ユングの患者であり、弟子であり、愛人だったザビーナ・シュピールライン。
映画「危険なメソッド」では、ザビーナが発作を起こして、ユングのいる病院に運ばれてくるシーンから始まります。
その後に続く、ユングの診察。
ザビーナの様子を見ていて、私は、こんなふうに思っていました。
「あー、この人、ベラドーナ(Bell.)かハイオサイマス(Hyos.)だ」
と。

Bell.とハイオサイマスHyos.は、よく似たレメディです。
彼女を見ているうちに、薬効書に書いてある言葉が、ガンガン浮かんで来て。
どっちかなーと思いながら見ていて、結局、Hyos.という結論になりました(笑)。

彼女の状態は、ざっとこんな感じでした。


・押さえつけておかないと暴れる
・目と歯を剥き出しにしている
・不随意の手の動き
・興奮
・猫が見える幻覚
・水に飛び込んで自殺しようとする
・食べ物を手でぐちゃぐちゃにする
・背景に父親に対する失恋


Hyos.の薬効書には、こんな症状が書いてあります。


「躁状態。手に負えないほど」
「目が据わっており、居合わせている人をにらみつける」
「発話に支障がある」
「極めて落ち着きがない」
「痙攣によって手足が大きく曲がり、湾曲した身体が高く投げ出される」
「晩、寝入った直後に、激怒して自分に飛びかかってくる猫達の夢を見てひどく不安になる」
「頭や顔や鼻を手探りするように軽く叩いたり、寝床の上で寝具を引っつかんでもがいたりする、瀕死の人のよう」
「絶望し、自殺したくて水の中に飛び込もうとする」
「たえまなく続く焼けるような熱の中、叫びつつ、呼吸が苦しく、両手を荒々しく動かす」
「嫉妬を伴う失恋」

女優のキーラ・ナイトレイさん、素晴らしい演技でした。
きっと、実際の症例記録を読んで、役作りしたんだと思います。
ザビーナさん、ユングのトコに行って、グチャグチャの関係になってSMの真似事なんてするより、ハーネマンのトコに行ってHyos.一粒飲んだら、とっとと治っていたんじゃないかと、ミもフタもないことを考えてみたりする(^^;;;
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by june_h | 2012-12-18 13:18 | ホメオパシー | Trackback | Comments(3)

精神分析学の父ジークムント・フロイトと、分析心理学のカール・ユング、そして彼らの弟子&患者で、ユングの愛人だった女性ザビーナ・シュピールラインを主軸に描いた映画。
タイトルから、ユングとザビーナのスキャンダラスな面が強調されている映画かと思いましたが、意外と史実に基づいた真面目な映画でした。

フロイトは、いつも葉巻を吸っていますし、ユングは、シンクロニシティ大好きな神秘学オタクだし(^^;
フロイトはユングに「オカルトにハマっても何もイイことないぞ」と言い、ユングはフロイトに「感情を全部セックスと結びつけるなんてどうなの?」と言う。
私、この二人は、最澄と空海に似ているといつも思うんですよね。
お互いの素晴らしさを認め合いながら、決別せざるを得なかったというか・・・・・。

ユングのカウンセリングや自由連想法の様子が再現されていて、大学時代に心理学を専攻していた者として、興味深かったです。

印象的だったのは、麻薬&セックス中毒患者のグロスと、ユングが対峙するシーン。
「自分の欲望を解放しろよ」と迫るグロスに、「患者のザビーナと寝るなんてできない」と答えるユング。
白い服のユングに、黒い服のグロス。
ユングが抑圧した自分自身のシャドウ(影)のように、グロスを描いています。

ザビーナの当時の病名は「ヒステリー」「色情狂」、今なら「統合失調症」ということになるのでしょうか。とても興味深い症状だったので、別エントリーで書きます。
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by june_h | 2012-12-10 12:53 | 映画 感想 | Trackback | Comments(0)