2010年 09月 10日
「ゴーマニズム宣言SPECIAL 天皇論」 小林よしのり 著 小学舘
今回久しぶりに読んでみて、よしりんの「熱さ」と文字数の多さに、改めて圧倒された次第です。
私自身は、右翼ではありませんが、皇室は、あった方が良いと元々思っていました。
いろんな本を読んだり、美術館に行ったりして、皇室が「要」となって守られている文化がたくさんあることに気づいたからです。
また、以前読んだ『天皇陛下の全仕事』という本で初めてわかったんですが、天皇陛下、とにかく「忙し過ぎ!」。
外国訪問や国事行為など、公開されている公務以外に、新嘗祭など非公開で「私的な」祭祀がたくさんあるのです。
しかし、公務が忙しい、誰も見ていないからと言って、天皇陛下は祭祀を決しておろそかになさいません。周囲が儀式の簡略化を進言しても、筋が通らなければ、絶対受け入れられないそうです。「日本と国民のために祈る」ご自分のすべきことに、ストイックなまでに忠実なのです。
よしりんは、天皇とは、「為政者」ではなく「神官」だと、この本で何度も言っています。
だからこそ、歴史上、日本に現れた権力者達は、天皇を滅ぼすのではなく、天皇の権威を利用して統治しました。このような例は、世界的にも稀です。
天皇を「特権階級」と考える人もいるようですが、天皇を含めた皇室の方々には、居住の自由も職業選択の自由も信教の自由も言論の自由もありません。むしろ、一般国民より権利が制限されています。
外国の思想に当てはめて、天皇を論じることは、できないのかもしれません。
この本を読んでみて、皇室の是非を論じる以前に、自分が皇室についていかに知らないかがよくわかります。
特に、マンガのページの合間に挿入されている「秘書みな の皇室メモ」は、皇室のあれこれが秘書 みなぽんの手書きで、わかりやすく説明されています。
今まで興味は無かったんですが、お正月の一般参賀に行ってみたくなりました(^^)