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「死体が語る歴史-古病理学が明かす世界-」 フィリップ・シャルリエ 著 河出書房新社

フランス人が書いた古病理学の本。古病理学とは、遺跡や古い墓から発掘された遺体や記録から、当時の人の病気や生活習慣を調べる学問です。

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でも、大抵は骨しか残っていないので、水頭症とか関節炎とか、骨の病気はわかるけど、肉や内臓の病気は、記録に頼るしかないらしい。そういう意味で言うと、エジプトのミイラは、肉もちゃんと残っているので、研究材料としてはもってこいのようです。

近世に入って解剖が盛んになると、検体を求めて、死体売りが横行したり、墓荒らしが続出したり、挙句の果ては、自分の亡くなった息子を解剖したり・・・・・。
しまいには、墓場で死体の奪い合いが起こり、殺人事件まで発生!・・・・・これがホントの「ミイラ取りがミイラになった」・・・・・ってシャレてる場合では無いですが、いま流行りの「おくりびと」の納棺師が聞いたらどう思うでしょう。

それにしても、中世ヨーロッパって、残っている街並みや美術品はキレイですけど、残っていないものはキレイじゃない(^^;
皆、お風呂に入らなかったし、トイレもなかったし。衛生面とか臭いとか、あんまし想像したくない(^。^;

肖像画で美しく気取っている貴婦人達も、多くは寄生虫症に悩まされていたそうです(^^;
フランス国王の愛妾の遺体から水銀が検出されたときも「毒殺か!?」と騒がれたのですが、どうも寄生虫の治療で、薬として飲んでいたものらしい(^^;;;

今は、衛生面に気を遣い過ぎて、アレルギーだのアトピーだのが多いですが、なかなか人間、病気とは縁が切れないようで・・・・・。


ホメオパシー的P.S.
古代ギリシャ・ローマの記録を分析すると、ハンセン病の衰退期と結核の繁栄期は一致するそうです。ソーラは元々、疥癬じゃなくてハンセン病だったこと、結核マヤズムはソーラマヤズムから生まれたって言われているから、何か関係があるかも!?

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by june_h | 2009-03-21 20:43 | 本 読書 書評 | Trackback | Comments(0)