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1950年~60年代に全盛を極めたアメリカのレコードレーベル「チェスレコード」の、栄枯盛衰の物語。
キャデラックレコードキャデラックレコード
観に行きたいと思っていたし、山下達郎&竹内まりや夫妻もラジオで「良かったですね~」と話していたので、迷わず新宿へGO!

達郎さん曰く、アメリカでヒットした黒人音楽の多くは、白人経営者によるものだったんだそうな(唯一の例外は、黒人が経営して成功したモータウンレコード)。
チェスレコードも、ポーランド系移民のレナード・チェスによるもの。
彼と、黒人ブルースシンガー&ギタリストのマディ・ウォーターズが出会うことによって、チェスレコードが誕生。ブルースの名曲を、次々と世に送り出していきます。

チェスレコードの功績は、それまで、黒人と白人が聴く音楽は、全く別だったのに、どちらにも好まれる音楽を作り出したこと。音楽によって、人種の垣根を取り払ったのです。

私自身は、ソウルやファンクは好きだけど、チェスレコードお得意のブルースはあまり好みじゃなくて(^^;
お恥ずかしながら、映画の登場人物で、唯一知っていたのは、チャック・ベリーくらい(笑)。
でも、エタ・ジェイムズ役のビヨンセの歌にしびれました~。
まりやさんにも、皆にも、彼女の「At Last」が好評だったようですが(オバマ大統領の前でも歌ったんですよね)、私的は「All I Could Do Was Cry」のほうが好き。
「ちきしょう!クソッたれ!!うわあぁぁあん!!!」
みたいなやけっぱち感があって、すげえカッコ良かったです(笑)。

私、ロックは白人由来だと思っていたんですけど、彼らから影響を受けていたんですね!まさかビーチボーイズの「サーフィンUSA」がチャック・ベリーのパクリだったとは(^^;

歌は良かったんですが、ちょっと残念なのは、スキャンダラスな面ばかり強調されて描かれていたこと。
アメリカショービズ界にはつきものの、酒に、女に、薬に。
「アメリカンドリーム」に溺れまくっているアーティスト達を束ねていたチェスさんが、なんだか「猛獣使い」に見えました(笑)・・・・・いや、彼自身も溺れていたのか(-_-;

うまくいっていたときは良かったけど、プレスリーやビートルズなんかの台頭で、だんだんチェスの音楽は売れなくなり、ついには、レナード・チェスの死去によって、終焉は決定的に。

チェスレコードは、今はもう無いけれど、彼らの音楽と、世界中に与えた影響は、永遠!


<関連リンク>
キャデラックレコード(SONYピクチャーズ公式サイト)
「キャデラック・レコード 音楽でアメリカを変えた人々の物語」(映画詳細、映画館情報)
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by june_h | 2009-08-30 08:49 | 映画 感想 | Trackback | Comments(0)

男性同性愛者向け雑誌『薔薇族』編集長だった、伊藤文学さんのエッセイ。

編集長「秘話」

伊藤 文学 / 文春ネスコ


出版社を経営していた父親の後を継いだ著者は、売れない文学作品ばかり出して赤字を積み上げるそれまでの経営方針を嫌い、ポルノ路線に方針転換。会社の経営を安定させることに成功する。

自慰に関する本を出版したとき、何人かの男性読者から「実は私の対象は、男性なのです」という手紙が届く。
このときのカルチャーショック、そして少なからず存在することがわかった同性愛者。
彼らに向けた本を「出せば売れる」と確信した著者は、雑誌を構想する。

周囲の猛反対を押し切って1971年に創刊された『薔薇族』は、著者の予想以上に、熱狂的に受け入れられた。
自分は精神異常者ではないか、こんな性癖は自分だけではないか・・・・・悶々と悩んでいた読者達は、孤独感から解放されたと、歓喜と感謝の声を上げた。特に大人気だったのは、読者同士が交流できる文通欄。やがて、才能ある同性愛者達が、次々と著者の元に集まり、誌面作りに協力するようになる。

しかし、『薔薇族』の歴史は、発禁、差別、偏見との戦いの歴史でもあった。
掲載写真が「猥褻だ」という理由で、何度も警察から呼び出された。文通欄を悪用し、同性愛者を脅迫する者もいた。また「ノンケ(異性愛者)の編集長に何がわかる」と、読者から批判されることもあった。

特に、世間から糾弾を受けたのは、HIVが日本に上陸したときのことだった。
1985年、日本人第1号の感染者は、米国在住の男性同性愛者だと発表されたことで、同性愛者に対するバッシングが激しくなった。
しかし、著者の「同性愛者人脈」を使って八方手を尽くしても、とうとうその「感染者第1号」を見つけ出すことはできなかったのだ。

著者は推測する。
そんな人物は、いなかったのではないかと。
実は、このとき、HIVに感染した疑いのある、輸入非加熱製剤を使った血友病患者が亡くなっていた。患者第1号が血友病患者だと都合が悪い厚生省と製薬会社が、架空の同性愛者をでっち上げたのかもしれないのだ。
もし、このとき誠実な対応がなされていれば、後の薬害エイズ問題は、もっと早く明るみになっていたかもしれない。
事実なら、血友病患者だけではなく、同性愛者まで陥れたということになる。

誌面では何度も、HIVが騒がれる前から、性病について特集している。
著者自身は、大義やイデオロギーのためではなく、読者が喜んでくれるから、毎日一生懸命、原稿に向かっていたという印象だ。

近年、インターネットの普及で雑誌が売れなくなっているが、『薔薇族』も2004年に廃刊。その後、不定期に復刊されているものの、今ではネットに著者のページやブログがある。

読者の多くは、公にも家族にも真実を話せないまま、この世を去った者が多かった。日本人なら知らぬ者の無い超有名人が、偽名で投稿してきたこともある。著者の元で働いていたスタッフの多くも、最後まで本名や素性を明かさなかった。
今でも偏見は多いだろうが、『薔薇族』が出る前よりも、同性愛者にとって生きやすい世の中になっているとしたら、著者の功績は大きいと思う。

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by june_h | 2009-08-29 13:07 | 本 読書 書評 | Trackback | Comments(0)

このメンツの演目が二つずつ楽しめるとは、なかなかオトクでしょう!・・・・・と思っていたら、期待以上に事態は込み入っていて。
単なる対バンではなく、落語・講談・狂言、三者のコラボレーションでした!


■狂言「附子」:茂山宗彦・茂山茂・茂山童司・神田山陽
小学校の教科書に出てきた「ブス」です。こうやって舞台でちゃんと観るのは初めてですね。
主人役の茂さん、テノールの良い声ね!
主人の留守中に、太郎冠者と次郎冠者の二人が、好き勝手やりまくった後、主人が再び舞台に登場・・・・・と思ったら、長袴で山陽さん登場!茂さんとバトンタッチしたんですね!


■講談「十番斬り」:神田山陽・柳家三三
暗転後、今度は短い袴で山陽さん登場。一度、山陽さんの講談、聴きたいと思っていたんですが、なんだか落語みたいなマクラが(^^;
その後、忠臣蔵の堀部安兵衛が活躍する「十番斬り」の講釈を始めたと思ったら、安兵衛が高田馬場に着く前に切れ場になって、山陽さんは、ソデに引っ込んでしまい・・・・・すぐに、三三が高座に上がって続きを始めました。
三三は落語家ですが、講談には定評があります。三三のを「講談」として聴く機会は、なかなか無いかもね。


■落語「うどん屋(風邪うどん)」:柳家三三・茂山宗彦
暗転後、釈台無しで三三が続投。マクラは、先日の円朝祭りのときと大体同じ。
本題で、うどん屋が一人目の客をあしらった後、三三が上手に引っ込んだと思ったら、下手から茂山宗彦さん登場!続きを始めました。
続きと言っても、今度は「風邪うどん」。つまり、上方落語バージョン。だから、うどん屋の掛け声も違います。
茂山さんは狂言師ですが、NHK朝の連ドラ「ちりとてちん」で、落語家の役をやっていたんですよね。そのときの持ちネタ「ソーコーヌーケーに」も飛び出し、お客さんは、大喜びでした。


■講談「裏窓」:神田山陽
仲入り後は、ヒッチコックに因んだ新作。
京都の修学旅行で謹慎を食らった男子学生。怪しげな老人から渡された「遠眼鏡」で、旅館の「裏窓」から河原町方面を覗いて見えたのは、百数十年前の幕末の景色。今まさに、坂本龍馬が暗殺されようとしていた!
男子学生の「酒井君」が、謹慎になった原因は、酢昆布を所持していたから(笑)。麻薬じゃなくて良かったね(^^:::


■落語「ダイヤルMを廻せ」:柳家三三
こちらもヒッチコックに因んだ新作。
今は、高齢のため、稼業を引退した伝説のスリ師。ある日、振り込め詐欺の電話がかかってきて、さあ大変!と思ったが、ヒマつぶしに、わざとダマされてみることに。ところが、金を受け取りにきた男性は、生き別れた実の孫だった・・・・・。

なんと三三、一番大事なサゲを間違えてしまいました。
私も聞いたとき「あれ?」って思ったんですが、やっぱり後で謝ってました(笑)。
まあ、こんな日もあるよね。ご愛嬌。


■狂言「梟(とり)」:全員
弟に取り憑いたフクロウの霊を祓うため、行者を呼んで加持祈祷を始めるが、結局全員取り憑かれてしまい、○イケル・○ャクソンだかレイザー○モンHGだかわからないような奇声を上げて大団円!?

この狂言のタイトルも、ヒッチコックに因んだものでしたね。


今回のテーマは「フェイク」「ヒッチコック」。
なかなかイキなニセモノ達でございました♪
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by june_h | 2009-08-27 20:13 | 落語会 寄席 | Trackback | Comments(0)

一つ屋根の下(一つ穴の中)に暮らしていたら、いろいろあります。いつも仲良しってわけにはいきません。それは、人間もアリも同様。ときには、『犬神家の一族』も真っ青な骨肉の争いが繰り広げられることも(^^;

いつか僕もアリの巣に

大河原 恭祐 / ポプラ社


特技は、アリの解剖。50匹くらいのアリなら個体を見分けられるという、アリの研究者のエッセイです。

アリは、ハチ同様、生態系の重要な一端を担っていて、動植物を分解する働きをしています。どんな種類のアリにも共通する「大好物」は、角砂糖ではなく、バッタの太モモなんですって(笑)。
また、アリが食べた果実の種は、腐らないそうです。アリから分泌される特殊な酵素のせいらしいですが、こうやって植物と共生しているんですね。

アリは、『アリとキリギリス』の童話に見られるように、働き者というイメージがありますが、女王アリに抑圧されて働かされているわけではなく「自分達の遺伝子を残すため」に行動しています。その理由は・・・・・。

ハチの場合、女王バチと働きバチは、同じメスですが、働きバチには生殖機能がありません。
一方、働きアリは、女王アリのように産卵できます。でも、働きアリが産卵しないのは、自分の子供を育てるより、同じ姉妹である働きアリを育てた方が、自分の遺伝子に近い個体を残せるからだそうです。しかし、兄弟(雄アリ)の場合、遺伝子が遠くなるので、働きアリがこっそり雄アリを「間引き」することもあるとか(^^;

働きアリが産卵するのは、女王アリが死んだときなどの緊急事態だけ。
通常の秩序の中で産卵すると、仲間の働きアリ達の袋叩きにあって、巣を追い出されるそうな。なんか大奥みたい(^^;;;

他にも、同じ母娘の女王アリ同士が争ったり、雄アリが他の雄アリを殺して女王アリを独占しようとしたり、兄の雄アリに殺されないように弟の雄アリが「女装」したり、兄妹で近親相姦があったり・・・・・。

アリの世界でも、「家政婦は見た!」のドラマができますね(笑)。

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by june_h | 2009-08-25 20:56 | 本 読書 書評 | Trackback | Comments(0)

虚構の劇団に関しては、いつも役者さん別に感想を書いているので、今回も勝手にダラダラ書きます。


■小沢道成
今回の役は「母親と同化してしまった男性」。もちろん、この劇団の中では、彼にしかできない役。以前はぎこちなかったダンスも、ずいぶん上達していました。
今回、私が注目したのは「ウサギ一家」の寸劇で演じた「兄ぴょん」の役。妹のウサぴょんが、ママぴょんの支配に耐えかねて、巣を出て行こうとしたとき、兄ぴょんが
「外の世界が良い所だったら僕にも教えてね。僕もこの巣を出て行くかもしれないから」
と言って、複雑に微笑むんですよね。
このときの微笑み、どう解釈したのかしら?鴻上さんから指示はあったのかしら?私は、スゴく「長男らしい」態度だと思って、鴻上さんのセリフと道成くんの微笑みに、うなってしまったのでした。


■大久保綾乃
主人公。この舞台の虚構の世界は、すべて彼女の心の傷から生まれた世界。他の登場人物達も、各々が持っている「傷」に共鳴して、彼女の世界に引っ張りこまれてしまうことで、物語が展開します。
難しいセリフのオンパレードで、しかも、ずっとテンション高くて早口。でも、滑舌はしっかりしている。意識してセリフをはっきり伝えようって言うのが、よくわかりました。
このテンションは、意図的にやってたのかしら。だとしたらスゴいけど。
抑圧の強い人は、緊張も強いものなので・・・・・。


■小野川晶
今回のアキちゃんの役はズバリ「インナーチャイルド」。主人公が生み出してしまった、もう一人の自己。現実の女性の苦しみを引き受けた虚構の存在。
以前より、ずいぶん声がしっかり出るようになりましたね。でも、アキちゃん、痩せた?
最初、ナースのコスプレ・・・・・もとい、看護士の役で出てきたとき、脚が細くなったなぁって思いました。顔もちっちゃくなったし。
でも、ちゃんと1日3食、食べてね。無理しないでね。体を大事にしてね。


■高橋奈津季
子供を支配する母親の役と、マザコンの彼氏に苛立つ女性の役。
奈津季ちゃんの役は、主要ではありませんが、いつもさりげなく難しい役が多いんだよね(^^;
ダンスは相変わらず上手で。おネエさんはいつも、奈津季ちゃんの長い手足に見とれています(^^)


■渡辺芳博
トラウマが大きいキャラばかりの中で、彼が一番マトモ!?いや、チョイ悪オヤジ(笑)。でも、彼がいないと話が進まない狂言回し的存在。
フンドシ姿いただきました~(笑)。今回は、いろいろ体、張ってましたね。道成くんとキスしたり(^^;;;


■山﨑雄介
母親との葛藤が強い男性の役。主人公から「私の夢に出てくる女性を探してほしい」という、奇妙な依頼を受ける探偵。
渡辺くんから水をぶっかけられるシーン。衣装は毎日同じだろうから、どうしているんだろ?


■三上陽永
母親の呪縛から逃れられない男性の役。
三上くんって、悪役が多い気がする。今回もさりげなく悪役。鴻上さん、どうして?


■杉浦一輝
だんだん存在感が増している彼。やっと三上くんとの区別がつくようになりました(笑)。
マタニティダンス、良かったです。


■大杉さほり
今回初登場!
落ち着いた佇まいを見せる彼女。まだ、後ろでひっそりとしていましたが、これからどうなるのでしょう!?


次回公演は何かしら??「天使は瞳を閉じて」希望!


<関連リンク>
虚構の劇団 第2回公演「The Reality Show-リアリティ・ショウ-」@紀伊国屋ホール
虚構の劇団 旗揚げ公演『グローブ・ジャングル』@池袋シアターグリーンBIG TREE THEATER
虚構の劇団 旗揚げ準備公演『監視カメラが忘れたアリア』鴻上尚史 作・演出@中野ザ・ポケット

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by june_h | 2009-08-24 20:16 | 観劇 観戦 コンサート レポート | Trackback | Comments(2)

仕事の関係で、横浜の鶴見にあるJHFCパーク(燃料電池自動車資料館)へ出張!水素燃料製造施設の見学と、燃料電池自動車の試乗に行って参りました。

世の中は、エコカー減税も手伝って、ハイブリッド車が大人気ですが、燃料電池自動車は、ガソリンではなく水素を燃料にして走る車です。
CO2を出すガソリンと違って、水素は水になるだけなので、普及すればかなりエコ!なんですが、技術的にまだまだ問題が多くて、実験段階なのが現状。

燃料電池の触媒としてプラチナが使われているため、車に搭載する電池だけで数千万!かかってしまいますし、水素の製造も、現状は、ガソリンのエネルギーを使っているんですよね。水から作られたら最高なんですけど、まだまだ時間がかかるみたい。
これは、水素の貯蔵タンク。
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ともあれ、燃料電池自動車の現状についての講義を受けた後、実際に試乗させていただきました。

私が試乗したのは、トヨタのFCHV。
運転は、JHFCの館長さんです。
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車って、エンジンをかけると、独特の振動と音がありますよね。でも、燃料電池自動車の場合、モニターに「エンジンがかかりました」って出るだけで、音も振動もまったく無く、停止しているときと車の状態は変わりませんでした。思わず「は?」と言ってしまいます。
そうこうしているうちに、館長さんがアクセルを踏んで、発車!

すっごく静か!!

加速しても、体にかかるストレスを全然感じません。あっという間に100キロの速度に達してしまいます。スピードが出ている実感がありません。

重たい電池を積んでいるはずなのに、乗っている私には、
「羽根のように軽い車」
に感じられました。

試乗した後、再び館長さんの説明とともに、ショールームを見学。
館長さんが非常に熱心な方で、もう70歳を超えてらっしゃる方なんですが、私達の疑問がなくなるまで付き合ってくださいました。
「私は、この子のために、この仕事をしているんですよ」
と、携帯の待受画面にしている、お孫さんの写真を見せてくださったのが印象的でした。

館長のお孫さんが大人になったとき、原油を始めとした化石燃料は、まだ残っているんでしょうか。そして、地球はもっと熱くなっているんでしょうか。

館長さんは、単なる仕事ではなくて、ミッションだと思ってこの仕事をされているんだと思います。

原油や原子力への依存から脱却するために、国が主導でこのプロジェクトを推進しているんですよね。
この施設も、国と企業の協力で運営されています。

JHFCパークは、申し込みをすれば、誰でも無料で見学できます。まだ夏休みの宿題が終わっていない学生さん、自由研究にオススメです!


<関連リンク>
JHFCパーク(燃料電池自動車資料館)

水素・燃料電池実証プロジェクト(Japan Hydrogen & Fuel Cell Demonstration Project)
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by june_h | 2009-08-23 18:06 | 雑記 | Trackback | Comments(0)

「虚構とは、何ですか?」
「虚構とは、起きているときに見る夢です」

「現実とは、何ですか?」
「現実とは、あなたが選んだ虚構です」

・・・・・なんてわかりやすい戯曲だったんだろう!

何故、第三舞台が、鴻上さんの舞台が、人気があったのか。
何故、私が、鴻上さんの舞台に惹かれたのか。

トラウマに触れるのだ。
鴻上さんの作品って、演劇じゃなくて、精神療法みたいなのだ(笑)。
だから、鴻上さんの舞台は、身に覚えが無い人にはワケがわからないだけだが、身に覚えが有る人は、鴻上さんに「すがりついて」しまう(笑)。

鴻上さんは昔からいつも言っていた。
「お客さんの潜在意識とガッチリ握手をするような舞台を作りたい」と。
鴻上さんは、意識しているのか無意識なのかはわからないけど、これは、つまり、そういうことなのだと思う。

子供を愛せない母親。
子供を支配する母親。
子供を殺そうとする母親。
自分を生きようとしない母親。
自分も母親に支配された母親。
母親を許せない自分。
母親を愛せない自分。
自分を許せない自分。
自分を愛せない自分。

こんな人物像がコラージュのように、夢で、虚構で、現実で、いくつも重なり合いながら、一人一人の「自分が見たい現実」を作りあげている。
この舞台、現実世界と虚構の世界が、どんどん入れ替わるが、どの場面が現実なのか夢なのかは、ぶっちゃけあんましこだわってもしょうがない。
大事なのは、それぞれのキャラの内面や感情の流れ。

「家庭、学校、病院。この3つは、本来は、自立するためのシステムであるはずなのに、抑圧するためのシステムになってしまっているんです!」

このセリフに、鳥肌が立った。

母親に傷つけられた人々が、海の向こうにあるという「母親のいない世界」を求めて海辺に集まる。「母親が作り上げた世界」から出たいと必死に何度ももがくが、結局、元いた場所に戻ってしまう。

どうすれば、ここから出ていける?

鴻上さんは言った。それは、
絶望すること→手放すこと→希望
なのだと。

絶望の果てに主人公が辿り着いたのは、自分が受け入れ難い「現実」から、全速力で逃げていたという「真実」だった。
自分を苦しめていたのは、結局自分自身だったのだ・・・・・。

私は「虚構の劇団」の旗揚げ準備公演から見ているが、実は内心、鴻上さんに腹を立てていた。
前途ある若者に、自分の数十年前のトラウマを何度も演じさせて恥ずかしくはないのか、と(笑)。

初めて鴻上さんの舞台を観たとき、一瞬で好きになったはずなのに。
第三舞台の戯曲を、次から次へと、貪るように読んだのに。
最近は、いい加減、鴻上さん自身がトラウマから解放されればいいのにって、思うようになっていた(^^;

でも、今回の戯曲は「潜在意識とガッチリ握手をする」ものだ。
この戯曲は、鴻上さんが28歳のときに書いたものだ。
28歳の鴻上さんは、天才だ。
いや、鴻上さんは、ただ、「逃げなかった人」だっただけなんだ。

逃げずに向き合う人は、少ない。
大多数の人は、ラクをしようとする(ラクにはならないけど)。

鴻上さんはずっと、人を安易にラクにしようとする、宗教やイデオロギーを憎んできた。
それと同時に、ラクを求める人間の弱さと欺瞞を知っていたはずだ。
鴻上さんは、ラクになろうとしなかった。

鴻上さんが出した答えが正しいかどうかは、誰にもわからない。
でも、鴻上さんがやってきたことは正しい。

だからこれからも、誰がけなそうと、無視しようと、自分が信じる道を進んでほしい。
今回の舞台を見て、そう思った。
ハッシャ・バイハッシャ・バイ


<関連リンク>
座・高円寺
虚構の劇団(thirdstage)

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by june_h | 2009-08-22 14:29 | 観劇 観戦 コンサート レポート | Trackback(1) | Comments(2)

ショック!ジャスミンとウ○コのニオイの成分が同じなんて!!

ニオイをかげば病気がわかる (講談社プラスアルファ新書)

外崎 肇一 / 講談社


糖尿病は甘いニオイ、直腸癌は新緑のニオイ、自律神経失調症は炊き立てのご飯のニオイ・・・・・という具合に、病気には特有のニオイがあるそうです。癌は、人間は感知できませんが、部位ごとにニオイが異なるそうです。なぜなら、犬は、癌ごとにニオイをかぎ分けられるからなのです。将来的には、患者の呼気で病気を検査する機器が開発できればと、著者は考えています。

しかし、ニオイや嗅覚については、人間の感覚の中で最も原始的と言われながら、最も研究が遅れている分野なんだそうです。

嗅覚には、視覚の色の三原色や、味覚の五味のような、「基準臭」というものが存在しません。また、分子構造が一つ変わっただけで、まったく別のニオイになってしまうので、元素周期表のように分類もできません。しかも、同じニオイの成分でも、濃度によって印象がまったく変わってしまいます。
冒頭に挙げた、ジャスミンと糞便に含まれるスカトールや、足のニオイと桃の香りに含まれるイソ吉草酸も、「良い匂い」「イヤな臭い」を分けているのは、濃度の違いなのです。

私が興味を持ったのは、体の酸化を抑える抗酸化物質についての実験。
抗酸化物質は、癌や病気の元になる活性酸素を抑制する効果がありますが、アロマオイルのような良いニオイよりも、悪いニオイをかいだ後の方が、抗酸化物質の分泌が多くなって、自己治癒力が高まるんだとか!

これって、ホメオパシーの理論と同じじゃん!

ホメオパシーも、体に「毒」の「情報」を与えて、自己治癒力を高めるんですよね。
もしかして、ニオイの研究が進んだら、ホメオパシーがなぜ効くのか、説明できるかもしれません。

健康になりたい人は、足のニオイをかぎましょう!・・・・・なんか違うか(^^;

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by june_h | 2009-08-20 20:19 | 本 読書 書評 | Trackback | Comments(0)

一生の不覚・・・・・。
私、開演時間を間違えてしまいました。入ったときには、30分以上終わっていて・・・・・。
こうやって書いている間も、自分に対する怒りと悔しさが込み上げてきます(ToT)(>_<)(ToT)
コーラスラインコーラスライン
役者さん達は、本場の方達だけあって、本当に、歌も踊りもお芝居もレベルが高くて。オーディション会場という設定なので、衣装がレオタードだったんですけれども、スタイルも抜群!
ただ、映画『ブロードウェーブロードウェー コーラスラインにかける夢』で、コニー役に選ばれた、唯一の日本人俳優、高良結香さんは、今回の舞台には出演していなくて、今、赤坂ACTシアターでやっている『RENT』の方に出ているんですね。

30分遅刻してしまいましたので、本編は、あっという間に終わってしまったんですけど、ラッキーなことに、アフタートークがありました。
映画にも出ていた、初代コニー役のバイヨークー・リーさんと、『CHICAGO』に出演した大澄賢也が踊りながら登場。
『コーラスライン』は、当時としては、非常に斬新な試み・・・・・休憩時間無しだったこと、スター俳優を起用しなかったこと、照明にコンピューター制御を取り入れたこと・・・・・などを語ってくれました。それから、『コーラスライン』を作ったマイケル・ベネットは、長年、『CHICAGO』を作ったボブ・フォッシーとはライバル関係で、お互いに良いダンサーを取り合いながら(足を引っ張り合いながら!?)切磋琢磨してきたとのこと。

映画を観たときも思ったんですけど、バイヨークー・リーさんは、本当にパワフルな女性。サービス精神が旺盛で、アピール力がスゴい!終始、簡単な英語でゆっくりわかりやすく語りかけていて、ときにはダンスも交えての解説。全然飽きませんでした。さすが、長い間アメリカのショービズ界で活躍されている方だけあります。最後も、踊りながら退場していきました(^^)

でも、なんといっても印象に残っているのは、本編の「もし、今日で最後のステージだとわかっていたら。明日から舞台に立てないとわかっていたら」という問いに対する歌『What I did for Love(愛した日々に悔いはない)』。
この歌に出会えただけでも、大きな価値があったと思います。
今日にキスして 明日に向かうの
あなたの幸せ 祈りながら
愛した日々に 悔いはない
愛したことを 忘れはしない
愛することを 失わない

※私の訳なので正確ではありません。

過去に執着せず、前に向かって歩き出す!なんて素晴らしい歌ではありませんか!
私もかくありたい。でも・・・・・
最初から観たかったあああぁぁーーーーっ!!
(←バリバリ過去に執着してんじゃん、私)



<関連リンク>
コーラスライン(TBS)
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by june_h | 2009-08-19 21:15 | 観劇 観戦 コンサート レポート | Trackback | Comments(0)

やっぱり美味しいご飯は大事!
南極料理人南極料理人
外に出ると、一瞬で凍るオニギリ。無限にある「かき氷」。
昭和基地からも遠く離れたふじ基地。
ペンギンもアザラシもいない、標高3,000メートルのこの場所で、8人の男性が観測・研究のために共同生活を送っています。

その中で、調理担当として派遣された、堺雅人演じる「西村くん」は、隊員達のために、毎日、美味しいご飯を作ります。和食・洋食・中華・フレンチ、なんでもござれ!
食卓で展開される、コントのようなやりとりに何度笑ったことか!絶妙な配役。監督さん、グッジョブ!

でもね。やっぱりだんだん壊れてくるんです。
一年以上も閉塞した空間にいて、外に出ても何も無い。逃げ場は、どこにもない。同じ人と顔をつきあわせなきゃならない。そんな状況だったら誰だって、ストレスが溜まります。

涙を流して「ラーメンを食べないと眠れないんだよおぉ」と訴えたり。
夜中にバターの塊を貪り食ったり。
ウイルスがいないから、病気にはならないかもしれないけれど、皆、一人になりたくなったり、遠距離恋愛していた彼女にフラれてマイナス50度の屋外に飛び出してみたり。いろいろあります。

映画だから笑える話になってましたが、実際は、笑えない雰囲気になることもあったでしょう。

西村くんが、なんとか工夫してラーメンを作ったとき、私も思わず涙が出ました(笑)。オーロラの観測そっちのけで、ラーメンをズルズルすする隊員達が微笑ましかったです。

私もイギリスにいたときのことを思い出しました。
毎日、チキンとポテトばかりで辟易してしまい、日本の味を求めてロンドンの札幌ラーメンの店に飛び込んだところ、あまりにも「イギリスナイズ」された味に、やり場の無い怒りを感じました(^^;;;
このときは本当に、いろんな夕飯を作ってくれる母親に、とても感謝したものです。

私は、しっかり美味しいランチを食べてから映画を観ましたが、空腹状態でこの映画を観ると、おなかがグルグル鳴りっぱなしになりますよ!


<関連リンク>
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「南極料理人」(映画詳細、映画館情報)
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by june_h | 2009-08-17 20:40 | 映画 感想 | Trackback(1) | Comments(2)