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【アメリカ映画:ネタバレあり】マネーボール【カネより数字!?】

アメリカメジャーリーグ オークランドアスレチックスのゼネラルマネージャー(GM)ビリー・ビーンの実話を素にした映画。

アスレチックスは、貧乏球団で、最も予算の大きいニューヨークヤンキースのたった100分の1。有力選手を高い年俸で次々と引き抜かれ、来期は絶望的に。
従来のやり方では現状を打破できないと考えたビリーは、選手を統計的に分析するイェール大卒のピーターを抜擢。彼の分析結果から、人気や打率に関係なく、出塁率が高くて安い選手を寄せ集めてきます。

彼のやり方は、監督やスカウトから猛反対を受けます。
最初は、全くうまくいかずに連敗続き。ついにはビリーの去就問題にまで発展しますが、粘り強く選手達に考え方を説明。だんだん勝ち星も増え、ついには、20連勝というリーグ記録も樹立。そして、次の年には、ワールドシリーズ優勝を果たすのです・・・・・。

従来の野球映画では、ビリーは間違いなく悪役のキャラクターです。
選手そのものではなく、データだけを重視するし。
監督の采配に口出しして、自分が押す選手を試合に出すために他の選手をクビにするし。
まるで、ファンからは持て囃されていても、関係者からは評判が悪い野村監督のようです(^^;

野球の映画なのに、全然スカッとしない場面の連続で、電話一本で選手のクビやトレードが決まるえげつない交渉とか、不満タラタラのスカウトとか、負け続きでイライラしているビリーとか、失策ばかりの選手とか、胃が痛くなりました(^^;
なので、20連勝を決めたホームランで、私は思わず涙(T_T)

この映画のスゴい点は、ワールドシリーズ優勝をクライマックスに持って来なかったということ。
ラストシーンは、ビリーがレッドソックスからのオファー(年俸1250万ドル)を蹴って残留を決断したシーンでした。
要するに「カネがすべてではない」というメッセージが明白な映画なのです。

印象的だったのは、ビリーの人物像。
ビリーは、元々はメジャーリーガーでした。
スタンフォード大学に進学が決まっていたのですが、ニューヨークメッツのスカウトに結構な契約金を提示され、メジャーリーガーに。しかし、活躍できずに、高卒という学歴のままスカウトの道に入ったのです。

彼のこうした経験が「スカウトはあまりアテにはならない」「カネがすべてではない」というGMの行動に結びつくわけで。

GMになったビリーは、自分のチームの試合を見ようとしませんでした。
理由は、「自分が見た試合は負ける」というジンクスを持っていたから。
20連勝の記録がかかった試合、11対0の大差がついていたので、負けることはないだろうと足を運びますが、あれよあれよと追い疲れ、とうとう同点に。
やっぱりオレは負け犬なのか、と球場を後にするビリーに、ホームランの喚声が。
ジンクスが崩れた瞬間。私も嬉しくなりました(^^)

ここまで辛抱強く、粘り強く、愚直に人物を描くとは。
見ごたえのある良い映画でした!
Tracked from シネマ親父の“日々是妄言” at 2011-12-06 14:42
タイトル : 「マネーボール」貧乏球団でも勝てる!
[マネーボール] ブログ村キーワード  今シーズン、あの“ゴジラ・松井”が所属していた(ただいま来季の去就、非常に微妙(>_<)“MLB”(メジャーリーグベースボール)のチームが“オークランド・アスレチックス”。若くして、そのアスレチックスのGM(ゼネラルマネージャー)となったビリー・ビーンが、独自の理論に基づきチームの強化を図っていくさまを描いた本作「マネーボール」(ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント)。『貧乏球団を、如何にして常勝軍団に変えたのか?』日本のプロ野球チーム(特...... more
by june_h | 2011-12-06 12:37 | 映画 感想 | Trackback(1) | Comments(0)