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【映画:ネタバレあり】モリエール 恋こそ喜劇【ロン毛だけどジャック・スパロウじゃありません】

予想以上に素晴らしい映画でした!
最初から笑いっぱなしで、ラストシーンは号泣(T_T)
この映画の主人公、モリエールは、かつて、フランスの紙幣にも描かれていた演劇界の偉人です。
彼は、17世紀のフランスで、俳優&喜劇作家として活躍したのですが、若い頃に、何をしていたかわからない「空白の数ヶ月」があります。この映画のストーリーは、この期間を想像したフィクションです。

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劇団の借金が払えなくなって投獄されたモリエールは、金持ちの商人ジョルダンに、あることを条件に助けられます。
美しい侯爵未亡人の心を射止めるため、演劇の手解きをして欲しい、と。ジョルダンには奥様のジョルダン夫人がいるのに・・・・・。
彼女には秘密裡にコトを進めるため、聖職者としてジョルダン家に入ったモリエール。しかし、モリエールの書いた台本を偶然読み、彼の才能を絶賛したジョルダン夫人とモリエールは急接近!やがて恋に落ちていきます。

モリエールの機転によって、侯爵未亡人にうつつを抜かしていたジョルダンは正気を取り戻し、貴族と政略結婚させられそうになっていたジョルダンの娘は、愛する庶民の男性と結婚できました。

駆け落ちまで考えていた、モリエールとジョルダン夫人の恋は叶いませんでしたが、ジョルダン夫人のおかげで、モリエールは重要なことに気付くのです。
「高尚な悲劇をやりたい」というモリエールに、「何言ってるのよ。あなたはコメディの方が向いているわ」とジョルダン夫人。
ジョルダン夫人の言葉どおり、ジョルダン家を出たモリエールは、フランス各地を回って喜劇を上演し、名声を高めていきます。

13年後。パリの凱旋公演を控えていたモリエールに、あのジョルダン夫人から手紙が。彼女の家に駆け付けたとき、彼女は病床にありました。
「私が娘さん貴族との結婚をブチ壊さなければ、貴女は、こんな惨めなことにならなかったのに。どうか赦して欲しい」というモリエールに
「恨んでいることなど何もありません。あなたのおかげで、夫は家に戻って来たし、金目当ての貧乏貴族と縁が切れた。娘も愛する人と結婚できた。何より、心からあなたの成功を祝福しています」とジョルダン夫人。
・・・・・もう、このシーンは、涙無しには見られません(T_T)
こういう愛の形もあるのですね(^-^)

その後、パリの王侯貴族の間でも、彼の喜劇は大評判となり、世界の演劇史に名を残す存在となるのです。

フランス人による、フランスの偉人を描いた映画ということで、もっと高尚で重々しい映画だと思ったんですが、あらゆる場面で笑いが盛り込まれていました!
フランス人も吉本芸人のように、笑いに貪欲になるもんなんだと思った次第です(笑)。

私がそもそもこの映画に興味を持ったのは、大学のとき、一般教養の「演劇史」の授業で、彼を知ったからなんです。
彼の戯曲「守銭奴」とか「三文芝居」とか、大学時代に読んだはずなんですけど、ぜーんぜん覚えてなくって(^^;
この映画のあらゆるシーンにも、モリエールの戯曲のオマージュが盛り込まれています。
今回のジョルダンのエピソードは、「町人貴族」が基になっていますし、モリエールが聖職者になったときに使った偽名「タルチュフ」は、ズバリ「タルチュフ」という戯曲があります。

モリエールの戯曲、読まなきゃ(^^;;;


<関連リンク>
モリエール 恋こそ喜劇(映画公式サイト)
by june_h | 2010-03-17 20:40 | 映画 感想 | Trackback | Comments(0)