2013年 06月 15日
「無功徳」 玄侑宗久 著 海竜社
仏教では、自分の行いの結果が他人にもたらされることを「利益(りやく)」、自分自身にもたらされることを「功徳(くどく)」と呼んで区別しているそうです。
ところが、英語の「profit」の訳語に「利益(りえき)」が当てられました。
これだと「誰かの損が自分の得」のような、全然違う意味になってしまいます(^^;
現代人は、功徳ばかり求め、「無功徳」ということになかなか耐えられません。
私は、誰かから「ありがとう」と言われたことは、なるべく早く忘れようと思っています。
そのクセを付けていれば、誰かへの憎しみも、すぐに忘れられるかと思いまして。
でも、なかなか難しいものですね(^^;
ちなみに
「してやった、やってやった、やったやったで地獄行き」
という言葉があるそうです(笑)。
この本の「できるけどしないたしなみ」のエッセイを読んで、ショックを受けました。
できるんだからしてしまおう、という態度は、我が身という自然を経営する観点から見れば、非常に「だらしない」ものだ。もらえるものはもらっておこう、というのと大差ないのである。
「できることはなんでもする」
って、イイことだと思っていましたが、仏教的に見ると、強欲であさましい行為だったんですね・・・・・。