2013年 12月 23日
シス・カンパニー公演「声」 三谷幸喜 演出 鈴木京香 出演@スパイラルホール
セリフが全編、電話の受話器の向こうの相手に話しかけるようになっています。
でも・・・・・。
戯曲で描かれている女性のキャラと、鈴木京香のイメージが合ってないんだもん。
戯曲の女性は、もっとスレてるイメージなんだよね。
それこそ、ジャン・コクトーの時代のシャンソンに出てくるような。
本質的には、か弱くてピュアな女性が、酒飲みまくって、薬ヤリまくって、男とヤリまくって。
「行かないでっっ!別れるんなら死んでやるっ!!」
って、必死でしがみつくような。
でも、鈴木京香って、清く正しく強い感じだし、フラれても見苦しいことしなさそうだし、そもそもこんな貪るような恋愛しなさそうだし(笑)。
別れた男と話している時、セリフから考えると、もっと、感情の起伏が激しいと思うんだよね。
なんか、ずーっと頭頂から声出してて。
切迫して壊れそうな心理状態で、そんな余裕ないってば(^^;
彼女の芝居が、全然、私の身体に入ってこなくて。
ずーっとウトウトしちゃいました。
ただ一つ良かったのは、鈴木京香の脚線美が拝めたこと。
ベッドの上でスーッと脚を上げた時、思わず目が覚めました(笑)。
先日NHKの朝のニュースのなかで、このお芝居のことを京香さんにインタビューしたものを流していました。
NHKは京香さん、お好きですものね。
舞台稽古シーンを見ただけですが、綺麗なお芝居だなあと思ったのでした。
本当は、そういう設定ではないのですね。
ということは、三谷さんの思惑がずれたということかしら?
そうなんです。usakoさまの仰るとおり「キレイな芝居」でしたよ。
でも、脚本を書いたジャン・コクトー曰く「心から血を流している女性」には見えませんでした。
ネグリジェ姿の女性が自室で、別れた男性に「切らないで!死んでやる」と電話越しで叫びながら、どうしてキレイでいられましょうか。
髪振り乱して、転がり回って地団駄踏んで、煙草スパスパ吸って、乱れ切るのが渇愛ってやつではないでしょうか。
恋愛って理性でやるもんじゃない、自意識が残っていたらウソ。
観ながらイライラしてしまったのでした(^^;