「武士の家計簿」の磯田さんによる、江戸初期の殿様評です。


浅野内匠頭は、松の廊下での刃傷沙汰を起こさなくても、いずれ取り潰されていただろうとか、大石内蔵助は、赤穂浪士として活躍しなければ評判が悪かっただろうとか。
古文書を紐解けば、美談の裏に隠れていた人間らしさが、いろいろと出てくるものです。

興味深かったのは、前田利家の息子の利常。
磯田さんも、かなりのページを割いているだけあって、とても不思議な方です。

前田家は外様大名の最大勢力だったため、常に幕府から睨まれている存在でした。
徳川家から迎えた正室とその取り巻きは、幕府からの間者。
しかし、利常は正室ととても仲が良かったのです。

そんな二人を見かねた乳母が、二人の仲を引き裂き、正室は衰弱死。
怒った利常は、乳母を「蛇責め」にして殺してしまったという・・・・・。

他にも、家康を精神的に天下人に導いた本多作左衛門などなど。

戦国末期から元禄にかけて、大きく変化した世の中。
各大名家では、戦乱期を生き抜いた質実剛健の父親と、生まれた時から平和な世の中で「歌舞音曲と恋愛にしか興味のない」息子との間で、お互い理解し合えないという親子問題が噴出していたようです(^^;

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by june_h | 2018-01-13 17:42 | 本 読書 書評 | Trackback | Comments(0)

ローザンヌのバレエコンクールでスカラシップ賞を受賞し、英国ロイヤルバレエでプリンシパルとして活躍した吉田都さんのエッセイ。


コンクールも英国行きも最高峰バレエ団での活躍も結婚もサラっと書いてあるような印象ですが、言い知れぬ苦労もあったはず。
西洋はメンタリティが全然違いますし、しのぎを削るプロの世界ならなおさら。
怪我が治らず、なかなか復帰できなかった時も、焦りを感じていたのでしょう。

繰り返し出てきたのは「パートナーシップ」という言葉。

男性のダンサーが女性のダンサーをリフトする時、息が合わないと上手くいきません。
優れたダンサーでも、パートナーシップを上手く結べず、役を降ろされることも。
相手のことを考えないと、上手くいかないんですよね。
結婚もそうです。

欧米では、バレエが文化として確立していて、プロのバレエダンサーが活躍できる環境が整っていますが、日本はまだまだ。
後身を引っ張ってもらうためにも、長く活躍していただきたいです。

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by june_h | 2018-01-09 15:26 | 本 読書 書評 | Trackback | Comments(0)

磯田道史さんは『武士の家計簿』の著者。
古文書が百万冊あったら、生きている限りできるだけたくさん読む」と決めているんだそう。
そんな人が語る話ですもの。
面白くないはずがありません!
そして、私もその言葉に励まされました。


幕末の日本は、世界的にも識字率が高かったと言われていますが、地方によってバラつきはあったとか。
藩校によって教育方針が全然違っていて、それが幕末、各藩の態度の違いに少なからず影響したとか。
忍者が激務で過労死することが多くて、子孫達が忍者になるのを嫌がったとか(笑)。

司馬遼太郎の小説が、どこまで資料に忠実でそうでないか、ということも検証していました。

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by june_h | 2018-01-08 19:19 | 本 読書 書評 | Trackback | Comments(0)

ロンブー淳さんのエッセイ。
彼は、やっぱり違いますね。
小さい時から自分を客観視できていたんです。
自分が周囲からどう見えていて、どう行動すれば喜ばれるのか、分かっていたのです。

あと、お笑い芸人になる動機の一つとして
「モテたい」
というのは、よく聞く話。
彼もその一人ですが、
「どうすればプロデューサーに使ってもらえるか?」
「自分達がどう見えているのか?」
ということを常に考えて行動していたというのが、他の人と違いますね。
だから、若い時から頭角を現していたのでしょう。
そして、女性にモテます。
ただ、待っているだけではなくて、目的を果たすためにちゃんと行動しているのです。

あと、彼の発言が、よくネットで炎上しているのですが、その理由がなんとなく分かりました。
彼の動機の中に
「人から羨ましがられたい」
というのがあると、ハッキリ書いてありました。
それじゃあ、妬みを買うのは当然。自分で引き寄せちゃってる(^^;

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by june_h | 2018-01-07 10:37 | 本 読書 書評 | Trackback | Comments(0)

動的平衡でお馴染みの生物学者の著者が、生物学の観点から、いろいろな質問に答えている本。
草食系男子の話で、
「草食動物に失礼です。草食動物の性欲はとても旺盛なんですよ!」
と、答えていて、なるほどと思いました(^^;

それから、自然界を見渡せば、必ずしも全部の個体が子孫を残しているわけではないので、気負わなくてもいいんだよ、という話。
私は次世代には何の貢献もしていないので、気が楽になりました(^^;;;

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by june_h | 2018-01-06 15:16 | 本 読書 書評 | Trackback | Comments(0)

ドラマ「下町ロケット」のモデルになった方のエッセイ。
よくあるビジネス本だと思ったけど、読んでいて励まされました。


この方は、小さい時からロケットを作りたいと言ってきたけど、「どうせ無理」「止めろ」と、周囲から言われて育ってきました。
このあたりの話、堀江貴文さんに似ています。
お二人とも日本の学校教育に収まり切らない人だったんです。

しかし、彼は、その夢を貫いて、独学で方法を見つけていきました。今では世界中と取引のある会社に。

ある日、彼は気づくのです。
彼に「どうせ無理」と言ってきた人も、「どうせ無理」と言われて育ち、自分が本当にしたいことが分からなくなってしまったのだと。
そうなってしまった人達は、なるべく楽をして得をしようとするのです。

このままでは日本の将来が心配だと言いますが、私も心配です。私の周囲にも、能力があっても踏み出さない人が多いですから・・・・・。

「楽をするのではなく楽しむ」

のだと、彼は言います。
私も同感です。

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by june_h | 2018-01-05 10:50 | 本 読書 書評 | Trackback | Comments(0)

ヘンな論文を見つけるのが趣味のサンキュータツオさんは、お笑い芸人にして修士号を持つ大学講師。
前回の「ヘンな論文」も面白かったですが、今回も粒揃いです♪

最初の「プロ野球選手と結婚するための方法論に関する研究」(明治学院大学の卒論)ですが、実際に選手に調査していて興味深いです。

一般の平均と違うのは、姉さん女房が多い(特に中日)こと。そして、年俸が高い選手は女子アナ、それ以外はホステスと結婚することが多いこと・・・・・プロ野球選手になると、出会いが少ないのね(^^;
ところで、この論文を書いた人は、どんな人と結婚したのでしょうか(^^;;;

「「過去生の記憶」を持つ子供について 日本人児童の事例」(人体科学)は、前世の記憶を持つ日本人の男の子の研究。一昔前なら非科学的だと一蹴されそうですが、時代は変わりましたね!

「「坊っちゃん」と瀬戸内航路」は、「坊っちゃんは東京から松山まで、どのような経路で向かったのか」ということを、当時の資料から検証・断定した論文。
この論文のあまりの緻密さにタツオさんは感動して、著者に会いに行っちゃった!

「学者は身近にいる狂人」
だとタツオさんは言いますが、誰にも理解されないようなことに命を懸けるような「狂気」がなければ、学者とは呼ばれないと、私は思います。

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by june_h | 2018-01-03 16:30 | 本 読書 書評 | Trackback | Comments(0)