2011年 05月 11日
「オタ中国人の憂鬱 怒れる中国人を脱力させる日本の萌え力」 百元籠羊 著 武田ランダムハウスジャパン
ところが、同級生が
「おまえ、土星机(セガサターン)持ってるか?」
と尋ねてきて、日本のマンガやアニメ、ゲームに興味を持つ子供が多いことに気付き、仲良くなれるきっかけをつかみました。
中国の最高学府 北京大学でも、アニメサークルに所属する学生は800人!
反日教育によって「オレは、日本が大嫌いだ!」と言いながらも、日本のアニメの良さを論じる彼らの姿を見ると、才能の無駄遣いをさせているような気分になるそうです(笑)。
日本で大人気のアニメやゲームは、中国の子供達にも同じく大人気ですが、日本とはいろいろ異なる事情もあります。
特に異なるのは「飢餓感」。
日本の場合、欲しいマンガやゲームは、お店に行けばすぐ手に入りますが、中国では、売っていないこともしばしば。当局の規制で、カットや改変されているものも。海賊版でも、粗悪なものが多く、なかなか満足できるものが見つからない状況が、欲しがる気持ちを加速させます。
また、受験戦争が厳しいお国柄、勉強の息抜きとしてマンガはうってつけで、のめりこんでいく子供も多いようです。
それから、中国では、大学入学前の恋愛が、はっきり「害悪」だと教えられているため、小中高生の恋愛が多く描かれている日本のマンガに興味津々。
特に、恋愛シミュレーションゲーム『ときめきメモリアル』は、親の目を盗んで、異常な盛り上がりを見せたそうです(^^;
ただ、マンガやアニメによく出てくる「カレーライス」と「風呂上がりの牛乳」の美味しさは、理解できないらしく、ネットの掲示板で、たびたび議論されているんだとか(^^;;;
また、中国の『三國志』の登場人物が美少女キャラにされたり、中国ではハッキリ「悪役」とされている曹操がカッコ良く描かれているのが理解できないそうです(^^;;;
中国といえば、たびたび問題になっているのが海賊版ですが、多くのユーザーに罪悪感はありません。これは、彼らが今まで「受け取る側」だったからだと、著者は言います。
ところが、だんだん「作る側」の人間も増えてきて、コピーが自由に出回ってしまう状況から、創作者がアホらしくなって作らなくなることも。このことで、ようやく、海賊版のデメリットを認識し始めたようです。
そして、避けて通れないのが尖閣諸島問題。
ネットには、日本の蔑称である「日本鬼子(リーベングェイズ)」「小日本(シャオリーベン)」という言葉が氾濫しました。
そこで、日本人オタ達は、「日本鬼子(ひのもとおにこ)」「小日本(こひのもと)」という萌えキャラを作りだし、言葉そのものの概念を変えることで対抗しました。
・・・・・・日本人って、スゴい(^^;
(ちなみに、この本の表紙は「小日本」で、裏表紙は「日本鬼子」です)
ドラえもんには、外交官千人分の力があると言われていますが、ここまで力があるとは。
でも、ポルノにうるさい中国では、しずかちゃんの入浴シーンは、カットされているそうです(^^;
日本人の私でも思いますけど「日本人って、何考えているかわからない」と思いますよ。ほんとに何も考えてないときも多いけど(^^;
意見言わないし。ほかの国は、隣の中国・韓国含めて、ハッキリ言うのがいいっていうトコが多いのに、不思議ですよね。
「ハッキリ言わない」ことに、メリットがあると思ってきたから、こういう国民性になっちゃったんだと思うんですけどね。