ラストは黙阿弥でございます。

・御所五郎蔵:市川染五郎
・星影土右衛門:尾上松緑
・傾城逢州:市川高麗蔵
・傾城皐月:片岡秀太郎


ゴロゾウとドエモン。
どっちも悪そうな名前だ(笑)。
実際、どっちも悪い男だぞ。

五郎蔵は、妻の皐月を遊女にしちゃうし。
土右衛門は、借金を盾にして、皐月に五郎蔵と別れるように迫るし。

こんな行動に五郎蔵を追い詰めた主君も悪い。
しかも理由が廓通いだなんて!

男の勝手で、女性が振り回されたり殺されたりで、ムカムカしながら観ていました(^^;

黙阿弥って、ドSだよねー。
登場人物を苦しめまくって、話を面白くするっていう(^^;
そんでもって、大体バッドエンドだよねー。
性格ひん曲がってたんじゃないかしら。

輪廻転生や因果応報を多用するのも、やり過ぎ感があるし・・・・・。

今回は、観ながら黙阿弥に文句タラタラでございました(笑)。

あと、大詰で、土右衛門が実は「妖術使い」で、妖術を使って姿を消すって設定、要る?
別に、妖術使いじゃなくても、茂みに隠れるとかじゃダメなの??

この芝居の詳しい所が、もっと知りたくなりました。
イヤホンガイドが、小山観翁さんだったら・・・・・そういえば、観翁さんのお名前が、イヤホンガイドのラインナップにありませんでしたね。
どうされたのでしょうか。
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by june_h | 2014-09-21 12:22 | 歌舞伎 鑑賞 | Trackback | Comments(0)

大奥モノは、ついつい見てしまいます(^^;
やっぱり、舞台が豪華絢爛だからかな。

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今回は、江戸時代最大の大奥スキャンダル「絵島生島事件」がベースのストーリー展開。
七代将軍 家継の時代、大奥は、六代将軍家宣の正室 天英院派と、七代将軍 家継の生母 月光院派の勢力争いで、真っ二つに割れていました。
主役の仲間由紀恵演じるのが、月光院派の御年寄の絵島。
彼女と、歌舞伎役者の生島新五郎が恋に落ち、大スキャンダルに発展していきます。

絵島は、わりとボンヤリしているいじめられっ子なキャラ設定。
でも、大奥でバン張ってる(←死語・・・・・)絵島が、こんなに危なっかしいわけ絶対無いのですが(笑)。
まあ、主人公が底意地悪かったら、感情移入しにくいですからね(^^;
日頃、仕事で上司にイビられているOLが、感情移入しやすいようなキャラ設定なのではないでしょうか。

私が興味あったのは、生島新五郎と、彼が所属していた山村座のこと。

小山観翁さんの本によると、絵島が興味を持っていたのは、生島新五郎ではなく、二代目市川團十郎だったんだとか。
團十郎は、深入りするとヤバいと思って、絵島に新五郎を紹介したらしい。

事件が発覚した時、新五郎と一緒に團十郎も取り調べという名の拷問を受けたけど、絶対に口を割らなかった。
そのおかげで、山村座は潰されたものの、歌舞伎自体は守られたので、市川團十郎家を一番格式の高い家として敬うこととなり、今に至るのだった。チャンチャン。

映画には、山村座の芝居風景が描かれています。
定式幕の色が、中村座と同じ色だったのですが、これは史実通りなのでしょうか!?

そして、生島新五郎の屋号は「三浦屋」だったのですね。
今は聞かない屋号ですね。

クライマックスで、絵島と新五郎が結ばれるシーン。
絵島が新五郎の名を呼ぶように、新五郎にも絵島の本名を呼ばせて欲しかったです。

結局、最後は、感動している自分がいました(^^;
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by june_h | 2014-06-02 10:37 | 映画 感想 | Trackback | Comments(0)

テストが終わったので、たまっていた録画を観ています。
吉右衛門さんの富樫と富十郎さんの弁慶による勧進帳です。

・富樫左衛門:中村吉右衛門
・源義経:中村鷹之資
・武蔵坊弁慶:中村富十郎


副音声解説の小山観翁さんもおっしゃっていましたが、義経の鷹之資くんは、「御所人形のような」可愛らしさ!
義経というより、年齢で言うと「牛若丸」ですね。

富十郎さんと吉右衛門さんで、鷹之資くんを一生懸命育てている感じですね~。
弁慶が義経をかばうところなんて、役を超えて愛情を感じます(^^)

満を持して、富十郎さんの弁慶登場!・・・・・と思ったら、茶と黒の縞の地味な衣装。いつもの白黒の僧兵の衣装じゃない!?
なんでも、観翁さんの解説によると、いつもの衣装ではなく、能装束に合わせたんだそうです。
なんだろう。期待と違ったからか、ちょっとガッカリ(^^;

吉右衛門さんの富樫も良かったです♪
私が好きな場面は、弁慶の忠義の深さに感動して、フッと涙するところ。
さすが吉右衛門さん、たっぷり演じていらっしゃいました。でも私、富樫に関しては、最初に観た海老蔵が印象に残っています。

幕が降りて、いよいよ弁慶の引っ込みを残すのみ・・・・・まさか、富十郎さん、飛び六方をやるのかしら!?と思いましたがさすがにやりませんでしたね(^^;
勇壮な弁慶というわけにはいきませんでしたが、愛情深い弁慶を見られてよかったです。

鷹之資くんは10歳。富十郎さんは御年80歳!まだまだ鷹之資くんのために頑張ってください!!
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by june_h | 2010-03-09 20:43 | 歌舞伎 鑑賞 | Trackback | Comments(0)

私が今回チケットを取ったのは、この演目が見たかったからなのです。なぜなら私にとっては、ほぼベストキャストだったから・・・・・勘三郎以外は(笑)。

・佐野次郎左衛門:中村勘三郎
・八ツ橋:坂東玉三郎
・九重:中村魁春
・治六:中村勘太郎
・七越:中村七之助
・初菊:中村鶴松
・釣鐘権八:中村彌十郎
・繁山栄之丞:片岡仁左衛門
・(イヤホンガイド):小山観翁(←これ重要)


次郎左衛門が吉右衛門さんなら文句無し!だったんですけどねー(^^;
でも、吉右衛門さんだったら、八つ橋は玉三郎じゃなかっただろうし、七之助のカワイイ七越も見られなかっただろうし、権八は彌十郎さんではなくて段四郎さんだっただろうし・・・・・。
ただ、端役の人達、セリフのテンポがあまり良くなかったですねー。

最初に楽しみだったのは華やかな花魁道中♪
七之助の七越、魁春の九重に続いて、玉三郎の八つ橋が舞台奥から現れたときは、客席からひときわ大きなため息と歓声が!
そして、次郎左衛門を虜にする八つ橋の魔性の微笑み・・・・・私はこの微笑みをちゃんと見たいがために、上手側の席を取ったのです・・・・・ニッコリ笑った後、真顔に戻る瞬間にゾクッときました。
その後の「八の字」がちゃんと見えなくて残念だったですけどね。

そして、あの八つ橋の「縁切り」の場。
やっぱりどうしても吉右衛門の次郎左衛門と比べてしまいます。
愛想尽かしをする八つ橋に、「花魁、そりゃあんまりそでなかろうぜ」と恨み言を並べる次郎左衛門。
勘三郎の場合、「勘三郎」っていうキャラが濃すぎて、全部同じ芝居に見えてしまいます(爆)。
吉右衛門さんなら、恨み言の中に、面子を潰された怒りと、八つ橋にフラれた悲しみと、八つ橋に対する甘えと、いろんな感情が見えてくるのですけどね・・・・・。

華やかな宴会が、八つ橋のせいですっかり冷え切ってしまい、皆がそそくさと立ち去った中、九重だけが残って次郎左衛門を気遣います。
最初に「籠釣瓶」を見たときは、
「九重だけでも優しくしてくれる人がいて良かった」
と思った私ですが、今回見て思ったのは
「かえって優しくされたら次郎左衛門は余計に惨めかも。一人にしてあげたほうが良かったかも」
ということ。九重に世話をされつつも、内心は恨みがどんどん育っているのを感じました。

大詰の「立花屋二階の場」。私は女性なんですが、なぜか次郎左衛門に感情移入してしまって「八つ橋は殺されて当然」と思ってしまいます(爆)。
(自分でもなんでだろうと思います・・・・・私の前世が冴えない中年男だったからとか(笑))

面子と純情を一度に裏切られた男性の怒りが、どれ程のものか・・・・・花魁やってるのにわからなかったのかしら。いくら八つ橋に事情があったとはいえ、二人きりならともかく、公衆の面前であんな大恥をかかしちゃったら、生まれ変わったって忘れないくらい、恨みは深くなるでしょう。もっとほかに、やり方はあったと思うのだけど。
次郎左衛門も、八つ橋を斬った後、
「籠釣瓶はよく切れるなぁ」
なんて、全然反省してないしね(^^;

勘三郎が吉右衛門より良かったのは、このセリフの後のニヤリとした表情ですね。月岡芳年の「佐野次郎左衛門の話」の浮世絵ソックリでした!
最初、勘三郎の顔のアバタは、やりすぎじゃないかと思ったのですが、このアバタが、ニヤリとした笑いを更に妖しくしていました。

・・・・・きっと、この芝居を書いた河竹新七さんは、こっぴどく女性にフラれた経験がおありなのね(^^;

P.S.
「つるべ」つながりということで、ロビーに飾ってあった笑福亭鶴瓶からのお花です。
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by june_h | 2010-02-20 10:47 | 歌舞伎 鑑賞 | Trackback | Comments(2)

夜の部も幕見で観ました。札止めにならないか、ハラハラしていましたが、なんとか大丈夫でした。休日だったし、「歌舞伎座さよなら公演」だったし、ということで、お客さんが増えているように思います。

■曽我五郎:中村吉右衛門
■曽我十郎:尾上菊五郎
■化粧坂少将:尾上菊之助
■工藤祐経:松本幸四郎


古典によくある、雛飾りのような舞台。登場人物が豪華な衣装を着て、ズラリと居並びます。イヤホンガイドは、私の好きな小山観翁さん。いつもの調子でゆったりと解説してくださいます。このテの芝居の場合、ストーリーは、あるような無いような。そういうもんだと思って楽しみます。

私は、菊之助の花魁姿ばかり観ていました!だってキレイなんだものぉ♪幸四郎さんは、そっちのけで(笑)。いつか海老蔵&菊之助の心中物とか観たいですo(^-^)o

曽我五郎の吉右衛門さんは荒事、十郎の菊五郎さんは和事。吉右衛門さんは、体格がいいから、こういう役が本当に良く合いますね。
さてさて、来月は、吉右衛門さんの弁慶が楽しみです♪
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by june_h | 2009-01-25 12:56 | 歌舞伎 鑑賞 | Trackback | Comments(0)

昨年、通しで『義経千本桜』を観たときは、歌舞伎を観出して間もない頃だったので、
「なんで源平合戦にすし屋が出てくんねん」
とまったくもって理解できず、「すし屋」の場は、すっ飛ばしたんですが(本当は用があったからなんですが)、今回、改めて吉右衛門さんの「すし屋」を観て、すっごく楽しめました!

一人一人のキャラが魅力的だし、登場人物が入れ替わり立ち替わりするたびにストーリーが展開して、お芝居の構成が良くできてる!どんでん返しに次ぐどんでん返し!飽きない!
イヤホンガイドが私の好きな小山観翁さんだったから、分かりやすくて面白かったし。
仕事を早退して駆けつけた甲斐がありました(笑)。


■いがみの権太:中村吉右衛門
権太は不良という設定ですが、私には全然なぜだか悪い人に見えなかったのですよ。吉右衛門さんが演じていたから?
それどころか妻子を犠牲にして、自分は刺されちゃって、しかもそれが無駄になって・・・・・って、かなり「ええ~っ!!」な結末で、なんてかわいそうな人なんだろうと。脚本家に怒りさえ感じてしまいましたわっ!無駄死にの種明かしは別にしなくていいじゃん。人生なんて所詮そんなもの?やだやだ。

■お里:中村芝雀
結婚の約束をした弥助に亭主関白の真似事をさせてキャアキャア喜んだり、可愛らしく寝床に誘ったり、芝雀のお里ちゃんは本当に微笑ましい。だから、弥助が「仕方なく義務で寝たんだ」って若葉内侍に言い訳したとき、お里ちゃんと一緒に私も泣いちゃった(笑)。
でも、弥助とは身分違いだとわかって弥助に頭を下げるんだよね~なんて健気!

■弥助実は平維盛:市川染五郎
弥助は、お里ちゃんにヒドいこと言ったヤなやつですが、しょうがないんですよね。妻子に迫られて、ああ言うしかないのでしょう。
この弥助もそうですが、染五郎は、法界坊の野分姫とか、難しい役をやっていますね。性根と外見が合わない役とか、一瞬で別人格になるとか。きっと、一生懸命、芸を研いていらっしゃるんですね。

■おくら:中村吉之丞
それから、吉之丞さんのおくら。
吉之丞さんは「牡丹燈籠」のときから素晴らしいと思っていました。声がステキ!本当に年増の女性みたい(笑)。
この方がいるだけで、芝居の雰囲気がガラッと変わります。

■梶原景時:市川段四郎
私が段四郎さんを舞台で拝見するときは、いつも悪役をなさっているので、私はひそかに「歌舞伎界の八名信夫」と思っています(笑)。
次の『身代座禅』では、奥方だったんですよね。ちょっと興味アリ♪


P.S.
七月大歌舞伎では、『義経千本桜』の「吉野山」を玉三郎と海老蔵がやるんだよね!観たいな~と思ったらすでに売り切れ(T_T)
幕見になんとか滑りこめないかしら~。


<関連リンク>
六月大歌舞伎(歌舞伎美人)
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by june_h | 2008-06-19 20:48 | 歌舞伎 鑑賞 | Trackback(1) | Comments(2)

小山観翁さんの講演会で、「先生のお書きになったご本は大体拝見致しました。先生の著作以外で、何か良い本がありましたら、是非ご紹介ください」(←緊張してたから、こんなに丁寧に聴いてないと思う)
と質問させていただいたところ、
「私の本を読んでしまったのでは、他に読む必要のある本はないねぇ」なんて、お笑いになりながら薦めてくださったのがこの本です。

雑誌『日本の美学』に連載されていた、歌舞伎研究者として名高い著者と、歌舞伎、能、狂言、文楽など、日本の古典芸能の第一人者との対談集です。

著者は、名字から明らかなように、歌舞伎作家の河竹黙阿弥のご子孫。そんな方の対談集なので、話の内容も高度。対談本は、普通、読みやすいものですが、話題によってはさっぱりわからない箇所もありました(^^;
この本を、脚注ナシで楽しめる人は、日本の古典芸能について一通り知ってて、なおかつ長年に渡って愛している人だと思います。
アタクシまだまだ全然勉強不足であることを実感しました(^^;;;

歌舞伎界からは、中村芝翫さんと、片岡仁左衛門が登場。著者とは当然、旧知の仲ということで、こちらもなかなか高度な話題。

芝翫さんが語った六代目尾上菊五郎のエピソードは興味深かった!踊りの名手として、今でもファンのみならず、歌舞伎役者達からも多くの尊敬を集めている六代目ですが、カメラの前では本気で踊らなかったそうです。
記録に残って、中途半端に真似されるのを嫌った、ということもあるし、芸はミズモノ、その瞬間のもの、という意識が強かったようです。
私は、六代目の記録映像を一度、NHKで見たことがありますが、ちょっと見ても、人間じゃない、バケモノかと思うくらいウマかった(^。^;)実際に生で見るとどんなだったのかしら。想像できない・・・・・。
芝翫さんに教えるときも、体の筋肉の使い方とか、お客に対する見せ方とか、非常に論理的だったそうです。彼の踊りは、全て計算され尽くしたものだったんですね!

それから、胡弓奏者で、多くの歌舞伎役者達の師匠である川瀬白秋さんの話もおもしろかった!
9月の歌舞伎座で、阿古屋として、箏・三味線・胡弓を披露した玉三郎も彼女に師事していて、非常に練習熱心でこだわりやさんのため、師匠とよくケンカしたそうです。
旅先でも、勘三郎が寝ている傍で、玉三郎はガンガン胡弓を弾いているんだとか。

歌舞伎ももちろん面白いけど、この本で、野村万作さんが語っている狂言についても興味が湧きました。能はまだまだ自分には敷居が高いから、今度は狂言、行ってみよう!

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by june_h | 2007-12-09 14:24 | 本 読書 書評 | Trackback | Comments(0)

イヤホンガイドでお馴染みの、小山観翁さんの講演です!いつも、イヤホン越しに拝聴していたお話を、ナマで聞けるのです!この日が楽しみで、指折り数えて待っていました!

歌舞伎解説者としては、最長老と言ってもいいんじゃないでしょうか。
随分お年を召された方(調べたところ、1929生まれ・・・・・)ですが、立て板に水の如く、おもしろい話が次々にとめどなく湧き出てくるようで、歌舞伎役者が亡くなった年月日や、戦時中空襲に遭った日を正確に記憶なさっていたのには驚きでした。

観翁さんのご先祖は、長岡藩御典医。皇室ともゆかりが深い方のようで、現在の皇太子の教育係でもあったとか。小さい時からお祖母様に手を引かれて歌舞伎鑑賞に明け暮れ、学習院大学では、芝居好きが嵩じて国劇部を創立(お父様からひ孫まで5代続けて学習院だそうです・・・・・)。電通に入社してからは、歌舞伎や落語の番組を数多く制作し、歌舞伎イヤホンガイド解説放送を開始。電通退社後も、日本伝統芸能の振興のため、イヤホンガイド解説や、歌舞伎番組解説者として活躍。江戸勘亭流書道家元・・・・・とまあ、「セレブ」なんて言葉で片付けるには恐れ多い経歴の方です・・・・・。

前半は、戦後初めて『仮名手本忠臣蔵』が上演されるまでのドタバタ顛末記を、あれこれお話しくださいました。
観翁さんは、多くの歌舞伎役者と親交のある方ですが、戦後の混乱期、当時手に入りにくかった玉子を手土産に、役者さん達と仲良くなったそうです。
その玉子はどこから手に入れたのかと言うと、観翁さんちのお隣で、養鶏をしていた水戸徳川の殿様から、安く譲ってもらったのだそう。戦後直後は、殿様もタイヘンだったのね(*_*)

後半は、現在歌舞伎座で上演されている『仮名手本忠臣蔵 九段目 山科閑居の場』に登場する、加古川本蔵なる人物についての解説でした。
忠臣蔵で、吉良上野介を討ったのは、浅野内匠守であるのは言うまでもありませんが、実は、彼の他にもう一人、吉良を恨んでいた人物がいて、加古川本蔵はその人物と密接な関わりがあるのだそうです。
詳しくは、私が『九段目』を観たあとにでも、レポートしようと思います。

どの話も本当に面白くて、1時間半、あっという間に過ぎてしまいました。
観翁さんにはいろいろお伺いしたいことがあったので、終わった後、控え室に押し掛けちゃったのですが(^_^)、観翁さんは、快くいろいろと教えてくださいました。

また是非、講演会があったら聞きに行きたいな♪


P.S.
この講演会を教えてくれたのは、母のママさんコーラス仲間でした。うちの母が「娘が歌舞伎と落語にハマっている」ということを触れ回ったらしく、それを聞いた一人が「娘さんにどう?」と、この講演会のパンフを持ってきてくれたのです。でも、そのパンフの観翁さんは、着物姿であったため、その方は落語家と勘違いしたのだとか(笑)。でも、こんな機会はなかなか無いので、とっても感謝です!



<関連リンク>
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by june_h | 2007-11-14 21:08 | 歌舞伎 鑑賞 | Trackback | Comments(2)

・浮世又平:中村吉右衛門
・又平女房おとく:中村芝雀
・狩野雅楽之助:中村歌昇


先月、この演目を通しで観たばかりで記憶に新しいので、最初の虎退治の場面とか、狩野雅楽之助が出てくる場面とか、前幕を引きずっているような場面はわりと流して観ていました・・・・・なーんて言うと、なんだか自分が「通」になった気分(*^_^*)実際は全然そんなことないけど(T_T)
また、前回の「市川右近版又平」と、今回の「中村吉右衛門版又平」を比べながら観るのも楽しみでした。

右近さんは、又平の素直さと、ドモリの障害の苦しみを表現するあまり、ヘタしたら精神遅滞者に見えなくもなかった。
一方、吉右衛門さんは、ただドモリであるだけで、いたって「普通」の人に見えた。

それから、又平が奥さんに当たり散らす場面で、右近さんは、グーでガンガン殴ってたのに対し、吉右衛門さんは平手でパンパン奥さんの首の後ろを叩いただけ。
写実的な表現なら、右近さんの方がたぶん正解だけど、ヘタしたらDV男に見える危険性がある。
又平は一応、実直で根は良い男ってことになっているのに、この場面でお客に「あんなに奥さんを殴るなんてひどい男ね」なんて思わせちゃったら、演出家や役者の本意から外れてしまう気がする。
芝居は、必ずしも写実的にやればいいってもんじゃないんだと、このときなんとなく思った。

右近さんに比べて、吉右衛門さんは、決して大きな芝居をしているわけじゃなかったけど、とても感動できるものでした。四階の幕見席からオペラグラスで、吉右衛門さんの又平の一挙手一投足を見つめながら、何度鼻をすすったことでしょう。
又平は、重たい運命を背負っている男だけど、吉右衛門さんの温かくてコミカルな演技が、又平をより一層、魅力的な人物にしていました。
それが証拠に、又平の、絵師としての力量が認められて、土佐の名前が与えられたとき、客席から大きな拍手が起こりました。それだけお客さんたちが、又平に感情移入していたのです。

イヤホンガイドでお馴染みの小山観翁さんは、講演会で、又平の女房おとくについて、興味深いことをおっしゃっていました。
おとくが、ドモリの旦那に代わって、師匠の土佐将監にベラベラまくし立てて、最後にオホホと笑うシーンがあるのですが、先代の中村時蔵のおとくは、笑い方がとても明るくて魅力的で、お客さんに大人気だったそうです。
ところが、先代の中村梅玉のおとくは、お客さんにあまりウケが良くなかった。んで、観翁さんが梅玉に「貴方のおとくは時蔵さんに比べてつまらないですね」と言ったところ、
「これでええんや」
という返事。
「おとくは明るい女やない。旦那はドモリで貧乏で、常に不安を抱えた女や。せやから、目立たへんこの演技でええんや」と。
それを聞いた観翁さんは、自分が目立つことしか考えない役者が多い中、芝居全体のことを考え、役の性格を掘り下げて演技する梅玉に、とても感心したそうです。

芝居って、奥深い!


<関連リンク>
吉例顔見世大歌舞伎(歌舞伎美人)
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by june_h | 2007-11-13 21:30 | 歌舞伎 鑑賞 | Trackback | Comments(2)

前から絶対見たい!と思っていた演目の一つだったので、本当に感激しました!
我が愛する吉右衛門さんも重忠で出演していましたが、このときばかりは玉三郎の阿古屋を最初から最後まで、オペラグラスでガン見でした。

・遊君阿古屋:坂東玉三郎
・榛沢六郎:市川染五郎
・岩永左衛門:市川段四郎
・秩父庄司重忠:中村吉右衛門


阿古屋が弾く楽器の音色に乱れがあるかどうかで、彼女がウソをついているか調べてみようという趣向。イヤホンガイドの小山観翁が「優雅なウソ発見器」と称した演目です。
そんなわけで、阿古屋は、劇中で、筝、三味線、胡弓の三つの楽器を弾きこなさなければならないという難役。
かの、中村歌右衛門の当たり役でもあったそうです。

玉三郎の演奏は、全体的にソフトな感じ。伴奏している義太夫や長唄の三味線に、かき消されそうになる場面も。もっと大きな音が出せるのだけれど、女性らしさを表現するために、わざと抑えて弾いているのかしら。
でも、弱くて小さい音で美しい音色を出し続けるのは、大きな音で演奏するよりずっと難しいので、大変な技術が必要なのは、言うまでもありません。

筝は、私の妹が筝をやっているので、つい比べてしまうのですが、流派が違う(と思われる)ので、やっぱり弾き方が全然違います。
私の妹が属する流派(派閥)は、西洋音楽や現代音楽との融合にも積極的なので、わかりやすいシャープな音を出すのですが、玉三郎のは、柔らかくて古風な感じ。上座の義太夫と合わせて演奏しなければならないから、本当に大変だと思います。

三味線は、下座の長唄と合わせつつ、愛する平景清を思い出して、ふと手を止め、重忠の視線を感じて再び演奏し始めるという、演技もしなければならないので、観ているだけでもムズカシさが伝わってきます。
演奏もさることながら「爪はオレンジでキレイねぇ。あのバチは象牙っぽいわ・・・・・三味線、いくらぐらいするのかしら」と下世話なことも考えてました(笑)。

胡弓は、三つの楽器の中で、私にとっては馴染みが一番薄い楽器なのだけれど、こんな演奏の仕方、初めて知りました。
弓を小刻みに動かして、高音を出し続けるのです。まるでバイオリンみたい。胡弓は、中音域が魅力だと思っていたけれど、こんなに高い音も出るのねぇ。
悪役の岩永左衛門が胡弓を聴きながら踊っていたけど、踊りたくなりますよ。本当に。

演奏が終わって、無罪放免。登場人物が錦絵のように見得を決めて幕、となったときは、玉三郎にスタンディングオベーションしたいくらいでした。

やっぱりスゴいわ玉三郎。
いやー!生きてて良かった!
玉三郎を観ると、いつもこう思います。


<関連リンク>
秀山祭九月大歌舞伎(歌舞伎美人)
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by june_h | 2007-09-24 10:41 | 歌舞伎 鑑賞 | Trackback | Comments(8)