『勧進帳』のレポで熱くなり過ぎまして(笑)、その前の『加賀鳶』について書き忘れていました(^^;
・・・・・が、実は、『加賀鳶』は、最後の15分しか観られなかったんです。

というのも、観劇の前に、ちょっと面白い集まりがあって。
これを逃したら、なかなか機会がなさそうなので、途中で抜けるはずが、最後までいてしまって、遅れてしまいました(^^;;;

そんなわけで、『加賀鳶』の私の感想は、

幸四郎さん、遠目で見ると吉右衛門さんソックリ!

・・・・・以上です(笑)。

幸四郎さんごめんなさい。
またの機会に。

では改めまして、本題の『日本振袖始』についてです。

・岩長姫 実は八岐大蛇:坂東玉三郎
・稲田姫:中村米吉
・素盞嗚尊:中村勘九郎


日本神話をベースにした近松門左衛門作の舞踊劇。
ヤマタノオロチに嫉妬の要素を加えることで、妖艶な話になっています。

神話では、スサノオが主役なのに、この芝居は完全に脇役。
ほぼ、ヤマタノオロチの一人舞台で、しかも玉サマなんですから・・・・・玉サマしか見えてなかった私(笑)。

岩長姫が甕からゴクゴク酒を飲むシーン、なんて生々しいんでしょう。
ついには本性を現して、オロチの姿になった時、玉サマだけど
「気持ち悪ーい!」
と、思ってしまいました(^^;

見ていて、スサノオとクシナダヒメの話って、ギリシャ神話のペルセウスとアンドロメダの話に似ているって、今さら気付きました(笑)。
勘九郎さん、こういう英雄の役が似合います。

終演後、駅へと向かう人波の中で、
「『加賀鳶』の幸四郎、良かったわね!悪いけど憎めなくて」
という声が。

・・・・・あ、やっぱちょっと損したか(^^;
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by june_h | 2014-03-26 08:36 | 歌舞伎 鑑賞 | Trackback | Comments(0)

これが本命です!

■白拍子花子:坂東玉三郎
■白拍子花子:尾上菊之助


最初に言うのもなんですが、主役の二人が登場する前に出てくる「聞いたかブラザーズ(所化)」さん達の数、多すぎじゃないですか(^^;
半分くらいでもイイんじゃないかと思ったんですけど。

後になって、その訳がわかったように思います。
二人が踊っているのを、所化さん達が緋毛氈に座って見物するシーンがあるんですが、こうやって、本番の舞台で踊りを勉強できるからなんですよね。きっと。

そして、いよいよ二人の白拍子の登場。
花道から先に登場したのは、菊之助。
そして、菊之助と同じ衣装ですっぽんから登場した玉三郎。
二人並んだ時、感極まって涙ぐんでしまいました。
美しさに涙が出たのは、初めてです・・・・・。

面白かったのは、菊之助は音羽屋の、玉三郎は成駒屋の振り付けだったこと。
それぞれの違いがよくわかります。

玉三郎の道成寺を、ずっと見てみたいと思っていましたが、母と共通の感想は、
「玉三郎も良かったけど、菊之助も負けてなかった!」

玉三郎と同じ振り付けで踊ると、大抵は玉三郎の凄さが際立つのですが、菊之助もよく踊りこんでいて、柔らかさと美しさと、若々しい華やかさがありました。

でも、玉三郎は、若い娘なら若々しく、太夫なら堂々と・・・・・というふうに、一瞬でキャラクターの「肚」に切り替えて踊っているのがよくわかります。

玉三郎が鐘を見て、ふと、ドロドロした感情が湧き上がって、縮緬のてぬぐいをスッと動かすシーン。
ちょっとした動きなのに、どうしてこんなに背筋がゾッとするんでしょう(^^;;;

舞台や衣装の華やかさもさることながら、二人の踊りを堪能できて良かったです!
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by june_h | 2013-05-20 12:27 | 歌舞伎 鑑賞 | Trackback(1) | Comments(2)

久しぶりの演目です。

■傾城如月 実は滝夜叉姫:坂東玉三郎
■大宅太郎光圀:尾上松緑


7年前、私が日比谷の病院に通っていた頃、幕見でフラッと歌舞伎座に入った時、かかっていたのがこの演目でした。
この次の月に、吉右衛門さんの『俊寛』を見て、私の歌舞伎好きは、決定的になります。
私にとっては、思い出深い演目です。

でも、ラストの屋台崩ししか覚えていなくって(^^;
花道のすっぽんから、滝夜叉姫が登場した時、こんな色っぽい舞台だったかしらと。
やはり、玉様のお力でしょうか。

ガマガエルが隣にいると、ともすればコントになる危険性もあるわけですが(笑)、こんなに妖艶に輝けるのは、やはり、玉三郎だからこそ!

この3年間、歌舞伎界には、いろいろありましたが、人間国宝の女形 中村芝翫さんが亡くなって、玉三郎さんが後を継ぐかのように人間国宝となり、名実共に女形の最高峰になりました。
玉三郎さんには、まだまだ長生きして欲しいです。

母が隣で
「松緑は、辰之助の息子よねぇ」
とつぶやいて、私は
「ええ!?そうだったの??」
と(^^;
全然似てないから、そんなこと思いもしなかった(笑)。

今回は、行けませんでしたが、いずれ歌舞伎座ギャラリーなどにも行ってみたいものです♪
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by june_h | 2013-04-16 12:46 | 歌舞伎 鑑賞 | Trackback | Comments(2)

いやー、ただただ美しくってウットリです(*^_^*)

玉三郎サマの役名は、ズバリ「美女」。
並の女性が演じるならば、笑ってしまいますが、玉三郎なら役名をも凌駕する美しさがありますので、全くイヤミになりません!

そして、海老蔵は、海神の息子で乙姫の弟「公子」の役。人間離れした役がピッタリ(^^;
さらに、公子は、ちょっとアタマが弱くてひたすらポジティブ。ネガティブなことがキライ。「主役」の王道。似合い過ぎ(笑)。

ハープと水の音に包まれた海底の美しい城の中。
結局、ここで、あらわになるのは、人間の醜い部分なんですよね。
本編前の玉三郎の解説で
「鏡花は潔癖症の人。モノでもヒトでも、美しい物とそうでない物をハッキリ分けている」
という意味がよくわかります。

美女は元々、人間で、波にさらわれて公子へ嫁ぐことに。
見返りとして、公子が、美女の両親へ海の幸や財宝を送ると、両親は娘を簡単に忘れてしまいます。
せめて、生きていることだけでも、両親に知らせたいという美女に、
「もうおまえは、人間ではない。ヒトの目には、大蛇にしか見えぬ」
と公子。
言葉どおりであったことを悟って絶望する美女。
ほとんどの人間には、本当の美しさはわからないということなのです・・・・・。
公子が口にする「クガ(陸)」という言葉が「苦河」「苦我」に聞こえてしょうがない(^^;

嘆く美女にイライラして、刀を抜く公子。
自分を殺そうとする公子のの気高く澄んだ顔に、惚れてしまう美女。
あまりの二人の色気にゾクゾクしてしまいます(*^_^*)

実際に舞台で観ると、もっと美しかったでしょうね!
「天守物語」も観たいです(*^_^*)
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by june_h | 2012-03-04 12:21 | 歌舞伎 鑑賞 | Trackback | Comments(2)

私が今回チケットを取ったのは、この演目が見たかったからなのです。なぜなら私にとっては、ほぼベストキャストだったから・・・・・勘三郎以外は(笑)。

・佐野次郎左衛門:中村勘三郎
・八ツ橋:坂東玉三郎
・九重:中村魁春
・治六:中村勘太郎
・七越:中村七之助
・初菊:中村鶴松
・釣鐘権八:中村彌十郎
・繁山栄之丞:片岡仁左衛門
・(イヤホンガイド):小山観翁(←これ重要)


次郎左衛門が吉右衛門さんなら文句無し!だったんですけどねー(^^;
でも、吉右衛門さんだったら、八つ橋は玉三郎じゃなかっただろうし、七之助のカワイイ七越も見られなかっただろうし、権八は彌十郎さんではなくて段四郎さんだっただろうし・・・・・。
ただ、端役の人達、セリフのテンポがあまり良くなかったですねー。

最初に楽しみだったのは華やかな花魁道中♪
七之助の七越、魁春の九重に続いて、玉三郎の八つ橋が舞台奥から現れたときは、客席からひときわ大きなため息と歓声が!
そして、次郎左衛門を虜にする八つ橋の魔性の微笑み・・・・・私はこの微笑みをちゃんと見たいがために、上手側の席を取ったのです・・・・・ニッコリ笑った後、真顔に戻る瞬間にゾクッときました。
その後の「八の字」がちゃんと見えなくて残念だったですけどね。

そして、あの八つ橋の「縁切り」の場。
やっぱりどうしても吉右衛門の次郎左衛門と比べてしまいます。
愛想尽かしをする八つ橋に、「花魁、そりゃあんまりそでなかろうぜ」と恨み言を並べる次郎左衛門。
勘三郎の場合、「勘三郎」っていうキャラが濃すぎて、全部同じ芝居に見えてしまいます(爆)。
吉右衛門さんなら、恨み言の中に、面子を潰された怒りと、八つ橋にフラれた悲しみと、八つ橋に対する甘えと、いろんな感情が見えてくるのですけどね・・・・・。

華やかな宴会が、八つ橋のせいですっかり冷え切ってしまい、皆がそそくさと立ち去った中、九重だけが残って次郎左衛門を気遣います。
最初に「籠釣瓶」を見たときは、
「九重だけでも優しくしてくれる人がいて良かった」
と思った私ですが、今回見て思ったのは
「かえって優しくされたら次郎左衛門は余計に惨めかも。一人にしてあげたほうが良かったかも」
ということ。九重に世話をされつつも、内心は恨みがどんどん育っているのを感じました。

大詰の「立花屋二階の場」。私は女性なんですが、なぜか次郎左衛門に感情移入してしまって「八つ橋は殺されて当然」と思ってしまいます(爆)。
(自分でもなんでだろうと思います・・・・・私の前世が冴えない中年男だったからとか(笑))

面子と純情を一度に裏切られた男性の怒りが、どれ程のものか・・・・・花魁やってるのにわからなかったのかしら。いくら八つ橋に事情があったとはいえ、二人きりならともかく、公衆の面前であんな大恥をかかしちゃったら、生まれ変わったって忘れないくらい、恨みは深くなるでしょう。もっとほかに、やり方はあったと思うのだけど。
次郎左衛門も、八つ橋を斬った後、
「籠釣瓶はよく切れるなぁ」
なんて、全然反省してないしね(^^;

勘三郎が吉右衛門より良かったのは、このセリフの後のニヤリとした表情ですね。月岡芳年の「佐野次郎左衛門の話」の浮世絵ソックリでした!
最初、勘三郎の顔のアバタは、やりすぎじゃないかと思ったのですが、このアバタが、ニヤリとした笑いを更に妖しくしていました。

・・・・・きっと、この芝居を書いた河竹新七さんは、こっぴどく女性にフラれた経験がおありなのね(^^;

P.S.
「つるべ」つながりということで、ロビーに飾ってあった笑福亭鶴瓶からのお花です。
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by june_h | 2010-02-20 10:47 | 歌舞伎 鑑賞 | Trackback | Comments(2)

本屋で平積みになっているときから、ずっと気になっていました。図書館で借りられてラッキー♪

玉三郎さんの美意識が詰まったムックです。

以前も、玉三郎さんの写真集を、国立劇場の図書室で拝見したことがありますが、この和楽ムックでは、美しい写真だけでなく、玉三郎さんの美や芸術に対する姿勢や考え方がたくさん書かれていて、非常に興味深かったです。

玉三郎さんは、役者として演じるだけではなく、衣装や舞台のプロデュースも数多くなさっています。

一緒に仕事をなさっている職人やスタッフは、口を揃えて「玉三郎さんは、美意識が高く芸術に厳しい」「たどり着きたいイメージがはっきりしているので指示がわかりやすい」と言います。

しかし、衣装や道具など、歌舞伎を周辺で支える職人はどんどん減少し、玉三郎さんが理想とする域を目指すのはどんどん困難になっているのが現状。

特に、衣装は、江戸時代の染色や刺繍の技術が再現できず、職人もいない。時代が下るにつれ、質がどんどん悪くなっているのだそうです。そのため、玉三郎さんは、職人によってデキがバラつくのを防ぐために、一人の職人に刺繍を全部やってもらうのだとか。
それでも、あと20年もしたら、現在のクオリティすら維持できないかもしれない・・・・・玉三郎さんは、とても危機感を持っています。

また、この本でも、NHKの『プロフェッショナル 仕事の流儀』のインタビューでもおっしゃっていましたが、玉三郎さんは、理系科目が得意だったそうです。
セリフを覚えるにも、番号を振っていくんですよね。優れた芸術家は、実は理系という方が多いかも。

玉三郎さんの『娘道成寺』、観たいなぁ・・・・・。

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by june_h | 2009-12-08 20:55 | 本 読書 書評 | Trackback | Comments(2)

こうして紹介するまでもない、玉三郎の鷺娘。私は二度目。
以前観たのは数年前、テアトル銀座での舞踊公演。しかもド真ん中最前列でした。そのときは紙吹雪まみれになりながら観ましたっけ(^^;

S席2万円の最前列でも、幕見席900円の最後列でも、この方の踊りのスゴさは、ビシビシ感じます。オペラグラスを覗く私の目からは涙がこぼれ、体は震えっぱなし。

早変わりで、お客さんはオオーっと沸きますが、そんなことはどうでもいい。それより、鷺の精として現れたときの存在感と、町娘で踊る雰囲気、どうしてあんなに変わってしまうんでしょうか。

フランス人バレエダンサーのシルヴィ・ギエムもそうなんですが、優れた踊り手は、周りの空気も引き込んで踊るのよね。その場の引力が変わったように見えてしまうくらいに。

途中に出てきた、朱鷺色の着物に黒い帯、私の好きな色の組み合わせです。歌舞伎だとよく、腰元さん達がこの着物に矢立の黒帯で登場します。初めて見たときは、「腰元までも美しいなんて、歌舞伎ってスゴい!」と感心したものです。

こんなに感動した「鷺娘」でしたが、一回見たし、夜の部を観るためにまた並ばなきゃなんないし、で、すっ飛ばそうとしたのです(^^;;;
飛ばさなくて、本当に良かったです・・・・・。


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壽初春大歌舞伎(歌舞伎美人)
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by june_h | 2009-01-22 21:25 | 歌舞伎 鑑賞 | Trackback | Comments(2)

そうそう、これが見たかったんですよ。海老蔵&玉三郎。そして、玉三郎が描く泉鏡花の世界。
ほんとは、午前の部の「吉野山」の道行も見たかったんですが、案の定とっとと売り切れてしまいましたですね(^^;見たい演目は、誰でも同じですね。
でもねぇ、高野聖、ちょっと残念でしたねぇ・・・・・。

■女:坂東玉三郎
■宗朝:市川海老蔵
■次郎:尾上右近
■親仁:中村歌六


幕開けは珍しく、海老蔵の板付きでした。そして彼の第一声、思わずヘナヘナになるくらい美しい!この声を聞くだけでも、足を運んだ甲斐があるというものです。

海老蔵演じる修行僧の宗朝は、山中で、玉三郎演じる女に誘惑されるんですが、女の家で、着物を着替えてわらじを下駄に履き替えて・・・・・って、私も山奥の温泉宿にいるような気分になりましたですよ。
そして、青い月の光に照らされた入浴シーン、美しかったですねぇ。海老蔵さん、岩影で着物をお脱ぎになったのですが、別に岩影じゃなくても良かったのに(爆)。残念!
さらにお二人は、舞台を降りて客席を回り出したではありませんか!私のすぐ目の前にお二人が!母も大変喜んでいました。

ただ、全体を通して、海老蔵さんの演技には「?」でした。
終わった後、うちの母が開口一番「裸で誘惑されたら普通、もっと葛藤があってもいいはずなのに、道で犬猫をよけるように、さりげなく避けてしまったし、親仁が女の生い立ちを宗朝に語るシーンでも、ただ突っ立っているだけのように見えた。女の心の美しさに打たれて涙するシーンも、伝わるものがなくって残念だった」と。

私も序盤から、海老蔵のセリフのリズムが悪いなぁと思ってイライラしていました。まるで、プロンプターの言葉をおうむ返しで出しているよう。感情もこもっていないし。宗朝の汚れの無いイメージを出すために、わざとやっていたのかしら。
それに私には、宗朝が女の誘惑に乗らなかったのは、心が清らかだったからではなく、宗朝が女性に興味がないか、マトモな男性ではないかのどちらかに見えたのです(笑)。もしかして、海老蔵自身がそう解釈していたのかしら?とにかく、リアリティがありませんでした。

玉三郎演じる「嬢様」と呼ばれる女も、誘惑に負けた男共を獣に変えてしまう、設定にはリアリティのない役なんですが、妙にリアリティを感じました。
そういう不思議な力があると、恐ろしい魔女みたいに思うんですが、彼女には、触れただけで病気を治癒してしまう力もあるし、不具者の次郎を慈しむ優しさもある・・・・・ということは、彼女はほんとは善人で、わけあって男性を獣に変えているんじゃないかって思えてくる。

もしかして、彼女はレイプされた経験があって、自分を辱しめた男達(と同じ気持ちを持っている男達)に、復讐しているのかもしれない。また、そういう男性を獣にすることで、人間社会を浄化しようとしているのかもしれない。
宗朝を泊めることに始めは躊躇したのも、宗朝を獣に変えてしまうのは忍びなかったし、彼が堕落するのを見たくなかったからかもしれない・・・・・。
いろんなことを想像したキャラクターでしたね。
私は、演劇では、多少突飛な設定でも、キャラクターの感情の流れに説得力があれば、その世界に入っていけるし、感動できると思っています。玉三郎の「女」は、まさにそういうキャラクターでした。

山奥の夜の闇、気味悪く鳴く、獣や蟇に囲まれながら、
「私には、こんな生き物達も、友のように思えてくる」と呟く、青白くて美しい女。なんて凄味。なんて存在感。
原作を読んでいないので、よくはわかりませんが、結局、宗朝は、女の引き立て役なんじゃないかしら。そんなふうに思いました。

それから、次郎を演じる尾上右近さんの木曽節、お上手でした。

イヤホンガイドで玉三郎が「今まで鏡花をご存知なかった方も、この舞台をきっかけとして、興味を持たれるとよいと思います」とおっしゃっていましたが、私はまさに、興味を持った一人になりました。今度機会があれば、作品を読みたいと思っています。


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七月大歌舞伎(歌舞伎美人)
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by june_h | 2008-08-05 21:13 | 歌舞伎 鑑賞 | Trackback | Comments(2)

長い芝居でしたが、最初から最後まで思いっ切り楽しめました!今まで観た歌舞伎の中で、ストーリーの面白さナンバーワン!
やっぱ、円朝の構成力はスゴい!天才!

「怪談」とは言えど、笑いながら怖がらせ、泣かせながら感動させる。
三組の男女の因果がパズルのようにピタリとはまり、人間の業の深さと弱さを見事に浮かび上がらせます。
円朝の怪談は、幽霊じゃなくて、人間が怖いのだ。

いつもは、幕ごとにレポートするのですが、複雑な話なので、登場人物を軸にレポートします。三組の男女がどのように関わるのかは、実際見てのお楽しみです。


■三遊亭円朝/船頭/馬子久蔵:坂東三津五郎
幕の転換時に、三津五郎さん扮する三遊亭円朝が、語りとしてしばしば登場!
客席からは「大和屋!」「そっくり!」の掛け声が・・・・・そっくりなのか?(^^;
幕間を有効利用できるし、補足説明などでも大活躍だった円朝さん。とても効果的な演出。

三津五郎さんは円朝の他にも、二役演じて大忙しでした。


■お国:上村吉弥
■宮野辺源次郎:中村錦之助

お国は、旗本の妾だが、源次郎と密通している。家と財産を乗っ取るために源次郎をけしかけ、旗本を殺してしまう。
源次郎は罪の意識にさいなまれ、自ら命を絶ち、お国も後を追う。
「奈落の底まで・・・・・一緒だよ・・・・・」
最初は情夫と情婦の関係だった二人は、殺人という罪の意識で、次第に結びつきを強め、がんじがらめとなり、狂気的な最期を迎える。
それは、はたして愛なのか?


■萩原新三郎:片岡愛之助
■お露:中村七之助
■お米:中村吉之丞

落語の名場面「お札はがし」に出てくる、幽霊のお露。そして、彼女に愛され、取り憑かれる新三郎。
七之助も愛之助も美しいのは言うまでもないのだけど、今回私がハマッたのは、お露の乳母のお米。
彼女も幽霊で、お露の想いを遂げさせるために、お金を工面したり、新三郎を幽霊から守るお札をはがすよう伴蔵に頼みこんだりする。
でも、あまりにユーレイユーレイし過ぎて、お米が登場するたびに、客席からはクスクス笑い声が。
意図的な演出?それともヤりすぎ??


■お峰:坂東玉三郎
■伴蔵:片岡仁左衛門

お札をはがしたことによって、主人である新三郎を間接的に殺した二人。礼として、幽霊からせしめた大枚百両を持って、栗橋へ逃亡する。
その金を元手に始めた商売も繁盛して、何もかもうまく行っているように見えたが、大金を手に入れたことから伴蔵は豹変。女に入れあげ、お峰をないがしろに。そしてとうとう、お峰を手にかけてしまう。

「お金さえあれば幸せになれると思ってた。でも、あの人は家に帰ってこなくなってしまった。貧乏しているときの方が、二人仲良く暮らしていたのに。バチが当たったのかねぇ・・・・・」

お峰は、お金欲しさに夫に人殺しをけしかけた恐い女だが、伴蔵をとても愛していて、頼りない伴蔵をずっと支えてきた。
彼女は特別強欲だったわけではなく、愛する夫との幸せを望む、平凡な女性の一人だったのだと思う。

お国と源次郎が、人殺しを境に関係を強めていったことに対して、それとは対照的に、お峰と伴蔵は、気持ちが離れていったのが印象的だ。

お峰を演じたのは玉三郎。私はてっきり、美しい幽霊のお露役をやるんだとばかり思っていたからビックリ。昼の部の天女と違って、ここでは貧乏長屋の奥さん。スゴいギャップ(^^;;;

最初は、「キレイな玉三郎じゃないなんて!!」「あの玉三郎が「チューチュータコカイナ」なんて言葉を使うなんて(^^;」って、ちょっと意外だったけど、夜中に帰ってきた夫にヤキモチを焼いて長ゼリフを早口でまくした場面で拍手喝采!
玉三郎が演じられるのは、キレイな女性だけじゃない!
お金を手に入れて、長屋の奥さんから商家のおかみに変わったときも、ちゃあんと微妙に、声の出し方とか、立ち居振る舞いとか変えてるんです。さすがです!


円朝の話に出てくる女性は皆、恐ろしい。金を盗め、人を殺せと旦那をけしかけたり、姦通したり、幽霊になって男を取り殺したり。一方、男は肝が小さくて、女に翻弄されてばかり。円朝って、女ギライなのかしら?・・・・・いや、男が弱くて女が強い。これが真実なのだ。


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芸術祭十月大歌舞伎(歌舞伎美人)
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by june_h | 2007-10-16 20:54 | 歌舞伎 鑑賞 | Trackback | Comments(6)

玉三郎の天女の舞が楽しめる上に、上方歌舞伎で大人気の愛之助が見られるということで、楽しみにしていました!今回は幕見での観劇です。

・天女:坂東玉三郎
・伯竜:片岡愛之助



愛之助さんは、声に透明感があって、セリフの抑揚やリズムが美しい。浅葱色の能装束と相まって、二枚目がよく似合う方。将来の上方歌舞伎を担う方だけのことはあります。

玉三郎はねぇ、「美しい」って形容詞だけじゃ、申し訳ない気がするのね。
言葉でこの方のスゴさを描くには足りない。実際見て感じてほしいです。

天女が羽衣を纏って、天へ昇ろうとするのを、伯竜が引き留めようとして、二人の掛け合いの舞になる。
歌舞伎の踊りは、調子を整えるのに足を踏み鳴らしたりするけれど、そんな振りは全く無く、あくまで、優雅で、静か。

天女が月へ向かって飛び去り、高く響く笛の音と共に幕。
「天つかぜ 雲の通ひ路 吹きとぢよ をとめの姿 しばしとどめむ」

僧正遍昭じゃなくったってこう思いますよ。


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芸術祭十月大歌舞伎(歌舞伎美人)
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by june_h | 2007-10-15 20:43 | 歌舞伎 鑑賞 | Trackback(1) | Comments(2)