自分が死にかけた生々しい話と、その時の赤裸々な心情が延々と書かれているはずなのに、あまりにも冷静で、筆致の温度があまりにも低くて驚きます。
二人称に「諸君」を使う女性に初めて出会いました(^^;
彼女は生物学的には女性だけど、中身は別の生き物が入っています。

他者という病

中村 うさぎ/新潮社

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「孤独」と呼ぶには俗っぽ過ぎる。
文章から感じられるのは、純粋で透徹した彼女自身。
何より言葉を偽り、言葉を汚されることを嫌う、彼女だけの世界。

「さぁ、君はどちらを選ぶ?偽りの楽園か、真実の地獄か?」

そう自身で問いかけて、エデンの園のヘビに騙されるより先に、進んで知恵の実を食べ、喜んで「自意識を知り尽くす」地獄に挑む彼女の潔さ。

こんなにも自意識の強い人が、自分でなくなっていく感覚をとことん経験しなければならないなんて、地獄の責苦より恐ろしいはず・・・・・。

私も10年前に死にかけて、臨死体験して、自分が自分でなくなっていく感覚を味わったけど(笑)、「孤独だった」までで思考停止した分、彼女よりマシかもしれない(^^;
あれからもう10年以上経ったのに、その時以来の自分の人生がロスタイムのように思える感覚が拭えない。
彼女のように、とことん曝け出して抉り出す勇気は、私には無い。

そして、あとがきのオチの怖さは何!?
怖すぎる・・・・・自意識に向き合った人間は、とことん自意識に向き合う人生を味わうんだなぁ。

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by june_h | 2017-04-20 08:16 | 本 読書 書評 | Trackback | Comments(0)

二人が語る聖書は、まるでギリシャ神話のよう。
神様は理不尽で嫉妬深く、人間達も、肉親同士で殺し合ったり、近親相姦もあったり。
佐藤さんは、キリストが十字架にかけられた後の、弟子達の権力争いが面白いと仰っていました。さすが(^^;

聖書を読む

中村 うさぎ,佐藤 優/文藝春秋

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パウロは、元々ユダヤ人で、キリスト教に改宗したんですけど、キリスト教に感化されたというより、ユダヤ人コミュニティにいられなくなるような悪いことをしてしまったからではないかと(^^;
うさぎさんの解釈、面白い。

二人で『ヨハネの黙示録』についても語っています(あんなワケ分からないの、よく語れるなぁ)。
佐藤さんが言うには、「チェルノブイリ」ってニガヨモギを意味する言葉からきた地名だそうで(正確にはちょっと違うヨモギらしいですが)、聖書の黙示録に
「第三の御使がラッパを吹き鳴らすと、ニガヨモギというたいまつのように燃えている大きな星が落ちて、水の3分の1が苦くなり、そのため多くの人が死ぬ」
という文があって、原発事故当時の米ロ首脳会談でゴロバチョフがこの預言に言及したんだそうです。

聖書って、正論とか建前とかしか書いてなさそうでツマラナイというイメージだったのですが、二人の話を聞いていると、面白そうです(^^

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by june_h | 2017-04-11 20:46 | 本 読書 書評 | Trackback | Comments(0)

中村うさぎさんって、本当に面白い人。
名だたる学者に対談相手として指名されてたりするんですよね。
頭の回転が早いから、返しが的確。
ミッションスクール出身だからか、聖書に詳しい。人に言われたからではなく、自分の意志で読んでいて、ちゃんと面白さ?を分かっている。
彼女の話す聖書は面白い!

聖書を語る―宗教は震災後の日本を救えるか

佐藤 優,中村 うさぎ/文藝春秋

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佐藤優は、友達からずっと勧められていたのですが、なかなか手が出なくて。
聖書&うさぎさんという切り口から、やっと入場できました。
この方も面白いんですね!
神学者にして元外交官。
宗教の切り口から世界を見られる人、絶対に必要ですよね。

彼曰く、イスラム教の聖書だと、キリストが復活する時にはイスラム教徒として復活するらしい。
キリスト教徒とイスラム教徒は、聖書を同じくする「啓典の民(←イスラム教側の言い方だけど)」だけど、仲が悪いはずですよね(^^;

うさぎさんの、アダムとイブの解釈が面白かった。
アダムとイブの原罪はセックスではなく「自意識」ではないかと。
だって、もし、そうなら、楽園にいる動物だってヤりまくっているわけだから、動物達だって追い出されなきゃならないでしょう、と。

知恵の実を食べた後、お互いが「違う存在」だって知ってしまった。
そこから全ての苦しみが生まれた。
それが原罪。
スゴく納得!

この二人の会話、面白いので、続編?も読みました。
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by june_h | 2017-03-31 18:33 | 本 読書 書評 | Trackback | Comments(0)

男性は、読まない方が身のためです(笑)。
エッセイストの中村うさぎさんと、『舟を編む』でお馴染みの作家 三浦しをんさんの対談。

女子漂流 ーうさぎとしをんのないしょのはなしー

中村 うさぎ / 毎日新聞社


バブル時代を謳歌し、買い物依存性や整形手術など、自分のあらゆる可能性に挑戦してきた中村うさぎさん。
BLにハマって、オタクな人生を送ってきた三浦しをんさん。
一見、共通点など無いように見える二人ですが、ベクトルは違えど、「自分に正直に生きてきた」という点では、とても似ているように思います。

そして、お二人とも女子校出身。
女子ならではのグループとか人間関係とか、いろいろ話していましたが、自分の中高時代のことと比較しながら読んだりして。

三浦しをんさんは、クラスの中で、わりと大人しめの女子グループにいたそうです。
私は、空気読めないし(笑)、自由にしたかったので、必ず、一番人数の多い女子グループに所属するようにしていました。
人数が多いと、一人抜けてもわからないからです(笑)。

本の話に戻りますが、えげつない話もたくさん(^^;
女子会で話すようなネタが次々出てくるので、さすがに苦笑。
面白かったけど(笑)。

うさぎさん、今、病状はどうなんでしょうか。
心配です・・・・・。
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by june_h | 2014-04-25 13:10 | 本 読書 書評 | Trackback | Comments(0)

脳科学者の池谷裕二先生と、エッセイストの中村うさぎさんの対談本。
なんて意外で大胆なトリアワセ・・・・・と思いましたが、池谷先生から中村うさぎにラブコールを送ったんだそうな(^^;
そんなわけで、「今までの対談で一番楽しかった」と、大満足の池谷先生。

二人を取り持ったのは、敏腕編集者の中瀬ゆかり。納得です!

脳はこんなに悩ましい

池谷 裕二 / 新潮社


読んでいて、どうして池谷先生が中村うさぎを「尊敬」するのかわかったような気がします。
この二人、ベクトルは違えど、好奇心の量と実行力は、いい勝負。
池谷先生が、ある理論を口にすると、頭の回転の良いうさぎさんが「それってこういうこと?」と、絶妙な例え話を出します。テンポの良い対談です。

そして、池谷先生の発言は、全部、論文の裏付けがあり、巻末に参考論文一覧があります。
楽しい対談を読みながら、最新の医学・脳科学の知識も手に入るので、かなりオトクです!

人差し指が短い男性は、テストステロン分泌量が多いので、性器が大きい傾向があるとか。
モルヒネのプラセポ効果を消したナロキソンの実験とか。
二人の話は、多岐に渡り、本当に面白いです(^^)

特に、興味深かったのは、遺伝子検査。
お二人の検査結果を比較して、糖尿病やアレルギーなどの病気因子はもちろん、自分の祖先はどこから来たのか、耳垢は硬いか柔らかいか、麻薬中毒になりやすいのか、いろんなことが、わかっちゃうんですねー!

先生は、遺伝子検査で、自分が「先天性容貌失認症」であることがわかったそうです。人の顔がなかなか覚えられない訳が、やっとわかったと納得したとか(^^;

日本では、倫理的にどうこう言われているようですが、私もやってみたい!
だって、ヘタな占いより、よっぽど当たるじゃありませんか(^^;
病気の因子があるなら、予防するために対策したいし、先祖がどのあたりにいたのかも知りたいわあ♪

中村うさぎさんは、今まで、セックスにハマッたり、買い物依存性になったり、整形したりしてきたわけですが、それは「自分を知るための行為」だったんだと悟ったんだとか。
なんか納得・・・・・。
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by june_h | 2013-04-25 12:21 | 本 読書 書評 | Trackback | Comments(4)