていう方が、ジョージ・クルーニー的にもカッコいいから?

「あー面白かった」で時間をつぶすにはいい映画。でも、後にはなぁんにも残らないけどねー。


<関連リンク>
フィクサー(公式サイト)
「フィクサー」(映画詳細、映画館情報)
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by june_h | 2008-04-19 15:50 | 映画 感想 | Trackback | Comments(0)

先日、アレクサンダーテクニークのレッスンを受けてきました。

アレクサンダーテクニークの詳細はこちら(ウィキペディア)

私が参加したのはグループレッスン。私を含めて参加者は5人でした。

例えば、肩が凝ったり腰が痛かったりすると、痛い部分をマッサージしたり、湿布したりするものですが、アレクサンダーテクニークでは、首の後ろの緊張を取る、というアプローチを取ります。
日常生活で、首の後ろの緊張を自覚することって、あまり無いのではないでしょうか。まず、この緊張を自覚することが第一歩です。

体が緊張しているとき、必ず首の後ろも緊張しています。このような状態は、上から体をギュッと押しつぶしているようなもの。上がつかえているので、下にある肩や腰をいくら揉みほぐしても、すぐ元に戻ってしまって効果はありません。しかも、体じゅうが緊張している状態で日常生活を送るのは、とてもエネルギーを消耗するので非効率。とても疲れます。
そこで、上からの重し・・・・・首の緊張を取れば、その下にある首や肩は、もっと自然に動き、もっとラクに生活できるはずです。

力を抜く前に、トレーナーから「良い姿勢とは何か」と問いかけられました。
いくつか答えが出ましたが、私達には「良い姿勢」というと、背筋をピンと伸ばして緊張させたり、不自然なまでに動かないように身を固くして疲れてしまう(そういうふうに教わったからかもしれません)・・・・・そんな思い込みがあるはずです。
でも、姿勢を保つ場合、不必要に体を緊張させることはありません。トレーナーはこう言います。「頭は動かしてはいけないのではなく、頭の力を抜いて、上のほうに意識を向けて」これだけで自然と背筋が伸びます。そして「静止しているつもりでも、頭はゆらゆら微かに動いているものです」ということがわかるだけで、前よりずっとラクに姿勢が保てるようになります。

グループレッスンの参加者の目的は、一人一人違います。
日常的な肩こりと、食事をしているときの不自然な肩の緊張に悩んでいるある女性は、トレーナーからこんなふうにアドバイスされていました。
「頭は、いきなり落っこったり、飛んで行ったりしないから、無理して支えようとしなくていいんですよ」
頭ってすごく重たいから、首で一生懸命支えて首や肩が凝ったり、夕方になると身長が縮んだりするもんだと思っていましたが、こうアドバイスされて、頭を「支える」のではなく「置く」というイメージに変えてみます。すると、それだけでラクになります。

次に、私のレッスンの番になりました。
私は、パソコンで仕事をしているときの、体の使い方を見てもらいました。実際に、椅子とテーブル、パソコンを使って、文字を打ち込む作業をします。
トレーナーを含めて、ほかの受講者に見られているので、少々緊張しつつも作業すると、トレーナーは「骨盤と肋骨の動きに注目してみましょう」と言いながら、私の腰や背中に触れ、緊張を解くように促します。
すると、あら不思議!
頭も肋骨も骨盤も股関節も、今までよりずっとラクに、自由に動くことがわかったんです。「あ、動く!」と、思わず口に出してしまいました。
後ろから見ていた参加者の一人が「最初はとても緊張していたけど、(私の)背中の力が抜けていくのがよくわかった。見ていた自分もなんだかラクになった」と言っていました。

参加者の一人に、オーボエ奏者の男の子がいました。彼は、オーボエを吹くときの姿勢を見てもらっていました。
まず、いつものように自分のやり方で吹いたあと、トレーナーのガイドに従いながら、股関節と骨盤と膝の動きを意識しながら、座り直して吹いてみました。すると、素人の私でもわかるくらい、音色が豊かになりました。
良い音を出すために、腹筋を鍛える、というアプローチではなく、腹筋を支えている肋骨と骨盤を自由にする、というアプローチを取ったのです。

こんなふうにして、2時間のグループレッスンは終了。あっという間でした。

アレクサンダーテクニークについて、できれば一通り習いたい!と思いましたが、もう少し情報を収集してから、またレッスンを受けたいですね。

<後日談>
次の日、体のあちこちが筋肉痛になりました(^^;
しかも、後頭部なんて、今まで筋肉痛になんてなったことがないようなトコが痛かった(-。-;)きっと、普段動かしてなかった筋肉を急に動かしたからですね~。


<関連リンク>
ATA アレクサンダー・アソシエイツ
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by june_h | 2008-04-17 21:13 | 健康 | Trackback | Comments(6)

私は、小さいときからお医者さんが好きだった。

医者が患者をだますとき

ロバート・S. メンデルソン/草思社

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まだ4歳だった私。虫歯になって通った歯医者さんは、とても親切だった。私の目線で、歯の治療に使う道具の一つ一つを、丁寧に優しく説明してくれた。
私は歯医者さんが大好きになった。どんなに痛いことをされても、絶対泣かなかった。毎週、通うのが楽しみになっていた。
治療が終わって、明日からもう来なくていい、と言われたとき、私は泣き出して、良い子にしてるから通わせてくれと、泣いて頼んだ。

思えば私の医者好きは、このときから始まっていたのだ。お医者さんは良い人だ。お医者さんの言うことを聞いていれば間違いない。私の頭にはそんな考えが刷り込まれ、具合が悪くなれば、すぐに医者に行っていた。つい去年までは。
でも、私が思っていたほど、医者は良い人じゃないらしい。

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「病気になりたくなかったら病院に行くな」
「人の命を救いたかったら医者になるな」
過激な言葉ばかりが並ぶこの本の著者は、アメリカの小児科医。ジャーナリストによるものではなく、ある種、アメリカの医学界と製薬会社の内部告発のようで驚かされる。もっと驚きなのは、この本のオリジナルが、1970年代に出版されているということだ。医学界は、今も昔も、日本もアメリカもそんなに変わらない。

患者を健康にするための治療や薬が、かえって患者の体に害を及ぼすことがある。
高濃度酸素治療が未熟児網膜症の原因となる。
降圧剤がインポテンツの原因となる。
小児白血病はレントゲン被爆と深い関わりがある。
マンモグラフィーは乳ガンを発見する以上に乳ガンを引き起こしている。いわゆる「医原病」というやつだが、こんな例は、枚挙にいとまがない。

薬の副作用なら仕方ない、と思うかもしれないが、医者の行う投薬や治療のほとんどは、効果も必要も無い。副作用が無いと、うたっている薬は「新薬は副作用がわかる前に売ってしまう」からだそうだ。

治療の中には、全然別の目的で行われているものがある。
例えば定期健康診断。
健康診断は、世界大恐慌時の不況対策として始まった。患者のためではなく、医者のボーナスのためだったのだ。
また、手術のほとんどは、医学生の練習台として行われている。
放射線技師が、論文作成のために、同じ患者に何度もレントゲン撮影をした例もある。

病院が経営難で潰れたり、医者がストライキに入ったりすると、その地域の死亡率がなぜだか下がるらしい。理由は、この本に出てくるように「現代医学は宗教。ほとんどの手術が割礼と変わらない宗教儀式。そして、現代医学の奉じる神は死神」だからだろうか?医者の自殺率が他の職業に比べて高い(日本も同じ)のは、死神に「殉教」するからなのか?

そして、医者にまつわる最大の謎・・・・・
「医者は病気の原因ではなく、病気の症状に振り回されている。これは現代医学の宿命的な課題であり、医者はこの問題にはあまり触れたがらない。だからいつまでたっても、根本的な治療ができないのだ。医者が行っているのは病気の原因を取り除く根治療法ではなく、その症状を抑えるだけの対症療法にすぎないのである」

・・・・・結局、医者って何なのさ?

今年から日本の企業で、四十歳以上を対象に「メタボ健診」なるものが実施されるらしい。「メタボリックシンドロームの早期発見により、生活習慣病を予防することで、医療費の抑制を目指す」らしいが、わざわざ医者が「顧客」を減らすようなことはしないと思うので、効果はないだろう。予防接種同様、医者の「定期収入源」が増えるってだけだ。

私は、医者が好きだったので、薬まみれになり、副作用に苦しんだ。
妹は逆に、小さいときから医者にひどい目にばかり合わされてきたので、医者も薬も信用せず、今では私より健康に見える。
私が好きだった歯医者さんは、良い人だったのだろうか・・・・・今でも時々考える。

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by june_h | 2008-04-14 20:39 | 本 読書 書評 | Trackback | Comments(2)

【映画】うた魂♪

高校の合唱部の話ということで、高校時代にまさしく合唱部員だった私が観に行かないわけにはいかないでしょう!いろいろ一人で突っ込みながら観てました。

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  • 主人公のかすみが所属している七浜高校合唱部は、コンクールの全国大会常連校という設定でしたが、あの歌のレベルで全国大会はあり得ません(笑)。しかも、コンクール一ヶ月前を切って、ようやく歌う曲を決めた、なんて絶対あり得ない!決めた曲も簡単過ぎて、コンクール向けの曲じゃない!フィクションに対して真っ向から言っても仕方ないんですが、合唱をナメるんじゃない!朝も昼休みも放課後も夏休みも練習して、やっと関東大会に出場できた私にとっては悔しい!かすみのように、一週間練習サボったら、譜めくりに回されるどころか辞めさせられます。

  • 湯の川学院高校の皆さん、発声が全然、合唱の発声じゃないです。彼らの歌声を聴いて、合唱部を辞めようとしていたかすみが考え直すことになるんですが、私だったら全然そう思わない。男声合唱は、全うに歌えばすごく迫力があってすごくかっこいいんです!初めて男子校の合唱部の歌を聴いたときは、涙が出るほど感動して、それだけで彼らをスキになっちゃうくらいでした(笑)。だから、尾崎豊の『15の夜』も良い歌ですが、ちゃんとした合唱曲を歌って欲しかった。

  • とにかく、録音がヒドい。高音が割れてるから、ソプラノがちっとも美しく聞こえない。元々、一人一人の声質やタイミングが揃ってないから、余計に汚なく聞こえます(←これも全国大会レベルの学校ではあり得ない)。合唱曲の録音技術があれば、いくらでももっときれいに録れるはずなのに・・・・・。しかも、ピアノ伴奏のペダル音が、ガタンガタン入っているってどういうこと!?アテレコじゃないっていうのはよくわかりますが、幻滅~。

  • いわゆる「正当な合唱曲」(狭い合唱界でしか歌われない曲)は「男声合唱のためのリグ・ヴェーダ」と「水のいのち」しかなかったんで、残念でした。リグ・ヴェーダ、現役で歌いたかったなぁ・・・・・サンスクリット語、歌いたかったなぁ。


とまあ、いろいろ突っ込みまくりでしたが、高校時代を思い出しながら観ていて楽しめましたですよ。

この映画のキモになっているのが「歌っているときの表情」。主人公は、歌っているときの自分の顔に、皆が憧れていると思い込むけど、実際は「鮭の産卵のときの顔みたい」と笑われていたことを知り、ショックを受けます。確かに、合唱の表情は独特。私も彼女以上のイッちゃってる顔で歌っていました。っていうか、夏帆ちゃんの表情は全然カワイイ!「表情を良くしないと声が出ない」って指導されるからなんですよね。映画の練習シーンのように、私も鏡を見ながらよく練習しました。

自分の顔に対する「誤解」に気づいたことから、だんだん彼女は一人よがりな自分に気づいていきます。合唱部では、自分ばかり目立とうとしていたこと。ソプラノのパートリーダーなのに、後輩の面倒をあまり見ていないこと・・・・・。そこから彼女は反省して変わっていきます。

私自身は、高校を卒業してから十五年以上経つのですが、高校時代のツラい勉強と部活の練習をあんまり思い出したくなくて、今でも「良い思い出」だと思えない。でも、それ以上に思い出したくないのは、当時のイッちゃってた「歌っているときの表情」と「自分自身」。でも、あの表情こそ「若さゆえの驕りときらめき」の象徴だったのではないかと、この映画を見ていて思いました。

そして、ラストシーンは感動的!そう!コンクールの醍醐味は、勝つことばかりじゃない!仲間との、客席との一体感!私はそれが楽しくて歌っていたってことを思い出しました。
いろいろあった高校時代だったけど、あの頃は間違いなく、私の宝物でした。そんなことを思った映画でした。


P.S.
映画館には、中年男性がちらほら。夏帆マニア!?


<関連リンク>
「うた魂♪」公式サイト
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by june_h | 2008-04-12 20:20 | 映画 感想 | Trackback(1) | Comments(0)

数年前に鴻上尚史さんの著書『表現力のレッスン』を読んで以来、ずっと興味を持っていたアレクサンダー・テクニーク。
今、体と健康について調べている過程で、改めて入門書を読み、再び興味を持ちました。先日、ワークショップも受けてきました!

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アレクサンダー・テクニークは、オーストラリア出身の舞台俳優、フレデリック・アレクサンダーが考案し、イギリスの演劇界で広まった、体についての理論です。

基本は、レッスンを通して、体の骨格や筋肉の構造について理解を深めながら、自分が体を普段、どういうふうに使っているか認識し、より自然で、動きやすい使い方を体得していこうというもの。特に「首の後部の緊張を解放することで、心身の不必要な緊張を解放する」というところに重点を置いています。
トレーナーは、受講者の背中や後頭部など、筋肉の動きを自覚して欲しい箇所に触れながら、受講者の体の緊張を解放するように導いていきます。

俳優さんが考案したので、レッスンを受ける人達は、俳優はもちろん、ピアニストやバイオリニストや声楽家、ダンサーなど、体を使って表現する人が多く、ヨーロッパの演劇学校では必ずカリキュラムに入っています。
もちろん、一般の人でも有効です。会社員なら、プレゼンテーションをするときに過度に緊張しない体の使い方や、肩こりしないようになる体の使い方などを目標にレッスンできます。ダンスレッスンとかボイストレーニングのような特定のトレーニングではないので、目的は人それぞれです。
当然、セラピーでもないのですが、肩こりが治る、精神的な緊張が緩和される、などの治療効果も期待できるようです。
整体やマッサージだと人任せな感じですが、アレクサンダー・テクニークは、自分で自分の体の使い方を再認識して修正していくので「自分の体は自分で治す」という意識を持つことができます。

ただ、頭で理解するだけではなく、体で覚える必要があるので、独学はなかなか難しいように思います。この本のタイトルは「一人でできる」とありますが、できれば、トレーナーについたほうがいい。でも、日本にはまだまだトレーナーが少ないので、難しいんですけどね。

また「体の緊張を解放する」という理論は一つでも、解放に導く方法は、トレーナーによって大きく異なります。トレーナーの以前の職業(俳優出身とかダンサーだったとか声楽やってたとか)で異なりますし、トレーナーが、どのトレーナーを師事していたのかによっても大きく異なります。言葉でいっぱい説明する人もいれば、ほとんど何も言わずに手だけでガイドしていくトレーナーもいます。ちなみに私のトレーナーはマッサージをしていた人でした。トレーナーの力量と相性に大きく左右されると思います。

体験レッスンは、なかなか面白かったです!次は、レッスンについてレポします♪

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by june_h | 2008-04-10 21:08 | 本 読書 書評 | Trackback | Comments(0)

大丈夫。数学が全然できない私でもすっごく楽しめた本です(笑)。数式の解説は一切出てきません。歴史と数式に名を残す9人の偉大な数学者達の、苦悩と栄光に満ちた生涯が描かれた本です。

天才の栄光と挫折―数学者列伝 (文春文庫)

藤原 正彦 / 文藝春秋


輝かしい数式の裏には、暗くて深い苦労と挫折あり。

誰でも知ってるアイザック・ニュートン。彼は生まれる前に父親を亡くし、幼いときに母親も教会の司祭と再婚して離れてしまった。思春期には「義父と母親を殺してやりたい」と思ったことがあるとか。彼の教会嫌いと合理的精神は、この幼少期のトラウマのせいではなかったかと著者は推理する。

暦と数学における緻密な研究で、西洋の数学者よりも早く、いくつかの公式を発見していた和算学者関孝和。しかし彼は生前、家族運に恵まれず、出世もできず、研究も認められず、死後になってようやく偉大さを知られるようになった。

「数式は神様に祈ると教えてくれる」と、打出の小槌のように次々と公式を生み出したインド人数学者シュリニバーサ・ラマヌジャン。しかし、慣れないイギリスでの生活と、妻と母親の嫁姑問題で疲弊し、32歳の若さで亡くなってしまう。


天才達は、天才ゆえに政治に利用され、翻弄される。真っ直ぐでピュアな彼らは、無防備に傷つく。

天賦の才能の跡を60ページの全集に残したエブァリスト・ガロワ。フランス革命やナポレオン登場後の政情不安の最中、父親を亡くし、ショックで大学受験に失敗。入学後も論文を教授に握り潰され、怒りを政治活動にぶつける。過激なゲリラ活動を繰り返し、二十歳で夭折。

第二次世界大戦中、ドイツとの暗号合戦の勝利に大きく貢献したイギリス人数学者アラン・チューリング。国家機密に深く関わり過ぎたことで、戦後も政府から監視され続け、同性愛の罪(!)で逮捕された後、謎の死を遂げる。

ドイツ人数学者ヘルマン・ワイル。彼は妻がユダヤ人だったため、ナチスに追われ、アメリカに亡命。しかし、所長職にあったゲッティンゲンの数学研究所を捨て、ドイツの偉大な数学界に自分の手で幕を降ろしたという罪悪感は、生涯消えることはなかった。


そして、私が特に興味を持ったのは、彼らの愛と孤独。

ウィリアム・ハミルトンは、若い時に資産家の娘と恋仲になったが、貧乏な学者の卵と結婚させるわけにいかないと、娘の父親に引き裂かれてしまう。二人は別々の人と結婚して30年間、お互いに忘れられず、彼女の今際のきわ、横たわる彼女と初めてのキスをする。
韓流ドラマ顔負けの純愛に、通勤電車で目頭を押さえる私。でも、結婚した奥さんに、延々と何十年も、彼女のことをグチグチ言うのはいかがなものかと(-_-#)私が奥さんならソッコー別れます!

ロシアの女性数学者ソーニャ・コワレフスカヤ。跡取りの男子を望んでいた両親には愛されず、美しくて社交的で何でもできる姉と比べられてばかり。数学だけが彼女の拠り所だった。
文豪のドストエフスキーに恋心を抱いたが、大失恋。彼は姉を愛していたのだ。それからの彼女もなんとなく孤独。海外に留学するために偽装結婚。生まれた娘は友達に預け、数学の研究と社交界に明け暮れる。多くの男性と浮き名を流したが、最後まで満たされることはなかった。ノーベル賞に数学賞がないのは、ノーベルが彼女に振られたせいだ、なんてウワサもある。


そして、絶対証明不可能と言われた、フェルマーの定理を証明したアンドリュー・ワイルズ。フェルマーが謎のメモを残してから、実に350年後!の1994年。200ページにおよぶ論文を6人のレフェリーが審査してようやく認められた。この奇跡には、伊澤理論や谷山・志村予想など、日本人の学者の理論も多く関わっていた。


全員に共通するのは、数学に対する異常なまでのモチベーション。
一握りの能力を持つ者だけが感じられる、数式に秘められた、深遠な哲学、神の奏でる音楽、完璧な美。そして、それを証明できたときの圧倒的な快楽を味わったとき、金のためでも名誉のためでもなく、夜も昼もなく、取り憑かれたように、ただただ新しい数式を求める。
数式が、そんな彼らの「夢の跡」だと思うと、久し振りに数学の本を読みたくな・・・・りはしませんでした(笑)。

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by june_h | 2008-04-02 21:36 | 本 読書 書評 | Trackback | Comments(0)