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鴻上さんが雑誌『SPA!』で連載しているエッセイ「ドンキホーテのピアス」シリーズ単行本第17弾です。

この世界はあなたが思うよりはるかに広い ドン・キホーテのピアス17

鴻上 尚史 / 扶桑社


鴻上さんのお芝居や主宰している劇団「虚構の劇団」は、よく観ているので、このエッセイはよくその裏話が語られてて面白いです。
時事ネタもよくあります。

号泣議員の話題で
「人は泣くとき「泣きたくない」という反対のベクトルが存在しながら泣く。
アピール泣きには無い。」

と、語られていました。
泣く芝居をする時、「泣きたくない」と思いながら泣かないと、ウソっぽくなっちゃうんですって。
だから、号泣議員の泣き方は「アピール泣き」だって、すぐバレちゃうんですね(^^;

韓国や北朝鮮の人達が泣いているのを見て違和感を感じるのは、感情を表さない日本人とは違って、泣いて悲しみをアピールする文化だから「泣きたくない」というベクトルが存在しないということなんですね。
この本を読んで腑に落ちました。

その他にも、私が読んだことのある「止まった時計 麻原彰晃の三女・アーチャリーの手記」 の書評もあって、興味深かったです。
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by june_h | 2016-03-08 12:04 | 本 読書 書評 | Trackback | Comments(0)

鴻上さんの著書は、必ず読んでしまいます。
幸福になるための、いろいろなヒントが、空き缶でガーデニングしている女性を例に説明されています。

幸福のレッスン

鴻上尚史 / 大和書房


いくつか、気になった言葉を。

■10年先から戻ってきたと考える
今の自分の年齢をポジティブにとらえられない場合、10年先の未来からタイムスリップして戻ってきたと思えば、何でも頑張れるでしょう、と。
これ、関根勤さんも同じことおっしゃってました。

50代の奥さんの入浴を覗く時(笑)、自分が70代の年の離れた夫だと想像しなが覗くと興奮するんだとか(^^;
関根さんは、コミュニケーションと想像力のエキスパートだと思います。


■ポジティブを見つめる
人間は、太古の昔から、肉食獣に襲われるとか、嵐が来るとか、不幸にフォーカスした方が生き残れたのではないかというのが鴻上さんの持論。
だから、ネガティブなことを考えるのは当然かもしれない。
そう認識すると、ネガティブ思考がちょっと変わるかも。


■「他人の評価」を、一番大切なことにしてしまうと、終わりがない
他人の評価だけで生きるのは本当にしんどい。
女性誌に登場するような女性は、人に羨ましがられることに血道を上げているようにしか見えない(笑)。
そんな私は、人の目を気にしなさ過ぎる万年引きこもり(爆)。


■「どうにかなること」と「どうにもならないこと」を区別する
どうにもならないことで悩むのは、確かにムダ!
叶姉妹の恭子さんも同じこと言ってました。
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by june_h | 2015-11-25 15:08 | 本 読書 書評 | Trackback | Comments(0)

NHKの番組『COOL JAPAN』の司会者鴻上尚史さんによるエッセイ。

クール・ジャパン!? 外国人が見たニッポン (講談社現代新書)

鴻上尚史 / 講談社


最近は、外国人に日本の良さを語らせる「日本礼賛番組」が大流行りですよね。
この番組は、ブームになる前からずっとあって、日本のおかしな部分もちゃんと扱っているので好きです。

私が思うのは、特に、食べ物。

寿司と和牛を勧めれば、とりあえずオッケーとは思えないんですけど(^^;

そもそも、ナマ魚を食べる民族は、世界的に特殊。
世界的に日本食ブームとはいえ、気持ち悪いと思う人は多いです。
ベジタリアンや宗教的戒律で限られたものしか食べない人もいます。

それに、どの国の、どの民族の人達も、自分の育ってきた環境や食事が一番だと考える人が大半だと思いますから。

あと、この番組で、
「日本の電子レンジがスゴい!」
という特集があって、自慢気にVTRを見せていましたけど、ヨーロッパでは、電子レンジは体に悪いということで、そもそも使われないそうです(^^;

日本に来る外国人の反応を見ると、日本のアニメやマンガは世界的に知られているように思いますが、著作権収入の面からだと、日本は圧倒的に輸入超過なのです。

そんなわけで、独り善がりな「おもてなし」にならないように注意したい今日この頃です。
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by june_h | 2015-09-20 12:30 | 本 読書 書評 | Trackback | Comments(0)

戯曲を読んだときから、ずっとずっと実際の舞台を観たいと思っていました。

「朝日のような夕日を連れて 僕は立ち続ける
 
つなぎあうこともなく 流れあうこともなく きらめく恒星のように
 
立ち続けることは苦しいから 立ち続けることは楽しいから
 
朝日のような夕日を連れて 僕は一人
 
一人では耐えられないから 一人では何もできないから
 
一人であることを認め合うことは たくさんの人と手をつなぐことだから
 
たくさんの人と手をつなぐことは とても悲しいことだから
 
朝日のような夕日を連れて 冬空の流星のように
 
僕は 一人」


暗闇の中、舞台に並んだ5人の役者の姿が浮かび上がった時、鳥肌立ちましたね。
この時、「TEAM NACS」の姿とダブりました。
大泉洋も、きっとこの舞台に影響を受けていたに違いないと。

サミュエル・ベケットの名作『ゴドーを待ちながら』がベースになっているということで、理不尽に待たされる話なのかと勘違いしていました。
カフカの『掟の門前』みたいなモンかと思っていたら、全然違いますね(^^;

鴻上さんの初期の作品は、明確な物語が無く、情熱的に疾走していく言葉のコラージュ。
お客さん達は、ちりばめられた言葉の中から、自分の気持ちに合った言葉を拾って、そっと抱き締めるのでしょう。

この舞台、40、50代男性には、たまらないでしょうね。
昔、流行ったオモチャ。
昔、流行ったCM。
小須田さんと大高さんが、舞台で、本気で遊び回ります。

お客さんは、小さい時、こんなふうに遊んだなぁとか、この時、彼女と付き合っていたなぁとか、いろいろ思い出したりして。
第三舞台を若い頃から追いかけてきた人にとっては、より一層、感慨深いものがあるでしょう。
ただ、商品名や実際の有名人の実名がバンバン出て来るので、許可を取るのが大変だったのでは(^^;

役者さん達も良かったです。

特に、伊礼彼方さん!
鴻上さんに「ムダにイケメン」と言われています(笑)。
5人の中で、明らかに彼だけモデル立ち(^^;

伊礼さんが「アナと雪の女王」の『Let it Go』の替え歌を歌った時、オチはわかっていたんですけど、サビで、手ぇ叩いて笑いました。

とにかく、いっぱい笑って、いっぱい楽しんで、いっぱい感動!

開演前、鴻上さんの芝居の前に必ずかかるopusの『life is live』を聞きながら、今回も「ごあいさつ」に泣かされました。

「初めて書いた時から7回目、前回の再演から17年ぶりの上演です。

再演のたびに、僕は22歳の自分と向き合います。

あの当時も、今とは別の意味でギリギリで生きていました。

違いは、まだ自分にはたくさんの時間があると思っていたことです。

それは勇気であり絶望でした。

あなたにはまだ時間がありますか?
ギリギリで生きていますか?
なにかにすがっていますか?
神にひざまずくほど老いましたか?
何を信じていますか?

この芝居と向き合うたびに、僕はそう自問します」



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by june_h | 2014-08-11 09:31 | 観劇 観戦 コンサート レポート | Trackback | Comments(0)

第三舞台の代表作ですが、鴻上さんは、今回、脚本(の改作)のみで、演出は、深作健太さん。

深作さんは、若い頃、第三舞台を実際にご覧になったそうで。
なので、稽古中、誰よりも情熱的だったそうですね。

メンバー達からも、情熱を感じましたよ!

最初のダンスシーンの時、いつもの『虚構の劇団』の優等生っぽい雰囲気と、全然違ったんです。
みんな男の子は、ギラギラ男っぽかったし、女の子はキラキラしていました。
だから、ドキドキしたんです。
ミッチーは金髪でしたし(^^;

この芝居で一番心に残った言葉。

棒に振ってこそ人生!


・・・・・もとい、役者ごとに書きます。



■杉浦一輝
スゴいじゃん!一輝くん!!
主役じゃん!!!

汗だくで、白い肌を上気させての大熱演でした。うまかったよ!
「配役が意外」っていうのは、このことだったのかな。
いつも「宇宙人」みたいな空気の読めないキャラばかりだったので、ウソみたい(^^;
鴻上さんが配役決めたのかな?



■津村知与支
この方、なんとなく声も口調も鴻上さんに似ているんですけど(^^;
ルックスも誰かに似ているなーと、ずっと考えながら見ていたら、思い出したのは高校時代のクラスメイトでした(←誰にも伝わらないってば)。
芝居がスゴく良かった!
リアルに伝わってくるものがありました。



■小沢道成
いつも人間じゃない役とかが多いので(笑)、ストレートな男性役って、珍しいんじゃないかな。
ドロンジョ様の手下のボヤッキー。
脇役キャラですが、ドロンジョ様役の七味まゆ味さんによると、ミッチーからアイデアを次々、提案されていたそうですね!
決して、主要な役でなくても手を抜かない。貪欲。
さすがです!



■三上陽永
三上くんの立ち位置は、いつも大体同じ。
根がマジメな悪役。いや、根がマジメだから悪役に回ってしまうという役です(^^;
初日前にTwitterで「不安だ」って、呟いていたんですよね。
でも、「今回は完璧!」と思って臨むより、ちょっと不安があって悩みながらやっている時の方が、評判良かったりします。
終演後、階段の踊り場に立っていたので、「良かったよ!不安になることないよ!」って声かけてみました。



■小野川晶
ほんとはドロンジョ様の役をやって欲しかった。
刑事役の「待ちなさーい!」が可愛くて良かったっす(*^_^*)



■渡辺芳博
デスラー提督役。
衣装がカッコいいけど、暑そうです(^^;
公演中、洗えないのだろうか・・・・・。



■塚本翔大
デスラー提督の手下役。
ちゃんとした役名が無いとはいえ、セリフがかなりたくさんあって良かったね!
ただ、カツゼツは課題です。



■森田ひかり
パンツスーツが、とても似合っていました!
10月に一人芝居するんですよね。楽しみ(^^)



■木村美月
美月ちゃんは、最年少。
体全体の脂肪の付き方とか、脚のムチムチさ加減とかにソソラレました!
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by june_h | 2014-07-28 09:46 | 観劇 観戦 コンサート レポート | Trackback | Comments(0)

初演は、都合が悪くて観られなかったのです。なので、初演はDVDを購入して観ました。
今回、再演をナマで見られて良かった!
ストーリーは、わかっていたので、今回は、いきなり役者編です。

虚構の劇団『エゴ・サーチ』[DVD]

株式会社サードステージ


■牧田哲也:一色健治
客演の役者さん。D-BOYSのメンバーだそう。
今更ながら気づいたけど、もしかして、鴻上さんの芝居の主役って、実はオイシくないんじゃないだろうか?
主役の役者さんの感想を書く時、引っ掛かるものがないから、いつも困っていたのです。
個人的な意見ですが、主役は、ストーリーが始まるきっかけだったり、ストーリーを進めたりする「狂言回し」であって、キャラ的には、脇役の方が面白いんです。
もしかして、山○君は、そのことに気づいてしまったんじゃないだろうか・・・・・。


■八木菜々花:夏川理香
編集者役。
キレイな女優さん♪モデルもなさっているとか。
ミニスカートが気になって気になって、しょうがなかったっす(^^;


■伊阪達也:佐伯一臣(広瀬隆生)
前回も思ったのですが、広瀬って、救いがない役なんですよね・・・・・。
一色のことが好きなのに、伝えられないし。
大好きな一色に「美保のことが好きだったんだろ?」って誤解されてたし・・・・・こう言われた時、広瀬は飛び降りようとしたけど、私も涙が出て死にたくなっちゃった(^^;
ラストでも、その後、どうなったのか語られないし。
美保ちゃんは、ちゃんと成仏したけど、広瀬は、情念抱えたままだよねぇ(笑)。

最初、広瀬は、「佐伯一臣」という偽名で、女性達を騙してお金をせびるので、「悪いヤツ」というイメージです。
でも、最後に、一色とのことが明かされると、すごく虚しくて哀れに見えてきます。
なんかいろいろ想像しちゃいます。

客演の伊阪さんは、声がイイですね!
演出で、お客さん口説いたりしてドキドキ。
ミュージカルなどにもご出演されているとのこと。納得です。


■小沢道成:クミラー
声、大丈夫だったかな?
パンフレットのミッチーが、ちょっとナルシストっぽくて笑っちゃいました(^^;
EPOCH MAN、また、演るんですね!楽しみです(^^)


■小野川晶:小田切美保
やっぱり、最後の「サヨナラ!」はイイですね。
DVDで観るより、ナマの方が伝わってきます。涙が出ました。


■杉浦一輝:小池良太
「骨なしチキン」の一人。
一輝くんの第一印象は「宇宙人」だったけど、それは、今も変わってないです(笑)。
彼の作った自主製作映像が独特過ぎて(^^;
でも、ギターが上手ですね!
今回、彼の印象が「宇宙人」から「ギターが弾ける宇宙人」に変わりました。


■三上陽永:松山大悟
同じく「骨なしチキン」の一人。
最近、三上くんを見直しています。
「虚構の劇団チャンネル」の司会が上手なので。
料理も上手だし。
イイ旦那さんになると思います(^^)


■渡辺芳博:田中実(長谷川)
べーさんには、この役がよく似合ってます。
田中は、優し過ぎて、真面目過ぎて、自分を追いつめてしまう男。
桐谷さんが好きになっちゃう気持ち、分かるなあ。
恒例のフンドシ姿は、鴻上さんから「脱いで盛り上げろ!」とでも言われたんだとばかり思っていましたが、自主制作映画を見ると、自分から脱いでいたんですね(^^;


■大杉さほり:島袋日菜子
骨なしチキンが売れるためには、さほちゃんをメインボーカルにすればイイ(笑)。
パンフレットのさほちゃんの写真も好きです♪


■森田ひかり:桐谷舞
まだ、研修生ですが、かなり重要な役。虚構の劇団は、女の子が少ないですから。
初演では、高橋奈津季ちゃんがやってた役ですね。
これで、彼女の立ち位置が決まったかな。
終演後、ロビーに出て来ていたのですが、背が高くて顔が小さいですね(^^)


■塚本翔大:(いろいろ)
森田さんと同じく研修生。
今回は、エキストラ的な役をいろいろ。
殴られたり、幽霊に驚かされたり。
塚本さんは、虚構の劇団に入るため、神戸大を中退したんだそう。
一人芝居は、やるのでしょうか。楽しみです(^^)
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by june_h | 2013-10-15 12:44 | 観劇 観戦 コンサート レポート | Trackback | Comments(0)

この舞台は、震災&原発のことがテーマになっていることは明らかですが、キャラクター名などにもそれが暗示されているようです。

・キフシャム国 Kifushamu → Fukushima
・テプガンズ国 Tepugans → Genpatsu
・イリマ王子 Irima → Mirai (未来)
・ハシモリ王 Hashimori → Hiroshima
・カシハブ Kashihabu → Hibakusha
・トコフ Tokohu → Tohoku
・ミスタン Misutan → Tsunami

これがわかったのは、観終わった後だったので、もう一度ちゃんと見たいです。
この舞台には「虚構の劇団」のメンバーも出演していましたので、簡単に役者編。書きます。


■イリマ王子:宮田俊哉
いつもより断然、客席に若い女性が多かったのは、Kis-My-Ft2の彼が主役だったからですね。
さすが、滝沢秀明の舞台で鍛えられているだけあって、殺陣が良かったです。
プロジェクションマッピングや、降りしきる忘れ川の水など、今回は、いつもの舞台より、お金がかかっていたように見えたのは、ジャニーズからお金が出ていたからかな?なんてね(笑)。


■ナオミ:高岡早紀
息子が津波で行方不明になった主婦の役。
高岡早紀自身も、お子さんをお持ちだろうから、今回の役についてどう思ったのか、ちょっと聞いてみたいところ。
ラストシーンは、本当に良かったです!


■ハシモリ王:大高洋夫
鴻上さんのお芝居で、憎まれ役が多いのは、生徒を抑圧する教師だったり、学生運動を制圧する警官だったり、「父親」の役割を背負っているからなんですね。
今回は、王子の父親役という、そのものズバリな役でした。


■トコフ:竹井亮介
「キン○マ」を連発するタヌキの精の役。
彼の存在がなければ、キャラクターもストーリーも重た過ぎて、とても最後まで見られません(^o^;
あなたのキレイなキ○タマにかけて、重要なお務め、お疲れさまでした!


■タチアカ王子:伊礼彼方
主要なキャラクターの中では、ちょっと損な役回りだったかも。
というのは、主婦の夫とか、キフシャム国王子の腹違いの兄とか、主役が抱えている問題を際立たせる役が多かったから。
ハーフの役者さんなんですね!背が高くてカッコ良かったです。


■カシハブ:小沢道成
いつも人間じゃない役が多いミッチー。今回はキノコ(笑)。
まあ、この舞台は、ほとんどのキャラが人間じゃないんですが。
結構、重要な役で、キフシャム国を守る忠実な家臣として、時には情熱的に、時にはドライに、お務めをちゃんと果たしていましたよ!


■マノイ女王(の人形):三上陽永
文楽人形みたいなのを扱って、練習が大変だったんじゃないでしょうか。
これで、また一つ、「料理」「三上マスク」の他にスキルが増えましたね(^^)


■ミスタン:渡辺芳博
斬られ役お疲れさまでした(笑)。
でも、渡辺君というと、彼の自主制作フィルムで、
「フンドシでお尻から花火を出している」
姿のインパクトがあり過ぎて(^^;
彼が舞台に登場するたび、それを思い出してしまう私でした(笑)。
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by june_h | 2013-06-28 12:46 | 観劇 観戦 コンサート レポート | Trackback | Comments(2)

全公演が終了したようですので、ネタバレ含む感想を書きます。

芝居の冒頭は、なんとなく気恥ずかしいシーンが続いて、このままだったらどうしようと思ったのですが、全ては、ラストに続く複線だったことが理解できました。

鴻上さんのお芝居は、テーマが一貫しているように思います。
描かれるのは、学生運動だったり、カルトだったりするのですが、究極的には、親子関係の問題と、そのトラウマに帰結していると感じています。
この芝居で、この問題を背負っていたのは、Kis-My-Ft2の宮田俊哉演じるキフシャム国の王子でした。

キフシャム国の呪いを解くため、亡き父王に会いに冥界へ旅立った王子ですが、本当は、亡くなった母親に会いたかったのです。
しかし、母親なんかに会いたくないと、自分にウソをついたため、冥界をさまようことになってしまいます。
冥界の門番は
「自分にウソをつかない限り、冥界は、おまえにウソをつかない」
と、言っていましたから。

また、冥界の父王が優しさを見せた時
「これは、ニセモノだ!アヤカシだ!」
と、王子は見破りました。
生前の父王は、母親や息子に厳しく当たっていたからです。
この時、ナウシカのことを思い出しました。
ヒドラが作り出した楽園で、優しい母親が偽物だとナウシカが見破ったのは、生前の母親がナウシカを愛していなかったから。

親子だからって、必ずしも愛し合っているわけではない。
近しい親子だからこそ、葛藤が大きくなることもある。
そんなふうに実感しました。

そして、ひょんなことからキフシャム国を旅することになった主婦。
彼女は、震災で夫と息子が行方不明になった後も、2人の帰りを待つため、避難せずに自宅に残っていました。
そして、帰ってきた息子の幻影を見るようになるわけですが、きっと、この「息子」は、彼女の無意識ですね。
冥界の夫に会うため、キフシャム国を旅する決心をさせたのは、この「息子」。
無意識では、現実に向き合うことを望んでいたのです。

そして、冥界で再会した夫の姿は、リアルなもの。
妻が望んでいる優しい夫ではなく、長年の不貞に許しを請うという、妻が知らなかった夫の姿でした。
現実って残酷・・・・・。
ファンタジーの世界なのに、現実を突き付けられたのです。

そんなわけで、今回のお芝居は、自分にとって、非常に重たいものを残しました。
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by june_h | 2013-06-24 11:50 | 観劇 観戦 コンサート レポート | Trackback | Comments(0)

鴻上さんの舞台の楽しみの一つに、鴻上さんの書く「ごあいさつ」があります。

「ごあいさつ」は、鴻上さん直筆の大学ノート2ページに渡る印刷物。
上演される芝居に関して鴻上さんが考えてきたことが書かれています。

上演中の空き時間に書いているそうなので、初日から数日は無いのですが、ほぼ毎回、配られるチラシと一緒に手にすることができます。

この「ごあいさつ」は、結構人気で、これをまとめた本も出版されています。もちろん、私も持っています♪。

「キフシャム国の冒険」で配られた「ごあいさつ」を開演前に読んで、私は、頭も感情もグチャグチャになりました。
私の隣に座っていた母娘の母親は、この「ごあいさつ」を小さい娘に読み聞かせていました。

人の心に寄り添った経験がある人、これから経験するかもしれない全ての人に、わかっていて欲しいことです。

※著作権の都合上、全文ではなく、抜粋しています。

子供を持つまでは、幼児虐待のニュースは普通に見られました。子供の死亡のニュースは、大人の死亡のニュースと同じく、どちらも哀しくつらいものでした。
ところが、子供ができると虐待のニュースは痛くて痛くて、聞くことも見ることもできなくなりました。「育児に疲れ、どうやって子供を殴り、どんなふうに死なせたか」なんてニュースを読んだり見たりするエネルギーも勇気も出なくなるのです。

(中略)

ただ子供をもつだけで、こんなにもニュースの印象とインパクトが違うのかと愕然としました。

(中略)

僕は作家です。30年以上、想像力で物語を創ってきました。想像力が僕の武器だと思ってきました。
なのに僕は、具体的に子供を持つまでは、育児疲れも夜泣きも幼児虐待も子育ての大変さも、本当の意味では理解していなかったのです。

(中略)

子供を持って初めて、人間の想像力なんてたいしたことないじゃないかと僕は知ったのです。

だから僕は思います。

あの人の哀しみもこの人のつらさも、本当のことは誰にも分からないのだろうと。
いじめられている子供のつらさも、愛する者を失った人の哀しみも、裏切られた人の絶望も、具体的に同じ立場に立たない限り、リアルには分からないだろうと。
けれどそれは哀しいことだけではないと、貧困な想像力で思います。それは、哀しみと同時に勇気をくれることだと。
相手が理解してくれないこと、自分が理解できないことは、ただ、同じ立場に立ってないということを示しているだけなんだ。だから、相手は冷酷でも無関心でも無神経でも冷血でもなく、ただ同じ立場に立ってないから同じ感覚を持ってないだけなんだ。そう思えることは、哀しみと同時に生きていく勇気をくれるのです。

目の前に、激しい哀しみを持った人がいたら何ができるだろうと考えます。
想像力ですべてが乗り越えられるとは思わないことと、何もかもが癒せると思わないことは、似ているような気がします。
世の中には癒せないものがある。世の中には慰められないものがある。どんなにがんばっても、どんなに必死になっても、どんなに命をかけても届かないものがある。伝えられないものがある。

そう思うことは、やっぱり哀しみと同時に勇気をくれるのです。
届かないこと、癒せないことが当たり前なら、悲しんでいる時間に、もう一度声をかけてみようかと思えるからです。
それはきっと、あなたの哀しみを癒せないけれど、あなたの哀しみをほんの少し休ませたいと思うことと似ているような気がします。

(後略)


なんて深くて力強い文章だろう!
私に、絶望と同時に希望をくれました。

でも、この文章がくれたショックは、それだけではないような気がしました。
読んだ直後は、よくわからくて、ただただ、涙が溢れてしょうがなかったのですが、時間が経って、だんだんわかってきました。

今の私が、一番、必要としていた言葉だったんだと。

ここ最近、戸惑うことが、立て続けに起きていました。

・・・・・あまりにも、自分に中身が「似ている人」ばかりに出会い過ぎている(^^;

ネガティブな自分は、気が合う人ばかりで嬉しいわ♪とは、とても喜べず(笑)。

今までの経験上、「似ている人」と付き合うのは、「全然似てない人」と付き合うより、かなり難しいと考えているからです(^^;;;

所詮、「似ている」だけで、自分とは育ってきた環境も経験も違います。「全く同じ」じゃないんです。
でも、「似ている」と「同じ」だって、よく勘違いしちゃうんです。

そうすると、ちょっとした「違い」が許せなかったり、強いショックを受けたり。
タチの悪い「同族嫌悪」みたいになっちゃったり。
自分の「嫌い」な部分が似ていると、余計にイヤになったり(^^;

あと、「似ている」と「理解してくれる」を勘違いすることもあります。
相手が自分と似ているからって、自分を理解してくれるとは限りません。
やっぱり、理解して欲しいことは、お互いちゃんと話さないとダメ!
話さなくてもわかってくれるということは、あり得ないのです。

「似ている」と、お互い過剰に相手に期待してしまうから、私は、似ている人ほど付き合うことに慎重になります(笑)。

鴻上さんの文章を読んで、私は、心底救われたのです。

もう、相手を理解しようと過剰に必死に一生懸命に努力しなくてイイ。
だって、相手と私の立場は同じじゃないから、全部はわからない。
わからないことはわからない。

相手がわかってくれないからって、怒ったり憎んだりしなくてイイ。
だって、相手と私の立場は同じじゃないから、全部はわからない。
わからないことはわからない。

それでイイじゃん!

「わからないこと」「できないこと」は、必ずあるけど、「わからない」「できない」とわかったときから、できることが見えてくる。

今まで散々、悩んできましたが、答えはシンプルでした。
鴻上さん、ありがとう♪
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by june_h | 2013-06-10 08:29 | 観劇 観戦 コンサート レポート | Trackback | Comments(0)

最初から泣きっぱなしで・・・・・。

終わった後も、なぜだかわからないけど涙が出て出て出て出て。

紀伊國屋書店の地下でパスタを泣きながら食べて(笑)。
それでも気持ちが治まらなくて、その後の予定をキャンセルして、新宿から歩いて歩いて歩いて歩いて神保町まで行っちゃって(^^;

なんだか精神的にオカシくなってしまって、身体の痛みなり疲労なりが優位にならないと、気持ちを引きずってしまいそうだったからです。
でも、そんなオカシな状態の自分ともう少し一緒にいたいという気持ちもあったりして(^^;

こうなってしまったのは、芝居自体もそうですが、開演前に読んだ鴻上さんの「ごあいさつ」の内容でした。
だから、開演前から泣いてました(笑)。
それは、別で語りたいと思います。

鴻上さんは、抑圧することの危険をよくわかっているのです。
自分にウソをつき続ければ、世界は自分にウソをつく。考えないようにしていても何度でも追ってくる。だって、自分の本当の気持ちに気づいて欲しいから・・・・・。

自分の親や子が「亡くなった」という事実を受け容れるのは難しいことです。
人によっては、生涯かかるかもしれません。
だから、最初は妄想の息子に必死に話しかけていた母親が、ラストで「亡くなった息子は胸の中にいる」と言ったとき、どんなに苦しい思いを乗り越えて、納得したんだろうって・・・・・それこそ、このお芝居のように、冥界まで行って、死ぬ思いをしなきゃならなかったんだろうって思ったの。
芝居の中のキャラクターだけではなく、同じ思いを持つ人達とリンクしたように思って、胸がいっぱいになりました。

鴻上さんの芝居で、ここまでショックを受けたのは初めてかも。
鴻上さんの、他者の「痛み」に対する想像力は素晴らしいと思いました。
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by june_h | 2013-06-09 12:37 | 観劇 観戦 コンサート レポート | Trackback | Comments(0)