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渋谷・コクーン歌舞伎『夏祭浪花鑑』@シアターコクーン

中二階の席で、ぼんやり開演を待っていると、
「今日は暑いですねぇ」
と後ろから声がした。振り返ると、法被姿の男性が・・・・・あれ?

中村勘太郎じゃんっ!!

驚いた周囲のお客さんたちが、次々と握手を求め、私もつられて手を差し出す。
「いやぁ、大人気だなぁ」とまるでヒトゴトのようにつぶやきながら、求めに応じる勘太郎。
「今日の地震、すごかったですよねぇ。去年ここで『三人吉三』をやったときも、近くのスパが爆発したでしょう。そのときここ、揺れましたもん。ベルリンでは劇場燃えましたしね。「夏祭」には、こういう威力があるんですよね」
と、フツーに世間話をしたあと、舞台の世界に戻って行きました。

私は隣の席の女性と「すごいですねっ!握手しちゃいましたねっ!!しゃべっちゃいましたねっ!!」
二人で興奮してキャアキャア。開演後もしばらく芝居に集中できませんでした(^^;

祭は、生者と死者が溶け合うイベント。
役者と客が触れ合う、粋な「祭」でございます。


■団七九郎兵衛:中村勘三郎
登場するだけで大きな拍手が起こる千両役者。
彼に対する拍手は、舞台上の演技だけでなく、常に挑戦し続ける精神とか、プロデュース力とか、お客さんを喜ばせるサービス精神とか、人柄とか、全部ひっくるめてなんだと思います。

見せ場の殺しのシーン。
次第に近づいてくるだんじりのリズムは、まるで、団七の極度の興奮状態を表しているかのよう。震える手で、刀と体についた血を洗い流そうと、井戸の水をザーっとかぶった瞬間、深い業も背負ってしまったことが感じられてゾッとしました。


■一寸徳兵衛:中村橋之助
団七の女房を口説くシーン、わかっちゃいるけどドキドキしました(^^;


■徳兵衛女房お辰:中村勘太郎
勘三郎によく似た声だなぁと思いながらオペラグラスを覗いたら、勘太郎でした(^^;
女形の勘太郎ってあんまり見たことなかったから、彼だとは思いませんでした。それにしても、襟元からのぞく首筋がゴツい(笑)。

ラスト、団七捕物シーンでは、追手の一人だったんですが、勘三郎と膝をガンガン使った立ち回りを披露。お客は沸いたけど、膝が悪いのに大丈夫なのかしら・・・・・と、ヒヤヒヤしながら見てました。


■傾城琴浦:中村七之助
相変わらず、声も姿も可愛らしい(*^_^*)
後半はお辰を演じるようですが、前半で良かった♪


■三河屋義平次:笹野高史
憎たらしい舅を見事に演じていました!団七に尻を向けて挑発するシーンは本当、文楽人形そのまんま。
殺しのシーンでは、泥の池に沈められ、ドロドロになって花道をのたうち回って奮闘!本当の泥が使われてたんですが、そこまでリアルにしなくてもいいのに・・・・・一階座敷席の人達が「こっち来ないで~」って緊張しているのがわかりましたね(笑)。着物姿のお客さん、大丈夫だったかしらん。


■釣船三婦:坂東彌十郎
いつも数珠を身につけていて、情に熱い三婦。私、この三婦が好きなんです。
彼がいるのに、悲劇を止められないのは悲しいと、いつも思います。そんな三婦を彌十郎さん、すばらしく演じていました。


■玉島磯之丞:中村芝のぶ
スッゴくカワイイ若旦那(*^_^*)小さくて、丸顔で、声が高くて、ほんとに女性が若旦那を演じているようでした♪


P.S.
上方が舞台の演目ということで、食い倒れ人形が出張お出迎え。
渋谷・コクーン歌舞伎『夏祭浪花鑑』@シアターコクーン_d0108969_20495378.jpg
Commented by oomimi_usako at 2008-06-17 22:20
juneさまは、こちらにお出ましでしたか。そういえば、昨年のあの事故の時、一時楽屋に入れずに焦ったと、どなたかがインタビューに答えていらしたのを思い出しました。
それにしても素敵なサプライズでしたね~うふふお気持ちよおくわかりますわ♪♪
Commented by june_h at 2008-06-18 20:23
usakoさまこんばんわ!私は驚きのあまり、勘太郎さんがしゃべっているのをほとんど聞くばかりで、私の隣の女性がほとんど受け答えなさってたんですよね。確かに、客席を役者さんたちがウロウロしているな~とは思っていたんですが、まさか二階にまでお出ましとは。どきどき。
by june_h | 2008-06-17 20:56 | 歌舞伎 鑑賞 | Trackback | Comments(2)