【アメリカ映画:ネタバレあり】J・エドガー【アメリカの正義、その光と影】

48年間、FBI長官として「君臨」し続けてきた、J・エドガー・フーヴァーの半生記。
賛否がかなり分かれる映画のようですが、かなり興味深かったです!

晩年のフーヴァーが、回顧録作成のためのインタビューを受けているという設定だったので、最初は、レオナルド・ディカプリオの老けメイクが気になってしょうがなかったです(^^;
でも、彼の人生に、次第に引き込まれていきました。

彼がまず、手掛けたのは、国会図書館の本の整理。
全ての本をカードで管理することで、それまで数日掛かっていた本の検索が、たった数分可能に。

「情報は力だ」

彼は、情報の整理・検索・選択の大切さを知っていたのです。
この考えは、犯罪者の指紋管理や科学的捜査の導入に発揮されます。

また、「犯人逮捕を迅速化するため」ということで、共産主義者や社会運動家などをリストアップ。更に、令状無しで盗聴する権利を認めさせました。
この権利によって、大統領を始めとした要人達のプライバシーを盗聴して弱みを握り、大統領をも超える権限を持ったのです。

・・・・・苦労して権力を握るより、権力者を操った方がはるかにラクかも、なんてね(^^;

信用できる人間で周囲を固め、気に入らない人間には容赦しない。
部下の手柄を横取りして、自身を英雄に仕立て上げ、FBIがアメリカの「正義」であると国民にアピールする・・・・・。

彼の豪腕の裏側には、何があったのか。
この映画では、それを彼のセクシャリティと結び付けています。

極端なまでに「悪」を排除する姿勢は、彼自身の中にある、「弱さ、女々しさ」を排除する姿勢と重なっていくのです。

フーヴァーは、同性愛者で、女装癖がありました。
彼の母親も早くからそれに気付き、厳しく、男らしく、彼の欲望を憎悪するように育てました。
彼は、母親に逆らうことができないマザコンだったのです。

彼の右腕であるクライドも同性愛者で、二人で「夫婦」のようにFBIを支えていました。
もしかしたら、クライドが真のアメリカの権力者になれたかもしれません。フーヴァーの弱みを全て握っていましたから。しかし、彼はフーヴァーを愛していたので、権利は行使しませんでしたけど(^^;

彼の光と影を描くことで、クリント・イーストウッド監督は、「アメリカの正義を絶対視する危険性」を警告したかったのではないでしょうか。
[PR]
トラックバックURL : https://juneh.exblog.jp/tb/15429813
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]
※このブログはトラックバック承認制を適用しています。 ブログの持ち主が承認するまでトラックバックは表示されません。
by june_h | 2012-02-14 12:42 | 映画 感想 | Trackback | Comments(0)