九段下探索

せっかく九段下まで行くのだから、ついでに日本画専門の山種美術館へ行こうと画策。
美術館への道すがら、武道館の屋根を見ながら、スガシカオ武道館公演の無事を祈願。
たどり着くと「月曜休館」の文字。ガッカリ。何のために早く来たんだ、何でちゃんと調べなかったんだ、と自分に怒り。
途中通った、財団法人千秋文庫なる建物で、旧秋田藩主佐竹家コレクションの日本画を鑑賞。
中国人画家の作品を模写したものが中心。自分にとっては魅力薄。モノクロの掛け軸を見ながら「やっぱり山種美術館の上村松園が観たかった」と心の中で号泣。
ひときわ目に付く絵を発見。何の変哲もない瓜の絵。柔らかい曲線から、ツヤツヤした光とみずみずしさを実感。作者も模者も「不詳」。しばらくガン見。不思議な魅力。
千秋文庫の入口で、壁に刻まれた「瓜食めば子ども思ほゆ」の山上憶良の和歌発見。不思議な合致だと自分の中で勝手にフィーバー。
次は靖国神社を私的に参拝(笑)。外国人が熱心にお手水場を撮影。何がそんなに珍しいのか不明。おみくじに「満つれば欠くる」の言葉。この日の月は半月。
再び戻って武道館の裏手を散策。漏れ出てくるリハーサルの音。スガシカオの声。冷たい空気。辺りはすっかり闇。
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# by june_h | 2007-02-26 17:20 | 雑記 | Trackback | Comments(0)

最近妹に「忠臣蔵って、どういう蔵?」と聞かれて衝撃を受けました。何も答えられない自分がいました。ショックでした。
「そうだなあ、今までそんなこと考えもしなかったよなあ。何の蔵なんだろうなあ」
考えこんでしまいました。

通し狂言初体験。こちらもショックいっぱいの舞台でした。
忠臣蔵は全てやると二日掛かるので、今回は、
大序、三段目、四段目、道行、五段目、六段目、七段目、十一段目
の上演でした。
観る方も演じる方も、お金とヒマと体力が必要です。とにかく贅沢な芝居です。
昼は幕見席、夜は三階席でしたが、三階席は足が伸ばせなくて、キツかった~。


■大序 「中国人の団体さんの…」

さぁさぁ幕が開きますよぉ、と思っていたら、幕の間から人形が登場。「エッヘン、エッヘン」と言いながら、夜の部と昼の部の配役全てを語り出しました。いわゆるタイトルロールを口で言うんですね。「口上人形」と言うそうで、延々10分以上、それが続いたからびっくりです。2時間ちょっとしかない普通のお芝居では、こんなことできないですよね。由良之助役の中村吉右衛門が読み上げられたときは、一際大きな拍手が。うれしくなりました。
それが終わって、これで幕が開く、と思ったら、拍子木や鼓が次々と聞こえる中、ゆるゆると幕が開きます。幕が開ききるまでこれまた約10分。本当に贅沢。
まず目に入るのは、高師直の黒、塩冶判官の黄(玉子色)、若狭之助の水色(浅葱色)。色彩がキレイ。奥に居並ぶ大名達は、地味な裃。ちゃんと主要人物が引き立つようになっています。裃の人達が動くと、コケないか、他の人の長袴を踏まないか、心配になるけど、さすが役者さん達、裾さばきが華麗でした。
幕見席で、私の後ろには中国人の団体さんがズラリと並んで観劇していました。開演前まで大声でしゃべっていたり、写真をバシバシ撮っていたりして、私はちょっとドキドキしていましたが、幕が上がると、舞台の美しさに皆、タメ息をついていました。
団体さん達は、次の予定があるのか、大序のみの鑑賞でドヤドヤと退場されていきました。もったいない!


■三段目 「イヤホンガイドが面白過ぎて…」

忠臣蔵は、江戸時代に実際に起こった、赤穂浪士の仇討ちを基に作られているため、実際の登場人物を室町時代の人物に置き換えることで、幕府の規制を免れようとしました。そんなわけで、
塩冶判官=浅野内匠頭
高師直=吉良上野介
大星由良之助=大石蔵之助
大星力弥=大石主税
ざっとこんな感じですが、じゃあ、
「Who is 若狭之助?」
塩冶判官が師直にとっとと切りつけるのかと思っていたら、最初は若狭之助が切りつけようとするんですね。この辺の事情、イヤホンガイドで言ってた気がしますが、忘れてしまいました(笑)。私は歌舞伎を見るとき、必ずイヤホンガイドを付けるのですが、同じように付けている人が結構いるようで、明らかに、イヤホンガイドに対して「へぇ」と言ったり笑ったりする声が目立ちました。舞台の役者さんたちは、自分達の演技のタイミングでお客さんが反応するわけではないから、やりにくくないのかな。


■四段目 「刀の赤い血を…」

御芝居じゃなくて、儀式を見ているようでした。
まずは塩冶判官の切腹シーン。畳を裏返して、四方に結界を張って、その中に座って・・・・・と、懇切丁寧に順序を追うので、これさえ見ればすぐにアナタも切腹できます!みたいな感じです(^^;
それから塩冶判官死後の焼香シーン。家臣達の焼香が延々続いたので、私は寝てしまいました(^^;;普通の御芝居だと、こういうシーンはカットされそうですが、ちゃんとやるところが本当に贅沢。
最後に、由良之助が仇討ちを心に誓うシーン。由良之助がお城からだんだん遠ざかって行く時、お城の大道具も後ろに下がって行くので、面白い演出だと思いました。そして「刀についた塩冶判官の血を舐めて」というから、てっきり刃を直接ベロンと舐めるのかと思っていたら、刃の血を手にとって、口元を隠して舐めていました。上品だわ~と思ったと同時に、下品な想像をした自分がハズカシイ。


■道行旅路の花聟 「飛ばしちゃって…」

用事があったので、観られませんでした。ゴメンナサイ。ここまでが昼の部です。


■五段目 「白いヒザの上に…」

ここからは夜の部です。儀式っぽい昼の部と違って、芝居らしくなってきます。
以前、『三人吉三』で、御坊吉三を演じる片岡仁左衛門の白いヒザを見たとき、「このヒザの色気は犯罪だ!」と思ったことがあります。それと同じ色気を悪役の定九郎から感じました。色っぽい悪役が大好きな私は、定九郎がどんな活躍をするのかワクワクしたのですが、あっけなく死んでしまって残念でした。彼は、この後の六段目で、勘平が切腹する前フリでしかない役でございました。


■六段目 「ダラダラと…」

この辺に来ると、私の疲れはピーク。頭フラフラ腰ダルダルで、芝居に集中できず。
勘平が切腹するのも、そこに行き着くまでのストーリーも、ただただ話をややこしくしているだけのようにしか見えず。
私のように体力の無い人は、昼と夜を別々の日に見た方が、芝居に集中できるかも。

■七段目 「寝転がっちゃって…」

ここで私の目がパッと覚めます。私の大好きな吉右衛門さん演じる由良之助が、万を持して登場です!
祇園のお茶屋の従業員達がユニフォームを着て「チーム由良之助」になって大はしゃぎ。とにかく「チーム由良之助」の物量、いや、人数がスゴくてとっても華やか。忠臣蔵をやってるときの楽屋って、ほんとにどうなっているんでしょう。出てくる役者さん多過ぎ。
平右衛門がうやうやしく差し出す手紙を、酔っ払った(フリをした)由良之助が寝転がって、扇でハネのけるシーンがなんともコミカル。でもやっぱり圧巻は、由良之助、九太夫、おかるの三人が、一つの手紙を同時に読むシーン。アイデアが面白いし、絵的にも本当に美しい。錦絵になって残っているくらい、有名なシーンです。
そして最後は、紫の衣装で登場した由良之助が討ち入りを決意。やっとここまできました。

■十一段目 「気づいたらもうおしまい!」

幕が開くと、討ち入りする屋敷前にズラリと並んだ浪士達。思わず「うわあ」と声を上げてしまいます。だって、ちゃんと律儀に四十七人いるんですもの。本当に贅沢な芝居ですねえ。みんな、お揃いの黒いギザギザ模様(雁木模様)の羽織を着ているのですが、小さな力弥くんだけ紫です。カワイイです。
最後に、高師直の首を取るシーンで、突然、物置の中に皆イソイソと入っていって、「エーイイ!」と声がした後、布に包まれた首を持って、また皆イソイソと出てきます。
お客さんの前で首切りシーンはできないから、こういう演出になっているんだと思うのですが、さっきまでガンガン大立ち回りをしていたのに、クライマックスでコレだと、なんかフフっと笑ってしまいます。
そして最後は首を結んだ槍を高々と掲げて「エイエイオー!」で幕、の大団円・・・・・いや、本当の赤穂浪士は、このあと皆、切腹するんだけど。


そんなこんなで、本当に贅沢なひとときを過ごすことができました。・・・・・ところで、忠臣蔵の蔵って、何のくら?
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# by june_h | 2007-02-25 17:16 | 歌舞伎 鑑賞 | Trackback | Comments(0)

五月大歌舞伎の予習のため観ました。

鬼平犯科帳 スペシャル 山吹屋お勝 [DVD]

松竹


「鬼平犯科帳」という時代劇を初めて観たので、まだ、主要キャラとその性格とか、ストーリー展開のパターンとかが、あんまり良くつかめず。
もう少しお勉強しようと思い、関連サイトを開くと、かぁなり奥深い世界であることがわかりました。中村吉右衛門以外の平蔵も過去にたくさんあって(平蔵はそもそも、吉右衛門の実父、初代松本白鸚にアテ書きされたものだそうで)、吉右衛門自身も膨大な原作の全作品をやり尽くしているそうで・・・・・。
そんなわけで、鬼平犯科帳シリーズは、無理せず、気長に追っかけていこうと思います。
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# by june_h | 2007-02-23 11:00 | テレビ ドラマ ドキュメンタリー | Trackback | Comments(0)

戦後、上演禁止の憂き目に遭っていた歌舞伎を復活させたアメリカ人、フォービアン・バワーズの物語。

歌舞伎を救ったアメリカ人 (集英社文庫)

岡本 嗣郎 / 集英社


うだつの上がらないピアニストだったバワーズは、ガムランの音に魅せられ、インドネシアへ向かう船に乗り込みます。途中立ち寄った日本で、寺と間違えて歌舞伎座にフラリと入ったのが運のツキ、すっかり歌舞伎に夢中になり、そのまま日本に居ついてしまうのでした。

英語教師のアルバイトをしながら、歌舞伎観劇と日本語の勉強に明け暮れる毎日。しかし、時代は太平洋戦争の真っ最中。戦況の悪化に伴い、米軍スパイの嫌疑を掛けられることを恐れたバワーズは日本を離れ、東南アジアで、日本軍の暗号解読などの軍役に就くことになります。その後、卓越した日本語力を買われ、マッカーサーの副官兼通訳として、日本の地を再び踏みます。

しかし、戦後の日本には、バワーズの愛した歌舞伎はありませんでした。なぜなら、主君のために死ぬ武士や仇討ちを描く歌舞伎は、封建社会や軍国主義を礼賛するもので、「民主国家」を目指す日本にそぐわないとして、GHQに上演を禁止されていたからです。

それを知ったバワーズは、歌舞伎を復活させるために奔走します。仕事も食べ物もない役者達を物質的に援助しつつ、上官や検閲官に対する陳情、歌舞伎による米兵の慰問など様々な手を尽くしますが、なかなか埒が開きません。業を煮やしたバワーズは、マッカーサーの副官の地位も待遇も捨て、民間人として自ら検閲官となり、歌舞伎の上演をついに許可させます。全ての演目が解禁されたのを見届けたバワーズは、インド人の妻と共に、アジアを放浪する旅に出ます。

そんなわけで、バワーズは「歌舞伎を救うために神様が遣わしてくれた人」だと、多くの歌舞伎役者に今でも尊敬されています。中でも特に、パワーズに感謝していたのは、初代中村吉右衛門とその妻。吉右衛門の得意とする芸は、まさに、GHQがやり玉に挙げた時代物。バワーズがいなければ、吉右衛門は廃業せざるを得なかったでしょう。何度目かにバワーズが来日した際、病床にあった吉右衛門は、バワーズのために無理を押して『熊谷陣屋』を演じ、その半年後に亡くなります。彼なりの恩返しだったのだと、涙を誘います。

本の随所にちりばめられた歌舞伎役者のエピソードは、どれもとても興味深いものです。マッカーサーの副官である地位を利用して、主役級の役者ばかりを集めて上演させ、松竹のオエラ方を困らせたバワーズの「職権濫用」ぶりも微笑ましい。また、言論の自由を謳いながらも、為政者に都合の悪いことはしっかり弾圧していたGHQの矛盾を、本書を通して知ることができます。惜しむらくは、話がしょっちゅう前後して読みにくかったこと、くらいでしょうか。

それにしても気になるのは、どの歌舞伎関係の本にも必ず出てくる、十五世市村羽左衛門。
西洋人の血を引き、永遠の前髪(二枚目)役者と言われた伝説の歌舞伎役者。洒脱で色を好み、彫りの深い顔立ちを見せつけるかのように、横顔で見得をきったそうな。バワーズが一目惚れしたのは、『仮名手本忠臣蔵』で塩冶判官を演じていたこの羽左衛門だったとか。マッカーサーと共に日本に降り立ったバワーズが開口一番、
「羽左衛門は元気か?」
と尋ね、居並ぶ記者達を驚かせたのは、語り草になっています。

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# by june_h | 2007-02-22 15:36 | 本 読書 書評 | Trackback | Comments(0)

久しぶりに

氷川参道を散歩しました。
大宮駅前の大通りを挟んで、さいたま新都心に向かう側の参道は、2車線だったのですが、一方通行の1車線と大きな歩道に造り変えられていました。
ウレシイ(*^_^*)
散歩が楽しくなりました。良い天気でした。
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# by june_h | 2007-02-21 23:31 | 雑記 | Trackback | Comments(0)