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【ネタバレあり】第三舞台封印解除&解散公演「深呼吸する惑星」(ストーリー編)

鴻上さんの書く芝居は、一貫しているものがあるように思います。

エッセイを読んでいても思いますが、鴻上さんは、伝わらなかった想いとか叶わなかった願いとか「未浄化な想い」に敏感で。
それは、個人的なトラウマなんかもそうですが、学生運動とか、太平洋戦争とか、行き当たるのは「日本のトラウマ」。芝居でも繰り返し描かれています。

日本人は、都合の悪いことは「なかった」ことにしてしまう。そうすると未浄化なまま澱のように留まり続け、時々暴れ出す。表面上は平静でも、いつも、必死で抑え付けていて、そのためにものすごくエネルギーを使って、疲れてしまう・・・・・。

鴻上さんは、舞台で、未浄化なものを、ふっと見せるのです。
日ごろ我慢ばかりで、感情を抑圧するのに精一杯の人が、舞台を見て、その重荷を下ろすことができる。だから、多くの人達が慰められるのでしょう。

今回の「深呼吸する惑星」では、普天間問題も原発問題も何もかも今まで描いていたもの全部「墓場」で鎮魂しようとしているかのよう。

そこには、鴻上さん自身の未浄化なものも。

原発問題については、鴻上さん自身の罪悪感とか希望とかも見えて。
「未来がわからないのは、不安ではなく希望である」
と。
降りしきる「花びら」に希望を託して。

今、まさに、毎度の如く、原発問題が必死で「なかったこと」にされようとしていて。
「深呼吸する」の意味を考えさせられました。

そして「僕のブログを読んでくれてありがとう」は、「僕を覚えていてくれてありがとう」で。
もしかして、亡くなった岩谷さんのことだったのかなあ。鴻上さんのトラウマの解放なのかもって、勝手に妄想していました。

第三舞台、今後も復活公演とか、あるような気がしますよ!
by june_h | 2011-12-02 12:09 | 観劇 観戦 コンサート レポート | Trackback | Comments(0)