2013年 01月 07日
【日本映画:ネタバレあり】大奥 -永遠- 右衛門佐・綱吉篇
大奥の男女逆転版という、完全なファンタジーですが、閉鎖された世界の中での登場人物達の感情の流れが、とても理解できるんです。
ドラマと映画は、つながっています。
ドラマは、3代将軍家光の時代。
女将軍の家光と、小姓の万里小路有功は、愛し合っていましたが、二人の間に子供はできず。そこで有功は、自分の代わりに、部屋子として仕えていた玉栄を家光に差し出します。この二人の間に生まれた娘が、後の5代将軍綱吉。玉栄は、桂昌院として権力を握ります。
映画では、綱吉の時代、桂昌院が支配する大奥に、有功ソックリの右衛門佐が現れる所から始まります。
有功は、春日局に無理やり大奥に押し込まれながらも、将軍や大奥のために尽くした清らかな元僧侶。
一方、右衛門佐は、全く逆。
お金のために体を売っていた貧乏公家で、大奥でも権力を握るためには、手段を選びません。
まるで、ジキルとハイドのようです。
ドラマでは、目元涼しくニコニコしていた有功役の堺雅人は、映画では、右衛門佐としてギラギラした表情(^^;
でも、二人とも、一途に将軍を想う気持ちは同じなんですよね。
最後に二人が結ばれるシーンがクライマックスですが、私は、それよりも、柳沢吉保と綱吉のシーンが良かったです。
右衛門佐によって、真の愛に目覚めた綱吉は、父親の桂昌院と、腹心の吉保に初めて反抗して、右衛門佐の元へ走って行きます。
そこに立ちはだかる吉保。
「私だけの上様だったのに」「私のものにならないならいっそ・・・・・」と言わんばかりに、吉保は、綱吉を殺そうとするけど、結局できないんです。
綱吉は、そんな吉保を罰するでもなく「長い間ご苦労だった」と、捨て置いて右衛門佐の元へと去ってしまう・・・・・。
残された吉保の気持ちがよくわかります。私が吉保だったら「いっそ殺して欲しかった」と思います(^^;
そして、吉保に感情移入する自分が気持ち悪いです(笑)。
あと、綱吉に世継ぎができないのが、桂昌院のカルマのように扱われているのも面白いです。
原作だと、右衛門佐の秋山も、かなりドロドロしているみたいですね。映画では、ただの語り役でしたから。
原作が気になるけど、原作の絵があんまり好きじゃないんだよね(^^;