・鳴神上人:市川染五郎
・雲の絶間姫:中村芝雀

あらすじを読んだ限りでは「悪の超能力者vs美少女戦士」なんですが、実際の芝居を見ると「ウブな思春期の少年をたぶらかす年上の女」の話です(笑)。鳴神上人じゃなくて「鳴神少年」が、ひたすらカワイらしくって、微笑ましくって。鳴神クンは悪役なんだけど、お姉さん、スキになっちゃいました(笑)。

鳴神くんは、女性に触ったこともないし、お酒を飲んだこともないオクテな男。そんな彼を、クモノタエマ姫はガッチリ誘惑。彼の気を引くためにワザと無視したり、病気のフリをして彼の優しさを利用したり。
「どうしたの?お姫様。体が痛いの?じゃあ背中をさすってあげる。胸も痛いの?じゃあ胸もさすって・・・・・あ、柔らかい・・・・・」
あまりにも素直に姫のワナにかかる鳴神くん(^^;

酒を飲むのをイヤがる鳴神くんに「アタシの酒が飲めないっての?ええっ?」とスゴむ姫。しぶしぶ飲んで、やがて酔いつぶれる鳴神くん。なんか大学の新勧コンパで、先輩女性に無理やり酒を飲まされてツブれる新入生の男の子みたいだぞ(笑)。

泥酔して神通力を失った鳴神を見下ろして、してやったりの姫。滝の封印を解いて竜神を解放すると、降りしきる雨の中、高笑いで去っていく。
残された鳴神くんは、怒って弟子達にさんざん八つ当たりしたあと「日本全国追っかけて、姫を見つけ出してやるからなあ!」と憤怒の形相で花道を去っていく。

まるで、純情を踏みにじられて、フラれた男が逆上して、ストーカーになるみたいじゃないか。ワカリヤスイ、わかりやすすぎるよ、鳴神くん。カワイイよ。カワイすぎるよ。
鳴神くんは全然悪くないのにね。そもそも、竜神を閉じ込めたのだって、天皇が約束を破ったからなんだよね。それなのに、この仕打ちはヒドいよね。カワイソウ。でもオモシロイ(笑)。

私としては「鳴神その後」が観たいですね。でも、再び姫と対決して、結局は殺されて終わりそうですね(笑)。「あなたを愛してしまったのに・・・・・なぜ・・・・・(絶命)」なんてね。

中村芝雀演じる、雲の絶間姫の悪女っぷりに拍手!



<関連リンク>
五月大歌舞伎(歌舞伎美人)
歌舞伎十八番の内『鳴神』(ウィキペディア)
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# by june_h | 2007-05-06 14:15 | 歌舞伎 鑑賞 | Trackback | Comments(4)

自分の指を見ながら
「この指輪のせいで、何人死んだんだろう」
と、考えずにはいられない映画。

ダイヤの価値を決める"4つのC"
Color(色)、Cut(カット)、Clarity(透明度)、Calat(カラット)
しかし、実は5つめのC「Conflict(紛争)」が存在することを、あなたは知る


このコピーに魅かれて観に行くことに決めた私。
ダイヤモンドをめぐるサスペンス、ということで、当初は、シドニィ・シェルダンの『ゲームの達人』
みたいなストーリーを想像していた。とんでもなかった。
ダイヤ一粒を追いかけることで浮かび上がってくるのは、絶え間ないアフリカの内戦を生み出す愚かな欲望と、その地で暮らす民の怒りだった。
ちゃちな善悪や、感傷に流されることなく、「神も見捨てた大陸」の現実を淡々と追いかける映画。骨太の143分。

ブラッド・ダイヤモンド [DVD]

ワーナー・ホーム・ビデオ


この物語は、ゲリラに家族を奪われ、自身もダイヤの採掘場で強制労働させられている男、ソロモンが、大きなピンクダイヤを掘り出したことから始まる。そのダイヤをめぐって集まった3人の思惑が交錯する。ソロモンは、家族を救うために。ダイヤ密売人のアーチャーは、アフリカを抜け出すために。ジャーナリストのマディーは、内戦を裏で操る企業の証拠をつかむために。

レオナルド・ディカプリオ演じるアーチャーは難役だ。マディーと昔語りをするシーンで、両親を殺された悲しみを抱えつつ、人間に絶望しながらも、孤独に這いずり回りながらアフリカの現実を一人生きてきた男の複雑な表情が良く出ていた(アーチャーの年齢と、私の実年齢、一緒なんですけど・・・・・)。特にクライマックス、兵士に囲まれながらマディーにコンタクトを取るシーンは見ものだ。

ダイヤを巡る争いもさることながら、子供達がゲリラにさらわれて少年兵になる過程がおぞましい。集落を襲ったゲリラは、大人達をなぶり殺し、子供をさらって銃を与え「軍人以外の人間は虫ケラだ。殺していいんだ」と教えこむ。
子供は素直だ。血と暴力と酒と麻薬にまみれた集団の中で、何のためらいもなく人間を殺す「殺人マシーン」になってしまう。そして繰り返されるのは、難民と貧困と飢餓の量産。これは今でもアフリカのどこかで起こっている現実だ。

映画の中では、しばしば、銃を持った少年達が、ジープに乗って、大音量のラップミュージックを鳴らしながら集落を襲う・・・・・。ラップをBGMに、えげつない殺戮や狂宴が繰り広げられるので、しばらくブラックミュージックを聴くと、思い出して気分が悪くなりそうだ。

「白人達がダイヤを欲しいのはわかる。でもなぜ、黒人同士が争わなきゃならないんだ?」
裏にあるのは、ダイヤモンドの値段を不当に買い叩くために内戦を作り出し、武器を輸出するために戦いを長引かせる「死の商人」達の存在。

「ダイヤモンドは永遠の輝き」なんて言っているけど、その輝きの裏にある闇は、底無し。
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# by june_h | 2007-05-04 10:08 | 映画 感想 | Trackback | Comments(0)

楽しかった!

夜のミュージアムで展示品が動き出す!なんて発想、ミュージアム好きの私としては、ほっとけない映画でした。こんな映画を観ると、NHKみんなのうたの『メトロポリタン博物館』を思い出します。欧米のミュージアムって、中の展示物だけではなく、建物も素晴らしいですよね。

映画の本編では、ルーズベルト(の蝋人形)役のロビン・ウィリアムズが好演していました。私、彼がこの映画に出ているの、知らなくて。私にとってはうれしいサプライズでした!彼の笑顔が大好きなのです。

でもね、惜しい!あと一歩!というのが、正直な感想。
自分がそう思った理由の一つは、博物館に展示されている「人物」達の描かれ方が、ステレオタイプだったこと。原始人が火を見てウホウホ喜んだり、フン族がえげつなく野蛮だったり。塩野七生ファンの私としては、ローマ兵の将軍を、あんな乱暴者に描いてほしくなかったのね(^^;アッティラをカウンセリングして、トラウマを除いてあげる場面には笑っちゃいましたけど(笑)。

それから、クライマックスの泥棒をやっつける場面で、もうちょっと工夫が欲しかった。がんばる夜警の父親と、その息子の連携プレイがもっと観たかった。そうしたら、ラストで、うだつのあがらない父親を見直す子供のシーンが、もっと生きてくると思うの。
ついでに言うなら、棺から蘇ったエジプトのファラオにも、もっと活躍して欲しかった。なんたって、展示物が動くことになった諸悪?の根源なんだから。

ともかく、この映画を観終わったら、博物館に行きたくなりますね。上野の科学博物館なんて、いいんじゃないかしらぁ♪
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# by june_h | 2007-05-03 11:21 | 映画 感想 | Trackback | Comments(0)

藤まつり@亀戸天神

錦糸町に映画を観に行ったついでに、亀戸天神にお参りに行ってきました。
亀戸天神社のホームページ

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ちょうど藤まつりの真っ最中。ラッキーでした。
境内は、藤の紫と良い香りに満ちています。
人間も満ち満ちているんですけどね(^^;
5月6日までやっているそうです。ゴールデンウィークの下町散策にオススメ。


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# by june_h | 2007-05-02 17:54 | 雑記 | Trackback | Comments(2)

■「つる」:春風亭ぽっぽ
女性の噺家さんです。最初はちょっとびっくりしました。でも、ピョコンとお辞儀する姿、かぁいいでつ。
声がかわいらしいし、滑舌もイイ感じ。でも、前座さんの話しぶりは、台本どおりの方が多い。客の空気を巻き込んで会場をあっためていく噺家さんになるのは、これからです。


■「たがや」:春風亭小朝
おやじギャグは、先が読めたり安直だったりすると、嘲笑のタネに。でも、良くできたギャグは、おおっ!と拍手してしまう。そんなお手本のような枕。
本題は古典落語。その笑いに客を引きずりこむには、ちょっと工夫が必要。小朝の話術から見えた工夫は二つ。
まず一つ目は、江戸時代の風俗を現代のものに置き換える方法。
もう一つは、解説の仕方。歌舞伎はイヤホンガイドがあるけど、さすがに落語でイヤホンガイドはマズいものね。小朝は、ちょっとした解説も、説明臭くなくて、ちゃんと面白い話にしてる。解説を「くすぐり」に融合させる高度なワザを使っているように見える・・・・・とエラそうに語る私は落語初心者です。御免。
枕でも歌舞伎と落語の違いを挙げていたけれど、多少意味がわからなくても成立してしまう歌舞伎と違って、落語はどうやって現代との折り合いをつけるか、って大きな問題だと思いました。


■「幇間腹」:林家きくお
声がパパそっくり。でも、芸風まで似せなくてもいいのに(^^;
早速、父親が林家木久扇を、自分が林家木久蔵を襲名することをネタに。
落語の方は、若旦那と太鼓持ちのSMプレイ(?)の話。もっと色っぽく、もっとすっとぼけてやってもいいと思ったけど、昼間だしねー。二人のやりとりの面白さより、若旦那の狂気ばっかり目立っちゃった。まぁしょうがないか・・・・・。きっと、きくおさんってマジメな人なんですね。


■「ぼやき酒屋」:春風亭小朝
早速、先日の林家正蔵の事件?をネタに、軽くフォロー。
飲み屋でクダを巻いている酔っ払いのキャラの勢いにまかせて、毒舌を次々と笑いに変えていく技術はさすが!話があちこち脱線しまくりつつも、頼んだお酒やオツマミが、ちゃんと全部出てきた所になぜか感動。


P.S.
噺家の後ろで輝く金屏風と、小朝の太鼓腹がまぶしかったです(笑)。
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# by june_h | 2007-04-30 20:13 | 落語会 寄席 | Trackback | Comments(0)