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観に行こうと思っていましたが、結局、行けなくて。
BSで放送してくれたので助かりました。
ずっと前に録画して、ようやく観終わりました(^^;

半神は、日本版が99年にありました。
その時、職場にそのチケットの斡旋情報が来ていて、ミスプリで「半袖」になっていたのを思い出します(^^;

『半神』は、萩尾望都原作の漫画で、野田秀樹が舞台化した作品。
韓国版の出演者は、現地の俳優さんをオーディションして決めたそうです。
結果、韓国の演劇会のオールスターメンバーともいえる実力派俳優が揃ったそうですが、中には、新人さんが大きな役に抜擢されたりもして、上下関係が厳しい中で大変だったらしい(^^;

野田秀樹の芝居のセリフは、オヤジギャグが多いので、翻訳が大変だったでしょうね。
百円玉が百ウォン玉に変わっていたことくらいは分かりましたが(^^;

主役のシャム双生児の女優さん達、お上手でした。
白痴だけど美しくて誰からも愛される妹と、賢いけど醜女で苦しんでいる姉。
分離する手術を受けると、一人しか助からない。
結末は、意外なものでした。
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by june_h | 2016-01-14 08:11 | 観劇 観戦 コンサート レポート | Trackback | Comments(0)

野田秀樹が、美輪明宏の生涯をどう描くか!?が見所の舞台。
そして、線の細い宮沢りえが、確固たる存在感のある美輪明宏をどう演じるのか興味がありました。

最初のシーンで、なるほど!そうきたか、と。

宮沢りえ演じる「男性器を踏んで女性を選択するのにためらいのある」魂と、古田新太演じるアンドロギュノス(男女両性)の魂が、男性の体に入るという設定。
地上に降りて人間として誕生後は、宮沢りえと古田新太の二人羽織状態に(^^;

確かに、あの複雑な存在感を表現するには、男優でも女優でも一人じゃ足りないと思います。

そして、美輪明宏の母親で、聖母マリアの役は井上真央。
このマリア様は、「肝っ玉母さん」みたいな、強くて図太い母性の象徴。

それに対して、宮沢りえの魂は、清らかな「処女マリア」。
そのため、マリア様の純潔の象徴である青い衣装を常にまとっています。

私は、美輪明宏さんの著書を読んでいたので、大体のシーンが何を表していたのか分かりました。
そういう意味では、いつもの野田秀樹の芝居のような「ラストにどこへ連れていかれるか分からないスリル」は、なかったのですが、「美輪明宏」という存在は、野田秀樹の芝居にピッタリだと感じました。
彼の得意なメタファーがふんだんに使えるからです。

「前世が天草四郎」というエピソードから、「踏み絵」を重要なファクターに使ったり。
「華氏764度」から、原爆につながったり。

孤独感の描き方も独特。

舞台の上の美輪は、アンドロギュノスと一緒のうちは孤独感はない。
でも、他の人と違って、アンドロギュノスを身の内に宿しているという点では孤独。

自分が愛した男達が次々と亡くなって、ついには、アンドロギュノスともお別れ。
「魂が一つ」の人間とは、別の孤独です。

それから、小道具について。
原爆のシーンに使った大きな布は、天池合繊が開発した「天女の羽衣」ではないかと思ったんですけど・・・・・多分違いますね。高すぎるもの(笑)。
あの美しい布を、あんな残酷なシーンに使うなんて・・・・・でも、すごく効果的な使い方でした。

最後に、気になったセリフを。

「無償の愛は、親が子供に与える愛を言うんじゃない。子供が親に与える愛を言うんだよ。どんなにロクでもない親でも、子供は愛してくれるんだから」

これは、きっと、子供を持った野田さんの実感ですよね(^^)
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by june_h | 2013-10-13 12:29 | 観劇 観戦 コンサート レポート | Trackback | Comments(0)

良かった!
役者達はもちろん、役者達の背後に存在する三谷さんに、スタンディングオベーションを贈ります!

ナポレオンがセントヘレナ島で亡くなってから20年後。
死因は、本当に胃ガンだったのか。
噂どおりの毒殺か。それとも・・・・・?

ナポレオンの死の真相に疑問を持った人間が、当時の関係者達を一人一人訪問。
ナポレオンの主治医、取り巻きの伯爵、愛人、従僕、イギリス人総督・・・・・彼らの証言から浮かび上がった真実は果たして!?

これは、三谷さんが野田秀樹のために、最大限の敬意を込めて書いた作品であることは明白。
野田秀樹の、役者としての滑稽さと恐ろしさ。
野田秀樹の、脚本・演出家としてのイマジネーションと緻密な構成・計算力。
これらを最大限に生かすため、ナポレオン野田秀樹「当て書き」した作品です。

客席に向かって傾斜している「八百屋舞台」は、野田秀樹と他の役者達の身長差を際立たせています(そのために高身長の役者ばかり揃えたのか?)。
また、舞台装置の少なさと小道具の使い方は、野田演劇を思わせます。
最初は、笑いが少なめで、「野田臭」がプンプンする雰囲気に、不穏な気配を感じました(^^;

でも、これは、ナポレオンの初登場シーンのインパクトを大きくするためのもの。
シチュエーションもセリフも最高でした!
その後に起こる、ほとんどの笑いが、野田秀樹演じるナポレオンに絡んでいます。

ラストのどんでん返しと「チェス」の使い方も、野田秀樹の舞台のように、メタファーに溢れたものでしたが、やっぱり三谷さんの舞台だなあと思ったのは、キャラクターに対する温かさと優しさ。
野田秀樹の芝居は「地獄に墜ちるより恐ろしい目に遭う」キャラクターばかりなので(笑)、ここが大きな違いです(^^;

ナポレオンを取り巻く人物達は、それぞれ身勝手な理由からナポレオンを憎み、彼を殺そうとします。
でも、真相が明らかになるにつれ、それぞれがナポレオンに魅了され、愛していたからこその結果であり行動だったのだと理解できるのです。
そして、彼らの20年後の生活の世話まで考える三谷さん。
優し過ぎ(^^;;;

あまたの舞台で、多くの役者とキャラクターをチェスの駒の如く操ってきた野田秀樹を、野田秀樹のように操ってみせた三谷さんにカンパイです!

※「レビューぴあ」にも同様のものを掲載。
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by june_h | 2013-04-10 12:47 | 観劇 観戦 コンサート レポート | Trackback | Comments(0)

『赤鬼』では、脳天に鉄球が落ちてきたくらいのショックを受けましたが、今回のは、種類の違うショックでした。
カーテンコールが続いているのに、呆然として、しばらく拍手できませんでした。

「日の丸とスポーツ」「卵の殻に穴を開けて卵黄と卵白を取り出す」という時点で、何を描くのか、大体わかってしまいました。
ロッカーが棺になるのも、最初から予想できたので、不安に思いながら舞台を見つめていました。

隣の人は、笑っているけど、私は全然、笑えませんでした。
「寺山修司」の「脚本」が書き替えられるたびに、一段、また一段と、ストーリーが深淵に沈んでいく・・・・・かなり序盤から口を手で覆わずにはいられませんでした。

私の頭の中で、
卵→培養→ワクチン・細菌
と変換されていました。
何も知らない愚直な登場人物達は、「人々を救うため」に、卵でワクチンを製造していたと思っていたのに、細菌兵器を作らされていたのです・・・・・。

あとで考えれば、粒来の背番号は「7」、阿倍の背番号は「13」、そして、アナウンスされた阿倍の背番号は「137」だったんで、いろいろ細かい暗示は、序盤からあったんですね。

安全な場所にいる誰かが、筋書を書いている。
どっちの国が勝とうが負けようが関係なく、巨利を貪るために。
その「筋書」で傷つくのは、大衆で。
都合の悪い部分は、そのうちの誰かに押し付けて、キレイな物語にしてしまう。
だって、数十年、数百年すれば、みんな忘れてしまうのだから・・・・・。
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by june_h | 2012-10-07 12:39 | 観劇 観戦 コンサート レポート | Trackback | Comments(0)

宮沢りえの離婚がちょうど明らかになったので、騒がしいのかしら?と思いましたが、私が着いた頃は静かでした(^^;

水天宮ピットは、廃校を利用した舞台。
簡易トイレなんて、久しぶりに入りました(^^;

最前列で宮沢りえちゃんの体を堪能させていただきました♪
完璧な体だよなあ・・・・・美しい顔はもちろんだけど、白く磨かれた肌、胸の谷間、くびれた腰、長い脚、漂う色香・・・・・。

正直、りえちゃんの体を舐めるように見なければ、この陰惨な舞台に耐えられませんでした(^^;

自宅に立てこもった殺人犯に、妻と息子を人質に取られた男。
彼は、妻と息子を救い出すために、逆に犯人の妻と息子を人質に立てこもった。
解き放たれた暴力と、エスカレートする残虐性。
暴走した力は、やがて自己破壊へ向かう・・・・・。

舞台で「パキッ」と音が鳴るたびに、りえちゃんの太ももをガン見して、逃避する私(^^;

最前列のチケットが当たって喜ぶべきだったのでしょうが、野田秀樹の舞台は、間近で見ると、やっぱり具合が悪くなります(^^;

1時間半足らずの短い舞台。
え?もう終わり!?と思っちゃった。
でも、この先を見たら、間違いなく夢に出てきますね(^^;;;
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by june_h | 2012-05-10 12:13 | 観劇 観戦 コンサート レポート | Trackback | Comments(0)

この芝居の感想を前に、私の勝手な持論について。

シュプレヒコールを叫ぶのは、教師や政治家やロビイストの仕事であって、演劇の仕事ではないと思っています。でも、政治思想や信条を入れてはいけない、というわけではありません。
例えば、ただ、役者が「戦争反対!」と叫んでは、観客は興醒めします。
直接的な言葉が、芝居の中に入っていなくても、見終わった後、観客の心に「戦争って、いけないんだ」という言葉が残ればいいのです・・・・・とはいえ、それはものすごく難しいのだけれど(^^;

舞台が上がって、最初に思ったのは
「妻夫木くん、声が嗄れてなくて良かった!」
『キル』の時は、声がなくなっちゃってましたからね(^^;
まずは、一安心。

そうそう、私が楽しみにしていたのは、蒼井優ちゃん。やっぱり、野田秀樹の芝居だと、みんな声が太くなるよね。そして、彼女がなぜ髪を切ったのか、最後になってわかったような気がしました。

小道具の巧みな使い方も、野田演劇の楽しみの一つですが、今回は、パイプ椅子の使い方が見事でしたね。一瞬で、整然とフォーメーションを作るのがスゴい!

今回の芝居は、とにかく、なぜだか野田さんの怒りを強く感じました。チョウ・ソンハに、演じた感想を是非聞いてみたいところです。
野田秀樹に、ヘタな芝居を書かせるほど、今の日本人と、日本のメディアは、腐ってますか・・・・・なんてね(笑)。
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by june_h | 2011-03-04 12:46 | 観劇 観戦 コンサート レポート | Trackback | Comments(0)

今回のチケット、2枚取ったので、1枚、友達に譲ろうとしたところ、なぜだか、その友達の旦那が来ました(笑)。勘三郎ファンだったから、どうしても観たかったんだそうな。知らんかった(^^^;

お芝居は、父親と母親と娘の3人家族の話。みんなそれぞれ外出したいのだけど、ペットの犬が臨月でお産が始まりそう。
誰が留守番するのか?3人の壮絶な「押し付け合い」が始まる・・・・・。

最初はね。ドタバタ喜劇のように見えます
野田秀樹、ワンピース似合うなぁ、とか(笑)。
ジャニーズのファンクラブの青い封筒、ソックリだなあ。ディテール凝ってんなぁ、とか。
最初は、3人のけなし合いがおかしくって、客席は大笑いなんだけど、だんだん、笑えなくなってくるのですよ。
だって、この3人を笑うということは、自分達を笑うことになるのだから(^^;

3人が鎖で繋がれた時点から、やっぱりねーと思いましたね。
もしかして、壮絶な殺し合いが始まってしまうのではないかと。
でも、結末は、もっとえげつないものでした。

個人主義と限りない自由と権利を追い求めると、最後は、こうなってしまうのだなぁと・・・・・。
いつもより、結末をハッキリ描かなかった分、各々が想像して、かえってえげつなかったかも。

一緒に見ていた友達の旦那は、ミュージカルや劇団四季は経験あるけど、野田秀樹のストレートプレイは初めてだったそうで、激しくショックを受けたみたい。終演後、ため息ばかりで声も出ませんでした(^^;
せっかく、奥さんからチケットを奪って?来たのに、今日の観劇、後悔していないと良いのだけど・・・・・。

いつもは、こんなモンじゃないよ。もっとエグいよって、私はニヤニヤしながら声をかけたけど、あえぐばかりでほとんど何も言えない彼の様子を楽しむ私は、つくづく悪趣味ねぇ。うふふ(^^)
奥さんにメールでよろしく伝えておいたけど、真っすぐ帰れたかな?

P.S.
娘役は、ダブルキャストで黒木華ちゃんの方でした。
ほんとは、鴻上さんトコにいた太田緑ロランスさんの方を観たかったけど、華ちゃんも野田秀樹のテンポ良い芝居に溶け込んでました♪
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by june_h | 2010-09-12 12:50 | 観劇 観戦 コンサート レポート | Trackback | Comments(0)

ゲイゲキです。
何年ぶりですかねぇ。しかも「客」として来るのは。
久しぶりだったので、たどり着くまでちょっと迷いました(^^;

大学生だったとき、ここのドリンクコーナーでバイトしてました。ロビーのドリンクコーナーに目をやると、雰囲気は相変わらずでしたが、一人で切り盛りしていました。私がいた頃は、中ホールは、一番ドリンクが売れるので、一人で担当することは考えられなかったんですが・・・・・まあ、今回は、途中休憩も無いので、あまり売れないのかもしれません(^^;;;

今回の舞台は、私が得意?なギリシャ神話がベースだったので、野田さんがそこかしこにちりばめたセリフやメタファーやモチーフ、かなり「見切った」自信があります(笑)。プシュケの蝋燭とか、デュオニソス=ヴァジラヤーナとかその他諸々。
舞台の背景にあった大きなノッポの柱時計も、ユングが幼い時に夢で見た柱時計で、時間の神クロノスが切り取った天空神ウラヌスの男根の象徴だってことも分かっちゃったもんね~ヘヘン。

なんて優越感(という名の思い違い)に浸って良い気になっている場合ではありません(笑)。
舞台は、町の書道教室から、神々の欲望が絡まり合うギリシャ神話の世界へ、そして、15年前の凄惨なテロ現場へと転がっていきます。
私は「家元」が「名付け」を始めた時点で、これが何の話なのか気付くべきでした。ちょっと悔しい!
カルト教団の特殊な閉鎖性を、ギリシャ神話が持っている暴力的な部分とリンクさせていたように思います。いつも思うけど、野田秀樹の舞台って、集団の暴力性みたいなもんがテーマになっている気がするのね。

相変わらず生々しさもハンパなくて、冷蔵庫の中では、何が起こっているのか全然見えないのに、私は思わず舞台から目を逸らしました。見えない方がナマナマしい・・・・・。

野田秀樹の舞台ではいつも、クライマックスへ向かうにつれ、気づいたら息、止めちゃってるもんね。客席もシーンと静まりかえるの。
今回も、宮沢りえが、最後のセリフを言い終えてから暗転した後、客席の空気が緩むのがよく分かりました。皆も息、止めちゃってたのね(^^;

最後に、気になった役者さんたちを:

■マドロミ:宮沢りえ
ほんと舞台では、声が全然違うんですよね!ラストは、ゾッとしました。鳥肌立ちました!
二の腕がキレイでした(^^)

■家元:古田新太
この方、態度デカいエラい人の役が多い気がする(^^;

■会計/ヘルメス:藤井隆
ヘルメス役は、北村有起哉にやって欲しかったっす(^^;
もっと色気が欲しい~。

■アポローン:チョウソンハ
この方、最近の演劇にひっぱりだこですね。
ハイトーンボイスが、野田秀樹や蜷川幸雄のテンション高い舞台に合っているのに違いない。
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by june_h | 2010-07-13 20:27 | 観劇 観戦 コンサート レポート | Trackback | Comments(0)

野田秀樹の劇団「夢の遊眠社」やNODA・MAPを支え、その他多くの舞台のマネジメントを手掛けたプロデューサーで「シス・カンパニー」の代表取締役 北村明子さんのエッセイです。

演劇で食べていくのは大変!というのは、今も昔も変わりません。
彼女はとにかく「好きな演劇を続けていく」ためには「演劇で食べていけるようにすること」が大切だと考えてきました。そのために、彼女が取った方策は、プロフェッショナルそのもの。

当たり外れのリスクが大きく、テレビや映画と違って、観客動員数も少なく、稽古に時間が掛かる演劇ほど、経営側にとって非効率なものはありません。演劇の経費は、どんぶり勘定になりがちですが、彼女は明朗会計で、きっちり利益を出すシステムを考えました。なので、スポンサーを集めまくってムダにセットを豪華にしたり、資金が足りないからと、チケット代を上げることもありません。
役者にも、チケットノルマを課すこともなくギャラを払い、稽古に集中できる環境を整えました。一方で、実力の無い役者には話し合って辞めてもらうなど、シビアになることも。役者と舞台の最善を考えての、つらい決断を迫られることも多いのです。

また、北村さんは、小さいときから歌舞伎や新劇に親しんでいたので、どんな舞台に魅力があるのか、よくわかっています。また、魅力が無ければ、たとえチケット代がタダでも、お客は来ないし自分も見たくないことを知っています。だからこそ、役者や舞台の価値を高める方針にしたのです。

以前は、テレビの役者と演劇の役者はハッキリ分かれていました。
彼女は、舞台で長く役者を続けるためには、メディアの力も重要と考え、テレビ界のプロデューサーを舞台に招待して役者の演技を見てもらい、テレビでも使ってもらえるよう積極的に売り込みました。
その結果、テレビに出た役者の人気が上がって舞台の観客動員数が増え、テレビドラマの役者も、演技力を鍛えるために、舞台に出るようになり、大きな相乗効果がありました。
今では、多くの舞台俳優がテレビドラマやバラエティで活躍する一方、アイドルも舞台に出演するようになりました。

読んでいて、とにかく、北村さんは演劇が好きなんだということが良くわかります。
「利益を出す」ことを重要視していますが、それはあくまで面白い舞台を作るため。「儲ける」ことが第一の目標ではありません。
また、舞台を成功させるまでのアクシデントさえ「楽しんで」いることがよくわかります。
役者が降板したり、チケットが全然売れなかったり。そんなときは、舞台の幕が上がるギリギリまで手を尽くします。「え?こんなことまでプロデューサーの仕事なの!?」と思うようなことまでやっています。舞台は、役者だけではなく、演出や脚本が大事だと思っていましたが、この本を読むと、プロデューサーも重要なんだということが良くわかりました。

私も何度か、シス・カンパニーのプロデュース公演に足を運んだことがありますが、どれも私にとって「アタリ」の舞台でした。

井上ひさし脚本の『ロマンス』の舞台をプロデュースして「また井上さんと組んで第二弾もやりたい!」とおっしゃっていましたが、叶わなくなってしまいました。北村さんも「自分にも残された時間は多くない」と考え、これからは、どれだけ好きな舞台を作れるかが勝負だとおっしゃっています。

「好きを仕事」にできても、その仕事をし続けるのには、努力を続けることが大事!
私の好きな演劇の「舞台裏」を知ることもできたし、学ぶことも多かった本でした。
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by june_h | 2010-05-29 11:18 | 本 読書 書評 | Trackback | Comments(2)

相変わらず野田秀樹の舞台は生々しい。「赤鬼」の舞台を観た後のように、帰り道かなりヨレヨレ。激しく消耗。

私が野田秀樹の舞台を観たいと思うのは、たぶん「恐いもの見たさ」なんだろうと思います。
だってたぶん、どんなホラーよりスプラッタより生々しいから。人の血肉より恐ろしいのは、自分自身の内面だって、いつも目の前に、耳元に、突きつけられるんだから。

この前読んだ小説「キュア」の主人公の医者も「内臓を見るのが好きだ。ほっとする」って言ってたけど、そのフェティッシュな気持ち、私もわかります(笑)。別に、肉屋で興奮したりしませんが、要は「本物を感じるから」なんだよね。何もかも隠している表面の皮膚がウソっぽくて、食べ物溶かしたり、バイ菌殺したり、生々しいことやってる体内の方が本物の人間なんじゃないかしらって。この演劇もそんな感じ。

幸せって何だろう?生きるってなんだろう?って言葉を使うと、なんだか陳腐だけど、主人公の姉妹は、真っ正面に、その意味を探そうとしていました。

口汚く世界を呪い、人を罵る姉と。何でも無防備に受け入れてしまう妹と。人を食べても、生きずにはいられない姉と。人として子供を生まずにはいられない妹と。どちらも呆れるほど、愛おしいほど、人間らしい姿。
そして、希望も絶望も同じ、人間の妄想だと言いつつも、絶望的な世界の中で、希望を抱かずにはいられない二人。

「口の中にずっと残ってる」
「何が?」
「人間・・・・・であること」
というセリフ、なんて素晴らしいんだろうと思います。

ジェノサイドのあと、残った母子(姉妹?)の言葉の掛け合いシーンは圧巻。なぜって、自己憐憫も感傷も徹底的に排除して、無機物の単語だけで凄惨な「生々しさ」を描いてみせているから。
「愛」って言葉を使わずに「愛」を表現するのと、どっちが難しいかしら・・・・・。
これぞ、野田秀樹の真骨頂!って思いました。

宮沢りえと松たか子の豪華共演!も楽しみでした。宮沢りえ、舞台だと声が全然違うんですね。あの細い体から出ているとは思えない太い声。ビックリしました。カッコよかったです!

もう一つ楽しみにしていたのは、近藤良平さんをはじめとしたコンドルズの皆さん。一度彼らを観たいと思っていたのです。パイパー軍団を熱演(冷演?)していましたが、体の動きはきっと、彼らの意見が取り入れられているに違いありません。

キレイに生きているように見える人間ほど実は、えげつないことをやっている。多かれ少なかれ、生きていれば直接人の血肉を食べていなくても、人の命をお金に換えるようなことをしている。

これは遠い未来の話ではない。欺瞞に満ちた、2009年に生きる人間を、そして、世界を描いた舞台です。


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by june_h | 2009-01-24 18:11 | 観劇 観戦 コンサート レポート | Trackback | Comments(0)