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「大津波と原発」 内田樹×中沢新一×平川克美 朝日新聞出版

震災直後に行われた鼎談です。

「原発推進派も反対派も「イデオロギー」だ」
っていう内田先生の言葉、なるほどと思います。

「絶対安全だ」という推進派と。
「危険だから絶対ダメだ」という反対派と。

でも、この世に絶対というものはなく、どんなものでもリスクがあるものだし。
危険だからと言って何もしなければ、何もできなくなってしまうものだけれど・・・・・。

「絶対安全だ」と呪文のように唱えているうちに、いつしか「絶対安全なんだから、安全対策はいい加減にしても良い」という論理にすりかわり。
「危険だから絶対ダメだ」と、最初は、狼少年のように「警告」し続けているうちに、いつしか自分の言葉が真実になるように、事故が起こることを願うようになる。

「絶対大丈夫」と言わないと何も進まないのは、かえって危険な状況を呼び寄せてしまうんだな・・・・・と。
こういう考え方をしていると、「絶対儲かる」っていう詐欺に引っ掛かりやすいんじゃないかな(^^;

原発の問題は、日本人にとって「痛いトコ」ついてる問題なんだよね。
日本人お得意の「必殺「先送り」は通用しない」から。
先延ばしにすればするほど、自体はどんどん悪くなっていくのだから・・・・・。

「利害関係者が多いほど、そして、複雑になるほど、そのシステムは安定すると、日本人は経験的に知っている」
という言葉にもゾッとします。

そもそも、原発利権に絡んでいる人が多過ぎ。原発がなくなったら、食べていけない人や地方自治体がスゴくある。
今回の事故で「原発は暴走したら取り返しがつかない」って、原発関係者も思い知ったと思うけど、食べていけなくなったらどうしようって思うと何もできない。にっちもさっちもいかない状態が今なんだと思う。

原発を無くすためにデモを繰り返すだけでなく、自然エネルギーに投資したり、発電・送電を分離するように法律を改正したり、「自然エネルギー利権」を作った方が良いと思うの(笑)。

原発にせよ、日本国債にせよ、今の日本は、問題を先送りして、子供達にツケを回して豊かさを享受しているに過ぎないんだと、思い知りました。
Commented by desire_san at 2012-02-06 13:08
こんにちは。

大地震と原発を機会にわたしたちの心の持ち方もだいぶかわってしまいましたね。
変わらないのは、国を治める政治だけ!と感ずることが多く、何か悲しい気持ちになります。

そんなとき、六本木ヒルズの森アーツギャラリーに「歌川国芳展」を見てきて、かなり元気をもらいました。芸術に対するチャレンジ精神がすばらしかったです。
「歌川国芳」の芸術についてレブューを書いてみました。ぜひ読んでみてください。

どんなことでも結構ですから、ブログにコメントなどをいただけると嬉しいです。
by june_h | 2012-02-05 12:32 | 本 読書 書評 | Trackback | Comments(1)