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「語学力ゼロで8カ月語翻訳できるナゾ どんなビジネスもこの考え方ならうまくいく」 水野麻子 著 講談社

「語学力ゼロ」というのは、ちょっと違うと思います(^^;
敢えて言うなら「翻訳ノウハウゼロ」かな。
「語学力ゼロで8カ月語翻訳できるナゾ どんなビジネスもこの考え方ならうまくいく」 水野麻子「語学力ゼロで8カ月語翻訳できるナゾ どんなビジネスもこの考え方ならうまくいく」 水野麻子
この本の著者は、短大を卒業後、特許事務所に勤務。その後、フリーの翻訳者として独立しましたが、すぐに仕事の注文が殺到。年収1000万円以上を稼ぎ出し、翻訳会社を設立したのです。

水野さんが担当していたのは、主に、特許関係の翻訳。いわゆる産業翻訳です。この本で紹介されているのは、主に産業翻訳のノウハウで、文学作品を翻訳する出版翻訳についてではありません。

翻訳には「語学力が必要」と、よく言われていますが、水野さんは「翻訳に必要なのは、文章を理解するための論理的思考と、的確な訳文を作成するための情報収集力」だと言います。
翻訳は、語学のテストではないので、必ずしも、多くの単語を暗記していれば良いわけではありません。

私も仕事で19世紀の英語の薬効書を翻訳することがあって、「navicular fossa of urethra(尿道舟状窩)」とか「hæmorrhoid(痔核)」とか、なかなかお目にかからない単語にしばしば遭遇します(^^;
大学まで勉強した英単語にはないので、単語の暗記は、あまり関係無いようです。

専門が狭いほど、頻出する単語や訳語は、ある程度限られてきます。
こういう場合は、パソコンを使った「一括置換」が便利!辞書を二度引きするタイムロスも防げますし、訳語の統一もできます。
この本でも、様々な一括置換のノウハウが紹介されています。

私は、Wordの検索・置換では、正規表現をよく使いますが、この本で紹介されていたのは、ワイルドカードによる検索・置換でした。なかなか参考になります。

水野さん曰く、大切なのは「作業を細かく分解すること」
パソコンができる工程はパソコンに、考えなければならない工程は人力で。これでメリハリつけて効率よく作業できます。

私も翻訳するのに、WordとExcelのマクロや関数を組み合わせて、なんちゃってデータベースを作ったりしてます。単語が増えていくのは楽しいです!・・・・・覚えてないけど(^^;
by june_h | 2011-12-13 21:15 | 本 読書 書評 | Trackback | Comments(0)