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「永遠に語り継ぎたい3.11の素敵な話」 やまだひさし 著 ぱる出版

ラジオパーソナリティのやまだひさしさんのエッセイです。

永遠に語り継ぎたい 3.11の素敵な話

やまだ ひさし / ぱる出版


3月11日の東日本大震災。
その後の数週間、メディアから企業のCMが消え、公共広告機構のお知らせばかりに。
しかし、やまださんがいるTOKYO FMだけは、公共広告機構のお知らせを流さず、安否情報や放射能情報など、被災者に必要な情報を流すことに撤しました。
社長が「全責任は、俺が取る」と宣言して。

やまだひさしさんは、震災直後、被災地に足を運び、無力感にとらわれたそうですが、ラジオを通して、自分でできることを必死に考え、実践しました。
母親を亡くした女の子に、マンガ「ワンピース」を贈るように呼び掛けたり。
チャリティーCDを作ったり。
賛同者、協力者が続々と現れ、彼の呼び掛けは、次々と実現。やまださんは「ラジオは、人と人をつなぐ力がある」と実感したそうです。

そして、活動する中で、世の中の多くのことを学んだと言います。
寄付をするのに、振込手数料がかかること。
CDを店頭に並べるために、手数料がかかること。
たくさんの義援金を贈ってくれた台湾には、親日家が多いこと・・・・・。

私は、3月11日によって、「人間の値打ち」があぶり出されたように思います。
金持ちか貧乏か、有名か無名か、頭が良いか悪いかなんて関係無い。
何が正しいか分からない状況の中、自分の判断で、「自分ができることをしたい」と思う人が大勢いたこと、日本は、まだまだ捨てたもんじゃないと思います。

そして、自分達にできること、まだまだたくさんあると思います。
by june_h | 2012-12-07 12:27 | 本 読書 書評 | Trackback | Comments(0)