2018年 01月 13日 ( 1 )

「武士の家計簿」の磯田さんによる、江戸初期の殿様評です。


浅野内匠頭は、松の廊下での刃傷沙汰を起こさなくても、いずれ取り潰されていただろうとか、大石内蔵助は、赤穂浪士として活躍しなければ評判が悪かっただろうとか。
古文書を紐解けば、美談の裏に隠れていた人間らしさが、いろいろと出てくるものです。

興味深かったのは、前田利家の息子の利常。
磯田さんも、かなりのページを割いているだけあって、とても不思議な方です。

前田家は外様大名の最大勢力だったため、常に幕府から睨まれている存在でした。
徳川家から迎えた正室とその取り巻きは、幕府からの間者。
しかし、利常は正室ととても仲が良かったのです。

そんな二人を見かねた乳母が、二人の仲を引き裂き、正室は衰弱死。
怒った利常は、乳母を「蛇責め」にして殺してしまったという・・・・・。

他にも、家康を精神的に天下人に導いた本多作左衛門などなど。

戦国末期から元禄にかけて、大きく変化した世の中。
各大名家では、戦乱期を生き抜いた質実剛健の父親と、生まれた時から平和な世の中で「歌舞音曲と恋愛にしか興味のない」息子との間で、お互い理解し合えないという親子問題が噴出していたようです(^^;

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by june_h | 2018-01-13 17:42 | 本 読書 書評 | Trackback | Comments(0)