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「イスラームの息吹の中で」 中田香織 著 泰流選書

著者は、イスラム法学者の中田考先生の奥様。
エジプトでのホームステイ生活やサウジアラビアのハッジ(メッカ巡礼)、夫の中田先生のことなどが書かれていて興味深かったです。

イスラームの息吹の中で (泰流選書)

中田 香織 / 泰流社


中田さんは、元々、フランス文学を勉強していてフランスに渡り、そこで、イスラム教に魅せられ、入信したそうです。
その後、エジプトでホームステイをしながらアラビア語とコーランを学んでいます。

イスラム教徒の女性は、同じイスラム教徒の男性としか結婚できません。
エジプト人男性と結婚し、日本で布教活動をしようと考えていましたが、なかなかうまくいかず。
そんな時、エジプトでの良き相談相手だった中田考先生に「打診」して、最終的に結婚されたのだとか。

読んでいると、アッラーとイスラム教に対する、中田さんの尊敬の念と深い感動が伝わってきます。

コーランの美しいアラビア語の詩。
人々の生活の中に息づく宗教的な儀礼。
一つ一つ語る言葉に愛があります。

イスラム教徒の女性のアバーヤは、西洋諸国からすると「抑圧の印」ととらえられますが、中田さんには、アバーヤで夫と歩いていると、
「女主人が従者を引き連れているよう」
な優越感を抱くのだそうです。

逆に、露出の高い日本女性がはしたなく思えるようです。
このことは、長く中東に滞在している私の友達も同じように言っていて、
「水着の広告が電車内に多くて目のやり場に困る」
んだとか。

中田さんは、旦那さんの中田先生と同じく「改宗ムスリム」ですが、やはり、お二人とも、イスラム教を芯からとらえようとしている点が似ていらっしゃると感じました。
by june_h | 2015-12-13 22:25 | 本 読書 書評 | Trackback | Comments(0)