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「江戸の女子力 大奥猛女列伝」 氏家幹人 著 新潮社

「女子力」というタイトルなので、てっきり江戸の町娘のことかと思ったら、大奥のキャリアガール達の話でした(^^;
「江戸の女子力 大奥猛女列伝」 氏家幹人「江戸の女子力 大奥猛女列伝」 氏家幹人
大奥は、男子禁制と言われていますが、9歳以下なら出入りできたので、「女の牢獄」というわけでもなかったそうで。
なので、大奥で働いている女中が、甥っ子姪っ子を呼び寄せて一緒に遊ぶなんてこともあったとのこと。
で、そこから生まれたシンデレラが、12代将軍徳川家慶の側室、お美津(本寿院)。

大奥で働いている姉の部屋に遊びに行ったところ、お中臈達がバタバタ入って来て
「幹部女中の面接参加者がドタキャンしたから、代わりに出て欲しい。どうせ落ちるんだから数合わせで」
と、お願いされて、仕方なく面接に参加すると、襖の奥から覗いていた将軍家慶が気に入り、あっという間に「お手つき」に。
ついには、13代将軍家定の生母に。幸か不幸か、人生ってわからない!?

ショックだったのは、大奥でもどうやら「間引き」あったということ。
江戸時代、東北地方の農村で、冷害やら飢饉やらで食べていけず、赤ん坊を間引きすることがあったのは知っていましたが・・・・・。

「黄門さま」でお馴染みの水戸光圀も、堕胎させられそうだったというのは、有名な話だそうです。

将軍家の場合、嫡男以外の男子は、家臣の大名家に養子に出されますが、その家を継ぐはずだった嫡男は、またさらに他家の養子になるか、隠居するかしなければなりません。
また、姫の場合、大名家に嫁ぐと、婚家は、住居用屋敷の建造や莫大な生活費が必要です。幕府側も大名家に「もらってもらう」ために、莫大な支度金や、幕府での特別待遇などを用意します。
いずれにせよ、将軍家にとっても、受け入れ側の大名家にとっても、多大な負担が発生するわけです。
「嫡男は欲しいけど他は・・・・・」
という心境になるのでしょう。
将軍 家慶の子供は、14男13女にのぼりましたが、成人したのは家定ただ1人。姫達の平均寿命は、わずか11歳。
陰には、乳母による育児放棄や虐待などが少なからずあったようです。

大奥ネタは、いろいろなんとなく気になります(^^;
by june_h | 2011-06-07 20:56 | 本 読書 書評 | Trackback | Comments(0)