人気ブログランキング | 話題のタグを見る

四月大歌舞伎『実盛物語』@歌舞伎座

■源平布引滝 実盛物語

斎藤実盛:片岡仁左衛門
瀬尾十郎:坂東彌十郎
太郎吉:片岡千之助

実盛役の仁左衛門、太郎吉役の千之助。おじいちゃまとお孫さんの共演です。そんなわけで、話のスジより、この2人の関係性ばかり気になってしまいました(^_^;)

仁左衛門は千之助君の敵役。「かかさんのカタキ!」と言って立ち向かってくる千之助君を「坊はまだ小さいから、大きくなったら仇を取りに会いにおいで」と優しくいなします。そして千之助君の頭を撫でたり、鼻を拭いたり、馬に乗せてあげたり。舞台で堂々と孫をかわいがれるってイイですね。これがホントの役得?(笑)
花形の役者だけではなく、その役者の家族で共演して、家族ごと応援してもらう。歌舞伎ならではだと思います。

一方、ストーリーの方もなかなかオモシロかった。いかにも悪役な瀬尾が、娘を棄てた罪滅ぼしと彼女の息子である孫への愛情から、わざと孫の手にかかって息絶えます。「孫よ孫よ」と叫びながらばったり後ろに倒れる瀬尾に、泣いちゃいました。でもその後、暗幕の中でムックリ起き上がるとこ見えちゃったんですけど(笑)。

歌舞伎ではよく、話を盛り上げるために「実は敵同士の二人は親子だった」とか「愛し合う二人は兄弟だった」とかいう設定がありますが、あんまりやりすぎるとアザトイな、と、かえって私は興ざめしてしまうのです。でも、この瀬尾と太郎吉の場合は良かったですね。悪役瀬尾のピュアな心が引き立てられていました。

それにしても千之助君は良いですね~。実盛にも瀬尾にもそのほかの人にも、かわいがられまくりでした(笑)。
Commented by rudolf2006 at 2007-04-11 03:47 x
june_hさま お早うございます

コメントありがとうございます。
仁左右衛門さんの実盛ですか、良いですね~ 孫と出るのは、歌舞伎の役者にとって、本当に嬉しいみたいですね~。
松嶋屋は幸福者ですよね、60歳くらいで孫がいて、一緒に舞台が勤められるんですから。私の大好きな、二代目の鴈治郎はんは、「ワイも孫の手を引いて出たいんやけど」が口癖やったみたいです。

弥十郎さん、良い役者さんでしょ?器用なんで、どんな役でも回ってくるし、それを立派にこなすんでね、若いときから観ていますが、本当に良い役者さんになったですね、お兄さんの吉弥さんはもう亡くなられたし、お父さんの坂東幸太郎さんは、もう何十年も前に亡くなっておられるんですよ。自分の力だけでここまでになったのは、本当に立派です~。

ミ(`w´彡)
Commented by june_h at 2007-04-12 20:43
rudolf2006さま、毎度コメントありがとうございます!
弥十郎さんの瀬尾は本当に良かったです。魅力ある悪役でした。
rudolf2006さまは、本当に詳しいんですね。私はまだ歌舞伎を知ったばかりなので、吉右衛門とか勘三郎とか、歌舞伎以外でもドラマなどで活躍している有名な役者さんを追いかけるので精一杯なんです。これからもっと勉強したいと思います。演目も役者も一生かけてもあまりあるくらいなので、これからが楽しみです♪
歌舞伎役者さんは、御曹司のイメージがありますが、早くにお父様が亡くなると、後ろ盾がなくなるから、ご苦労されるようですね。やっぱり、いい役者になるかどうかは、ご本人の努力なんですねー。
by june_h | 2007-04-10 20:27 | 歌舞伎 鑑賞 | Trackback | Comments(2)