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【イギリス映画】危険なメソッド【フロイトとユングの真面目な映画】

精神分析学の父ジークムント・フロイトと、分析心理学のカール・ユング、そして彼らの弟子&患者で、ユングの愛人だった女性ザビーナ・シュピールラインを主軸に描いた映画。
タイトルから、ユングとザビーナのスキャンダラスな面が強調されている映画かと思いましたが、意外と史実に基づいた真面目な映画でした。

フロイトは、いつも葉巻を吸っていますし、ユングは、シンクロニシティ大好きな神秘学オタクだし(^^;
フロイトはユングに「オカルトにハマっても何もイイことないぞ」と言い、ユングはフロイトに「感情を全部セックスと結びつけるなんてどうなの?」と言う。
私、この二人は、最澄と空海に似ているといつも思うんですよね。
お互いの素晴らしさを認め合いながら、決別せざるを得なかったというか・・・・・。

ユングのカウンセリングや自由連想法の様子が再現されていて、大学時代に心理学を専攻していた者として、興味深かったです。

印象的だったのは、麻薬&セックス中毒患者のグロスと、ユングが対峙するシーン。
「自分の欲望を解放しろよ」と迫るグロスに、「患者のザビーナと寝るなんてできない」と答えるユング。
白い服のユングに、黒い服のグロス。
ユングが抑圧した自分自身のシャドウ(影)のように、グロスを描いています。

ザビーナの当時の病名は「ヒステリー」「色情狂」、今なら「統合失調症」ということになるのでしょうか。とても興味深い症状だったので、別エントリーで書きます。
by june_h | 2012-12-10 12:53 | 映画 感想 | Trackback | Comments(0)