2009年 12月 26日
『14歳』 千原ジュニア 著 講談社
顔かたちは良くても色気の無い人は多いし、逆に、外見はそうでもなくても色気を感じる人がいるわけで(←エラそう)。
お笑いの男性で言うと、前者はチュートリアルの徳井で、後者は千原兄弟の千原ジュニアなんです(ちなみにキムタクは、私にとってはどちらでもありません(爆))。
千原ジュニアの声が聞こえてくると、私は
「きっとその色気は、キケンな香りだネ」と妹。
よくわからないけど、このエッセイを読んで、彼の「色気」がどこから来るのか、わかったような、そうでないような・・・・・。
この本では、家に引きこもっていた14歳の1年間が語られています。
有名私立中学に入学したものの、鋭敏過ぎる感性と、型にはまらない意識が強かったために、受験一色の学校の雰囲気に馴染めず、不登校に。
自分の部屋に鍵をかけて閉じ籠り、煙草を吸いながら、テレビの「砂嵐」の中の「虫」と戯れる日々。
「常識的」な母親は、彼が理解できず、暴れる息子を恐れて、彼に出す食事に精神安定剤を混ぜていた。
父親は、母親よりも息子を理解していたかもしれないが、その事をうまく伝えられなかった。
どうしようもない苛立ちばかりがつのって、壁の穴と煙草の吸殻ばかりが増えていく。母親の疲労はピークに達し、離婚を口にするようになった。
そんなとき、祖母が彼を旅行に連れ出した。
「人より正直なだけで、何も変わってないのにねぇ」と言う祖母に、彼は安心して久しぶりに熟睡する。このことをきっかけに、少しずつ学校に行けるようになった。
やがて、吉本興業の養成所に通っていた兄とお笑いを目指すため、高校を中退し、大阪へ向かう・・・・・。
読んでいて「この人は、ちゃんとサナギをやったんだなぁ」と思いました。
思春期は、人によってそれぞれ何らかの葛藤が顕れるもの。苦しみながら自分と向き合い、大人になっていく。
今は、そういうのが無いまんま、年だけ取る人も多いからねぇ・・・・・。
文章も挿絵も印象的。
短くて簡潔な文だけど、鉛筆削り用のナイフを所持していただけで「危険だ」と決めつけられ、先生にボールペンで頭を刺されたとき
先生。僕は誰もあのナイフで傷つけたりしませんでしたよ。
先生。人を傷つける人間はこうやって文字を書くための道具ででも傷つけるんですよ。
ドキっとしました。
挿絵も本人によるものだと思いますが、シンプルな線だけど、何か「くる」ものがあります。
この本を読んでいて、私と母のことを思い出していました。
母は、12歳の時に実母を亡くし、父親が再婚したりして不安定になって、ちょうど千原ジュニアと同じくらいの年に、同じくらいの期間、学校に行かなかったんです。
私も不登校にリーチがかかっていたことがありました。今にして思えば、学校でかなり理不尽な目に遭っていたからなんですが、不登校にならなかったのは、母親にこう言われたからですね。
「行きたなかったら行かんでええで。私も行けへんかったから」
「行かなきゃいけない」わけでなくて「行かなくていい」ってわかったから、それだけで気がラクになったのを覚えています。でも、だいぶ大人になってから、結局引きこもったんだけど(^^;
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「行かなきゃいけない」わけでなくて「行かなくていい」ってわかったから、それだけで気がラクになったのを覚えています。でも、だいぶ大人になってから、結局引きこもったんだけど(^^;
一気に涙が溢れました。
お母さん、娘と一心同体なんだって思いました。
それに引き換え私ときたら、私は18歳から散々タバコを吸ってきたのに、二十歳の息子がどうやらタバコを吸っている気配があり、
自分のことは棚に上げ、嫌悪感で一杯です。
吸いたかったら吸えばいいって、言ってあげられない・・・
すっごくよくわかります。同感!同感!
アーティストではシカオちゃん、芸人ではジュニアさんがかなり好き。
この二人には共通する匂いがありますよね!
自分の内面を見続けて、圧がかかる状態からも逃げずにいた。
そして今は音楽や笑いを通してぬくもりとか人間らしい暖かさを届けてくれている気がします。意図しているのかはわからないけれど。
しかも外見とのギャップがあってより魅力的に感じてしまいます。
そんな風に勝手に解釈すると、あの二人はAur.が自分らしい輝きを放っている状態なのかな?!?
つんこさん、ありがとうございます。
>お母さん、娘と一心同体なんだって思いました。
いやー、お恥ずかしい(笑)。母娘揃って引きこもりです(^^;
母親には感謝してますけど、いろいろありましたよ。
親戚の家に1週間くらい私達を「置き去り」にしたり(^^;
「あんたたちがいるから離婚できない!」って毎日泣いたり(^^;;;
そんな母親だったんで、怒りたくなるようなこともたくさんありましたが、母親なりに一生懸命やってきたんだろうし、そのときはいっぱいいっぱいだったんだろうって、今では理解しています。
母親も「母親」って生き物ではなくて人間ですもの。失敗だってたくさんあるし、完璧な母親なんて一人もいないし、常に「最善の」選択ができるなんてあり得ない。だから「どれだけ正しくできるか」ではなく「どれだけ本気でぶつかったか」が、大事なんだろうって思っています・・・・・私は母親になったことがないからエラそうなことは言えないですけどね(・・;
>吸いたかったら吸えばいいって、言ってあげられない・・・
それはしょうがないです。自分も経験しているから、タバコのリスクがわかっているから、言えないのは当たり前だと思います。
私がつんこさんの立場だったらどうしよう・・・・って思います。
>>外見はそうでもなくても色気を感じる人がいるわけで
>アーティストではシカオちゃん、芸人ではジュニアさんがかなり好き。
>この二人には共通する匂いがありますよね!
いやー、でもね、デビュー当時のシカオちゃんはイケてなかったですよ(^^;なんか、劣等感のカタマリみたいな人で(^^;;;
急激に「色気」が増したのは、アルバム『4Flusher』を出した時期の「大スランプ」を抜けた後ですね。だから二人に共通する「色気」があるとしたら、それは「逃げることなく大きな挫折から立ち上がった」ってことかなぁと、自分なりに思っています。
シカオちゃんに合うレメディなんて、考えたこともなかったですが、確かにオーラム(Aur.)も合いそう!・・・・・ビスマス(Bism.)なんかも合う気がします(笑)。