男性は、読まない方が身のためです(笑)。
エッセイストの中村うさぎさんと、『舟を編む』でお馴染みの作家 三浦しをんさんの対談。

女子漂流 ーうさぎとしをんのないしょのはなしー

中村 うさぎ / 毎日新聞社


バブル時代を謳歌し、買い物依存性や整形手術など、自分のあらゆる可能性に挑戦してきた中村うさぎさん。
BLにハマって、オタクな人生を送ってきた三浦しをんさん。
一見、共通点など無いように見える二人ですが、ベクトルは違えど、「自分に正直に生きてきた」という点では、とても似ているように思います。

そして、お二人とも女子校出身。
女子ならではのグループとか人間関係とか、いろいろ話していましたが、自分の中高時代のことと比較しながら読んだりして。

三浦しをんさんは、クラスの中で、わりと大人しめの女子グループにいたそうです。
私は、空気読めないし(笑)、自由にしたかったので、必ず、一番人数の多い女子グループに所属するようにしていました。
人数が多いと、一人抜けてもわからないからです(笑)。

本の話に戻りますが、えげつない話もたくさん(^^;
女子会で話すようなネタが次々出てくるので、さすがに苦笑。
面白かったけど(笑)。

うさぎさん、今、病状はどうなんでしょうか。
心配です・・・・・。
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by june_h | 2014-04-25 13:10 | 本 読書 書評 | Trackback | Comments(0)

辞書は、言葉の海を渡る舟だ。
ひとは辞書という舟に乗り、暗い海面に浮かびあがる小さな光を集める。もっともふさわしい言葉で、正確に、思いをだれかに届けるために。もし辞書がなかったら、俺たちは茫漠とした大海原をまえにたたずむほかないだろう。

出版社で辞書作りに携わる人達の話です。

舟を編む

三浦 しをん / 光文社


辞書作りは、特殊な世界。一冊出すのに、数年から数十年かかることも。
言葉と用例をコツコツ集め、用例カードを作っていきます。
数千ページに数十万語。校正するのも膨大な労力が必要。
規定のページ数に収めるのにも、言葉や用例を削ったり・・・・・。
気付けば、一生を辞書作りに捧げ、出版を待たずに亡くなってしまう執筆者も。
辞書作りは、時間とお金がかかるものなのです。

しをんさんの小説の主人公は大抵、何かに対して真っ直ぐに打ち込む男性。世間ズレしているけど誠実。この小説では、編集者の馬締(マジメ)くん。
そして、そんな男性を慕う女性は、すぐにでもベッドに誘うほど積極的。この小説では、板前の香具矢ちゃん。
きっと、こういう女性でないと、話が先に進まないからなのね(^^;

そして、主人公とは正反対の「一般人代表」キャラ。この小説では、西岡さん。どっちが良い悪いではなく、こういう人も必要です!

マニアックなしをんさん目線の小説は、私、大好き!
フィクションが苦手な私でも、思わず手が出ます。
読みやすくて面白かったですが、「数十年かけて一つのものを作り上げる」という意味では、『天地明察』の方が良かったです。

この本は、2012年 本屋大賞受賞作。
編集者の苦労が描かれているこの本が評価されたことで、出版社は、大いに溜飲を下げたことでしょう。
しかし、私が気掛かりに思ったのは、最近登場しているネット辞書の存在。
この本では、全く触れられていませんでしたが、辞書制作を更に苦しくさせていると思われます。

辞書を売った収益が、次の改訂版を作る原資になるけれど、辞書が売れなければ、その原資が作れず、改訂版を出せないかもしれません・・・・・。
一方、ネットは、重たくないし、いつでもどこでもアクセスできる。しかも、ページは無限。
どこの国も、どの言語も、同じように直面している問題だと思いますが・・・・・。

「国策」として国の支援で辞書を作っている国もありますが、日本では、国の支援はなく、各出版社が作っています。

言葉は、民族のアイデンティティ。文字は、文化。
今の日本を救うのは、損得考えずに長いスパンで打ち込む馬締君のような存在。頑張れ!

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by june_h | 2012-07-29 12:00 | 本 読書 書評 | Trackback | Comments(0)

作家の三浦しをんさんによる、専門職や職人として働いている女性のインタビュー集。

ふむふむ―おしえて、お仕事!

三浦 しをん / 新潮社


三浦しをんさんは、私と同年代で、面白いと思う「ツボ」もよく似ているような気がします。
活版技師の大石薫さんへのインタビューで、
活版印刷への憧れはやみがたい。宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』でも主人公のジョバンニが活字を拾うアルバイトをしていた

私も全く同感!
私もあの映画の同じシーンで活字拾いたい!って、ものすごく思いました(^^)

そして、靴職人の中村民さんの工房で、気に入った靴を本気買いする、しをんさんが好きです♪

実は、たまたまですが、インタビューされている一人に、私の友達の同僚の方がいて(^^;
友達と会った時に
「ねえねえこの人、実際は、どんな人なの!?」
って聞いちゃいました(^^)

一番印象的だったのは、芸能界でコーディネーターとして活躍するオカマイさん。
高校を中退して、芸能プロダクションでマネージャー業に。その後もフリーマガジンを作ったり、ジャマイカに移住したり。
自分がやりたいこと、やるべきことがハッキリしていれば、怖いモノなど無いのだなあと思いました。

それにしても、どの方も「一芸」をお持ちだからか、イイ顔していらっしゃいます!
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by june_h | 2012-05-08 12:05 | 本 読書 書評 | Trackback | Comments(0)

タイトルに惹かれて、結局最後まで読んでしまいました(笑)。私にしては、珍しくフィクションです。
「星間商事株式会社社史編纂室」 三浦しをん「星間商事株式会社社史編纂室」 三浦しをん
主人公の川田幸代は、30代女性。仕事はできるが、上に楯突いたせいで、社史編纂室に飛ばされる。
着任してみれば、ボンヤリした後輩女性の みっこちゃん、専務の愛人に手を出して左遷された男性社員の矢田、出世コースから外れた本間課長など、社史編纂室には、閑職にいそうな面々ばかり。

幸代は、ゆるゆると仕事をしつつも、プライベートでは、長年の密かな楽しみがあった。
それは、いわゆるBL小説の同人誌作り。仲間で集まり、コミックマーケット(コミケ)で同人誌を売る「腐女子」だ。
同人誌の原稿を会社でコピーしつつ(笑)、社史の取材を進めていくと、どうしても空白が残る戦後の部分。そして、社史編纂室に届いた脅迫文。裏には、会社と東南アジアの小国との「黒い関係」があった・・・・・。

いたる所に「フフっ」って笑える所や、「そうだよねー」と頷く所とか、「なるほどなー」と感心するところがあって、ユルいストーリーなのに飽きませんでした。さすが、しをんさんの筆力。

ぶっちゃけ、推理小説のようなスリリングさもなく、経済小説のようなドロドロした陰謀が張り巡らされているわけでもなく、会社の秘密が暴かれたところで何が起きるというわけではなく、社史編纂室のユルーい雰囲気がラストまで続いていくだけなのです(^^;
最初から、料亭の女将が、もったいぶらずに全部話しちゃえば終わりじゃん!と突っ込みたくなりました。
賄賂に原稿用紙が使われたり、同人誌の世界と興奮が、こと細かに描かれていたり、かなり「しをんワールド」を感じます。

妹も徹夜して同人誌やってたなぁ、私も生徒会でもないのに生徒会誌編集してたなぁ、母もBL小説好きだったなぁ(笑)・・・・・と、いろいろ昔のことを思い出しちゃいました(^^;
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by june_h | 2010-06-17 20:16 | 本 読書 書評 | Trackback | Comments(2)

「生きることだ。生きて生きて生き抜けば、勘平がわかる」

『仮名手本忠臣蔵』の「早野勘平腹切の段」という大役を与えられたが、勘平の性根がわからないと嘆く健。そんな彼の白昼夢に志半ばで亡くなった兄弟子、文楽太夫の月大夫が現れて語る。

生き抜かなければ、文楽はわからない。
修業中の健にも、作者の三浦しをんも、もちろん私も、文楽はまだまだわからない。
だからこそ、文楽は面白い。

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主人公の笹本健大夫(通称「健」)は、文楽太夫になって間もない。まだまだ修業中の身。
奥さんをほったらかして若い女の子と遊ぶ、師匠の銀大夫。三味線の腕は天才的だが、変わり者でマイペースな兎一郎。文楽と健が大好きで、健に猛烈なアタックをかける小学生のミラちゃん。
周囲の個性的な人たちに振り回されながらも、友人が経営するラブホテルの一室に身を寄せながら、芸の研鑽と舞台に励む。

健が真面目過ぎるからか、作者の人物解釈がウザいからか、途中で読むのを止めようと思ったが、健と人妻の真智(ミラちゃんのお母さん)が仲良くなり始めてからは、なんだか面白くなって、結局最後まで読んでしまった(^^;;健と銀大夫の都々逸合戦とかも(結局シモ!?)。

真智への想いが絶ちきれず、舞台に身が入らない健に、兎一郎は怒った。
「きみは、自分にどれくらい時間が残っていると思う。たいした病気も怪我もせず、存分に長生きしたとしても、あと六十年といったところだぞ。たった六十年だ。それだけの時間で、義太夫の真髄にたどり着く自信があるのか。三百年以上にわたって先人たちが蓄積してきた芸を踏まえ、日々舞台を務め、後進たちに伝承し、自分自身の芸を磨ききる自信と覚悟が、本当にあるのか」

でもね、兎一郎くん。私はこう思うのよ。女に迷うのも修業の一つじゃないんでしょうか。いろんな迷いや弱さを知ってこそ、文楽にたくさん出てくる魅力的なダメ人間たちがわかるというもの。あんたみたいに奥さんを完全放置するより全然良いと思うのですが(笑)。
「金色に輝く仏果などいるものか。成仏なんか絶対にしない。生きて生きて生きて生き抜く。俺が求めるものはあの世にはない。俺の欲するものを仏が与えてくれるはずがない」

タイトルの『仏果を得ず』とは、文楽と共に生きようという、健の高らかな決意表明なのだ。

P.S.
作者の三浦しをんさんは、某新聞の書評を担当しているが、彼女の選ぶ本は、わりと私も読みたいと思うものが多い。もしかして、本の趣味が似てる?

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by june_h | 2008-05-08 20:18 | 本 読書 書評 | Trackback | Comments(0)